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	<title>EBook2.0 Forum &#187; Log Book</title>
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		<title>印刷業と“電子書籍元年”(2)：付加価値の可能性</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Jul 2010 07:35:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

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		<description><![CDATA[近代的な出版は「版」に関する技術から生まれた。それはE-Bookについても同じである。印刷本における品質と機能を移行させた上で、本のコンテンツ価値を最大化するというロードマップを考えた場合、現状はまだ入口付近にいるにすぎ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3722" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg" alt="" width="90" height="80" /></a>近代的な出版は「版」に関する技術から生まれた。それはE-Bookについても同じである。印刷本における品質と機能を移行させた上で、本のコンテンツ価値を最大化するというロードマップを考えた場合、現状はまだ入口付近にいるにすぎず、機能・個性・品質が揃わないとE-Bookが独立した価値を主張できない。そこで付加価値の可能性を考えてみたい。<span id="more-3711"></span></p>
<h3>付加価値は本の構造から生まれる</h3>
<p style="padding-left: 30px;">前回は日本の電子出版における「印刷」会社の役割をお話ししましたが、E-Bookに印刷会社が関わるのは、基本的にデジタルな「版」の以下のような機能についての技術的サービスになると思われます。</p>
<ol>
<li> 表現（グラフィック）</li>
<li>活用（インタラクション）</li>
<li>管理（プロセス／コンテンツ）</li>
<li>複製（バッチおよびオンデマンドでの印刷）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">これらは従来からやってきたことですが、これまではすべてが印刷ありきであったのに対して、E-Bookでは「版」が中心にあり、印刷は付加的なものになるということが重要です。たとえば「管理」などは印刷を前提とした裏の作業でしたが、これも（後述するように）前面に出てきます。大げさに言えば“コペルニクス的”転回が必要といえます。ビジネスモデルの変化、価格体系の変化が伴いますので、移行の方法を（業界全体として）考える必要もあるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">これらに関するサービスがビジネスとして成立するには、(1) 顧客にとっての普遍的な付加価値、(2) それを実現する上での専門性という2つの要素が必要です。印刷関係の人が心配しているのは、E-Bookというものの付加価値が印刷業界にとって外のものになり、あるいは従来の専門性が役に立たなくなるのではないか、ということだと思われます。いくつかの前提が必要になりますが、E-Bookをビジネスとする上で、日本では（出版社を別とすれば？）印刷会社が最も近いところにおり、これまでの蓄積を発展させることで可能になる、と筆者は考えています。これは<span style="color: #cc0000;">本の製作は高度に技術的</span>なものであり、<span style="color: #cc0000;">デジタル化の第一段階が印刷会社で完了</span>しており、また競合となる業界（たとえばIT）が本に対する理解を獲得するのは困難があると思われるからです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ITは<span style="color: #0000ff;">情報</span>をデータとして扱って来ましたが、それらが持つ<span style="color: #0000ff;">意味</span>には無頓着でした。出版社は<span style="color: #0000ff;">意味</span>を扱って来ましたが、ページを内製しているところ以外は意味を<span style="color: #0000ff;">構造化</span>する技術は知りません。E-Bookにおいて日本の印刷会社が有利と思われるのは、<span style="color: #0000ff;">構造</span>を扱ってきたことです。これは世界中で日本の印刷会社だけのことなので自信を持ってよいでしょう。中西さんの言われる「創造的協調」が可能であるとすればそこだと考えられます。しかし、当然のことながら、これまで関係者の目はもっぱら印刷を前提としたレイアウトを扱う上での構造に集中してきました。そこにしか「目に見える」付加価値がなかったからです。しかし、<span style="color: #cc0000;">E-Bookの付加価値の多くは表現構造より先にある</span>のです。それは本が次のような性質を持っているからだと考えられます。</p>
<ul>
<li> 知識の構造体として、必要とする人に読まれ、体験化されることで価値を持つ</li>
<li>孤立しては存在せず、他の本や知識情報、人々の活動と結びついている</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">本を（表現を超えて）構造化することで、本の価値・使い勝手をさらに高め、コミュニケーションを豊かにすることができます。日本の印刷会社が（出版社やIT企業と協力して、あるいは単独で）この技術的サービスを提供すれば、イノベーションの主役ともなれます。情報産業における価値創造の最先端に立つと考えてよい、これからの日本が最も力を入れるべき技術分野です。とはいえ、当面のE-Bookはまず表現の問題をクリアする必要があります。順序として、そちらから入っていくことにしましょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>土台としてのページとスクリーン</h3>
<p style="padding-left: 30px;">版下製作の電子化は、電算写植などでの文字組版から始まり、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E8%A8%98%E8%BF%B0%E8%A8%80%E8%AA%9E" target="_blank">ページ記述言語</a>のPostScriptをベースとした<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/QuarkXPress" target="_blank">QuarkXPress</a>やAdobe CS/InDesignなどに代表される<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/DTP" target="_blank">DTP</a>の技術的完成でプリプレス領域を統合することにより、印刷本をターゲットとしたものとしては完了していました。振り返ってみれば、20年以上を費やしていますが、かなり奥の深い世界だったと言えます。他方でハイパーテキスト記述言語のHTMLをベースとするWeb出版は、商業出版や印刷とは関係の薄い世界で発展して、ハードウェアや通信環境の進化とともに機能と品質を高めてきました。</p>
<p style="padding-left: 30px;">現在のE-Bookは（ページ／ブック系の）DTPを背景とするPDFとWebを背景とする（リフロー系の）EPUBという2つの流れが主流になっています。前者は印刷会社にとってなじみのものですが、後者はそうでもありません。編集やデザインの考え方も大きく異なり、これをマスターすることが大きな課題となっています。ページ＝スクリーンとしてデザインできれば、それに越したことはないのですが、スクリーンは解像度もアスペクト比も異なり、印刷ページのようにデザイナーがベストと思われるもので指定できるわけではありません。E-Bookのデザインには、ベストよりはベター、トレードオフをコントロールするという発想が必要です。ブックデザインのプロの方ほど、なれるのに時間がかかるかと思います。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;"><span style="color: #009900;">E-Bookに命を吹き込む：まずは個性的な文字組みから</span></h4>
<p style="padding-left: 30px;">印刷会社はE-Bookのビジュアルを商売とすることはできるでしょうか。様々なスクリーンを持ったデバイスが登場しましたが、便宜的にほぼ以下のように分類してみます。</p>
<ol>
<li> 読書専用端末（6インチ前後のE-Ink、グレースケール）</li>
<li>大型専用端末（10インチ前後のE-Ink、グレースケール）</li>
<li>汎用タブレット（サイズは各種、中心的には9インチ前後のカラーLCD）</li>
<li>スマートフォン／PDA（3.5インチ前後カラーLCD）</li>
<li>パソコン／ネットブック（＞WXGAのカラーLCD）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">この2年余りの米国市場での経験から言えることは、読書用のデバイスとしてはほとんど 1が中心になるということです。ところが困ったことに、このカテゴリーの日本語可能端末が登場しないうちに（あるいはLIBRIeやシグマブックが去った後が来ないうちに）3のiPadが話題をさらい、これが「本命」のような扱いをされています。携帯電話と電子辞書で市場をつくってきた<span style="color: #cc0000;">日本では、まだ本格的なE-Bookの環境ができていない</span>のです。あまりE-Bookに適したとはいえないデバイスで、（中身はともかく）出来のよくないファイルを表示しているのが現状と言えるでしょう。それを見ると、E-Bookでは単純なデータの変換しか仕事にならないのではと思えても不思議ではありません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、少なくともここ数年を考えるならば、<span style="color: #cc0000;">リフロー系のファイル形式（EPUB／XMDF/.BOOK）を6インチ、E-Inkグレースケール、200dpi程度の専用端末に表示することを中心に考えるべき</span>でしょう。本を読む人が必要とするデバイスだからです。「本も読める」デバイスと「本を読む」ためのデバイスとは明らかに違います。専用端末をハイエンドな読書環境として育てていくのが本筋でしょう。対応の時間も十分にありそうです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ベースとなるのは文字組みですが、印刷本で十分経験したように、<span style="color: #cc0000;">フォント＋文字組みによる視覚表現は非常に奥深いもので、コンテンツや出版社の個性と密接な関係</span>があります。今日われわれが目にするE-Bookは無個性で粗雑な（つまり内容の価値を損ねる）ものがほとんどですが、6インチ200dpiの空間を使ってかなり高度なデザインをすることは可能です。それは印刷本の文字組みが（一定のパターンと経験則をベースに）個々のコンテンツに対応してデザインされているように、個別化・個性化されるべきで、まずそこに付加価値とビジネスの機会が生まれます。E-Bookにおける「日本の活字文化」は物理的にはそこに存在するからです。文庫・新書でさえ、出版社とシリーズによって文字組みは異なるわけで、単行本ならなおさらです。E-Bookでは文字サイズを変えられますが、重要なのはデフォルトと読者のタイプ／環境別の選択肢の合理性で、それはデバイスの機能に依存しない付加価値と言えます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">E-Bookのデザインの環境はそう特別なものではありません。EPUBの場合は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/Cascading_Style_Sheets" target="_blank">CSS</a>が基本ですが、これはWebでおなじみのものです。私は (1) 設備投資がほとんど不要、(2) 組版知識が応用可能、(3) ITの専門知識は（必ずしも）不要、であることから、これは印刷会社のビジネスになると考えていますが、Web系のCSSで日本語組版というところが唯一のハードルです。もっとも何のハードルもなければ逆に商売にはなりませんね。（鎌田、07/30/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌関連記事</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起" href="../2010/07/printing-and-ebook_1/">「印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</a>」、鎌田、07/26/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;">
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		<item>
		<title>印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/07/printing-and-ebook_1/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/07/printing-and-ebook_1/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 26 Jul 2010 11:05:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<description><![CDATA[8月10日に開催する第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo13.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3681" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo1" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo13.jpg" alt="" width="95" height="84" /></a>8月10日に開催する<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank">第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」</a>への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、長期的にみて最も重要な要因だと考えている。そこでまず、印刷業がE-Book出版の成長性と付加価値にどのように関わるかを考えてみたい。<span id="more-3677"></span></p>
<h3>E-Bookにおいて出版社は必要なのか!?</h3>
