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	<title>EBook2.0 Forum &#187; Related Industries</title>
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		<title>印刷業と“電子書籍元年”(2)：付加価値の可能性</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Jul 2010 07:35:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
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		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

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		<description><![CDATA[近代的な出版は「版」に関する技術から生まれた。それはE-Bookについても同じである。印刷本における品質と機能を移行させた上で、本のコンテンツ価値を最大化するというロードマップを考えた場合、現状はまだ入口付近にいるにすぎ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3722" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg" alt="" width="90" height="80" /></a>近代的な出版は「版」に関する技術から生まれた。それはE-Bookについても同じである。印刷本における品質と機能を移行させた上で、本のコンテンツ価値を最大化するというロードマップを考えた場合、現状はまだ入口付近にいるにすぎず、機能・個性・品質が揃わないとE-Bookが独立した価値を主張できない。そこで付加価値の可能性を考えてみたい。<span id="more-3711"></span></p>
<h3>付加価値は本の構造から生まれる</h3>
<p style="padding-left: 30px;">前回は日本の電子出版における「印刷」会社の役割をお話ししましたが、E-Bookに印刷会社が関わるのは、基本的にデジタルな「版」の以下のような機能についての技術的サービスになると思われます。</p>
<ol>
<li> 表現（グラフィック）</li>
<li>活用（インタラクション）</li>
<li>管理（プロセス／コンテンツ）</li>
<li>複製（バッチおよびオンデマンドでの印刷）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">これらは従来からやってきたことですが、これまではすべてが印刷ありきであったのに対して、E-Bookでは「版」が中心にあり、印刷は付加的なものになるということが重要です。たとえば「管理」などは印刷を前提とした裏の作業でしたが、これも（後述するように）前面に出てきます。大げさに言えば“コペルニクス的”転回が必要といえます。ビジネスモデルの変化、価格体系の変化が伴いますので、移行の方法を（業界全体として）考える必要もあるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">これらに関するサービスがビジネスとして成立するには、(1) 顧客にとっての普遍的な付加価値、(2) それを実現する上での専門性という2つの要素が必要です。印刷関係の人が心配しているのは、E-Bookというものの付加価値が印刷業界にとって外のものになり、あるいは従来の専門性が役に立たなくなるのではないか、ということだと思われます。いくつかの前提が必要になりますが、E-Bookをビジネスとする上で、日本では（出版社を別とすれば？）印刷会社が最も近いところにおり、これまでの蓄積を発展させることで可能になる、と筆者は考えています。これは<span style="color: #cc0000;">本の製作は高度に技術的</span>なものであり、<span style="color: #cc0000;">デジタル化の第一段階が印刷会社で完了</span>しており、また競合となる業界（たとえばIT）が本に対する理解を獲得するのは困難があると思われるからです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ITは<span style="color: #0000ff;">情報</span>をデータとして扱って来ましたが、それらが持つ<span style="color: #0000ff;">意味</span>には無頓着でした。出版社は<span style="color: #0000ff;">意味</span>を扱って来ましたが、ページを内製しているところ以外は意味を<span style="color: #0000ff;">構造化</span>する技術は知りません。E-Bookにおいて日本の印刷会社が有利と思われるのは、<span style="color: #0000ff;">構造</span>を扱ってきたことです。これは世界中で日本の印刷会社だけのことなので自信を持ってよいでしょう。中西さんの言われる「創造的協調」が可能であるとすればそこだと考えられます。しかし、当然のことながら、これまで関係者の目はもっぱら印刷を前提としたレイアウトを扱う上での構造に集中してきました。そこにしか「目に見える」付加価値がなかったからです。しかし、<span style="color: #cc0000;">E-Bookの付加価値の多くは表現構造より先にある</span>のです。それは本が次のような性質を持っているからだと考えられます。</p>
<ul>
<li> 知識の構造体として、必要とする人に読まれ、体験化されることで価値を持つ</li>
<li>孤立しては存在せず、他の本や知識情報、人々の活動と結びついている</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">本を（表現を超えて）構造化することで、本の価値・使い勝手をさらに高め、コミュニケーションを豊かにすることができます。日本の印刷会社が（出版社やIT企業と協力して、あるいは単独で）この技術的サービスを提供すれば、イノベーションの主役ともなれます。情報産業における価値創造の最先端に立つと考えてよい、これからの日本が最も力を入れるべき技術分野です。とはいえ、当面のE-Bookはまず表現の問題をクリアする必要があります。順序として、そちらから入っていくことにしましょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>土台としてのページとスクリーン</h3>
