「セルフパブリッシング」と出版の間
JEPAの主催した電子出版セミナー「EPUB25セルフパブリッシング狂時代」には残念ながら参加できなかったが、「セルフ」についての関心が高まっていることは感じ取れた。しかしいまだ訳語に躊躇している様子が気になる。カナ文字を使うのは、日本語に存在しない異質な概念として扱っているかのようだ。異質か否か?ここではあまり語られていない側面から述べてみたい。これは、出版の原点を確認しつつ再定義するシステムでありサービスなのだ。 続きを読む
和本論からE-Bookへ(6):Gのブラックホール
Humanities(人文学)は、古典古代からの伝統ある学問分野なのだが、科学主義の波に乗って社会科学が「分離独立」して以降、生彩を失って久しい。社会に次いで人間まで「科学」として分離されてしまっては、文献以外に頼りとするものがなくなり、読者も減って、かつての諸学の王たちも見る影もなくなった。電子人文学 (Digital Humanities)はその限界を打ち破り、さらに公共電子人文学とすることで社会性を獲得することを目指すという。ではそれは本や出版とどんな関係にあるのだろうか。 続きを読む
(Digital) Self Revealing and Experimenting on the Web.
On the topic (Digital) Self Revealing you can watch a video of a lecture I gave in Frankfurt.
If you are interstd in the topic Experimenting on the Web: Understanding Web user navigation behavior and retaining users, you watch a video of Dr. Nikolaos Korfiatis.
RVZ
「自主出版ガイド」ページ新設にあたって
本フォーラムやMagazineの記事を通じて、英語圏での自主出版の動向についてはかなりの情報をお届けしてきましたが、日本でも欧米並みの自主出版を行うプラットフォームが整ったので、自主出版者を支援する情報提供を継続的に行っていきたいと考えて、専用のページを開設することにしました。自主出版はデジタル時代の出版の基本である、と私たちは考えています。簡単ですが、出版の持つ課題と自ら取り組むことで、多くのことが見えてきます。その意味で、出版のプロにも参考になることは多いと思います。(鎌田) 続きを読む
コンテンツとテクノロジー:(6)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(2)
デジタルはアナログ(実世界)を経済的に模倣し、再現するものだ。実世界には問題を理解する達人とそれに準じた職人がおり、解決を与える。他方でデジタルは、問題が言語(数学的形式)として与えられさえすれば、忠実に実行する。場に応じる達人の智の言語化は難しい。中途半端なら手間が増え、完璧に噛み合えば職人の仕事はなくなる。アナログは深め、デジタルは追いかける。終わりがないのがいい。(編集子解題)
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DISCUSSION
和本論からE-Bookへ(6):Gのブラックホール
2013/04/02
Humanities(人文学)は、古典古代からの伝統ある学問分野なのだが、科学主義の波に乗って社会科学が「分離独立」して以降、生彩を失って久しい。社会に次いで人間まで「科学」として分離されてしまっては、文献以外に頼りとするものがなくなり、読者も減って、かつての諸学の王たちも見る影もなくなった。電子人文学 (Digital Humanities)はその限界を打ち破り、さらに公共電子人文学とすることで社会性を獲得することを目指すという。ではそれは本や出版とどんな関係にあるのだろうか。 [続きを読む...]
和本論からE-Bookへ(5):学術版と公共的読書空間
2013/03/25
小林(龍生)さんの困ったところは ―もちろん最大の長所なのだが― 面白いネタと手掛かりを人の前に投げ出し、こちらがとびつくと、すぐまた別のものを目の前にちらつかせるところだ。来月号の入稿が迫っている時に、一刻も待てない別のアイデアを持ってこられる。漫談にはあまりに惜しく、こちらは何か成果をモノにしないといけないと思うから、メモリもCPUもOSも旧式な頭にウィンドウが次々に開いて困惑するほかない。今回はほとほと参った。せめて記憶が鮮明なうちに、「実感と断定」という最も素朴な方法で印象をメモしておきたい。 [続きを読む...]
