出版社ハーストのSkiffやアップル iSlate、Google Androidなど、“Kindle以後”のプラットフォームを目ざす動きが加速するなかで、アマゾンは1月20日、アクティブコンテンツを開発・アップロードし、Kindleストアで販売できるようにするための Kindle Development Kit を開発者に提供する意向を表明した。これはAPI (プログラミング・インタフェース)とツール、それにドキュメンテーションをセットにしたもの。来月には限定ベータ版をリリースする。
ついに重い腰を上げた
リリースでは、エレクトロニックアーツ社のモバイルゲーム部門の責任者がKindle向けゲームの開発意向を表明しているが、GigaOM のマリク氏 (Om Malik) は、カラー化してスピードアップでもしない限りゲームのプラットフォームには適さない、と疑問を呈する(もっともカラーとスピードだけがゲームの命ではないのも確かで、クロスワード・パズルなどはKindle向きだろう)。マリク氏はゲームなどでなく、「コンテンツにフォーカスしたアプリケーション」が開発されることを推測している。アマゾンのベゾス会長は最近のインタビューで、Kindleが本だけでなく様々なメディアでの利用に拡張可能であることを強調したという。明らかにアップル (多目的端末)を脅威と見ている。
プラットフォームが成功するかどうかは市場での普及にかかっている。Kindleはどれだけ先行のリードを広げられたろう。アマゾンはなお数字を公表していない。フォレスターリサーチの推定では、2009年のE-Readerの販売数はざっと300万台 (内訳不明)。アマゾンの売上は3.1億ドルで、2012には20億ドル、と見積もられている。少しでも出荷を増やそうと、アマゾンは「返金保証」キャンペーンまで行っている。 (01/21/2010)
追加:これまでのところ、ネットビジネスのアナリストからはクールな反応が多い。TechCrunchのエリック・ショーンフェルドは、ほんとうにオープンにしたいなら、Kindleハードウェアにこだわらず、複数のデバイスをサポートする必要があると指摘している。アマゾンもそこまでは考えていると思うが、次の段階だろう。それがいつ、どういう状態で移行するかが問題。
日本のメディアは「ゲームだな」と短絡する可能性が大。ダイナミック(アクティブ)コンテンツはこれからのE-Bookには欠かせないものとなる。「「E-Bookの拡張」についての記事も読んでいただくとそのへんの背景が理解できると思う。
追加2:文中の「返金保証」というのは、返品不要ということで「Kindleは持っていたければどうぞ」という型破りなもの。ただし1月25日まで。アップル・イベントの前までというのがニクい。
参照情報
Hey Developers, Amazon Has Turned Kindle Into a Platform, by Om Malik, GigaOM, 1/20/2010
Amazon Announces Kindle Development Kit–Software Developers Can Now Build Active Content for Kindle, Press Release, Amazon.com, 1/21/2010
Kindle Apps, Seriously? Is Apple Supposed To Be Scared of E-Ink Sudoku?, by Erick Schonfeld, TechCrunch 1/20/2010
「電子書籍端末 Kindle 用のゲームも開発できる? 米AmazonがKindle Development Kitを発表」、hon.jp DayWatch、1/21/2010
Amazon Promotion Tempts Book Lovers With Free Kindles, by Jason Kincaid, TechCrunch, 1/20/2010
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