<p style="padding-left: 30px;">版下製作の電子化は、電算写植などでの文字組版から始まり、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E8%A8%98%E8%BF%B0%E8%A8%80%E8%AA%9E" target="_blank">ページ記述言語</a>のPostScriptをベースとした<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/QuarkXPress" target="_blank">QuarkXPress</a>やAdobe CS/InDesignなどに代表される<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/DTP" target="_blank">DTP</a>の技術的完成でプリプレス領域を統合することにより、印刷本をターゲットとしたものとしては完了していました。振り返ってみれば、20年以上を費やしていますが、かなり奥の深い世界だったと言えます。他方でハイパーテキスト記述言語のHTMLをベースとするWeb出版は、商業出版や印刷とは関係の薄い世界で発展して、ハードウェアや通信環境の進化とともに機能と品質を高めてきました。</p>
<p style="padding-left: 30px;">現在のE-Bookは（ページ／ブック系の）DTPを背景とするPDFとWebを背景とする（リフロー系の）EPUBという2つの流れが主流になっています。前者は印刷会社にとってなじみのものですが、後者はそうでもありません。編集やデザインの考え方も大きく異なり、これをマスターすることが大きな課題となっています。ページ＝スクリーンとしてデザインできれば、それに越したことはないのですが、スクリーンは解像度もアスペクト比も異なり、印刷ページのようにデザイナーがベストと思われるもので指定できるわけではありません。E-Bookのデザインには、ベストよりはベター、トレードオフをコントロールするという発想が必要です。ブックデザインのプロの方ほど、なれるのに時間がかかるかと思います。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;"><span style="color: #009900;">E-Bookに命を吹き込む：まずは個性的な文字組みから</span></h4>
<p style="padding-left: 30px;">印刷会社はE-Bookのビジュアルを商売とすることはできるでしょうか。様々なスクリーンを持ったデバイスが登場しましたが、便宜的にほぼ以下のように分類してみます。</p>
<ol>
<li> 読書専用端末（6インチ前後のE-Ink、グレースケール）</li>
<li>大型専用端末（10インチ前後のE-Ink、グレースケール）</li>
<li>汎用タブレット（サイズは各種、中心的には9インチ前後のカラーLCD）</li>
<li>スマートフォン／PDA（3.5インチ前後カラーLCD）</li>
<li>パソコン／ネットブック（＞WXGAのカラーLCD）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">この2年余りの米国市場での経験から言えることは、読書用のデバイスとしてはほとんど 1が中心になるということです。ところが困ったことに、このカテゴリーの日本語可能端末が登場しないうちに（あるいはLIBRIeやシグマブックが去った後が来ないうちに）3のiPadが話題をさらい、これが「本命」のような扱いをされています。携帯電話と電子辞書で市場をつくってきた<span style="color: #cc0000;">日本では、まだ本格的なE-Bookの環境ができていない</span>のです。あまりE-Bookに適したとはいえないデバイスで、（中身はともかく）出来のよくないファイルを表示しているのが現状と言えるでしょう。それを見ると、E-Bookでは単純なデータの変換しか仕事にならないのではと思えても不思議ではありません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、少なくともここ数年を考えるならば、<span style="color: #cc0000;">リフロー系のファイル形式（EPUB／XMDF/.BOOK）を6インチ、E-Inkグレースケール、200dpi程度の専用端末に表示することを中心に考えるべき</span>でしょう。本を読む人が必要とするデバイスだからです。「本も読める」デバイスと「本を読む」ためのデバイスとは明らかに違います。専用端末をハイエンドな読書環境として育てていくのが本筋でしょう。対応の時間も十分にありそうです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ベースとなるのは文字組みですが、印刷本で十分経験したように、<span style="color: #cc0000;">フォント＋文字組みによる視覚表現は非常に奥深いもので、コンテンツや出版社の個性と密接な関係</span>があります。今日われわれが目にするE-Bookは無個性で粗雑な（つまり内容の価値を損ねる）ものがほとんどですが、6インチ200dpiの空間を使ってかなり高度なデザインをすることは可能です。それは印刷本の文字組みが（一定のパターンと経験則をベースに）個々のコンテンツに対応してデザインされているように、個別化・個性化されるべきで、まずそこに付加価値とビジネスの機会が生まれます。E-Bookにおける「日本の活字文化」は物理的にはそこに存在するからです。文庫・新書でさえ、出版社とシリーズによって文字組みは異なるわけで、単行本ならなおさらです。E-Bookでは文字サイズを変えられますが、重要なのはデフォルトと読者のタイプ／環境別の選択肢の合理性で、それはデバイスの機能に依存しない付加価値と言えます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">E-Bookのデザインの環境はそう特別なものではありません。EPUBの場合は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/Cascading_Style_Sheets" target="_blank">CSS</a>が基本ですが、これはWebでおなじみのものです。