E-Reader 2.0:COPIAがなぜ「Kindleキラー」か?
2010年 1月 20日
本サイトと「2.0」についての考えを共有する「意力ブログ」の立入氏が、DMC Worldwide (NY)が“ソーシャルe-reading”を掲げて登場したCOPIAを紹介している。新世代の本を知的コミュニケーションのメディアとして捉える立場から、「ソーシャルネットワーキング」を重要な機能と考えているが、それは読書とコミュニケーションが一貫した環境として構築され、ユーザー体験として実現されて初めて意味を持つ。最初のチャレンジが出てきて嬉しい。
記事リンク
「中国が世界最大の電子ブック市場に、そしてCOPIAが登場」、by 立入勝義、意力ブログ、1/12/2010
ソーシャルリーディング時代のプラットフォームを目ざすCOPIA
「私たちは単純にフォーマットを変えるだけでなく、読書体験全体を書き換えようとしているのです」とCOPIAのサイトは謳い、「読書、学習、共有のすべてを一つの環境で提供する世界初のソーシャルリーディング体験」を提供することを約束している。ここで「体験 (experience)」というのは、もちろん user experience (UX)のことで、アップルの iPhone/iPod 、あるいはスターバックスのように、ハード/ソフト/サービス/コンテンツを一貫させた環境として提供するモデルと技術を意味する。では「ソーシャル」とは何か。ごくごく手短に言うと、「読む」ということのコンテクスト (意味) を構成する要素(見つける、知る、聞く、共有する…)をSNSとして提供するということだ。
人が何かを読むのは「意味」があるからであり、人はそれを共有したいと考えて Twitterを飛ばしたり、ブログに書いたりする。ブログで人気があるのは読書家であることを自他共に許す一部の人間であり、多く読まれるの記事も書評だ。本を読まずにアルファブロガーになるのは難しだろうというくらい。「読書」体験はネットを通じて流出し、出版市場にも影響を与えている。だから「読書」とネットの神話性がきわめて高く、出版社にとってもSNSやIMSを利用すべき理由は十二分にあった。しかし、うまく使っているという例を知らない。出版社はまだ「ソーシャルWeb」の機能を使うに必要な基礎知識を欠いているし、またそれ以上に、物理的世界にある本と仮想的世界のコミュニケーションとを同期させる環境は、本の通販広告しかないからだ。
一般的にいえば、E-Book/E-Readerによって本とネットはつながった。しかし、Kindleはネットに関しては閉鎖的な環境で、書評のブログを自由にみることも出来ない。他人に感想を送ることも、著者の講演を聞いたり、話をすることも出来ない。「読書体験」はネット環境の閉鎖性によって分断されている。だから…と考えるのは自然だろう(アイデアはユーザーの「体験」から生まれる。それが考えられないと「タイトルだ」「大画面だ」「カラーだ」「ビデオだ」としかならない)。
そしてCOPIAは登場した。立入氏によれば「筆者が考えるeBook reader 2.0の視点からすると、COPIAの概念はまだまだ荒削りで、マーケティングも学生向きに偏りすぎているきらいがあるが、風穴を開けるのに貢献したことと、若者の声をフィードバックすることができるバックグラウンドを備えているという点は十分に評価できる。」として、COPIAこそ「本当のKindleキラー」であると絶賛している。このスタートアップ企業がどこまでやれるかは、もちろん未知数だが、ビジョンにおいて現在のKindle(や何ダースものE-Reader)に勝っていることは認めねばならない。中身については別の記事で取り上げたい。(鎌田、01/20/2010)