<p style="padding-left: 30px;">今回は、本Forumの<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/03/ebook-and-printing-business/" target="_blank">対論シリーズ</a>でご協力いただいた<a href="http://www.nacos.com/hidehiko/hidehiko.htm" target="_blank">中西秀彦</a>をゲストにお呼びして、印刷業の視点からE-Bookを考えてみたいと考えております。中西さんのブログで<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/03/post-0618.html#comments" target="_blank">「我、電子書籍への抵抗勢力たらん」</a>と宣言しておられたのに仰天して以来のお付き合いですが、「出版社は必要なのか」という問いは強烈で、私はまだ確たる答えを持っていません。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><span style="color: #808080;"><a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/07/post-6643.html"><img class="alignright size-medium wp-image-3683" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="wareden2" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/wareden2-211x300.jpg" alt="" width="148" height="210" /></a><span style="color: #333333;">「『編集』機能が低下すればするほど、また『編集』が疲弊すればするほど、印刷会社中心へと移行していく。」</span></span><span style="color: #333333;">という分析の一方で、「主導権をどこが握るかというのはそもそも『ますらお』的な発想です。私は電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来るのではないか…いや、来させなくてはならない。<span style="color: #333333;">」 </span></span><span style="color: #333333;">という理想を共有する一方で、まだ私はそこに至る道筋を描けていません。 （引用は「連載</span><a title="E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調" href="../2010/05/2010/05/ebook-and-printing-business-5-2/"><span style="color: #333333;"> </span>第6回：E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調」）</a></p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし印刷会社を抜きに日本のE-Bookはあり得ないと考えております。たとえ印刷本が減ることがあっても、E-Bookの製作・出版に積極的に関わり、そこから付加価値を拡大させる形で出版を発展させていただきたい。出版は<span style="color: #cc0000;">生産・流通・販売という三位一体</span>で成立ってきました（<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book-business-opportunities-2/" target="_self">鎌田、7/12</a>）。デジタル化は業種、メディア間の境界を取り去り、理論的にはすべてをメタな「唯一者」が実現することも可能になりました。バリューチェーンがデジタルに完結すると猛烈な競争が生まれ、統合／独占によるメガ（メタ）カンパニーに集中するのがWeb時代のビジネスの特徴です。日本の大日本印刷や凸版印刷が製作・流通プラットフォームを超えて版権ビジネスにまで乗り出すのはそれを見据えた戦略的な対応といえるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、<span style="color: #cc0000;">ソフトウェア化されたデジタル時代のプラットフォームは、進化を止めることなく変容し続け</span><span style="color: #cc0000;">る</span>、という法則性がはたらいています。数億人のデータベースも、クラウドやデバイスの圧倒的シェアも、メガカンパニーの優位を保証し続けるものではありません。<span style="color: #cc0000;">新たな付加価値（意味のある多様化の原理）を発見した者が、それを実現するために構築するのがプラットフォーム</span>だからです。ITと情報ビジネスの両方に関わった者として、私は出版が付加価値の宝庫であり、ここから大小様々なプラットフォームやニッチが生まれると信じています。メガプラットフォームやその亜流がいくらでてきても、変わることはないでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>グーテンベルクの双子：印刷と出版</h3>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業は伝統的な出版における生産プラットフォームを担っていました。そのプラットフォームは「ソフトウェア化」されつつあります。あと数年でデジタルが本体となり、市場のニーズに応じて印刷されるという形に移行します。しかし、生産と流通・販売が有効に結びつかなければコンテンツの価値は最大化されず、<span style="color: #cc0000;">出版の第一原因</span>であるべき生産の付加価値は、流通・小売に付属する広告に依存することになるでしょう。生産技術を担ってきた印刷会社には技術的なリーダーシップを発揮しうる余地があります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業はさまざまな貌を持っており、製版・印刷・製本を担う出版もそのひとつにすぎません。しかも商業印刷や軽印刷など企業が出版するものを除けば、印刷会社の市場としての出版市場はたかだか1割ほどでしょう。だからE-Bookが増えて印刷会社が困る度合いは、全体としてそれほど多いわけではないでしょう。しかし出版物全体で電子化の比重が高まるとなると話は別で、印刷を中心とした構成を変え、他に活字コミュニケーションのバリューチェーンにおける付加価値を求めざるを得なくなります。印刷会社は出版社のE-Bookだけを考えているわけではありません。しかし、いずれにせよ商業的品質を必要とする出版で印刷会社の役割がなくなることはないでしょう。印刷以降が消滅しても<span style="color: #cc0000;">「版」がなくては出版は成り立たず、版づくりを印刷会社以外が担う割合も、そう増えるものでもない</span>と思われるからです。かつてDTPが登場した時と同じです。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Aldus_Manutius.jpg"><img class="size-medium wp-image-3687 alignleft" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="Aldus_Manutius" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Aldus_Manutius-216x300.jpg" alt="" width="151" height="210" /></a>印刷業と出版の関わりを考える時、日本の印刷業が世界的に見てかなり特殊な存在であることを考えないわけにはいきません。外国では印刷とは &#8220;ink on paper&#8221;のみを指し、組版や製版、製本、その間で必要になる輸送などはすべて別業種の企業が行っています。用紙の手配も発注者が行うことであり、したがって出版社の発注担当者は、全行程を管理するために、個別の原価を含めて相当な専門知識を持つ必要があります。筆者も昔、カルチャーショックを受けた記憶があります。粗っぽい原稿と指定を渡せば版下をつくってもらえ、下版さえすれば全部を任せておける日本の「印刷会社」は、世界的に見てなんと稀有な、有難い存在か。E-Bookになっても、出版社から「版」への距離はそう簡単に縮まらないでしょう。<span style="color: #888888;"><span style="color: #333333;">（図は近代商業印刷技術の父にして出版人</span><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%82%B9" target="_blank">アルドゥス・マヌティウス</a>）</span></p>
<p style="padding-left: 30px;">グーテンベルクの可動活字と手刷り印刷の技術で出発した<span style="color: #cc0000;">欧米では、</span><span style="color: #cc0000;"><span style="color: #cc0000;">出版</span>社が印刷会社を兼ねる</span><span style="color: #cc0000;">のが一般的</span>でした。文字組版への技術的ハードルが相対的に高かったためです。ちなみに「版権」という概念も印刷＝出版社とともに生まれました。もともとは著作権に先立って「版面権」があったということになります。その後19世紀の機械化革命で、高速印刷機械技術が登場したことで非出版系の印刷業が成長し、独立した存在となりました。日本の「文明開化」は鉛活字の組版と機械印刷で始まったわけですが、出版社が日本語の活字組版を工程として持つのは技術的、経営的に困難でした。<span style="color: #cc0000;">日本の出版業は、印刷業が「版」の製作という主要機能の一部を担う形でスタートして今日に至っています</span>。</p>
<p style="padding-left: 30px;">周知のように、版の製作技術は機械式から写真式に、さらにDTPを含むデジタルに移行しましたが、リクルートやアスキーなど、移行期に誕生した出版社を除けば、版の製作を内部化したのはごく一部だったと思います。今回のE-Bookの登場においても、新興のデジタル出版社は独自の生産環境を構築して登場するでしょうが、旧出版社は今回もパスする可能性が強い。技術的なむずかしさ以上に、慣性（あるいは惰性）がはたらくからです。全体として縮小が続く印刷業の中でも、版に関わる部分では生産性も付加価値も高まっていると思います。ではどんな付加価値が考えられるでしょうか。（鎌田、07/26/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;"><a title="第5回EBook2.0研究講座" href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank"><strong>※EBook2.0研究講座：8/10(火) 「&#8221;電子書籍元年&#8221;の中間総括─印刷業界の視点」 詳細・申込</strong></a></p>
<hr />
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌対論シリーズ＜E-Bookとデジタル時代の印刷業＞</h4>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_self">E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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		<title>ユーザー指向の読書環境を目ざして</title>
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		<pubDate>Sat, 24 Jul 2010 11:44:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<description><![CDATA[iPadやKindleのメガストアに「コンテンツ」を提供することが電子出版はではない。電子データとなったコンテンツを可能な限り個性化・個別化することによって、読者にとっての価値を最大化することこそ、電子化の意味がある。デ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>iPadやKindleのメガストアに「コンテンツ」を提供することが電子出版はではない。電子データとなったコンテンツを可能な限り個性化・個別化することによって、読者にとっての価値を最大化することこそ、電子化の意味がある。デバイスの価格が、数10冊の印刷本ではなく、たかだか数冊の印刷本の価格になれば、質的な変化が生まれる。本の生産・流通・小売のそれぞれにおいて、アップルでもアマゾンでもない道が拓けてくる。<span id="more-3650"></span></p>
<h3>iPad対Kindleの虚妄</h3>
<p style="padding-left: 30px;">著者エージェントが「デジタル出版者」となって著者の本をアマゾンKindleに独占供給するというニュースは、市場におけるアマゾン (Kindle Books)の相変わらずの強さとともに、欧米の出版界に重苦しい衝撃を与えた。それは、iPadの（少なくともガジェットビジネスとしての）圧倒的成功によって、メディアや投資業界の関心がiPadに傾斜したことで、この巨人の影が一時的に薄れていたたことによる。</p>
<p style="padding-left: 30px;">アマゾンという会社は、利益よりシェアを目ざすことで一貫しているので、投資アナリストの評価（投資判断）はどうしても実体以上に低くなる。それに、<span style="color: #cc0000;">同じように＜クラウド＝デバイス＞をプラットフォームとしていても、アップルとアマゾンは本質的に異なる</span>。デバイスを前面に出したアップルに対して、自社デバイスも売るアマゾンというふうに、アプローチが違うのだ。アップルにとってはデバイスの成功がビジネスモデルの前提であるのに対し、Kindleリーダがアマゾンにとって持つ意味は、製販一体であることによる市場のコントロールと情報管理ということである。アマゾンはiPadもSony Readerも売っている。非Kindle購買層のプロファイルも把握している。アップルとアマゾンが競合するのは10%以下といったところだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">メディアが「iPad対Kindle」を喧伝した結果、iPadは出版業界にとって特別なイメージを持つようになった。アマゾンの圧迫、Webの無料情報の氾濫から書籍・雑誌・新聞業界を救う“白馬の騎士”としてのイメージである。アップルがこの有利状況を利用しないはずはなく、ジョブズ氏は解放軍の司令官、あるいは凱旋将軍のように迎えられた。iPadは空前のヒットとなり、その勢いはiPhone 4が「アンテナゲート」で躓くまで続いた。いくら売れたからといって、汎用のガジェットがE-Readerの主役になるかどうかはまったく別の問題であるにもかかわらず、メディアとウォール街は躊躇なくアマゾンの評価を引き下げた。両方のデバイスを試した多くの読書家が、「30分以上本を読むならKindle」「本を買うのはアマゾン」と回答しているにもかかわらず、である。</p>
<p style="padding-left: 30px;">少し頭を冷やしてみれば、iPadは馬鹿売れしたものの、出版業界の期待に反し、300万ユーザーのうち、本や本のアプリを買ったのはさほど多くなかった。ダウンロードの多くは無料のものだった。そしてKindle Storeで買ったユーザーも少なくなかった。「iPad対Kindle」という騒ぎで、アップルは大いに儲けたが、アマゾンにも（株価は別として）影響はなかった。そして出版業界はもはや後戻りのできないところまでデジタル化していた。今年の初めに、米国のブログ界ではiPadが「トロイの木馬」だという見方が広がったが、まさしくその通りで、城門は開け放たれたわけである。必ずしも悪い話ではないが、iPad騒動で見せた出版業界のあまりのナイーブさは、今後も尾を曳くものと思われる。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>第3の道：E-Bookをモノ（個体）に回帰させる</h3>
<p style="padding-left: 30px;">E-Readerとして、軽量・低価格の6インチE-InkデバイスはカラーLCDより優る。本を読む人は本が読みたいのであって、ガジェットを眺めて楽しみたいのではない。これは両立困難ともいえる。このスタンダードなE-Inkデバイスは年内にも100ドルを切り、それによってこれがタブレットとは異なる、紙の本と同じく持ち運びに適した「読書専用電子ペーパー」であることを明確にするだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">これはアマゾンやB&amp;Nのような巨大オンライン書店の最終的勝利を意味するだろうか。それはまったくないと考える。アマゾンはどの道、負けることはない。薄利多売のロングテイル・マーケティングのための史上最強の＜ソフトウェア・プラットフォーム＞を構築した。<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88" target="_blank">ジャガーノート</a>のように前進あるのみだ。iBookStoreが脅威となるにはまだ数年はかかるだろうし、それにアップルはこのeコマースの怪物を相手とするよりも広告ビジネスを重視し、メディアを系列下に置く戦略をとるだろう。「白馬の騎士」がメディアビジネスにとっての「<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%81%AE%E9%BB%99%E7%A4%BA%E9%8C%B2%E3%81%AE%E5%9B%9B%E9%A8%8E%E5%A3%AB" target="_blank">蒼白き馬の騎士</a>」になるとすれば、皮肉というしかない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">日本ではKindleがまだ見えないが、いずれ日本語コンテンツを持って登場するだろう。しかし、米国と同じモデルで成功するには余計な時間がかかる可能性が強い。大手出版社は独自フォーマット(XMDF)の「パブリ」で対抗しようとしているが、開発者であるシャープ以外の誰も手をあげないのが気になる。最大手のKindleにとってさえ、AZWがDRMとしての意味しか持っていないように、フォーマットには何の神秘的な力もない。業界にとっての重荷となるだけだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">出版社はハードウェア／ソフトウェア・プラットフォームについて独自の考え方を持つことができるし、またすべきだろう。<span style="color: #cc0000;">フォントやコンテンツに合った文字組み、メタデータやナビゲーションなど、読書にとって本質的な技術の開発に、それぞれが取組む</span><span style="color: #cc0000;">必要がある</span>。それには大きな意味がある。</p>
