ニュースメディアとE-Reader

米国Sony Electronics は3月10日、The Wall Street Journal、New York PostなどをReader Storeを通じてリリースすると発表した。これらはDaily EditionリーダまたはReader Libraryソフトウェアを使ってPC/Macに提供される。現在の定期刊行物は23紙誌となり、近く朝日や毎日の英語版などを加えて倍増する予定だ。

iPad以後に備える:次世代電子新聞は目前

E-Readerのシェア第2位と言われながら、E-Book市場ではあまり目立たない Sony Readerだが、数字と実感の差は、おそらくそれが少なからず ドキュメントビューワとして使われているためではないかと思われる。PDFのカタログやマニュアルを読むE-Readerへのニーズは非常に高いが、それにベストマッチなのはいまのところソニー製だからだ。そしてビジネスユーザーをターゲットにする場合、新聞や雑誌などのニュースメディア・コンテンツへの対応が重要になってくる。今回のソニーの対応は、そちらを重視した動きと考えることもできる。

もちろん、先の発表で新聞との親密さをアピールした アップルiPadへの意識もあるだろう。ReadWriteWeb (3/10)は、「E-Ink対液晶系」という視点で、ニュースメディアへの適性を比較している。同誌によれば、E-Ink陣営がアップルと差別化するには、無線接続で利用できるコンテンツを増やすのが最も有効だろうという。ソニーは1紙$14.99以下で購読を受け付けている。卸価格は不明だが、新聞にとってもベンダーにとっても悪い話ではない。しかし、新聞が読めることは間もなく一般化し、差別化要因にはならなくなる。そして iPadで提供される紙面の上で様々なアプリケーションが走るようになると、第1世代のE-Readerでは機能的に対応できなくなる。新聞が「読む」以上のサービスを付加価値として提供するようになるからである。

現在のところ、ディスプレイの差はカラー液晶か白黒E-Inkかの差でしかなく、機能的にはビデオしかないが、iPadは明らかに動画表示を超えた次のステージへの移行を推進するものとなる。新聞に読む以上の何を求めるか? それは読者が考える環境の提供である。どれだけ考える気になるかは、記事の内容と提供されるインタフェース、リンクするサービスに依存する。記事のスタイル、デザインを新たに開発する必要があるだろう。もちろん、ビデオニュース、インタビュー、生中継も組込まれるし、過去記事の高度な検索・表示(人物プロファイル、年表、用語、地図、データ等々)も必須になってくる。iPadを中心とした第2世代のE-Readerは、新しい「新聞体験」を提供することになろう。E-Readerを提供する各社は、第2世界を目前にコンテンツの取り込みと機能開発をどうじに進める必要に迫られている。

  • Reader Storeで提供されている定期刊行物はこちら

    参考記事

    Sony Brings More Newspaper and Magazine Content to its E-Readers, by Frederic Lardinois, ReadWriteWeb, 3/10/2010

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