B&N.comが「紙+E-Book」の実験開始へ

2010年 3月 9日

Publishers Weeklyによると、Barnes & Noble.comのウィリアム・リンチ社長は3月3日、印刷本 (p-book)の購入者に電子版 (e-book) の割引購入オプションを提供する実験を2~3ヵ月にわたって行うことを明らかにした。すでにいくつかの出版社と条件を詰めているという。リンチ社長は「消費者とのコミュニケーションを切れ目ないものにするため」としている。

リンク記事

Barnes & Noble to Test Bundling e-Books, p-Books, By Jim Milliot, Publishers Weekly, 3/4/2010

もちろん直接的にはE-Bookの販売に小売店を活用するためでもあるが、地域や消費者の属性などによって、かなり細かいマーケティング・データを得ようとしているものとみられる。これらは印刷本の販売では得られないものだ。データは出版社などとも共有するのかもしれない。背景には、E-Bookの売上増加がある。これはB&Nだけではなく、出版社も同様で、いくつかの出版社では昨年の売上の中でのE-Bookのシェアが7~8%となり、2、3は10%を占めたところがあるという。またオンデマンド印刷も強力に推進しており、十分な広さのある店舗については、印刷製本機を設置する方針。テクノロジー企業の買収も「小規模」なものを計画しているという。

B&Nにとっては、.com事業こそが成長事業であり(*)、E-Bookを抑えて印刷本販売を守るという発想はとうに放棄している。しかし(今後も減少を続けるとしても)店舗の重要性は依然として残るとも考えているようだ。店舗では消費者の顔や行動をじかに見ることができるし、店舗にあるコーヒーショップと同様、多くの人にとってリアルな「読書体験」の一部となっているからだ。印刷本の購入者にE-Bookを提供するというのは、よい発想だと思う。読者にオンラインでアクセスできるようになるし、それにより様々なサービスやマーケティングの機会が広がる。できればタダにしてもらいたいが…。(03/09/2010)

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