<p style="padding-left: 30px;">Kindleタイプの6インチリーダは、年内に100ドルを切る（原価は50ドル程度だろう）。それによって別のビジネスモデルが発展する。例えば日本の「電子辞書」のように、<span style="color: #cc0000;">特定コンテンツ</span>と組合せ、文庫／新書リーダーや出版社のシリーズ<span style="color: #cc0000;">専用リーダ</span>として販売しやすくなる。これは現実的な話だ。「夏目漱石全集」を“専用”リーダとセットで企画するのは、文庫版や豪華版で企画するよりははるかにリスクが少ない。もちろん、リーダは特別仕様で、専用のデザイン、文字フォントや組版もベストの組合せとし、朗読や挿画、資料など付録的なものを含めて「決定版」と謳うこともできる。旅行会社／出版社はガイドブックや地図、会話帳を組込んで、LCDのポケット版ガイドを出すだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">もちろん、メーカーはユーザーが自由にカスタマイズできるデバイスを開発・提供することができる。ユーザーは読むコンテンツの種類やシチュエーションに応じて、数種類のデバイスから気に入ったものを選んで使う。重要なことは、コンテンツがデバイスを売るために相乗りさせてもらうのではなく、印刷製本され、モノとして完成された本のように、コンテンツを読む「専用のデバイス」を開発・提供するということだ。コミュニケーションの手段として、<span style="color: #cc0000;">出版には付加価値の開発余地が無限に存在する</span>。iPadやKindleしか見えないのではプロとはいえない。（鎌田、07/24/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
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		<title>E-Bookベンチャー(2)：出版の新三位一体</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book-business-opportunities-2/</link>
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		<pubDate>Mon, 12 Jul 2010 11:19:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Editors' Note]]></category>
		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[ベンチャー]]></category>

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		<description><![CDATA[E-Bookビジネスとは、電子的なコンテンツをつくり、iPadやKindleで提供することではない。それだけのことならば誰でもできる。誰でもできることで食っていけるほど、この世界は甘くないだろう。オンライン上で展開される [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/520px-Shield-Trinity-Scutum-Fidei-English.svg_.png"><img class="alignleft size-medium wp-image-3555" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="520px-Shield-Trinity-Scutum-Fidei-English.svg" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/520px-Shield-Trinity-Scutum-Fidei-English.svg_-300x270.png" alt="" width="126" height="113" /></a>E-Bookビジネスとは、電子的なコンテンツをつくり、iPadやKindleで提供することではない。それだけのことならば誰でもできる。誰でもできることで食っていけるほど、この世界は甘くないだろう。オンライン上で展開される「生産・流通・販売」のバリューチェーンにおける「出版」の位置は確定していないからだ。E-Bookビジネスは、コンテンツを介した著者と読者のコミュニケーションから「新しい付加価値」を創造するものである。（図はキリスト教会の三位一体概念を図にした<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Shield_of_the_Trinity" target="_blank">三位一体の楯</a>。）<span id="more-3552"></span></p>
<h3>出版3業態（生産・流通・販売）のあり方が変わる</h3>
<p style="padding-left: 30px;">本のビジネスでは、つねに「生産・流通・販売」の三者が、一定の距離を置きながら共存してきた。印刷以前もそうであったし、印刷以後もそうである。著者側からすると本をつくれば完成かもしれないが、顔も知らぬ読者の手に商品として渡るには何ヵ月、時に何年にもわたる時間を要する。投資－回収のサイクルが一定しない商品を多数市場に供給しながらビジネスとして持続させるのは容易ではない。リスクのほとんどは流通と販売にあるといって過言ではないだろう。だから「金融」を含まないビジネスモデルは成り立たなかった。また流通・販売の形は価格・読者層・配送手段などによって歴史的に変化してきた。印刷革命の初期には「貸本」が販売において重要な役割を果たし、また読者層を維持し育てる上では図書館が引き続き大きな役割を果たしている。</p>
<p style="padding-left: 30px;">E-Bookは、直接的には生産と生産物の形（あるいは意味）を変えるものだが、本という物理的形態を取り去ることでは流通と販売のほうにより大きな影響を与える。流通と販売との距離はほとんどなくなった。E-Bookビジネスでは一見して「コンテンツ」が主役のように思えるかもしれない。オンライン書店に預けてしまえば、あとは売れるのを待つだけ？ それは完全な誤解だ。<span style="color: #cc0000;">出版社が読者の顔を知らず、書店のみが顧客を知る古典的な世界は、そのままオンラインに移行することが困難なものだ。</span></p>
<p style="padding-left: 30px;">第１に、商品は顧客がいて成り立つ。<span style="color: #cc0000;">本の商品性はカタログに載っただけでは実現しない</span>。「顧客＝読者」がつかない限りビジネスにはなっていない。<br />
第２に、数万点、数十万点のタイトルの中で、出版した本がまとまって売れるのは、奇跡とまではいえなくてもかなりの難事だ。オンライン配信業者が本気であなたの本を売ってくれる保証はまったくない。<br />
第３に、そもそも本をつくっただけでビジネスが成り立つなら、著者・編集者も含めて誰でも出版ができ、あなたの地位は安泰ではない。誰でも出版できる時代の出版者の価値を、結果で証明する必要がある。</p>
<p style="padding-left: 30px;">作品としてのコンテンツはともかく、商品としてのコンテンツが実現するのは依然として流通と販売においてであり、出版者にとってのこれらの重要性はまったく変わらない。それどころか、<span style="color: #cc0000;">E-Bookビジネスでは、</span>（よほど凝ったつくりでない限り）<span style="color: #cc0000;">出版者の価値は、むしろ流通と販売（つまりマーケティング）においてこそ問われてくる</span>といえよう。著者は出版社をまず販売能力(努力)で評価する。読者は適切な情報を与えてくれない出版社の本を買わない。数万、数十万のタイトルを持つオンライン書店で「目立つ」方法は、自分で考えるしかないのだ。逆に<span style="color: #cc0000;">流通・販売ビジネスは、出版者の位置を相対化することで自己の付加価値を最大化する</span>。顧客情報と本のメタデータを蓄積して、彼らがどんな本の「読者」となるかを（一定以上の確率で）予測可能とすれば、もはや流通・販売ビジネスが（壁のない国境を越えて）出版者となることを阻むものはない。とくに儲かりそうな本ほどそうだ。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>E-Bookビジネスは「神の座」をめぐる戦い</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/200px-Trinity_knight_shield.jpg"><img class="alignright size-full wp-image-3556" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="200px-Trinity_knight_shield" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/200px-Trinity_knight_shield.jpg" alt="" width="200" height="226" /></a>重要なことは、<span style="color: #cc0000;">デジタル出版において「生産・流通・販売」の<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%BD%8D%E4%B8%80%E4%BD%93" target="_blank">三位一体</a>が、補完し合う独立した三者というよりは、文字通りの神学的意味（3つの位格を持つ同一実体）に向かっている</span>ことだろう。この場合の位格とは、「言葉を出すもの」、「言葉」、そして「言葉によって伝えられる読者体験」の３つであって、言葉はコンテンツに置き換えることができるが、印刷本と違い、ネット／デバイスにおいて一つとなるので、アマゾンやアップルのように、「神」を目ざす意図を隠そうとしないビジネスモデルも登場する。それどころか、むしろ<span style="color: #cc0000;">E-Bookビジネスとは（読者にとっての）「神」の座をめぐる戦い</span>なのかもしれない。ネット環境では、それ以外の形で読者との（知的・経済的）関係を安定的に保つことは困難なのだ。いかなるプラットフォームやフォーマットも、生産・流通・販売における優位を守ってくれない（日本の出版業界にはまだこのことが理解できていない人が多い）。</p>
<p style="padding-left: 30px;">デジタル時代の出版が基本的に「生産・流通・販売」のユニークな組合せとして実現する、ということは、<span style="color: #cc0000;">もはや従来のような「出版者」「取次」「書店」の業態区分は意味を持たず、ただ「読者」との関係（バリューチェーン）において何であるかだけが意味を持つ</span>ということだろう。名は体を表さなくなるのだ。Amazon/KindleやApple/iPadは、書店であり、取次であり、出版社でさえある。「iPadで本を出す」と考える著者から見て、出版社は編集や取次なのかもしれない。じつにややこしいが、重要なのは、<span style="color: #cc0000;">これまで名もない数でしかなかった「読者」との具体的な関係</span>だ。読者との関係が薄いほど不安定になる。多くの読者を知っているアマゾンやアップルは有利な立場にあるが、しかしけっして絶対ではない。それは例えば以下のようなことを考えるだけで十分だろう。</p>
<ul>
<li> 出版（出版社のではない）市場は十分に（商業出版社が考える以上に）大きい</li>
<li> 読者はありとあらゆるところに分散している（誰でも読者になる）</li>
<li> 出版社はなお、特定分野の読者に「読ませる」能力で他をリードしている</li>
<li> 出版社にはなお、メタデータの開発・利用の機会がある</li>
<li> 出版社は安価な技術的手段で読者との直接的関係を持つことができる</li>
<li> もともと本の出版は（映画や音楽などより）多様である</li>
<li> 誰でも出版（言語コミュニケーション）の主宰者となる潜在的可能性がある</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">E-Bookベンチャーは、けっきょく</p>
<ol>
<li> デジタル時代の不安定なバリューチェーンにおいて新たなサービス／ビジネスモデルを目ざす</li>
<li> あるいは様々なステークホルダー（著者、編集者、出版者、取次、書店…読者）が必要とする新たな付加価値を提供する</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">ものということになる。その少なからぬ部分は、E-Bookのために生まれたものというよりは、Webビジネスのコンテクストで生まれたものであることに注意が必要だ。クラウドサービス、SNSやWebァナリティクスなどはｅコマースに汎用的なものだが、E-Bookではそれらを使いこなすことになる。ここではあまり出自にこだわらず、E-Bookビジネスにおいて意味を持つものに注目する。</p>
<p style="padding-left: 30px;">すでに注目すべき企業やサービスが現れているので、これから随時紹介していきたいが、市場のあり方は各国でかなり異なっており、国際的な展開が容易に行えそうなものと、難しそうなものもある。印刷本の出版における「生産・流通・販売」のインフラが、各国それぞれ異なる形で形成され、存在しているからである。文字組版／ページメイクにおける出版社と印刷会社の関係。流通における出版社と取次会社の関係、販売における出版社と書店の関係、取次と書店の関係は、国によってかなり異なっており、それが新しいサービスにも投影される。</p>
<p style="padding-left: 30px;">また、ベンチャー企業は基本的に、<span style="color: #cc0000;">(1) 成功してアマゾンやアップルなどに吸収される、(2) 安定したニッチを開拓する、(3) ユニークなアイデアや手法を提供し続ける</span>、という3つのタイプに分かれる。アマゾンやGoogleのような突然変異もあるが、これは分類としては考えない方がいいだろう。多くのベンチャーは、出口戦略（基本はIPOか売却）を持って活動している。よく見れば分かるが、<span style="color: #cc0000;">Webビジネスの大企業は無数の元ベンチャーを吸収しながら成長してきた</span>。そうした意味で、明日のアマゾンやアップルを知るためにも、今日のベンチャー企業を知っておくことは意味がある。大企業の創業者は社内の実験的環境で培養された技術より、市場でもまれて成長した技術を高く評価するが、技術はそれに関わる人間の一部であることを知っているからである。（つづく。鎌田、07/09/2010）</p>
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		<title>E-Bookベンチャー(1)：序</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/06/e-book-business-opportunities-1/</link>
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		<pubDate>Mon, 28 Jun 2010 07:10:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Editors' Note]]></category>
		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
		<category><![CDATA[E-Book]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>

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		<description><![CDATA[中国やインドを含む多くの国で、E-Bookに関するベンチャーが起業しつつある。また多くのWebサービスが、E-Bookベンチャーを容易にしている。製作と流通における敷居が圧倒的に低いE-Bookビジネスは、“TBTF”（ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/456px-Dwarf_Japanese_Juniper_1975-2007.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-3538" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="456px-Dwarf_Japanese_Juniper,_1975-2007" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/456px-Dwarf_Japanese_Juniper_1975-2007-228x300.jpg" alt="" width="115" height="151" /></a>中国やインドを含む多くの国で、E-Bookに関するベンチャーが起業しつつある。また多くのWebサービスが、E-Bookベンチャーを容易にしている。製作と流通における敷居が圧倒的に低いE-Bookビジネスは、“TBTF”（大きすぎて潰せない）ではなく“TSTF”（小さすぎて失敗しようがない）ということが、このビジネスを魅力的なものにしている。規模の大小に関係なく、<span style="color: #cc0000;">コンテンツの価値を最大化する方</span>法を見つけさえすればいいのだ。それはたんに自主出版についてだけ言えるわけではない。ここでは可能性の一端をシリーズでご紹介していくことにしたい。まずはイントロから。<span id="more-3524"></span></p>