私は (1) 設備投資がほとんど不要、(2) 組版知識が応用可能、(3) ITの専門知識は（必ずしも）不要、であることから、これは印刷会社のビジネスになると考えていますが、Web系のCSSで日本語組版というところが唯一のハードルです。もっとも何のハードルもなければ逆に商売にはなりませんね。（鎌田、07/30/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌関連記事</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起" href="../2010/07/printing-and-ebook_1/">「印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</a>」、鎌田、07/26/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;">
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		<title>印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/07/printing-and-ebook_1/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/07/printing-and-ebook_1/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 26 Jul 2010 11:05:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<description><![CDATA[8月10日に開催する第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo13.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3681" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo1" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo13.jpg" alt="" width="95" height="84" /></a>8月10日に開催する<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank">第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」</a>への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、長期的にみて最も重要な要因だと考えている。そこでまず、印刷業がE-Book出版の成長性と付加価値にどのように関わるかを考えてみたい。<span id="more-3677"></span></p>
<h3>E-Bookにおいて出版社は必要なのか!?</h3>
<p style="padding-left: 30px;">今回は、本Forumの<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/03/ebook-and-printing-business/" target="_blank">対論シリーズ</a>でご協力いただいた<a href="http://www.nacos.com/hidehiko/hidehiko.htm" target="_blank">中西秀彦</a>をゲストにお呼びして、印刷業の視点からE-Bookを考えてみたいと考えております。中西さんのブログで<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/03/post-0618.html#comments" target="_blank">「我、電子書籍への抵抗勢力たらん」</a>と宣言しておられたのに仰天して以来のお付き合いですが、「出版社は必要なのか」という問いは強烈で、私はまだ確たる答えを持っていません。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><span style="color: #808080;"><a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/07/post-6643.html"><img class="alignright size-medium wp-image-3683" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="wareden2" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/wareden2-211x300.jpg" alt="" width="148" height="210" /></a><span style="color: #333333;">「『編集』機能が低下すればするほど、また『編集』が疲弊すればするほど、印刷会社中心へと移行していく。」</span></span><span style="color: #333333;">という分析の一方で、「主導権をどこが握るかというのはそもそも『ますらお』的な発想です。私は電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来るのではないか…いや、来させなくてはならない。<span style="color: #333333;">」 </span></span><span style="color: #333333;">という理想を共有する一方で、まだ私はそこに至る道筋を描けていません。 （引用は「連載</span><a title="E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調" href="../2010/05/2010/05/ebook-and-printing-business-5-2/"><span style="color: #333333;"> </span>第6回：E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調」）</a></p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし印刷会社を抜きに日本のE-Bookはあり得ないと考えております。