次世代ディスプレイ・ガイド

MobileRead が E-Ink 以外の電子ペーパー (e-paper)技術を、しろうと向けに分かりやすく紹介。Kindle、Sony Reader、Nook と現在の“3大プラットフォーム”はすべてE-Ink社が開発した (現在台湾のPVIが所有)同名技術を使用している。現在の市場の90%あまりかも知れない。しかしこれで終わりと思ったら大間違い。これからE-Inkは進化し、そのライバルとなる技術が登場する。ここではMobileRead を参考に、簡単にまとめてみた。

大画面TV至上主義の日本メーカーの姿は見えず

電子ペーパーは、基本的に自然光で(バックライトなしに)見ることができる反射型ディスプレイで、消費電力が少なく、何より目にストレスを与えない。カラーとビデオ表示に難があったが、近年になってほぼ克服されつつある。電子ペーパーは読書用、ビジネス用に開発された汎用技術だったが、大手エレクトロニクスメーカーにはメリットが薄いと考えられていたようで、実用化には時間がかかり、E-Readerで初めて市場を得た。電子ペーパーもそうだが、有機ELも、“大画面TV至上主義”の日本の取組みは中途半端で、韓国・台湾勢に委ねた挙句、携帯からPCまでの小型ディスプレイ市場を明け渡してしまった。まるで「大型車にこだわって墓穴を掘ったデトロイト」のディスプレイ版だ。日本の技術者がさぼってきたわけではなく、以下のジャンルでも日本の技術は存在する。けっして遅すぎることはないと思うが、本気で製造する気があるかどうか。

EPD (Electrophoretic Display)

電子泳動式ディスプレイ。微小な球を多数埋め込んだディスプレイで、電界によって色を塗り分けられた球体を回転させることで表示を制御する。E-Ink 以後に開発が進められている技術はカラー化し、柔軟化するものだが、カラーのほうは液晶より画質が悪く、表示速度が非常に遅い。Plastic Logic社の Que Readerは、アクティブマトリクス・バックプレーンに折り曲げ可能なプラスチック・トランジスタを採用し、フロントのEPDフロントプレーンを駆動することでさらに薄く柔軟なディスプレイを可能とした。。

EWD (Electrowetting Display)

エレクトロウェッティング方式ディスプレイ。電界によって疎水性の表面の濡れ特性 (wetting property)を変えることで表示を制御する。開発する企業は少なく、その一つはLiquavista社。消費電力は少ないが、EPDと比べ、ビデオ表示可能な応答速度と高い反射率とコントラスト比を得ている。LV社の最初の製品 LiquavistaBright はまだE-Bookに採用されていないが2010年には登場する可能性がある。後継のLiquavistaColorは、CES 2010でデモが行われた。

IMOD ((Interferometric Modulation Display)

クアルコム社 (Qualcomm)のMirasol ディスプレイは IMOD (interferometric modulation=干渉計測型変調方式ディスプレイ)と呼ばれる。同社によると蝶にヒントを得た生体工学 (biomimicry)で開発されたという。今年中にE-Readerに登場すると言われる。低消費電力でカラービデオを表示可能。

非電子ペーパー系ディスプレイの代表:有機EL

他方で、最近の携帯やスマートフォン、タブレット (スレート)の多くは OEL (Organic Electro-Luminescence)=有機エレクロルミネッセンス方式を採用している。応答速度や発色性、視認性などに優れた特性があるものの、製造コストが高く、大型化や歩留まりに難があったが、しだいに課題を克服し市場を急拡大させている。ただし、韓国のLGとSamsung、台湾のRitDisplayが他を圧し、日本の影は薄い。 (鎌田、01/19/2010)

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