<h3>20世紀とともに「大企業」全盛時代は終わった</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/brugel.jpg"><img class="alignright size-medium wp-image-3528" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="brugel" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/brugel-300x209.jpg" alt="" width="300" height="209" /></a>かつて<span style="color: #cc0000;">「大きな仕事」</span>をするためには大きな会社にいなければならなかった。意思決定やコミュニケーションの煩雑さなどを割り引いても、メリットは大きかったし、そもそも小さな会社では何もできなかった。大陸を馳せる自動車、大海を渡る巨船、愛用されるラジカセ、信頼されるカメラ…あるいは一流の作家やデザイナーと組んでの仕事、数百万人が読む新聞。だから「優秀な人材」は自然と大企業のもとに集まった。大企業も実質的な「社内ベンチャー」を育み、人材を無駄にすることが少なかった。だからこそ世界第2の経済大国にまでなったということだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">バブル崩壊後の最初の「失われた」10年。人々は何かが変わったと感じたが、いつかは元に戻ると信じていた。何よりも大企業は安定しており、中小零細企業が苦しんでいる時も給料の心配はなかった。人々は「大きな仕事」をするためというよりは、雇用の不安なく働くために大企業に集まった。10年が過ぎ、金融市場が活発化し、ITやWebが閉塞を打破することが期待された。しかし「IT企業」が線香花火のように上場した以外、ほとんど何も起きなかった。大企業は、既存のビジネスモデルの範囲内でしかITを使わなかった。日本の大企業の多くは入れ子状に肥大化しきった複合企業であり、21世紀現実に適応するには変えなければならないものが多すぎた。米国式「利益重視」や、戦略なき「選択と集中」、「成果主義」によって「大きな仕事」はさらに減っていった。</p>
<p style="padding-left: 30px;">21世紀に入り、大企業は「大きな仕事」を開拓するどころか、ますます「小さな仕事」を中小企業から奪っている。下請け仕事も回さなくなった。市場が縮小しあるいは海外で勝てなくなったためである。大企業を頂点とするピラミッド型の生態系はしだいに崩れ、大企業と中小企業が同じ土俵で競争しなければならなくなった。重要なことは、弱肉強食の関係が大企業内部でも進行したことである。親会社が子会社を、子会社が系列を、「上」が「下」を、「正規」が「非正規」を切り捨てる恐怖のゲームが始まってしまった。周知のように、企業社会の「強者」とは、能力のある者ではなく職階的上位者を意味する。</p>
<p style="padding-left: 30px;">リーダーシップよりボトムアップを有効に機能させてきた日本型組織は。いま最悪の逆スパイラルを描いて崩壊への道を歩んでいる。小を食って大が生き残る関係、大きな企業が「大きな仕事」を放棄する関係は（「リスクをとらないことが最大のリスク」とドラッカーが言う通り）もちろん長く続かない。現在は最後の局面だろう。第2次大戦末期の「特攻」「玉砕」は、勝つためではなく、兵隊や国民を殺して職階上の上位者が「生き残る」ために苦し紛れに考えられた「内向き」のものだった。「大きな仕事」が幻であることがばれてしまえば、組織の紐帯は急速に風化する。</p>
<p style="padding-left: 30px;">戦後の日本人は「自立」「独立」の重要性を身体で学び、「大きな仕事」を開拓していった。ソニーやホンダはその見本だが、この30年間、われわれはソフトバンクをほぼ例外として「大きな仕事」をなしとげた小企業の例を知らない。これは日本がますます窮屈な国になり、可能性を閉ざしてきたことを示している。そればかりではなく、現在では大きな会社にいても「大きな仕事」ができなくなっている。高度成長以後の数々の失敗体験を経て、会社はリスクを怖れる集団と化しており、あらゆるリスクの芽（つまりアイデア）を摘もうとする。大企業が優秀な社員の創造性を潰し、自らの未来を食い潰しているのを見るのは辛い。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>電子出版がビジネスを変え、社会を変える</h3>
<p style="padding-left: 30px;">ではこのまま原爆投下のように「行くところまで行く」しかないのだろうか。筆者はそう考えない。伝統的大企業が優位に立つことができず、社内外の創造性を動員することなしに生きられない電子出版ビジネスこそ、社会の閉塞を打破することができるとさえ考えている。コミュニケーションが変わる時、社会そのものも変わる。グーテンベルク革命のように、出版が社会を変える原動力となるはずである。それは2つの意味においてである。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;"><span style="color: #339966;">崩壊しつつある「大企業モデル」に対するオルターナティブ</span></h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/wwdimpact1.jpg"><img class="size-medium wp-image-3527 alignleft" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="wwdimpact" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/wwdimpact1-225x300.jpg" alt="" width="225" height="300" /></a>恐竜が大型化したのと同じように、大企業が巨大化したのには理由があった。脅威に晒されることが減り、環境の変化を巨大な慣性で吸収できるからだ。巨大組織はそれじたいがネットワークであり、機動性を欠き、多くの重複部分を抱えながらも、高度成長的環境や景気循環には有効に適応した。サービス部門であれば、大企業は高い価格で受注し、下請けに外注することで自動的に高い利益を保証された。製造業でも系列に設備や在庫の調整機能を負わせることで、持続可能性は維持されてきた。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、とくに21世紀に入って以降、企業が持つ企画開発力、生産設備、営業組織、事務部門などをその規模に見合った形で発揮することは困難になってきた。垂直統合型の組織を機動的に運用するのは柔軟で機敏な戦略が必要だが、低成長時代にはそのぶんリスクも大きくなる。戦後的企業の代表とも言える富士通の悲劇は、大企業を変えることがどれだけ難しいかを示している。重要な経営的決定は、すべて（血で血を洗う）政治的問題になりかねない。こうして大企業は進化に遅れたことにより、逆走を始めるのだ。短期間に現代経営学の古典となったマイケル・ポーターの<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3" target="_blank">バリューチェーン</a>理論の優れた点は、市場の側からみた企業の競争力についての分析的、システム的理解を可能とした点にあるのだが、これは日本の大企業に導入するには困難なものだった。日本のように盲目的に肥大化した複合型の大企業がグローバル化した市場で競争優位の戦略をとりうる可能性は、それこそラクダが針の穴をくぐるより難しい。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/v-chain3.jpg"><img class="size-full wp-image-3534 alignright" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="v-chain" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/v-chain3.jpg" alt="" width="200" height="124" /></a>電子出版は大企業を必要としない。バリューチェーンにおける主活動／支援活動の多く（場合によってはすべて）をアウトソースし、「ユーザーにとってのコンテンツ（読書体験）の価値を最大化する」ことに集中することができる。製造設備はおろか経験もないアマゾンがKindleで初めてハードウェアに進出したように、バリューチェーンの構成はいくらでも大胆に描ける。零細出版社の立場で考えれば、Web上のSaaS／クラウド・コンピューティングを（従量制で）利用して、先端的な顧客管理、マーケティング、決済システムなどを（創業時には）無視しうるコストで「構築」できるわけだ。中途半端に自社のシステムなど持っていればこうはいかない。E-Book関連のビジネスは、小規模の企業に向いている。「大きな仕事」がローリスクでできるのだ。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;"><span style="color: #339966;">新しいビジネスと社会活動の前提となるコミュニケーションを普及</span></h4>
<p style="padding-left: 30px;">電子出版は、出版を通じてビジネス、教育、研究開発などの実用的なコミュニケーションで読者に直接的価値をもたらす点に（今日最大の）意義がある。有閑身分でない限り、本を読むことの原点は、人生や仕事に役立ち、知識や技能を高めて雇用を増やし給料を上げることであり、具体的成果を実感することで本への需要は高まる。この20年間、日本で縮小を続けたのは本や雑誌の市場だけではなく、自動車も、衣料品も（通信料以外）のほぼすべての市場に共通している。単純に日本人が（相対的にも絶対的にも）貧しくなったのであって、この構造的貧困化の事実を認めない限り、経済の回復はない。出版は経済を先導できるのにしていないのだ。それだけ日本全体が「大企業病」に罹っているということだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">電子出版とそれを中心としたビジネスは、最低のコストで（事業者にもユーザーにも）最高の効果をもたらしうる。とくに経済活動、社会活動の前提となるスキルとチームコミュニケーションを高めるのだが、それは商業出版だけでなく、企業出版や教育ビジネスも含めて考えることで実現するだろう。米国の工学系名門大学では、優秀な学生ほど大企業に入らない。「大きな仕事」がしたいからである。大企業も起業経験者を採用する。「大きな仕事」を知っているからである。日本の場合、そうした動きはまず出版の周辺から始まる可能性がある。これから冗談ではないことを示したいと思う。（鎌田、06/28/2010）</p>
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		<title>機械思考と論理思考：ゲシュタルト崩壊を超えて</title>
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		<pubDate>Sat, 26 Jun 2010 16:35:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[イノベーション]]></category>
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		<description><![CDATA[知識コミュニケーションとしての出版は、本質的にモノよりソフトウェアのビジネスに近いのだが、数世紀続いた機械印刷パラダイムのもとで、人々はよい本をつくる「製造」業と錯覚してきた。E-Bookは出版がソフトウェアに近づいたこ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/lightbulb-idea.jpg"><img class="size-thumbnail wp-image-3520 alignleft" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="lightbulb-idea" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/lightbulb-idea-150x150.jpg" alt="" width="105" height="105" /></a>知識コミュニケーションとしての出版は、本質的にモノよりソフトウェアのビジネスに近いのだが、数世紀続いた機械印刷パラダイムのもとで、人々はよい本をつくる「製造」業と錯覚してきた。E-Bookは出版がソフトウェアに近づいたことにほかならないが、そのことの理解は容易ではない。E-Bookに対する日本の関係の戸惑いと見当違いは、すべてを光輝あるモノづくりのメタファーで理解しようとするゲシュタルトからきているのだと思う。しかし、これを乗り越えなければ日本の出版の明日はない。<span id="more-3508"></span></p>
<h3>個がシステムをデザインできるソフトウェア・パラダイム</h3>
<p style="padding-left: 30px;">本は機械技術の、E-Bookはソフトウェア技術の産物だが、機械とソフトウェアは性格的にかなり異なる。最大の違いはこういうことだろう。機械は大規模複雑になるほど、設計も製造も個人の手には負えなくなるのに対して、ソフトウェアにはそうした限界がない。もちろん、ソフトウェアの複雑化は著しく、数千万行のコードのシステムもあり、Windowsのように、千人以上がコードのメンテナンスのために働いている製品もめずらしくはない。これなどは機械工業に匹敵する。だが、こうした複雑化によっても、個人の創造性の余地はまったく減ることはなかった。それは<span style="color: #cc0000;">オープンスタンダード</span>と<span style="color: #cc0000;">オープンソース</span>によって実装における複雑性をいとも簡単に乗り越えることができるからだ。ただしこれらを効果的に使うには<span style="color: #cc0000;">抽象化能力</span>に優れた<span style="color: #cc0000;">個人</span>を必要とする。</p>
<p style="padding-left: 30px;">抽象化能力は論理思考、数量化思考とイコールだが、米国は偉大な人材を生み、育て、受け容れて存分に活躍できる場を提供することで最大のソフトウェア産業とWebビジネスを築いた。日本は逆に、学校教育で抽象化能力を退化させ、この「異能」者を隔離して実社会での権力を与えなかった。日本は組織による「ものづくり(製造)」を神格化したが、米国は個人による「システムづくり(デザイン)」を神格化した。優劣の問題ではないが、ビジネスにおいてより柔軟なシステムが要求されるようになった1990年代以降、日本の社会システムはテクノロジー・パラダイムの変化に遅れ始め、逆に社会システム（中心的にはカイシャ）を護るために硬直性を強めている。最近ではインドと中国という、論理に強い国が台頭し、短期間に日本を抜き去った。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hammer.png"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-3517" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="hammer" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hammer-150x150.png" alt="" width="150" height="150" /></a>E-Bookビジネスにおける構図も、こうした状況を反映しているように思える。<span style="color: #339966;">「金槌しか持たない人間には、万事が釘のように見えてくる」</span>というのは、有名な<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Abraham_Maslow" target="_blank">エイブラハム・マズロウ</a>の金言だが、「機械」パラダイムで育った日本の大企業は、いまだにE-Bookを機械システムの一部のように扱おうとしている。早い時期から始められた電子書籍／電子出版は、まさに「機械思考」の産物であり、コンテンツは大メーカーと通信企業が提供する高価で複雑なシステムにとっての原材料ようなものと考えられていた。想定された読者は、受身の消費者であり、彼らとの接点は「購入」に限られていた。いかに優れたE-Readerを製造しても、いかに美しい文字を表現しても、それは紙に及ばない。書評を読んだり、人と会話したり、本屋に行くことから始まる<span style="color: #cc0000;">読書体験</span>を構成する要素が全く考えられていなかったからだ（電子辞書は例外だったがそう考えた人は少なかった）。</p>
<p style="padding-left: 30px;">アマゾンKindleの成功は「読書体験」を抽象化し、Web上で再構成したところにあった。日本の出版社はまだそのことを十分に理解していない。機械時代の発想で「プラットフォーム」を考え、「フォーマット」がプラットフォームを支えていると錯覚し、それを独自化することで自分たちのビジネスを守ることができると考えているのだ。三省懇談会の「フォーマット」に関する議論は悲惨なほどだった。ITに関するリテラシーの問題もあるが、IT専門家ですら「機械思考」に奉仕させられてしまう体制のためだと思う。事実認識の問題以上に、認識の枠組み（<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E5%B4%A9%E5%A3%8A" target="_blank">ゲシュタルト</a>）の問題だ。筆者は、E-Bookに関わるフォーマットは一様ではなく、統一は有害無益で、かつ標準と両立しない「独自」性は自殺行為にしかならないことを強調したのだが、機械思考、メーカー発想の人々には理解してもらうのは容易でない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>出版社を守るのはフォーマットではなく、読者だけである</h3>
<p style="padding-left: 30px;">フォーマットは目的／機能に対応し、つねにジグソーパズルのピースでしかない。EPUBが優れているのは唯一点、それが日々進化しているWeb (HTML/XML)技術と互換性があり、<span style="color: #cc0000;">ユーザーにとってのコンテンツの価値を最大化できるポジションにある</span>ことに尽きる。もちろん、Web環境が技術的に優れているわけでもない。しかし課題は山のようにあるが幅広い市場のニーズに沿って進化していることが重要だ。成果は万人が共有できる（つまり圧倒的に安い）。多言語環境がよい例だ。無料のブラウザやプラグインを通して、Webの進化は短期間に着手され、たいていは既存の道具を組み合わせることで完了する。必要性の認識が共有されれば、ほぼ時間の問題で、自分でやらなくても誰かがやってくれる。オープンスタンダード／オープンソースの良さだ。日本ではあまり実感できないが、Web上のオープンソース・プロジェクトは山のようにあり、しかも他のプロジェクトと効果的な連携を取ることを怠っていない。その仕事の質にも圧倒される。</p>