CONCEPT SHEET
書評:出版未来派のデジタル革命宣言
2013/03/30
「本の未来」について、この数年さまざまに語られている。いやコンピュータが登場して数十年、語られ続けてきた。うんざりだろう。しかし、幸いにも本書は「本の未来」を語ったものではない。著者たちは実践的立場からこの「未来」に関わってきており、本書は、出版という場で「未来」を現在として創ってきたテクノロジストのマニフェストだからだ。多くはE-Book2.0 Magazineでおなじみの顔ぶれだ。ということで、情報は非常に豊富で、筆者にとっては斜め読みにするわけにはいかない。(ヒュー・マクガイア、ブライアン・オレアリ編著『マニフェスト-本の未来』、ボイジャー刊、2013年2月) [続きを読む...]
DATABASE
ビッグデータとクラウド:アマゾンCTOに聞く
2011/11/06 1 Comment
Digital Europeのロベルト・ジカーリ編集長は、さきごろアマゾンのCTO兼副社長、ヴェルナー・フォーゲルス博士 (Werner Vogels, Ph.D.)とインタビューを行い、オブジェクトデータベース技術専門ブログ、ODBMS.orgに掲載した(11/2)。IT関係者のための記事だが、アマゾンの技術がどのような性質のもので、どこへ向かおうとしているかを語っている。これは非技術者にとっても、デジタルメディア・ビジネスとそれを支えるテクノロジーを考える上でも重要なもので、あえて掲載することにした。解説が必要だと思うのでこれは稿を改める。(鎌田) [続きを読む...]
BOOK INDUSTRIES
出版市場の再構築に向けて (1) インフラ
2012/11/25 Leave a Comment
マーケティングとは市場の創造・構築・維持・発展に関わる活動を意味する。市場の枠組は不動と考えられているので、通常はその前提で商品を企画し、顧客を発見し、宣伝・販売する活動と考えられている。しかし、インターネットによって市場の枠組は根本的に変わった。しかもそれは安定に向かうことなく変化を続けている。だから、まず問題とすべきなのは枠組であって道具ではない。何が「本」であるかを知らなければ市場は見えてこない。(連載1) [続きを読む]
米国式ブック・マーケティング「十戒」
2012/10/11 Leave a Comment
欧米人は何事につけルールを考え、それを「十戒」にまとめて共有することを好む。Wild Fire Marketingのロブ・イーガー氏 (Rob Eager) は最近、Digital Book Worldに「ブック・マーケティング十戒」という記事を書いていたので紹介しておきたい。日本から見て、すぐに腑に落ちるところと落ちないところがあると思うが、とりあえず米国の出版カンファレンスで語られているところを確認しておくだけでも無駄ではないと思う。 [続きを読む]
著者・出版社・読者の新しい関係を考える
2012/10/01
暑い夏の間が中断していましたが、10月3日にオープン・パブリッシング・フォーラム(電子出版再構築研究会)を再開します(第1期第2回)。で、タイミングよく、いきなり大原ケイさんとのトーク・セッションとなりました。「著者・出版社・読者の新しい関係を米国の事例から考察する」という表題で、大原さんからいろいろ面白そうなお話を伺いながら、皆さんと議論ができればと期待しています。ここでは、企画趣旨と「目標」をご説明しておきます。(鎌田敬白) [続きを読む]
出版マーケティング再考(3):価値評価システム
2012/08/15 Leave a Comment
出版が「マーケティング」を考えなくて済んだ時代は終わった、ということを縷々述べてきたのだが、専売商人でもない出版社が、リスクの高い情報商品を売る、というビジネスモデルが、マーケティングもなしに成立してこれた根拠は、もう少し厳密に考えるべきテーマだと思う。業界関係者にとっては、あまりに自明な(のでたぶん考えたこともない)のだろうが、あと10年もすればたぶん、そんな薄氷を踏むようなビジネスモデルじたいが信じられないことになるだろうから。 [続きを読む]
IPR/COPYRIGHT
出版の「著作隣接権」を考える(1):権利と利権
2013/01/22 Leave a Comment
「著作隣接権」を出版に適用する動きについて、そろそろ外国人に説明する必要が出てきたのだが、もちろん一筋縄でいく問題ではない。そこで様々な角度から論点を整理してみようということで書き始めたのが、このノート。筆者なりの結論は最後に述べたいと思うが、この種の権利を論ずる場合には、(1)国際性、普遍性、(2)技術的合理性、(3)著作権との整合性、(4)実効性(コスト/効果)、(5)ステークホルダーのコンセンサス、で評価すべきだと考えている。(鎌田) [続きを読む...]
