「電書1兆円」は正夢か? (3):書籍・雑誌一体改革

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書籍市場が伸びるには、活字エコシステムにおける雑誌との連携を欠かすことは出来ないが、その雑誌はいま危機的な状態にある。出版社が書籍と雑誌も兼営する日本的出版のモデルは、21世紀にも適応可能だが、マーケティング的な意味で兼営のメリットが生まれるのは、現在の書店流通の上ではなく、デジタルコンテンツ/サービスとしてということになる。現在の書店流通は、書籍とその読者にとって機能していない。「1兆円戦略」には雑誌を含めたエコシステムの再構築が不可欠だ。 … [Read more...]

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著作権改革のためのフレームワーク [翻訳]

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著作権に関する議論は、どこか胡散臭い。5Wのコンテクストが外され、ただ「拡張と延長」そして「取締強化」にだけ誘導されているのだ。仮面を外した実際の顔を知ることが、誰にとっても重要になってきた。そこで、まず米国の有力な技術系ブログメディアTechdirtのマイク・マスニック編集長の了解を得て、最近米国での著作権改革について書いた論文を翻訳・掲載する。解説は別に書きたいと思うが、まずは著作権がいかに(国際的に)誤解・曲解されているかを知っていただければ幸いである。(鎌田) … [Read more...]

「電書1兆円」は正夢か? (2)「活字離れ」の虚妄

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楽天が「1兆円戦略」の根拠を発表してくれないので、筆者なりに検討してみた。ポテンシャルは十分すぎるほどあるのだ。これはオリンピックで金メダルを取ったり、ノーベル賞を取ったりすることが日本人にも出来るのと同じくらい確かなことだ。しかし、金メダルもノーベル賞にも、環境を整え、才能を育て、必要な努力を惜しまなければ…といった条件が付くように、「1兆円」の実現にも条件はある。実現方法に「条件を付けない」ということなのだが、よろしいかな? … [Read more...]

出版デジタル機構がモンスターになる日

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出版デジタル機構が、電子出版の取次「大手」ビットウェイを買収したことについて、岸 博幸教授(慶應大学・大学院メディアデザイン研究科)が「出版デジタル機構の電子書籍取次買収は最悪の愚策」と断じている。(1)民業圧迫、(2)モラルハザード、という明快な根拠は十分すぎる説得力があり、その通りだと思う。関係者も沈黙するほかないだろう。 しかしこうすることが暗黙の既定方針だった可能性はかなり高い。でなければ、疑問と批判に答え、経緯を説明していただきたい。このままでは「1兆円」が永久に遠ざかってしまう。 … [Read more...]

「電書1兆円」は正夢か悪夢か? (1)はじめに

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楽天が事業戦略として打ち上げた「20年・電子書籍1兆円」の評判がよくない。「根拠なき願望」「大言壮語」と評されているし、とくに出版界からの 賞賛や共感を目にしない。しかし、日本の書籍市場は1998年まで1兆円の規模だった。2012年にはギリギリ8,000億円のラインというところだが、7年間で失地回復する可能性が無くはない。歴史あるこの国の出版が、ガンホーの時価総額より少なく、三木谷社長の個人資産と比較可能なサイズというのもどうかと思う。そこで考え直してみることにした。 … [Read more...]

「セルフパブリッシング」と出版の間

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JEPAの主催した電子出版セミナー「EPUB25セルフパブリッシング狂時代」には残念ながら参加できなかったが、「セルフ」についての関心が高まっていることは感じ取れた。しかしいまだ訳語に躊躇している様子が気になる。カナ文字を使うのは、日本語に存在しない異質な概念として扱っているかのようだ。異質か否か?ここではあまり語られていない側面から述べてみたい。これは、出版の原点を確認しつつ再定義するシステムでありサービスなのだ。 … [Read more...]

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書評:出版未来派のデジタル革命宣言

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「本の未来」について、この数年さまざまに語られている。いやコンピュータが登場して数十年、語られ続けてきた。うんざりだろう。しかし、幸いにも本書は「本の未来」を語ったものではない。著者たちは実践的立場からこの「未来」に関わってきており、本書は、出版という場で「未来」を現在として創ってきたテクノロジストのマニフェストだからだ。多くはE-Book2.0 … [Read more...]

「自主出版ガイド」ページ新設にあたって

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本フォーラムやMagazineの記事を通じて、英語圏での自主出版の動向についてはかなりの情報をお届けしてきましたが、日本でも欧米並みの自主出版を行うプラットフォームが整ったので、自主出版者を支援する情報提供を継続的に行っていきたいと考えて、専用のページを開設することにしました。自主出版はデジタル時代の出版の基本である、と私たちは考えています。簡単ですが、出版の持つ課題と自ら取り組むことで、多くのことが見えてきます。その意味で、出版のプロにも参考になることは多いと思います。(鎌田) … [Read more...]

出版の「著作隣接権」を考える(1):権利と利権

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「著作隣接権」を出版に適用する動きについて、そろそろ外国人に説明する必要が出てきたのだが、もちろん一筋縄でいく問題ではない。そこで様々な角度から論点を整理してみようということで書き始めたのが、このノート。筆者なりの結論は最後に述べたいと思うが、この種の権利を論ずる場合には、(1)国際性、普遍性、(2)技術的合理性、(3)著作権との整合性、(4)実効性(コスト/効果)、(5)ステークホルダーのコンセンサス、で評価すべきだと考えている。(鎌田) … [Read more...]

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出版市場の再構築に向けて (1) インフラ

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マーケティングとは市場の創造・構築・維持・発展に関わる活動を意味する。市場の枠組は不動と考えられているので、通常はその前提で商品を企画し、顧客を発見し、宣伝・販売する活動と考えられている。しかし、インターネットによって市場の枠組は根本的に変わった。しかもそれは安定に向かうことなく変化を続けている。だから、まず問題とすべきなのは枠組であって道具ではない。何が「本」であるかを知らなければ市場は見えてこない。(連載1) … [Read more...]