<p style="padding-left: 30px;">問題は、「出版社にとってのコンテンツの価値を最大化」することを保証しないことだろう。出版社やメーカーの一部は、まだ機械時代の発想でものを考えるから、コンテンツにロックをかけようとする。ロックをかけるために日本語組版からDRMなどのフォーマットを駆使したいと考えている。これは市場を「限定」することで価値を安定させる旧時代の発想で、コミュニケーションのインタフェースを制限するものだ。印刷本なら（古書を含めたライフサイクルで）価値が最大化できたかもしれないが、デジタル時代ではそうはならない。<span style="color: #cc0000;">出版社にとってのコンテンツの価値最大化は、つねに読者を開拓することでしか実現しない</span>のだ。</p>
<p style="padding-left: 30px;">機械時代の発想は「規格」を絶対の土台と考える。世の中には日本語（＝縦組）コンテンツとiPad／ケータイ／iPhoneしかないと固定化して考えたりもする。そうした「土台」がないと何もできないと思ってしまうのだ。出版社はもうすこし自由に考えられそうなものだが、実際には書店の本棚、判型、用紙などから自由ではない。iPadの画面 (768 x 1024px) はA5判の長辺をやや短くしたような形 (ほぼ147 x 196 mm)で、レターサイズに近いアスペクト比だが、これに最適化したレイアウトを考えても、2年もすれば解像度は変わるし、サイズも変わる可能性が高い。印刷本と同じ発想でつくって2年で陳腐化したらどうだろう。画面への依存度を減らすWebのデザインのほうが、E-Bookとは親和性が高いのだ。しかし、紙で育ったデザイナーが、アスペクト比と解像度が一定しない環境（判型や印刷精度が一定しないに等しい）に適応するのは容易でないだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">現実には、コンテンツ（フォーマット）もデバイスも様々で、かつ変化していく。そればかりではない。決済システム、顧客管理とSNSを含む配信プラットフォームなど、10年前には数千万かけても無理だったビジネスプラットフォームは、（知識さえあれば）零細出版社でも3月で構築できるようになっているのだが、機械思考ではそうした現実に目を止めることもない。じつはこうした環境を最も早く、最も安価に導入する方法は、ベンダーに頼らず自分でやることであり、最も近いユーザーは現在（WebとPC以外）何のシステムも持っていない企業なのだが、そんなことはメディアも教えてくれない。ユーザーと一部Webサービス企業以外誰も得をしないし、誰も広告を出してくれないからだ。IT（情報）とメディア（広告）の幸福な関係は、21世紀に入って切れ始めた。これも日本にITが入ってこなくなった原因なのだが、まだ多くの人は気がついていない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">あと２年とたたず、Web/EPUBは商業出版として望まれる日本語組版の最低水準を達成し、ブラウザやプラグインで苦もなく利用できるようになるだろう。様々な解像度や形状、カラーの画面仕様に対し、デバイスメーカーも、配信プラットフォームも、ユーザーが自由に選べる（オープンソースあるいは独自の）表示最適化ツールを用意することになるだろう。<a href="http://calibre-ebook.com/" target="_blank">Caribre</a>や<a href="http://www.lexcycle.com/" target="_blank">Stanza</a>のような表示／フォーマット変換ツールは、Webの新聞記事をE-Readerで読みたいという個人 (キャリバーはKovid Goyal)の必要から始まった。それは多くの人に引き継がれて拡張されている。Webが変えた世界では、フォーマットはこのように扱われるという見本だろう。日本語だけがそうならないとすれば、それは言語としての<span style="color: #cc0000;">日本語の機能低下</span><span style="color: #cc0000;">、言語文化の衰退</span>につながり、もちろん出版社が守られたりはしない。行政、産業界、学界は、機械時代の思考からいつ抜け出せるのだろうか。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/300px-German_infantry_1914_HD-SN-99-02296.jpeg"><img class="alignright size-full wp-image-3518" title="300px-German_infantry_1914_HD-SN-99-02296" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/300px-German_infantry_1914_HD-SN-99-02296.jpeg" alt="" width="300" height="115" /></a>機関銃は戦争を機械化したパラダイム・チェンジャーだが、19世紀半ばには完成していたこの兵器が正規軍同士の大規模な実戦に使われるには日露戦争を待たねばならず、戦略戦術に反映されるには、第1次大戦の莫大な犠牲者を必要とした。軍人たちが「騎兵」と「突撃」を中心とした戦争の<span style="color: #cc0000;">人間的側面</span>（名誉）と<span style="color: #cc0000;">社会的側面</span>（組織体制）を、たかが機械に否定されたくなかったためだ。動機はもっともだが、最も貴重な人命が失われても、関係者が事実を見ようとしなかったことは重要だ。問題はいつも技術ではなく、人間と社会にある。　（鎌田、06/25/2010）</p>
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		<title>電書フォーマット記事問題への「弁明」</title>
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		<pubDate>Mon, 14 Jun 2010 12:09:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[三省懇談会]]></category>
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		<description><![CDATA[本誌の「日の丸電書フォーマット」の記事は、すでに千人以上の方にお読みいただきました。その反響は、最新のWebツール（ECHO）で拾ってきたコメントの数からもうかがえるでしょう。ぜひ公開の議論を発展させて、この問題について [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/debate1.jpg"><img class="alignleft size-thumbnail wp-image-3422" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="debate" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/debate1-150x150.jpg" alt="" width="95" height="95" /></a>本誌の<a title="「日の丸電書フォーマット」とEPUB" href="../2010/06/j-format-vs-epub/">「日の丸電書フォーマット」</a>の記事は、すでに千人以上の方にお読みいただきました。その反響は、最新のWebツール（ECHO）で拾ってきたコメントの数からもうかがえるでしょう。ぜひ公開の議論を発展させて、この問題についての理解を深め、解決法についてのコンセンサスを形成していく場として使っていただきたいと考えております。筆者の鎌田を名指しで批判された方がいましたので、ここに「弁明」の機会を設けさせていただきました。この機会に、本サイトの性格と編集方針をご理解いただければ幸いです。（鎌田）<span id="more-3400"></span></p>
<h3>本誌の編集方針と投稿受付について</h3>
<p style="padding-left: 30px;">
<div id="attachment_3423" class="wp-caption alignright" style="width: 310px"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Stanza_convert.jpg"><img class="size-medium wp-image-3423 " style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="Stanza_convert" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Stanza_convert-300x278.jpg" alt="" width="300" height="278" /></a><p class="wp-caption-text">無料iPhone用ファイル変換ソフトStanzaのメニュー</p></div>
<p style="padding-left: 30px;">「鎌田博樹 氏の電子書籍フォーマットに対する無理解がひどい」とご指名をいただいたのは、ブログ<a href="http://bookstore.g.hatena.ne.jp/worris/" target="_blank">「オリノコ河水源の探検」</a>で出版業界についての、なかなか興味深い情報、ご意見を提供されている方です（以下「オリノコ」氏とさせていただきます）。若い頃は南米三大河として「オリノコ河水源の探検」に行きたいと考えたことがあったので、なんとも奇遇です。生態系や文化の違う世界には好奇心が先行します。この歳では熱帯ワニに会いに行く気力も度胸もありませんが。</p>
<p style="padding-left: 30px;">本サイトは基本的にオープンなもので、<span style="color: #cc0000;">建設的なものである限り、どなたの投稿に対しても開かれて</span>います。多くのページを不肖鎌田が執筆しているのも、まだ多くの方々のご支援を受け、あるいは逆に報酬を差上げられる状態には至っていないためです。とはいえEBook2.0 Forumがパブリックなもの（公的言論空間）で、鎌田の私的ブログではないことをご理解ください。（<span style="color: #888888;">上の画面は<a href="http://www.lexcycle.com/" target="_blank">Stanza</a>の変換メニュー。「統一」より、こんな民間ソリューションが出てきやすい環境が筆者のゴールです。</span>）</p>
<p style="padding-left: 30px;">浅学菲才は自覚しておりますので、事実認識や判断において間違う可能性はつねに感じております。それは読者の「<span style="color: #cc0033;">衆知</span>」で正していきたいと願っています。楽観的でしょうが、<span style="color: #cc0033;">疑問・異論</span>を率直にぶつけ合うことを通じて知識・認識の共有に至るWeb 2.0の可能性（いわゆる<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/The_Wisdom_of_Crowds" target="_blank">wisdom of crowds</a>)に期待しています。その気にさえなれば、Webは「つぶやき」や「落書き」以上のものにも使えるからです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">当面は取材に動ける状態になく、また「密着取材」や「夜討朝駆」の力を持った有能な職業的ジャーナリストのご協力も得られておりませんので、一次情報（公刊資料）二次情報（報道、論評）をもとにしております。読み違えの可能性はありますので、これも前項のように読者諸賢の厳しい目に期待しています。</p>
<p style="padding-left: 30px;">議論が「建設的」であるためには、(1) <span style="color: #cc0000;">他人</span>を尊重すること、(2) <span style="color: #cc0000;">事実</span>の解明と理解に努力し、受け容れること、(3)  <span style="color: #cc0000;">価値</span>観の違いについては、読者の判断に委ねる、ことであると考えています。本誌は匿名者も尊重します。匿名・変名での投稿を受け付けない方法もありますが、日本の場合、会社や組織の中での言論の自由が尊重されない可能性もありますので、名乗りたくない以上、そういう事情がおありだと考えることにします。</p>
<p style="padding-left: 30px;">以上を前置きとした上で、「オリノコ」氏のご指摘に感謝したいと思います。読んでコメントしていただくことは、筆者として嬉しいことです。残念なのは、「無理解」「ひどい」「勝手に妄想して批判」「日本語の読解力に問題」としたあげく「電子書籍ビジネスセミナーで儲けるのが仕事なんだろうけどね。受講する人はよくよく考えた方が良いだろう。」と「受講する人」の心配までされていることです。いやはや…楽しいですね。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>フォーマットには何のこだわりもありません。機能、生産性、多様性、選択…の問題です。</h3>
<p style="padding-left: 30px;">自分が「無理解」で「ひどい」可能性はまったく否定しませんが、手順として、私は自分なりの<span style="color: #cc0033;">事実認識</span>と<span style="color: #cc0033;">価値観</span>を明示した上でものを言っております。<span style="color: #cc0033;">どこで間違えたか、何が違うのか</span>をはっきりさせる必要があると思うからです。弊社の「研究講座」も同じ姿勢で運営されています。これは「懇談会」のような「傍聴」だけでなく、ご質問やお叱りも含めて討議できる機会として重視しているものです（オリノコ氏も名乗って(?)いただければ、ぜひご招待させていただきます）。ちなみに「EPUB」にこだわっているわけではないことは、本誌の一連の記事をよくお読みいただければ、お分かりいただけるでしょう。EPUBはE-Bookで必要なフォーマットの一部しかカバーしておらず、日本語組版機能が加わってもそれは変わりません。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/file_format.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3419" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="file_format" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/file_format.jpg" alt="" width="134" height="176" /></a>E-Bookのフォーマットは日本語組版以外にも山ほど（たとえば外字・異体字、ナビゲーション、プログラミング…）必要なので、組合せがたいへんにならないよう、同じ機能を実現するものならできるだけ単純なほどいいというのが鎌田の考えです。とはいえ、文化というものは「わずかな違い」を重視するところに存在するわけですから、同じかどうかは鑑識眼を持つ人の声を尊重しなければなりません。コスト的合理性以外の価値判断があっても、それは尊重すべきでしょう。ただ、あれかこれかというトレードオフは少ないに越したことはないし、著者、出版社や読者を中心とした当事者が自由に選択できるほうがいいと考えています。ご指摘になっている「植村氏の資料」には、既存の書籍の（雑多な）元データをアウトプットとしてのXMDF形式に持っていくための「中間」フォーマットとしか読み取れなかったので、懸念を抱いたということです。それだけだとすると、懇談会の「公共性」に疑問が生じます。XMDFは必ず尊重されるべき規格ですが、これに一本化するのはちょっと。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/fbooks.png"><img class="alignright size-full wp-image-3418" title="fbooks" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/fbooks.png" alt="" width="180" height="66" /></a>筆者は無料のE-Bookをもっぱら読んでいますが、<a href="http://www.feedbooks.com/" target="_blank">Freedbooks</a>のような配信サイトでは、EPUB、Kindle、PDF、カスタムPDFという<span style="color: #cc0033;">3(4)つのファイル形式</span>でコンテンツが提供されています。EPUBとKindleは同じ、PDFは固定ページで、選ぶことができます。これは「<span style="color: #cc0033;">ワンコンテンツ・マルチファイル</span>」ですが、別に出版サイドが苦労しているようには見えませんね。EPUBやPDFなどは、ワープロやDTPソフトからダイレクトに「出力」できるわけで、<span style="color: #cc0033;">ファイル形式などというのはその程度のものであることが理想</span>ではないかと思います。もちろん別の考えもあることは否定しません。でもなぜシングルファイルでなければいけないんでしょうか。</p>