たとえ印刷本が減ることがあっても、E-Bookの製作・出版に積極的に関わり、そこから付加価値を拡大させる形で出版を発展させていただきたい。出版は<span style="color: #cc0000;">生産・流通・販売という三位一体</span>で成立ってきました（<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book-business-opportunities-2/" target="_self">鎌田、7/12</a>）。デジタル化は業種、メディア間の境界を取り去り、理論的にはすべてをメタな「唯一者」が実現することも可能になりました。バリューチェーンがデジタルに完結すると猛烈な競争が生まれ、統合／独占によるメガ（メタ）カンパニーに集中するのがWeb時代のビジネスの特徴です。日本の大日本印刷や凸版印刷が製作・流通プラットフォームを超えて版権ビジネスにまで乗り出すのはそれを見据えた戦略的な対応といえるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、<span style="color: #cc0000;">ソフトウェア化されたデジタル時代のプラットフォームは、進化を止めることなく変容し続け</span><span style="color: #cc0000;">る</span>、という法則性がはたらいています。数億人のデータベースも、クラウドやデバイスの圧倒的シェアも、メガカンパニーの優位を保証し続けるものではありません。<span style="color: #cc0000;">新たな付加価値（意味のある多様化の原理）を発見した者が、それを実現するために構築するのがプラットフォーム</span>だからです。ITと情報ビジネスの両方に関わった者として、私は出版が付加価値の宝庫であり、ここから大小様々なプラットフォームやニッチが生まれると信じています。メガプラットフォームやその亜流がいくらでてきても、変わることはないでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>グーテンベルクの双子：印刷と出版</h3>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業は伝統的な出版における生産プラットフォームを担っていました。そのプラットフォームは「ソフトウェア化」されつつあります。あと数年でデジタルが本体となり、市場のニーズに応じて印刷されるという形に移行します。しかし、生産と流通・販売が有効に結びつかなければコンテンツの価値は最大化されず、<span style="color: #cc0000;">出版の第一原因</span>であるべき生産の付加価値は、流通・小売に付属する広告に依存することになるでしょう。生産技術を担ってきた印刷会社には技術的なリーダーシップを発揮しうる余地があります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業はさまざまな貌を持っており、製版・印刷・製本を担う出版もそのひとつにすぎません。しかも商業印刷や軽印刷など企業が出版するものを除けば、印刷会社の市場としての出版市場はたかだか1割ほどでしょう。だからE-Bookが増えて印刷会社が困る度合いは、全体としてそれほど多いわけではないでしょう。しかし出版物全体で電子化の比重が高まるとなると話は別で、印刷を中心とした構成を変え、他に活字コミュニケーションのバリューチェーンにおける付加価値を求めざるを得なくなります。印刷会社は出版社のE-Bookだけを考えているわけではありません。しかし、いずれにせよ商業的品質を必要とする出版で印刷会社の役割がなくなることはないでしょう。印刷以降が消滅しても<span style="color: #cc0000;">「版」がなくては出版は成り立たず、版づくりを印刷会社以外が担う割合も、そう増えるものでもない</span>と思われるからです。かつてDTPが登場した時と同じです。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Aldus_Manutius.jpg"><img class="size-medium wp-image-3687 alignleft" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="Aldus_Manutius" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Aldus_Manutius-216x300.jpg" alt="" width="151" height="210" /></a>印刷業と出版の関わりを考える時、日本の印刷業が世界的に見てかなり特殊な存在であることを考えないわけにはいきません。外国では印刷とは &#8220;ink on paper&#8221;のみを指し、組版や製版、製本、その間で必要になる輸送などはすべて別業種の企業が行っています。用紙の手配も発注者が行うことであり、したがって出版社の発注担当者は、全行程を管理するために、個別の原価を含めて相当な専門知識を持つ必要があります。筆者も昔、カルチャーショックを受けた記憶があります。粗っぽい原稿と指定を渡せば版下をつくってもらえ、下版さえすれば全部を任せておける日本の「印刷会社」は、世界的に見てなんと稀有な、有難い存在か。E-Bookになっても、出版社から「版」への距離はそう簡単に縮まらないでしょう。<span style="color: #888888;"><span style="color: #333333;">（図は近代商業印刷技術の父にして出版人</span><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%82%B9" target="_blank">アルドゥス・マヌティウス</a>）</span></p>