KOBYSH BLOG
コンテンツとテクノロジー:(6)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(2)
2012/08/17
デジタルはアナログ(実世界)を経済的に模倣し、再現するものだ。実世界には問題を理解する達人とそれに準じた職人がおり、解決を与える。他方でデジタルは、問題が言語(数学的形式)として与えられさえすれば、忠実に実行する。場に応じる達人の智の言語化は難しい。中途半端なら手間が増え、完璧に噛み合えば職人の仕事はなくなる。アナログは深め、デジタルは追いかける。終わりがないのがいい。(編集子解題)
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コンテンツとテクノロジーの対話:(5)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(1)
2012/06/03
要求が定義され、機能の仕様が合意され、標準が出来る。その後に実装製品が出てくるのだが、ソフトウェア標準の開発者がまず覚悟しなければならないのは、標準化に対価は得られず、よい標準であれるほど、その機能はデフォルトとなり、早晩商品価値を失うということだ。人類に火をもたらしたプロメーテウスの運命。EPUB 3の日本語組版をわれわれはどう生かすべきなのか。海外に出て行くか、日本に入ってくるのを待つか。時間はそうない。(編集子解題) [続きを読む]
DOCUMENTATION
オープン・パブリッシングのビジョン:(番外) 知の銀河系を開放する
2012/06/24 Leave a Comment
オープン・パブリッシングは、従来の本の電子化をはるかに超えた、知識情報コミュニケーションにおける革命に対応するコンセプトだ。この革命はとうに進行している。ビジネスと社会の対応が遅れているだけだ。グーテンベルクの印刷術は、間もなく世界に伝えられたが、イスラム世界や中国・インドなどの古代文明の地はこれを無視し、日本も同様だった。遅れていた西欧、新興国のアメリカに抜かれた大きな理由だ。 [続きを読む]
出版コンテンツ論 (3):サービス指向E-Book
2011/12/12 Leave a Comment
昨日の記事に多くのアクセスとコメントをいただいた。次回以降で、コンテンツ自体のソシアビリティを実現するモデルと出版社/編集者の仕事について考えていきたい。問題の組立て方が間違っていなければ答は見つかるはずだ、というのが筆者の信念でチャレンジしているが、ご協力いただければ幸い。そこで分かりやすくなるように図で表現してみた。本サイトが目指す “E-Book 2.0”の性格を「サービス指向E-Book」あるいはBook as a Service (BaaS)と呼ぼうと考えている。 [続きを読む]
EPUB3 Commentary
EPUB戦記(9):市場の要求とタイムリミット
2011/12/07 Leave a Comment
前回述べたように、コンソーシアムの標準は「市場」の動き出すのを待たず、その1年以上前から(ニーズが把握できた時点で)着手されるものだ。遅すぎれば市場に出てくる製品やサービスに無視され、早すぎれば技術的環境が変わってしまうリスクが増す。EPUB3の活動が集中した2010年は、市場が動き始めており、アマゾンばかりが目立っていた2009年までとは状況が一変していた。E-Bookの標準フォーマットは重要な意味を持つようになった。 [続きを読む...]
EPUB戦記(8):標準というゲームのルール
2011/12/05 Leave a Comment
筆者はOMGという国際標準化団体に関わっていたので、そこでの活動の表と裏を見る機会があり、多くを学ぶことが出来た。いちばん感銘を受けたことは、激論やごり押しや根回しといった(どこにでも見られる)風景だけではない、高い知性と公徳心を持つ人々の理性的な議論と、稀にしかお目にかかれない民主主義というものだった。そこでは言葉の壁などは、あまり問題にならない。ちゃんとした技術を持ち、目標を共有している限り、味方はつくれるのである。そうした意味では戦いは「日本対世界」といったものでは絶対にない。 [続きを読む...]
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