<p style="padding-left: 30px;">個人的な遺恨がないとすれば、ここまでアツくなるのは、「オリノコ」氏が電子出版に真剣であるということだと思います。出版業界の方だと思われますが、それはすばらしいことです。ぜひ有益な電子出版活動を実践していかれることを期待します。また、これに懲りずに、筆者の「ひどい」「無理解」と「妄想」を具体的に正していただけることを期待しております。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>プロセスを守ればコミュニケーションは生産的になります</h3>
<p style="padding-left: 30px;">その昔、アメリカ大西部の酒場＝賭場には、「ガンベルトはお預かりします」と看板がさがっていたという話があります（喧嘩は素手で、という意味でしょう）が、議論のために重要だと思われることは、<br />
1) 価値観（なぜ、誰のために、何を実現すべきか）の問題<br />
2) 実現する手段（目ざすべき方向）<br />
3) 手段を構成する技術的内容</p>
<p style="padding-left: 30px;">をそれぞれ区別することです。本誌では、及ばずながら<a href="http://www.ebook2forum.com/about/#ebook-concept" target="_self">コンセプトやマニフェスト</a>などで、あまりに多様な意味を持つ出版やテクノロジーを定義し、オープンな議論の場を提供しようと努力しております。かなり極端な考えでも、重要な側面をついている可能性があり、いちがいに間違いであるとは言えません。筆者は池田信夫さんのように、競争はつねに合理的な選択に導くとか、グローバリゼーションは正しい、といったわかりやすい価値観は持ち合せておりませんので、ゼロから、徹底的に議論したいです（「朝ナマ」のような言いっぱなしや個人攻撃は、議論とはほど遠いものです）。消費税でも核武装でも教科書でも、社会のあらゆる問題はきちんと議論すべきだと思いますし、そうしたことから本に対する需要が生まれるわけで、必ず出版業界のためにもなります。電子出版も例外ではありません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">例えば、次のような「<span style="color: #cc0033;">仮説</span>」についての検討はぜひまともにやりたいと思います。</p>
<ul>
<li> 日本の出版業界を守ることがすべてに優先される</li>
<li> 日本語と日本語処理は防壁であり、壁は高いほうがよい</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/800px-Blind_monks_examining_an_elephant.jpg"><img class="alignleft  size-medium wp-image-3429" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="800px-Blind_monks_examining_an_elephant" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/800px-Blind_monks_examining_an_elephant-300x217.jpg" alt="" width="300" height="217" /></a>筆者は、PCやマックの日本語化、アプリケーションやミドルウェアの標準化などに関係したことがあり、技術についてはそれなりに厳密であるつもりです。異質な技術的背景を持った人間が、ファーストコンタクトでどれだけズレた議論を始めるかについては、日本でも海外でもよく目にしていますから何が出てきてもまったく驚きません。それぞれが重視している価値について感情的になるとどうなるかも見てきました。（図は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E4%B8%80%E8%9D%B6" target="_blank">英 一蝶</a>の群盲撫象図）</p>
<p style="padding-left: 30px;">価値には個別なものと普遍的なものがあり、また手段がもたらす評価は、長期と短期に分けて厳密に行う必要があります。「<span style="color: #cc0033;">5W1H</span>」のコンテクストが明確になることで議論が建設的なものとなります。日本は「空気」の国です。よきにつけ、あしきにつけ、「空気」が人々の判断や行動に影響を与えます。しかし（第2次大戦前を除き）今ほどそれが危険な時代はありません。出版は（空気ではなく）<span style="color: #cc0000;">知識のコミュニケーションの手段</span>であるという高度な社会的価値を持つというのが筆者の信念であり、非力ながら本誌も危機の時代の出版の一翼を担う自覚を持って行動していきたいと思います。ご理解とご支援をお願いするしだいです。（06/14/2010）</p>
<p style="padding-left: 60px; text-align: right;">EBook2.0 Forum編集長<br />
鎌田博樹</p>
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		<title>LAトーク(4)：高等教育がニッチ市場となる米国</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/06/la-talk-session-ta02/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/06/la-talk-session-ta02/#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 12 Jun 2010 11:03:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<guid isPermaLink="false">http://www.ebook2forum.com/?p=3380</guid>
		<description><![CDATA[LAの立入さんからの第2信をお届けする。一般書のマスマーケットは規模が大きいが、そこは巨大企業の主戦場で、E-Bookビジネスとしてのリターンはあまり期待できない。実用書は昔から多くのニッチ企業が共存してきた分野で、E- [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Tachiiri_s.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3136" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="Tachiiri_s" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Tachiiri_s.jpg" alt="" width="90" height="103" /></a>LAの立入さんからの第2信をお届けする。一般書のマスマーケットは規模が大きいが、そこは巨大企業の主戦場で、E-Bookビジネスとしてのリターンはあまり期待できない。実用書は昔から多くのニッチ企業が共存してきた分野で、E-Bookにおいても同じようなニッチが生まれるだろう。立入さんは、とくに大学・大学院のニーズを分析し、潜在的に高い市場性を明らかにしている。レベルの高いアメリカの高等教育現場（中国やインドの留学生が多い）で高機能のE-Bookが普及したら…と考えてしまう。日本でも実用書出版社による「<a href="http://gihyo.jp/news/nr/2010/06/0802" target="_blank">電子書籍を考える出版社の会</a>」が立ち上がろうとしているが、日本が教育IT革命の波に置いていかれないようにぜひ頑張って欲しいものだ。（鎌田）<span id="more-3380"></span></p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h1>電子出版市場としての教育の可能性</h1>
<p style="text-align: right;"><strong>立入勝義</strong></p>
<p style="padding-left: 30px;">鎌田様</p>
<p style="padding-left: 30px;">プロジェクトの締め切りにしばらく追われておりまして、返信が遅れました。NBAファイナルは昨夜(11日)第4戦が終わり、レイカーズが負けて対戦成績が２対２のタイとなり、こちらではすごい盛り上がりを見せています。ネットで調べると、残り２戦あるLAでの両試合のチケットの相場は一席400～54000ドル(!)とすごく高騰しているのが分かります。不況とはいいながらも、あまりにもたくさん競争相手が倒れてしまい、勝ち組は儲かりつつある構図ができているのだと思います。と言ってもここ<a href="http://www.google.com/publicdata?ds=usunemployment&amp;met=unemployment_rate&amp;idim=county:CN060370&amp;dl=en&amp;hl=en&amp;q=unemployment+rate+los+angeles" target="_blank">LAの失業率</a>は現在12.3％と依然高水準で、しかもこの数字はあくまでも「失業保険受給者」の数と言われています。アメリカにはビジネスで独立している人も多いですから、実質はこの倍あったとしても不思議ではないように思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">前回の<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/06/la-talk-session-ta01/" target="_blank">「パンドラの箱」</a>へのコメントありがとうございます。たしかに神話の最後には「希望」が残っていたということですが、これはアップルによって、これまでマイクロソフトやGoogle、アドビといった巨大企業の主導で動いていた市場の流れが変わる可能性が見えたということ、そしてより「オープン」で革新的なコンテンツやプラットフォームが生まれてくるということではないかと思います。アップルの素晴らしいところは、市場の声を反映させながら自分たちのビジョンを確実に実現していくところで、スティーブ・ジョブズはまさしくアーティストだと思います。これからはこのように市場の声を着実に自身のビジネスモデルに反映させていくことのできる企業が生き残っていくことでしょう。激変が続く日本での政治も同じではないかと思うのですが。</p>
<p style="padding-left: 30px;">&#8220;EBook2.0&#8243;がもたらす読書体験については私も同感です。私は去年の春から一貫して「電子出版の醍醐味は紙出版ではできなかったことを実現することだ」と力説してきています。これまでの印刷本のユーザーエクスペリエンスをそのまま踏襲するだけでは何のイノベーションも生まれません。PCとWebでできていたことをいまさら端末を変えてやりなおすだけでは、何の芸もないばかりか、長い目で見て出版の市場規模が縮小していくだけだと思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">この点で、私は電子出版とソーシャルメディアの専門家として、できるだけ目先の動きにとらわれずに大局観をもって市場を分析していきたいと考えています。また、私はただのジャーナリストではなく電子出版業を生業とする者でもありますので、そういう点でビジネスチャンスを見つけたら果敢に攻めていきたいとも考えています。先日書き上げた自著『電子ブック開国論』（出版準備中、版元未定）で説いた「開国論」というのは日本独自の武器をうまく見つけて、それをもって世界に打って出るべきだという考えです。もちろんこれを達成するためには、書き手（作り手）も読み手も考えを変えていかなければならず、そのために必要なのは<span style="color: #cc0000;">より実用的で採算性の高いプラットフォームとビジネスモデルの構築</span>だと考えています。これらはクリエイターとしての書き手や、消費者である読み手の仕事ではなく、プロデューサーである企業群が遂行していくミッションです。しかし、残念ながら今のところこういった大局観をうまく見据えた動きをしているところは少ないようです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">さて、今回は頂いたテーマである電子出版と教育の可能性についてお話したいと思います。３つのお題を頂きました。</p>
<ol>
<li>学生はどんなE-Book/E-Readerを必要とするのか</li>
<li>教育/教科書専用E-Readerに専用機は必要か</li>
<li>教育市場においてニッチは成立するか</li>
</ol>
<h3>1. 学生が求めるE-Book/E-Readerとは</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/kindlepace1.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-3387" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="kindlepace" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/kindlepace1-270x300.jpg" alt="" width="189" height="210" /></a>学生が必要とするE-Readerですが、まず最初にこのポジションを狙ったのがAmazonのKindle DXでした。最初のKindle（6インチ）よりもかなり大きなこのDX（9.7インチ）を私も所有していますが、画面はやはり見やすくPDFビューワーを搭載している点や、画像が縦横に切替わる機能などは、この端末をかなり便利にしていると思います。しかしながら、Kindle DXは学生たちには支持されず、今アメリカでもっぱら話題になっているのはやはり多機能端末であるiPadです。リリース直後にアメリカの名門大学のいくつかが「帯域の問題」からiPadのキャンパス内での使用を禁止した、という話が話題になりました。その一方では、新入生に向けてiPadやMacBookを無償提供することを打ち出している学校もあるようで、これは人気があり裕福な子女をたくさん抱えている大学と、少しでも多く良質の学生を獲得しようと躍起になっているアメリカの大学の姿が垣間見られます。日本でも恐らく同じような話がもちあがると思いますが、インターネットを巡るインフラがよく整備されている日本では、少なくとも「帯域」による問題はおきないのかも知れませんね。</p>
<p style="padding-left: 30px;">私は、近い将来学生たちの間にE-Bookが浸透するのは時間の問題だと見ています。これまでにもアメリカでは、企業が大学のキャンパスを自社製品を普及させる場所として活用しており、製品を寄付するなど積極的な支援活動を行ってきました。これを最初に有効活用して学生から強い支持を受けたのが、他の誰でもないアップルですし、その次にはDELLやマイクロソフトが盛んに自社製品を売り込みました。私が通っていたコミュニティカレッジでは、当時マックが主流でしたが、UCLAに編入してみるとすでに主流はWindowsに移行しつつありました。御存知のように、UCLAはアメリカで最初にインターネットの接続実験が行われた２校（のちに４校）のうちの一つですから、ネットインフラは当時からかなり整備されており、接続速度も他のどこよりも圧倒的に速く、Bruin Online という学生対象の独自プロバイダ事業まで手がけていまして、これは今日も存在しています。</p>
<p style="padding-left: 30px;">学生が求める主要な機能としては、</p>
<ol>
<li> 軽い　（アメリカの教科書は日本と比べてかなり分厚く重い。学生は常にバックパックにそれらを詰めてキャンパスを歩きまわるため負担が多い。）</li>
<li> 電子書籍版の教科書が安価で購入できる　（学費も高騰しているため、中古教科書市場は大きなものとなっています）</li>
<li> インターネットに接続できる（メールやウェブサイトのチェックなど）</li>
<li> カラーで見やすい　（やはり教科書は図解などが多いのでカラーのほうがよい）</li>
<li> コメント機能やブックマーク機能　（それらを共有できればもっといいのかも知れません）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">などがあげられると思います。ちなみに、（日本の大学はどうか知りませんが）アメリカの大学では板書というものがあまりなく、教科書への書き込みやノートテーキングが成功のために重要なカギとなっています。欠席をしたりノートをうまく取れなかった学生のために、授業ノートが売買されたりするくらいです。アメリカの学生にとって、いかに学期ごとの教材費を下げるかは死活問題ですから、それらをサポートするような内容に関しては無条件に受け入れられると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>2. 教育/教科書専用E-Reader端末の是非</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/4_kno_library.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-3384" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="4_kno_library" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/4_kno_library-300x187.jpg" alt="" width="240" height="150" /></a>先日私の「<a href="http://www.ichikarablog.com/" target="_blank">意力ブログ</a>」で電子書籍ベンチャーである<a href="http://www.kno.com/the-kno.html" target="_blank">Kno</a>社が開発した<a href="http://ichikara.sakurainternetusa.com/message/lmdp/1766.html" target="_blank">電子教科書端末についてのエントリーを</a>あげたところでした。まだ発売日は未定で、価格も1,000ドル以下ということしか分かりませんが、私はこの端末のデモと発表内容を見て面白いと思いました。1,000ドルという価格は一見バカバカしく映ると思いますが、学生の本分は勉強であり、デモ動画で実践されているような内容が可能であるならば、この端末を面白いと思う学生は多いと思います。特にソフトウェアの面で複雑な理数系の数式や記号などを簡単に使えるものというのはそう多くなく、学生などは<a href="http://www.wolfram.com/products/mathematica/index.ja.html" target="_blank">Mathematica</a>のようなソフトをよく利用していますが、このソフトは普通に買うと2,000ドル以上もするようなソフトです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">このテーマを考えるときには</p>