<p style="padding-left: 30px;">グーテンベルクの可動活字と手刷り印刷の技術で出発した<span style="color: #cc0000;">欧米では、</span><span style="color: #cc0000;"><span style="color: #cc0000;">出版</span>社が印刷会社を兼ねる</span><span style="color: #cc0000;">のが一般的</span>でした。文字組版への技術的ハードルが相対的に高かったためです。ちなみに「版権」という概念も印刷＝出版社とともに生まれました。もともとは著作権に先立って「版面権」があったということになります。その後19世紀の機械化革命で、高速印刷機械技術が登場したことで非出版系の印刷業が成長し、独立した存在となりました。日本の「文明開化」は鉛活字の組版と機械印刷で始まったわけですが、出版社が日本語の活字組版を工程として持つのは技術的、経営的に困難でした。<span style="color: #cc0000;">日本の出版業は、印刷業が「版」の製作という主要機能の一部を担う形でスタートして今日に至っています</span>。</p>
<p style="padding-left: 30px;">周知のように、版の製作技術は機械式から写真式に、さらにDTPを含むデジタルに移行しましたが、リクルートやアスキーなど、移行期に誕生した出版社を除けば、版の製作を内部化したのはごく一部だったと思います。今回のE-Bookの登場においても、新興のデジタル出版社は独自の生産環境を構築して登場するでしょうが、旧出版社は今回もパスする可能性が強い。技術的なむずかしさ以上に、慣性（あるいは惰性）がはたらくからです。全体として縮小が続く印刷業の中でも、版に関わる部分では生産性も付加価値も高まっていると思います。ではどんな付加価値が考えられるでしょうか。（鎌田、07/26/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;"><a title="第5回EBook2.0研究講座" href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank"><strong>※EBook2.0研究講座：8/10(火) 「&#8221;電子書籍元年&#8221;の中間総括─印刷業界の視点」 詳細・申込</strong></a></p>
<hr />
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌対論シリーズ＜E-Bookとデジタル時代の印刷業＞</h4>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_self">E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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		<title>空前のiPadビジネスモデルは成功するか？</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/05/last-temptation-of-jobs/</link>
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		<pubDate>Sun, 16 May 2010 04:26:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<description><![CDATA[メディア業界はアマゾンを嫌ってアップルに走ったが、そこには巧妙な罠が仕掛けられていた。アプリを支配しアプリをめぐるインタラクションを支配するという意思を、アップルはもはや隠そうとしていない。たしかにそれだけの魅力があるプ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/6a00d8341d417153ef01287737f5ce970c-800wi.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-2832" style="margin-left: 0px; margin-right: 7px;" title="6a00d8341d417153ef01287737f5ce970c-800wi" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/6a00d8341d417153ef01287737f5ce970c-800wi-227x300.jpg" alt="" width="88" height="117" /></a>メディア業界はアマゾンを嫌ってアップルに走ったが、そこには巧妙な罠が仕掛けられていた。アプリを支配しアプリをめぐるインタラクションを支配するという意思を、アップルはもはや隠そうとしていない。たしかにそれだけの魅力があるプラットフォームでありインタフェースだ。信者も無数にいる。しかし、オープンなWebの世界と隔絶した帝国を築くなどということが、21世紀に可能であるとは思えない。しかし、どうあろうとこの最後の(?)挑戦は、あらゆる業界に大きな影響を与えることになるだろう。<span id="more-2831"></span></p>
<h3>美しい箱庭に仕掛けられた罠：広告と検閲</h3>
<p style="padding-left: 30px;">Vanity Fairやタイム誌が、それぞれ5ドル弱で雑誌「アプリ」iPad版の発売を開始し、レビューが始まった。批判的なもののほうに目が行ってしまうが、これだけ売れているものをあらためて賛美しても意味がないので、そちらを紹介しておきたい。</p>
<p style="padding-left: 30px;">さすがに一流のデザイナーがじっくり取組んだだけあって、レイアウトやUIは優れている。洗練されていて美しい。しかし、iPad版には、今日多くのユーザーが重要と考えているものが決定的に欠けている。読者によるコメント、SNSサービスといった新世代のWebに必要なもの（ソーシャルネットワーキング機能）が皆無なのだ。それは「閉所恐怖症を起こさせる」四方を壁に囲まれた庭を連想させる、とジェイコブ・ワイスバーグ氏 (Jacob Weisberg)が<a href="http://www.slate.com/id/2253821/?from=rss" target="_blank">Slate</a> (5/14)に書いている。<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Gawker_Media" target="_blank">Gawker Media</a>の創業者ニック・デントン氏 (Nick Denton)は「CD-ROM時代への逆行」とまで酷評した。