
ウォルフラム氏の挙げたテクノロジー(先端というかどうかは見方による)は、知識工学やCADなど他分野にわたるもので、今日まで商業的ドキュメントやWebを制作するツールとしては使われてこなかった。またMathMLは、数学用のマークアップ言語で、HTMLと同じように、コンピュータのプログラムが、数式情報をXMLで読み書きするための言語で、文書の中で使うにはXHTMLに埋め込んで使う。直接には、もちろんHTMLで数式を表記するために使われるのだが、これはコンピュータで「計算・実行」でき(computable)、かつ標準であるということが肝心だ。
コンピュータの機能を利用できるデジタルドキュメントの形式は、これまで様々なものが提案され、標準化され、製品化されてきた。オフィスドキュメントを対象にしたW3CのCompound Document Format (CDF)があり、最新のHTML5もそうしたものの一つである。しかし、前者はWordやExcelなどのオフィス・ドキュメント、後者はWebを前提としていて相互運用性・移植性には制約がある。もしかすると、CDFは一つのセンセーションとなる可能性がある。ウォルフラム氏が述べているように、静的ドキュメント(印刷本や表示するだけのE-Book)の制約は、伝えたい情報の複雑さに対して大きく、そこで失われるものも巨大な経済的・文化的損失となっていたからだ。
(CDFの技術的内容や意味、反響などについては、EBook2.0 Magazine No.45=今週号で取上げる予定です。また、CDF Playerのデモは、ウォルフラム社の日本語サイトでダウンロードできます。) (鎌田、2011-07-23)
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