<ol>
<li> アメリカの学生はもともと計算機に対する依存度が高かったため、教育用端末に対しての心理的抵抗感は低く、依存心が高い。</li>
<li> テキストが重く高いため、それらを軽減してくれる電子教科書端末は重宝される</li>
<li> 企業がPRの一環として大学を取り込むことに熱心である</li>
<li> これまでのような専用ソフトを代替するような簡易アプリが登場するかどうか</li>
<li> 教育専用端末か、汎用機向けの専用アプリか？</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">という点がポイントになるように思います。そしてこれらは日本の大学とは事情が異なるかも知れません。また、電子教科書専用端末がノートPCやスマートフォンと競合するかどうかということも大事な点だと思います。私がiPad（に代表されるタブレット機）を「パンドラの箱」と呼ぶ理由の一つは、このようなシェアの奪い合いです。今やアップルはニッチではなくなってきているわけですから、iPadが他の端末のシェアを奪っていくことも十分に考えられるわけですし、もちろん他のハードメーカーも気が気ではないと思いますので、Android端末（あるいは<a href="http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2732496/5832276" target="_blank">Chrome OS</a>搭載機）に対しての期待は否が応にも高まると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>3. 教育市場においてのニッチ</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/product4.png"><img class="alignright size-medium wp-image-3385" title="product4.png" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/product4-300x210.png" alt="" width="189" height="132" /></a>ここでおっしゃられている「ニッチ」がどのような観点でのお話なのかよく理解できているか分かりませんが、一般的な話をすると教育市場におけるニッチは十分に存在しうると思いますし、またビジネスチャンスとして見た場合には、むしろ<span style="color: #cc0000;">一般的な電子出版市場よりも成功する可能性が高い</span>のではないかと思います。少し長くなりましたので、以下にポイントだけを列挙したいと思います。<span style="color: #888888;">（写真はいずれもKnoのdigital textbook）</span></p>
<ol>
<li>論文作成の際などに使用する学術論文の検索および寄稿機能</li>
<li>国際学術論文の検索（これは盗用や剽窃といったものを防止するためにも使われます）</li>
<li>Web上では検索できないような専門的資料、格式のある資料の検索（例えば<a href="https://www.lexisnexis.com" target="_blank">Lexis/Nexis</a>や大学図書館の資料などがこれにあたります）</li>
<li>チュータリングやフォーラムなどの意見交換に関するサービス</li>
<li>専門的な記号や図式などを表現するのに特化したアプリや端末の開発および設計<a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/product2.png"><img class="alignright size-medium wp-image-3386" title="product2.png" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/product2-300x210.png" alt="" width="192" height="134" /></a></li>
<li>図面に関するもの（図面作成、アーカイブ、補正など）</li>
<li>医学書などの専門的内容を表示するに特化したもの</li>
<li><a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Medical_College_Admission_Test" target="_blank">MCAT</a>（医学系）や<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/Graduate_Management_Admission_Test" target="_blank">GMAT</a>（経営系）、<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Law_School_Admission_Test" target="_blank">LSAT</a>（法科系）などの専門大学院入試から始まり、司法試験（Bar Exam）や会計士（CPA）試験などの準備に関連するもの。あるいはその職にあるものが使う専用の端末および辞書</li>
<li>音楽業界における譜面や歌詞などに関連するもの</li>
<li>年表、絵画や古文書などの（古）美術品などの閲覧に特化したもの</li>
<li>NPOの活動報告書や上場企業の決算書などをアーカイブしたようなもの（MBA学生用）</li>
<li>日本語や中国語などのアジア言語、あるいはアラビア語やアフリカの言語などマイナーな言語を学ぶためのもの</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/product5.png"><img class="alignright size-medium wp-image-3388" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="product5.png" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/product5-300x216.png" alt="" width="189" height="136" /></a>上記はほんの一例ですが、これらを必要とするユーザーは一般ユーザーとは異なり<span style="color: #cc0000;">情報に対する対価の支</span><span style="color: #cc0000;">払いを惜しまない人たち</span>なので、数は少なくともビジネスとして成立する度合いが高いと思います。この市場の規模を理解する上で障壁となるのは、日本における高等学位（修士以上）の保有者の割合が米国に比べ圧倒的に低く、十分な認知とリスペクトが得られていない点ではないでしょうか。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ところで最後に興味深い話を一点。2009年の<a href="http://www.census.gov/" target="_blank">US Census</a>（国勢調査）によると、25歳以上の男女で<a href="http://www.census.gov/population/www/socdemo/education/cps2009.html" target="_blank">修士以上の学歴を保有する者の割合</a>は10％以上であり、25-29歳ではなんと<a href="http://www.resourceshelf.com/2010/04/20/in-the-u-s-nearly-6-in-10-advanced-degree-holders-age-25-29-are-women-according-to-u-s-census/" target="_blank">女性が6割を超える</a>そうです。一方日本の電子出版市場においては主流がマンガと携帯であり、中には成人コンテンツの割合がかなり高いと聞いています。私は初期にKindleを買い支えた人たちの中には、活字好きであまり技術に詳しくはないが環境に敏感な白人のキャリアウーマンや教育関係者が多かったのではないかと考えているのですが、この統計を見る限りだけでも日本とアメリカにおける電子出版市場の成熟過程において、大きな方向性の違いがでてきそうなのが見て取れると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">そして、ギリシア神話ではたしか「パンドラ」はゼウスによって作られた人間の女性でしたね、「パンドラの箱」に残されたものは「未来を予知する災い」。日本でiPhoneユーザーの中に女性の割合が増えているということからも、日本の電子出版の方向性について女性がカギを握っている、という何とも意味深なメッセージがここには込められているような気がするのですが、いかがでしょうか？ （立入、6月11日）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">シ リーズ「LAトーク」</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="シリーズ「LAトーク」(3)：教育という大市場" href="../2010/06/la-talk-session-ka0/">シリーズ「LAトーク」(3)：教育という大市場</a> by 鎌田、06/07/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="シリーズ「LAトーク」(2)：パンドラの箱は開いた" href="../2010/06/2010/06/la-talk-session-ta01/">シ リーズ「LAトーク」(2)：「パンドラの箱は開いた」</a> by 立入勝義、06/01/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="シリーズ「LAトーク」(1)：iPadの読み方" href="../2010/06/2010/06/2010/05/la-talk-session-ka01/">シ  リーズ「LAトーク」(1)：「iPadの読み方」</a> by 鎌田、05/31/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;">
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>シリーズ「LAトーク」(3)：教育という大市場</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/06/la-talk-session-ka0/</link>
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		<pubDate>Mon, 07 Jun 2010 12:40:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Discussion]]></category>
		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
		<category><![CDATA[教育]]></category>
		<category><![CDATA[電子教科書]]></category>

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		<description><![CDATA[KindleやiPadは、E-Bookの世界をわずかに垣間見せただけだが、世間はもう「そういうもの」として分かったつもりになっている。単純に電子化しただけではすまない本の世界はいろいろあるが、「電子教科書」はとても良い入 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/boystudy.gif"><img class="alignleft size-medium wp-image-3262" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="boystudy" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/boystudy-300x249.gif" alt="" width="132" height="110" /></a>KindleやiPadは、E-Bookの世界をわずかに垣間見せただけだが、世間はもう「そういうもの」として分かったつもりになっている。単純に電子化しただけではすまない本の世界はいろいろあるが、「電子教科書」はとても良い入口だと思う。それはまず電子化で可能性が広がるコミュニケーションに関わり、また情報の意味的な関連性とダイナミックな性質に関わっている。そこで、LAの立入さんとのトーク・シリーズ。今回は「教育／教科書」について考えてみようと思う。<span id="more-3257"></span></p>
<p>立入様</p>
<p style="padding-left: 30px;">NBAファイナル第2戦。LAレイカーズには残念でしたが、セルティックスがガーネットの不調をカバーして勝てたのが信じられません。これで今年は面白くなりましたね。</p>
<p style="padding-left: 30px;">それはともかく、<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/06/la-talk-session-ta01/" target="_blank">前回</a>の「パンドラの箱」のお話、有難うございました。このギリシャ神話のエピソードは、ふつうパンドラが慌てて閉めた箱の中に<span style="color: #008000;">「希望」</span>が残ったとされていますが、原典では、閉め込まれたのが<span style="color: #008000;">「予知の災い」</span>で、おかげで先が読めてしまうこと（→絶望）から救われた（→希望を持てる）というオチです。皮肉屋で逆説好きなギリシャ人らしい。さてゼウス（ジョブス）が、好奇心旺盛なパンドラ（アップルフリーク）に贈ったiPad。出版業界が浴びたのが災いか至福感かはともかく、「予知の災い」から免れたことは確かなようです。これも計算通りだと思いますが。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、幸か不幸か、どうみてもiPadは本とは縁が薄いように見えます。グラフィックな雑誌は確実に惹きつけるでしょうが、仕掛けに知恵とお金がかかる。これまで目にした日本語コンテンツは、まったく価値を感じません。立入さんも同じだと思いますが、私が“EBook2.0” と名づけた最大の理由は、新しいコミュニケーション（読書体験）を実現したいということだったわけで、PCとWebでとうに出来ていたことでは話にならならない。しかしコンテンツのデジタル化が一定の量を超えないと、質に転化した新しいコミュニケーションも生まれません。とりあえず、出版社がブームに動かされてデジタルに関心を持ったことだけを肯定的に評価しています。</p>
<p style="padding-left: 30px;">立入さんからは、</p>
<p style="padding-left: 30px;">・電子出版が可能にする新しいジャンルのコンテンツ<br />
・二強（アップル＋アマゾン）に対する出版業界の姿勢</p>
<p style="padding-left: 30px;">の２点について宿題をいただきました。どちらも重要なテーマです。後者については次回に回して、新しいジャンルについてお話ししてみたいと思います。日本では、小中学校向け電子教材の普及を推進する「デジタル教科書教材協議会」(DiTT)準備会が発足しており、7月には正式に設立されます。これについては本誌でも取り上げましたが(<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/05/thoughts-on-digital-textbook/" target="_blank">5/28</a>)、こういう社会的目的や機能が明確なジャンルの本については、相当に知恵を絞ってデザインを考える必要があると思っています。電子教科書の構想は、米国にもありますし、中国にもあります。おそらく世界共通のテーマとなるでしょう。これから勉強していきたいと思っていますので、米国の情報などを教えていただければ幸いです。とくに以下のような問題に関して、よろしくお願いします。</p>
<ul>
<li>学生はどんなE-Book／E-Readerを必要とするのか</li>
<li>教育／教科書専用E-Readerに専用機は必要か</li>