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/eco-app1.jpg"><img class="alignright size-medium wp-image-2839" style="margin-left: 7px; margin-right: 0px;" title="eco-app" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/eco-app1-300x169.jpg" alt="" width="240" height="135" /></a>しかし雑誌出版社は現在のところ、ためらいもなくアップルが支配する世界へのコミットを深めている。ワイスバーグによれば、「売上の30%をシェア」というアマゾンの条件があまりなものだったので、どんな条件でもそれよりはましに見えてしまったようだが、アップルのグラウンドで遊ぶには、アップルが課す厳しい条件を満たしたアプリを提供し、売上の30%を支払わなければならない。ユーザーから得られるデータの一部は出版社にも提供される（これまでのところゼロ）が、あくまでアップルの一方的判断による。さらにアップルは iAd という独自規格の広告プラットフォームを用意し、じつに40%を徴収する。広告主と直接に契約することになれば、出版社にとっては大惨事となる、とワイスバーグは警告している。</p>
<p style="padding-left: 30px;">iPadそのもののメタメディア化、アップルの広告代理店化（日本的に言えば電通化）以上に危険視されているのは、コンテンツの検閲の問題だ。一方的なライセンス規約で検閲を押し付けるのは、インターネットの世界では異常な事態で、ジャーナリズムにとっては「言論表現の自由」を奪われることを意味する（「恐れがある」のではなく事実として、契約した途端にアップルに最終的な編集権を委ねたということだ）。それは「肌の露出」だけでなく「風刺漫画」にも及ぶことが明らかになった。マーク・フィオーレの事件では、彼がピュリッツァー賞を受賞して以後、受付拒否は撤回されたようだが、そんなレベルの問題ではない。そもそも、アップルはメディア（ジャーナリスト）を競わせ、選好する。タイム誌はお気に入りだが、ニューズウィーク誌はそうでない（コラムニストが使徒<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Steven_Levy" target="_blank">スティーブン・レヴィ</a>から<a href="http://www.newsweek.com/id/235565/page/1" target="_blank">ダン・ライオンズ</a>に代わって以来）。</p>
<h3>「超人」ジョブズ最後の夢</h3>
<p style="padding-left: 30px;">アップルのメディア操作は、企業のマーケティング・コミュニケーションの規範とされるほど巧みだ。一企業としては結構なことだろう。しかし「メディア」としてはどうか。同じメディアビジネスである広告企業としてはどうか。どうもアップル（というよりジョブズ氏）は、とんでもない危険な領域に進もうとしているのではないか。もちろん、自分自身にとって。Googleが検索エンジンとして始めた「メタ」ビジネスは、ついに「<span style="color: #cc0000;">メタの顕現</span>」という新しい段階に入った。メディアのメディア、広告の広告…。これは一神教的世界の天才に特有な強迫神経症だが、皮肉なことに、超人の傲慢は必ず唯一の神に罰せられることになっている。日本にとっては、むしろチャンスと考えてよいかもしれない。気が早いが、そろそろ「ポストiPad」を考えたい。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/DeMilleTenCommandmentsDVDcover1.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-2834" style="margin-left: 0px; margin-right: 7px;" title="DeMilleTenCommandmentsDVDcover" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/DeMilleTenCommandmentsDVDcover1-209x300.jpg" alt="" width="169" height="243" /></a>かつて<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B3" target="_blank">ウンベルト・エーコ</a>は、アップルをカトリックに、マイクロソフトをプロテスタントに喩えた。マックを「唯一の真理の教会」として信者を集める姿勢を「カトリック」に比したわけだが、当時まだコンピュータもネットワークもIBMが圧倒的な「ビッグブラザー」として君臨しており、アップルは、専制と戦う「自由の戦士」のイメージを与えることに成功していた。筆者は、ネットの上に遍在的自我を再構築したiPod以後のジョブズは、もはや<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E4%BA%BA" target="_blank">「超人」</a>となったと考えている。臨死体験を経て、さらに<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7" target="_blank">ニーチェ</a>の語った「己の価値観、善悪観がすべて」の領域に入ったようだ。ジョブズはカトリックなどとうに卒業し、旧約の<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BB" target="_blank">モーセ</a>あるいは<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%A2" target="_blank">ヨシュア</a>となって命令を下している。多くは謎めいており（<a href="http://www.economist.com/world/europe/displaystory.cfm?story_id=16056150" target="_blank">東欧を差別する販売規制</a>など＝2参照）、非合理的なものだ。（鎌田、05/16/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">参考記事</h4>
<ul></ul>
<ol>
