週刊ダイヤモンド「出版特集」中止事件

2010年 3月 28日

『週刊ダイヤモンド』が60ページの4月6日号大特集「電子書籍と出版業界」(仮題)の制作を中止したという情報は、かなりショッキングな話題だ。池田信夫氏のブログなどによると、編集はもちろん、営業でもなく、純粋に「経営」の判断で中止が決定されたとのことで、どんな「経営」なのかと思ったら、大手銀行の広報マン出身とのことだった。これはこれで「フタをする」ほうのプロではあったわけだ。差し替え先は同社の定番「ドラッカー」のようだが、泉下のドラッカー氏が知ったら何とおっしゃるか。 [続きを読む]

新聞ジャーナリズムの復権は可能。それもWebで…

2010年 3月 27日

『キンドルの衝撃』(毎日新聞社)の著者、石川幸憲氏のインタビューが J-CASTニュースに載っている。石川氏は在米のジャーナリストで、AP通信記者、TIME誌特派員などを経験し、Web登場前後の米国の新聞業界の変化を内と外から見てこられた。「ジャーナリズムの王国」であった米国新聞界が、地域広告モデルの崩壊によって経営危機に陥り、逆にWebでの再建を模索する段階で Kindleや iPadという「オンライン・キオスク」ガジェットが登場してきたわけだが、その「衝撃」の先は見えていない。畢竟、それはジャーナリズムの外にある。 [続きを読む]

ニュースメディアとE-Reader

2010年 3月 12日

米国Sony Electronics は3月10日、The Wall Street Journal、New York PostなどをReader Storeを通じてリリースすると発表した。これらはDaily EditionリーダまたはReader Libraryソフトウェアを使ってPC/Macに提供される。現在の定期刊行物は23紙誌となり、近く朝日や毎日の英語版などを加えて倍増する予定だ。 [続きを読む]

日経「Web有料」版:情報の価値と価格の間

2010年 3月 11日

「日経電子版」の成否が注目を集めている。岸教授は「勇気ある社会実験」と絶賛したが、2つの経済誌はおおむね懐疑的でブログも同様だ。注目を集めるのは、購読者、広告費ともに減少するなかでの新聞のサバイバルが懸かっており、しかもこれまでの成功例が米国のWSJなど僅かにとどまるからだ。確実に言えるのは、有料版の定着には相当の時間がかかること、そしてそれはたんなる「電子版」などではなく、新聞社が手掛ける新しい電子メディアでしかないだろう、ということだ。 [続きを読む]

ペイウォールは新聞を護れるか?:有料実験の評価

2010年 2月 23日

New York Times紙は2011年1月からWeb版への課金に踏み切る。しかし、これが成功すると見るむきはそう多くないようだ。うまくいって損失を補填するに止まり、最悪の場合はさらに売上を減らす。Webメディア・マーケティング調査会社のTBI Researchのサイトで、ロリー・メイハー (Rory Maher)は、これまでの数々の有料化試験の結果から、そう結論づけ、この結果を見たら、NYTも考え直すだろうとコメントしている。 [続きを読む]

米国コンデナスト社の電子雑誌戦略

2010年 2月 9日

瀧口範子氏のDIAMOND連載はじつに80回目となったが、2/3の記事はアップルの iPadを中心に、コンデナスト (Conde’ Nast) 出版社の電子化対応を追っている。昨年末のタイム社のデモもそうだったが、米国雑誌業界は、パッドを基本的なターゲットとしながら、従来のWebではやりきれなかった<有料サービスと対話型広告>という領域に踏み込んでいるという印象だ。 [続きを読む]

新聞有料化の可能性:情報と広告の間

2010年 1月 29日

新聞は、紙でもWebでも、情報でも広告でも収入を得たいと考えている。しかし、そんなことは可能だろうか。広告における「スペース」価値が崩壊し、読者とのコンテクストは検索エンジンに吸引される。他方で感度の高い読者はユニークな情報だけを求める。そうした時代にメディアとしての一体性を維持するのは可能だろうか。 [続きを読む]

ジョージア大学の調査:Kindle は新聞には不向き

2010年 1月 27日

米国ジョージア州アトランタの新聞 Atlanta Business Chronicle 紙は、1月25日付記事でジョージア大学 (UGA)の研究者が2009年に6ヵ月をかけ、大画面版の Kindle DXを新聞の購読に使用する広汎な実験を行った調査結果を伝えている。それによると、成人層と青年層のどちらもこれを新聞を読むための道具としてベストとは考えていないことが明らかになった。 [続きを読む]

NPOジャーナリズムの可能性

2010年 1月 26日

米国では、ジャーナリズムが企業から相対的に独立した「プロフェッショナリズム」として存在している。少なくとも会計士や医者・弁護士やシステムエンジニアと同じ程度には「公共的価値」を扱う職能として認められているわけだ。新聞の崩壊が言われて数年、その国で「非営利ジャーナリズム」が注目を集めている。この分野のシンクタンクやブログでの情報をもとに可能性を考えてみたい。 [続きを読む]

新聞・雑誌の紙からの大脱出を告げる「スレート」

2010年 1月 12日

CESでE-Readerとともに注目を集めたのが「スレート」。マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、自らWindows 7ベースのタッチスクリーン・マシンを紹介。しかしメディアの反応はかなり冷めていた。ブロガーの間で「アップルならもっと違うものを出してくる」と騒がれているからだ。しかしガジェットファンはともかく、もうすこし引いてメディアビジネスの側から考えてみたい。なにしろ、新聞・雑誌を中心としたメディア業界にとって、紙やTV受信機に代わるターゲットメディア、いや読者との新しい“聖約”になる可能性があるのだから。 [続きを読む]

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