「青空キンドル」が日本語コンテンツに風穴

Kindle2_On_Bookフリーの電子図書館「青空文庫」のコンテンツをKindle可読形式(=PDF)に変換するWebサービスがスタートした。iPhone用青空文庫リーダー「SkyBook」の開発者、高山恭介氏が開発、「青空キンドル(仮)[Beta]」として公開したもの。青空文庫をPDFに変換するスクリプトは齋藤修三郎氏が開発しており、日本語フォントは、IPA明朝フォントをベースで、Kindle向けにカスタマイズした。

青空文庫は、現在500人の作家の8,500点以上の作品を提供している。つまり1万点近くのフリーコンテンツがKindleで利用可能になったことを意味する。Kindleの「日本語 (表示)版」はまだ存在しない。つまりアマゾンとしては日本語タイトルの販売を公式には打ち出していないが、これがアマゾンによる日本語版導入の決定に影響を与えることが期待される。日本語版「開発」じたいはたいしてコストもかからない。出版社との関係を軸としたビジネスモデルが定まらないというだけだ。コンテンツもあり、読者=市場も存在し、ツールも登場した。この状態が続くことはないと信じたい。

Kindleも立派な(あるいは所詮は)コンピュータなので、現在でも日本語で使うことは可能だ。日本語PDF表示が可能なので、PDFにすればいい。このPDF変換サービスあるいはPDFファイルを有償で販売する方法を工夫すれば(あるいはアドビのDRMを使い)、アマゾンを迂回してKindleを使った商売が可能だろう。また、画像データでよければスキャンしてKindleフォーマットのデータにすることもできる。これならKindle Storeで商売もできる。もちろんKindleでなくても、ソニーReaderでも悪くない。

青空文庫の著作権切れコンテンツは無償・複製自由だが、むしろ商用利用(有償化)する際のルールをつくるべきだろう。そうすれば、コンテンツの電子化や付加価値提供が促進されるからだ。著作権切れのコンテンツを販売するのは(取次を利用しない限り)出版社の特権ではない。それに著作権切れでない(が経済価値を生んでいない)コンテンツの利用ルールについて早急に合意すべきだ。

日本は1500年余りの文字文化の歴史があり、膨大な作品、著作が生まれてきた。それらは肥沃な大地のようなもので日本の文化的基盤をなしている。そのうちで著作権の対象となるのは、活字文化が生まれてからの一部であり、現行の出版業界の中で経済的に意味を持っているのは、ほんのひと握りにすぎないのだ。非合理的な理由で電子的な利用を制限するものがあれば、それは文化の敵と言うしかない。(12/11/2009)

参考記事

「Kindleで『青空文庫』を読もう サポーターが自動変換サービスを公開」、WIRED VISION、12/08/2009

参考

てふてふ君 ― 青空蝶々プロジェクト

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