<li><a href="http://www.slate.com/id/2253821/?from=rss" target="_blank">Apple&#8217;s Way: Why publishers should beware the App Store.</a>, By Jacob Weisberg, Slate, 5/14/2010</li>
<li><a href="http://www.economist.com/world/europe/displaystory.cfm?story_id=16056150" target="_blank">Cupertino&#8217;s cold warriors: What has Apple got against eastern Europe?</a>, Economist online, 05/06/2010</li>
<li><a href="http://www.slate.com/id/2250993/" target="_blank">Apple Wants To Own You</a>: Welcome to our velvet prison, say the boys and girls from Cupertino, By Jack Shafer, Slate, 4/15/2010</li>
<li><a href="http://www.guardian.co.uk/technology/blog/2010/apr/07/ipad-newsweek-apple-pr-fakesteve" target="_blank">Dan Lyons, Apple PR, and manipulating the press</a>, By Jack Schofield , Guardian, 04/07/2010</li>
<li>S<a href="http://moconews.net/article/419-steve-jobs-heres-how-apple-will-beat-google-at-mobile-advertising/" target="_blank">teve Jobs: Here’s How Apple Will Beat Google At Mobile Advertising , </a>By Tricia Duryee, mocoNews.net, 04/08/2010</li>
<li><a href="http://www.slate.com/id/2249153/" target="_blank">The Tablet Hype: They can&#8217;t possibly save magazines and newspapers</a>., By Jack Shafer, , Slate, 03/29/2010</li>
<li><a href="http://www.newsweek.com/id/235565/page/1" target="_blank">Think Really Different</a>, By Daniel Lyons, Newsweek, 3/26/2010</li>
<li><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/03/apple-license-aggreement/" target="_self">「アップルiPhone/iPadで問われる『表現の自由』」</a>、本誌、03/25/2010</li>
</ol>
<ul></ul>
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		<title>iPadおそるべし、早くもKindleを追撃</title>
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		<pubDate>Thu, 13 May 2010 10:24:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<description><![CDATA[1ヵ月で100万台を売ったiPadだが、iBookStoreのほうはどうなのか。販売開始1ヵ月あまりのiPadが、E-Book市場で急伸しているという、かなり確実な情報が出てきた。これは本誌の予想を覆すもので重大な意味を [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/iPad-books1.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-2784" style="margin-left: 0px; margin-right: 7px;" title="iPad-books" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/iPad-books1-204x300.jpg" alt="" width="77" height="113" /></a>1ヵ月で100万台を売ったiPadだが、iBookStoreのほうはどうなのか。販売開始1ヵ月あまりのiPadが、E-Book市場で急伸しているという、かなり確実な情報が出てきた。これは本誌の予想を覆すもので重大な意味を持っていそうだ。つまり、早くも今年中（あるいは数ヵ月中）には、iBookStoreのシェアがKindle Storeに次ぐ2位を占めることになる。タブレットは若い世代のE-Readerとして定着を始めた。<span id="more-2777"></span></p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>Kindleの外側に新市場が広がっている!?</h3>
<p style="padding-left: 30px;">E-Book市場におけるiPad/iBooksの影響を評価するのは早すぎる気もするが、すでに大手5社の数字が出ており、ある程度の読みが可能になっているようだ。<a href="http://www.publishersmarketplace.com/" target="_blank">Publishers Marketplace</a> (PM)というニューズレター（有料版）に載った情報をもとに、<a href="http://www.idealog.com/blog/" target="_blank">Idea Logical Blog</a> でマイク・シャツキン氏が興味深い分析を行っている (<a href="http://www.idealog.com/blog/whats-so-hard-to-understand-about-random-houses-strategy" target="_blank">5/10</a>)。