CMS+IA (2):コンテンツの意味と価値を読み解く

6.22の第4回セミナーに関して鎌田が設定した問題に対し、清水氏からとても明晰な返信をいただいた(オリジナルはこちら)。対話的環境であるWebの世界では、過去15年あまりでユーザーと情報(コンテンツ)の関係の解析の方法論や手法が開発され、ベストプラクティスが蓄積されてきた。E-Bookは本であると同時にWeb環境の一部でもあり、出版の側では独自のCMS+IAを構築することが自立の条件となる。最も重要なことは、デジタル以前の出版社の大小の成功体験を継承して最適化することだと思われる。ぜひ出版社の方のご協力、ご参加を仰ぎたい。

鎌田様

今回はよろしくお願いいたします。

意味や価値を読むとは?

まず、デジタル以前の成功体験を踏まえた上で議論を積み重ねるため、出版社がこれまでコンテンツ・コンテクスト・読者からどのような 意味を読み取り、創造性と品質を高め、読者とのコミュニケーションをレベルアップしてきたのか、について具体的に知りたいと思っています。

Webに関しては、整理するためにダイアグラムをより具体化してみました。

コンテンツとユーザーのコンテクストを解析する

  • ユーザーのコンテクストがUX
  • コンテンツのコンテクストがIA
  • 2者間のUIがコンテクストをデータ化

UIと解析(Analytics)を追加してあります。ポイントは二つです。

1. UIのアクセスデータを解析すると、UXの理解を定量化・定常化できる

UXを定量的・定性的に理解する事で、意味そして価値を読み取る概念と手法が発達しつつあります。

定性的調査に関しては、工業製品やソフトウェアのデザインの分野で発達した手法をベースにユーザビリティアクセシビリティなどが発達しました。 エスノグラフィペルソナ・シナリオなども含みます。

一方、定量的な調査に関しては、アクセス解析の考え方やツールの普及により、導入の敷居が下がりつつあります。定性的な調査よりも継続的な計測が可 能であり、変化を機械的に監視できるため、変化にいち早く気付き、対応できるようになった、という点が重要です。

2. ユーザーとコンテンツのコンテクストも解析可能

ユーザーとコンテンツ(投票、Retweet、Facebookの「いいね!」ボタン、コメント書き込み、URLのTweetなど)、ユーザー間の関係 や影響度などを、ダイナミックでインタラクティブに解析できるようになりつつあります。3月にUSでマーケティングのイベントに参加してきましたが、この 一年は多くの企業が、このような解析に力を入れています。モバイルよりもソーシャル、TwitterよりFacebook、でした。

では、データから意味を読み取りやすくするにはどうすればいいのでしょうか?

  • コンテンツのアーキテクチャ(狭義のIA)を決める
  • コンテンツと一緒にコンテクストも保存する

コンテンツのアーキテクチャとは

話が長くなるので、具体化しておきます。

  • コンテンツを管理する単位
  • コンテンツ同士の関係性
  • コンテンツと人との関係性
  • コンテンツに関するデータ(メタデータ)

これらを定義し管理するために必要なスキルについては、「CMSとIA:デジタル時代を生き抜く情報整理術」の記事でまとめておきました。

特にコンテンツ管理で重要なのは、

  • 情報とコンテンツの区別
  • コンテンツの塊を管理するためのメタデータ
  • 構造化は程々に割り切る

情報ではないコンテンツをどの程度の流度で管理するのが現実的なのか、当日は一つの解をデモで提示したいと思います。

コンテンツのコンテクストとは

コンテンツは小さく部品化すると、単体では価値が減ります。
だからこそ、CMSの管理対象を広めに捉える必要があります。
コンテンツには、企画時、制作時、公開時、アーカイブ時、というライフサイクルに応じたコンテクストがあります。これらも管理対象にすることで、再活用の 障壁が減ると考えています。
ただし、部品単体の管理の効率は下がるかもしれません。

こちらも、当日はProof-of-Conceptを提示させていただきます。

(2010-06-02、清水)

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