<li>教育市場においてニッチは成立するか</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">そちらではすでにいろいろ議論されていると思います。私はこんなデザインアイデアを見つけました（下の図）。2年前のアイデアとしてはなかなかいい線ですね。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="Permanent Link to Papyrus, Future Electronic  TextBook" rel="bookmark" href="http://www.igreenspot.com/papyrus-future-electronic-textbook/">Papyrus, Future Electronic TextBook, by Ryan McIntire, 4/18/2008</a></p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>教育市場と「ニッチ」の可能性</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/papyrus-e-reader3.jpg"><img class="size-medium wp-image-3261 alignright" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="papyrus-e-reader3" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/papyrus-e-reader3-300x278.jpg" alt="" width="240" height="222" /></a>E-Bookとはコンテンツから可能性を引き出す技術だと思っていますが、そうした意味で、これから可能性が見えるようになるのだと思います。ゲームや拡張現実 (Augmented Reality)、知識ベースなど、本をダイナミックにしたり賢くしたりする技術や、本を中心としたコミュニケーションをより豊かに、深いものにする技術に注目していますが、個人的にもいちばん期待しているのが教育分野です。これを「教科書」と短絡したのでは何にもなりません。人間にとって必要な知識が得られる環境と道具が問題なわけで、原稿の国定教科書のたんなる電子化では、教育効果につながりません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">「電子」教科書は、資源節約にはなるかもしれませんが、紙の本を取り上げると体験が貧しくなる（例えば落書きができなくなる）ので、電子教科書のデザインはゼロから徹底的に考えるべきです。ところで、立入さんがお住まいのカリフォルニア州では、破綻した州財政を立て直すために、「ターミネーター」知事が学校教科書の電子化方針を打ち出して話題になりましたね。しかしこれまで大学を中心に行われたE-Reader（Kindle DX）導入実験では、学生の評判が悪かったと聞きます。米国の、とくに大学生にとって教科書や副読本の負担は重たい（年間千ドル以上）ので、安い電子テキストが供給されたら無条件に歓迎されそうなのですが。KindleよりましなI/O機能を持ったiPadだったらどうか、とも思うのですが、立入さんはどう思いますか。お子さんに持たせるとしたら、どんな教科書（コンテンツ）とデバイス、サービスの組合せが必要でしょうか。</p>
<p style="padding-left: 30px;">教科書は膨大な「知識」を扱います。日本のこれまでの教育では、効率よく情報として吸収することが重視され、様々な意味や価値（応用）まで知ることは求められませんでした。しかし、現代では既存の「知識」そのものは検索可能になったので、人間に求められるのは、もっぱら思考力と応用力、多くの人間と協調して仕事ができるコミュニケーション能力だと言われています。小回りのきくフィンランドはそうしたコンセプトで教育改革をやって成功したのですが、その点では日本はもちろん米国もあまりもうまくいっているようには思えません。E-Bookは、<span style="color: #cc0000;">応用（実現）可能な知識</span>を伝えることができるか、あるいはそのための刺激を与えることができるか、というのが私の問題意識です。できればそうしたプロジェクトに関わってみたいと考えています。</p>
<p style="padding-left: 30px;">例えば、教科書では多種多様な記号や単位とその意味を扱います。数式を実行して2Dや3Dでプロットする機能があれば、様々なケースを通してその価値を知ることが容易になるでしょう。グラフィック表示が必須な統計や、化学式、論理式などについても、動的な機能が活かされるでしょう。もちろん技術的には数式処理や数値計算、可視化の機能をどう連動させるかという課題がありますが、これらを実行するために専用機が必要になるとすれば、新しい<span style="color: #cc0000;">ニッチ</span>として期待できます。世間が「汎用書籍端末」ばかりに目を向けるのは、あまりに想像力が乏しすぎる。その昔、ヒットした関数電卓のようになれば、アップルもアマゾンもないでしょう。欧米の学術系出版社（マグロウヒルやエルセヴィアなど）は、大手の汎用プラットフォームよりも専用のプラットフォームに関心を持っているようです。これは十分に理解できます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">私が教育に注目するのは、それが最も<span style="color: #cc0000;">コミュニケーション</span>を必要とする分野だということでもあります。何よりも知るべき知識とその内容、レベル、獲得手段、共有方法、評価方法などが、デジタル技術で柔軟に定義でき、硬直した世界から一転して最も活発な世界に変えられます。これは人間が知りたいこと、知るべきことに限界はなく、知識にはそれを持っている人間と伝えられる人間がいること、また知識は必要とされる機会と適合してこそ意味を持つ、といった教育に関するコミュニケーションの性格からきています。それによって社会的な問題（たとえば失業）から個人のパフォーマンス（スキル／キャリア）までを改善できる、という意味で潜在的な経済効果は莫大なものとなるでしょう。（鎌田、06/07/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">シ リーズ「LAトーク」</h4>
<ul>
<li><a href="../2010/06/la-talk-session-ta02/" target="_blank">シリーズ「LAトーク」(4)：高等教育がニッチ市場となる米国</a> by 立入勝義、06/12/2010</li>
<li><a title="シリーズ「LAトーク」(2)：パンドラの箱は開いた" href="../2010/06/la-talk-session-ta01/">シリーズ「LAトーク」(2)：「パンドラの箱は開いた」</a> by 立入勝義、06/01/2010</li>
<li><a title="シリーズ「LAトーク」(1)：iPadの読み方" href="../2010/06/2010/05/la-talk-session-ka01/">シ リーズ「LAトーク」(1)：「iPadの読み方」</a> by 鎌田、05/31/2010</li>
</ul>
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		<title>EB2ノート(13)：出版社の挑戦</title>
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		<pubDate>Fri, 04 Jun 2010 10:56:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Editors' Note]]></category>
		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[プラットフォーム]]></category>
		<category><![CDATA[出版]]></category>

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		<description><![CDATA[E-Bookが儲かることは、すでに米国で証明された。このトレンドに乗ることはさして難しくないだろう。しかし、メガ・プラットフォームが提供する環境に対してせっせとコンテンツを提供しているだけでは、出版社の地位（社会的機能） [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo12.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3157" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo1" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo12.jpg" alt="" width="90" height="80" /></a>E-Bookが儲かることは、すでに米国で証明された。このトレンドに乗ることはさして難しくないだろう。しかし、メガ・プラットフォームが提供する環境に対してせっせとコンテンツを提供しているだけでは、出版社の地位（社会的機能）は保証されていない。E-Bookは本とは違って完全な商品ではなく、環境の中での部品、素材に過ぎない。印刷会社や取次とは違って、メガ・プラットフォームは出版社を尊重してくれない。出版社が独立性を主張できるためには、読者とのコンテクストを形成し、管理する主体となる必要がある。<span id="more-3237"></span></p>
<h3>デジタルコンテンツは本にあらず</h3>
<p style="padding-left: 30px;">私たちは<span style="color: #cc0000;">出版の機能（コミュニケーション）的側面</span>に注目した。なぜならそれこそが本をWebビジネスの焦点の一つに押し上げている潜在価値であり、また本を読む手段としてのE-Bookの優位は、ほとんどそれに尽きるからだ。それはITが扱えることなら何でもできる。読者にはマルチメディアと対話型でスマートな「読書体験支援環境」を、著者、出版社、その他のステークホルダー（流通、広告、スポンサー）にとっては読者のコンテクストへのアクセスを、それぞれ提供するだろう。重要なことは、そうした価値の大部分は、<span style="color: #cc0000;">コンテンツによってではなく、それをサポートするプラットフォーム（通信、デバイス、配信サービス…）によって実現される</span>ことである。</p>
<p style="padding-left: 30px;">その意味で、<span style="color: #cc0000;">E-Bookコンテンツは商品として不完全なもの</span>だ。コンテンツはモノとしての客観性、完結性を持たない。それ自体では、内容い相応しい文字と組版で読むことすらできない。コンテンツデータは、流通・実装環境と結びついて初めて体験として実現するものなのだ。印刷本は、モノづくりとしての完成度を要求し、出版人はそれに応えてきたのだが、デジタルコンテンツはまったく本ではない。人々が電子デバイスで表示した活字情報に対価を払うことに、なお躊躇するのは、印刷された本に対する電子情報の貧弱さのためだ。じっさい、入手性や物理的、経済的な問題さえなければ、活字コンテンツを電子デバイスで読む気にはなれないし、文化的価値を持つ本などの場合はなおさらだ。<span style="color: #666699;"><span style="color: #808080;">（だから本をわざわざ解体してスキャンしてまでデジタル化する人がいることは理解できない（欧米人からは間違いなく「蛮行」と見られるだろう</span>）</span>。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><span style="color: #cc0000;">E-Bookは＜コンテンツ＋デバイス＋サービス＞があって実現される、とても頼りないメディア</span>だ。だからPC上でしか存在しなかった時は（一部のユーザー以外）誰も気づかなかったほどだし、だからこそアマゾンはKindleの開発に10年をかけたのだ。いま、E-Bookがビジネスになること、それも出版社が思いもよらなかった規模であることが明らかになった。しかし、E-Bookが本ではないことを忘れてはならない。出版社がHTMLと同じ「電子書籍」の安直さに安心して手を抜けば、たちまち読者は離れていき、無料コンテンツのみが生き残ることになるだろう。いまのところ、出版社や配信プラットフォームのメリットに比べ、読者の利便性は高くない。紙の本の3割程度の価格が妥当なのだ。その点でアマゾンの価格設定はまったく正しく、出版社は印刷本の相対的価値を過少評価している。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>出版社は独立を維持できるか</h3>
<p style="padding-left: 30px;">これまで知識情報を工芸的センスで工業化してきた出版社にとって、E-Bookがまったく別の商品であることを理解しないと、ほぼ必ず失敗する。簡単に違いをまとめてみると、次のようになる。</p>
<ul>
<li><span style="color: #008000;">プロセスをデザインし、運用することが重要に</span></li>
</ul>
<ul></ul>
<p style="padding-left: 60px;">これまで出版社は「良い本 and/or 売れる本」をつくること集中してきた。数多くの不確定要素に頭を悩ませながら、発売後1ヵ月の勝負に賭けてきた。しかし、E-Bookでは読者中心のマーケティング・アプローチが重要になり、比較的長期間にわたっての「読書体験」の最大化やブランド価値向上が決定的な意味を持つ。</p>
<ul>
<li><span style="color: #008000;">プロセスを支配するものが「<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8D%85%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%88%86%E3%81%91%E5%89%8D" target="_blank">獅子の分け前</a>」を得る。</span></li>
</ul>
<ul></ul>
<p style="padding-left: 60px;">出版社はコンテンツづくりに集中すればよいと言う人がいるかもしれない。たしかにコンテンツだけで儲かるかもしれないし、アップルやアマゾンも喜ぶ。しかし、コンテクスト（顧客の活動とコミュニティ）に経済価値を見出して「環境」を提供するメガビジネスに依存すれば自立性は失う。自立性を失った出版社は、もはや「出版者」ではない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">出版社は、これまで製作に関しては印刷会社に、販売に関しては取次や書店に依存してきた。これまではこの三者が出版業界の安定したエコシステムの中心だった。三者は互いの領域を守り、出版社は「知的労働」にのみ関わるものとして尊重されてきた。しかしこの関係は、デジタル化と無関係に、もはや存続不能になっている。出版社が独立を維持する（つまり出版社が「出版者」である）ためには次の4条件が必要になると思われる。</p>
<ol>
<li>読者とのコミュニケーションを（主としてWeb上に）デザインする：著者、読者のコミュニティの形成・深化、テーマの深耕、関連づけ、マッピング…。</li>
<li>読者の「読書体験」にコミットする：インタラクティブでスマートなE-Bookデザイン開発にイニシアティブをとる。Kindle/iPad的環境を使いこなし、道具にはならない。</li>
<li>読者とのコミュニケーションのプラットフォームを構築する：Webサイト、ブログ、ソーシャルネットワーキングを活用し、テーマ別、著者別のノードを開拓する。（CMS+IA）</li>
<li>出版プラットフォームの構築と管理：コンテンツ管理とコンテクスト管理の環境を、単独あるいはパートナーと協力して進める：先取り的なデータ「管理」と運用により、商品開発とマーケティングに適用する。</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">もちろん、出版社の体力や技術力、分野によって多種多様な形ができるだろう。メガ・プラットフォームへの依存度をゼロにすることは不可能だが、100%になれば存続性に問題が生じてくるし、人材も集まりにくくなるだろう。（06/04/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌関連記事</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="EB2ノート(12)：出版の社会的機能と経済価値" href="../2010/06/eb2-note-12-social-function-of-publishing/">EB2ノート(12)：出版の社会的機能と経済価値鎌田、06/02/2010</a></p>
<p style="padding-left: 30px;"><a rel="bookmark" href="../2010/06/2010/05/eb2-note-10-social-networking/">「EB2 ノート(11)：Webにおける出版の『死と再生』」</a>鎌田、05/14/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="../2010/05/publishing-revival-in-net-age-2/" target="_blank">「出版の復権(2)：SNSソーシャルマーケティング」</a> 鎌田、05/11/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a rel="bookmark" href="../2010/06/2010/05/publishing-revival-in-net-age/">「ネッ ト時代に出版の復権を考える (1)：脱工業化」</a>鎌田、05/08/2010</p>
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