それによると、すぐに大きな影響はないとの予想に反し、すでにかなりの勢いでKindleに次ぐ座を確保しようとしているようだ。Kindleのシェアは侵食されているが、その市場が食われているようには見えない。考えられることは、中高年・高学歴・中流以上が中心だった従来のE-Bookユーザーの外側に、大型カラーパネルを必要とする新しい年齢階層の市場が生まれつつあるということなのだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">iPadの出荷は1ヵ月で約100万台、すべてWi-Fiモデルで、G3の出荷は5月末から。4月は予約販売が中心で、毎月の販売は30~50万台であるとしても。年間では700万台を超えることがほぼ確実となった。PMのマイケル・ケイダー氏が大手出版社から得た情報によれば、iBookStoreの販売はすでにE-Book販売額の12~15%に達している。すでにタイトルによってはKindleでの売上を上回ったものすらあるという。シャツキン氏は、アップルをエージェンシーとした大手5社がiBooksでのプレゼンスが大きいことを考えれば、この数字はある程度割り引いて考えるべきだが、逆にiPadでKindleStoreやB&amp;Nから購入した数字も反映されていないので、過小評価すべきではないとしている。</p>
<p style="padding-left: 30px;">アップルが「エージェンシーモデル」を採用したことによって、E-Bookの最低価格水準は、9.99から12.99に上昇したが、市場へのマイナスの影響は皆無であった。つまり3ドルの価格上昇は市場にも受け容れられたようだ（アマゾンは逆にペンギンの印刷本を$9.99で売って抵抗している）。シャツキン氏の推定では、大手5社のiBooksシェアの数字（平均13.5%）から外挿して、E-Book市場全体でのiBooksシェアは、すでに9%近くになっている。iPadのインストールベースから推定すると、6月には25%に跳ね上がる。年300%の成長を続ける市場の中での数字であることを考慮するなら、これは驚異的な伸びといえるだろう。そうしてみると、5社と一線を画してエージェンシーモデルに背を向けているランダム・ハウス社 (RH)の動向が気になってくる。RHは3ドルの価格差によってiBookStore以外では「優位」にあるが、それは急伸するiBookStoreを無視できるほどのものなのか。（鎌田、05/13/2010）</p>
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		<title>E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/05/ebook-and-printing-business-6/</link>
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		<pubDate>Wed, 05 May 2010 12:22:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[Related Industries]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[出版社]]></category>
		<category><![CDATA[印刷業]]></category>
		<category><![CDATA[編集]]></category>

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		<description><![CDATA[鎌田の「デジタルプラットフォーム」論にたいする中西秀彦氏からの返信。「攘夷か開国か」「勝つか負けるか」という単純な「ますらお」発想にたいして、「電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコン [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2221" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="hidehiko" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg" alt="" width="112" height="114" /></a>鎌田の<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_blank">「デジタルプラットフォーム」</a>論にたいする中西秀彦氏からの返信。「攘夷か開国か」「勝つか負けるか」という単純な「ますらお」発想にたいして、「電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来る」と考える「たおやめ」発想の重要性を、日本的な特殊性を踏まえて説いておられる。印刷会社の課題は、これでとても鮮明になった。むしろ問題は、出版社がデジタル時代の新しい編集、本づくり価値を提示できるかどうかだ。<span id="more-2625"></span></p>
<h3>デジタルの新千年紀は「たおやめ」流でしなやかに生き残る</h3>
<p style="text-align: right;">中西秀彦</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/288508a7f326b7cf0c2fbb9d52a5d69a.jpg"><img class="size-large wp-image-2627 aligncenter" style="margin-top: 6px; margin-bottom: 6px;" title="平治物語" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/288508a7f326b7cf0c2fbb9d52a5d69a-1024x678.jpg" alt="" width="590" height="391" /></a></p>
<h4>出版と印刷との日本的関係の先にあるもの：出版社は必要か？</h4>
<p style="padding-left: 30px; text-align: center;">
<p style="padding-left: 30px; text-align: left;">京都人へのご評価ありがとうございます。おっしやるとおり、京都人は、数の力で圧倒したり、論理でねじふせたりすることは好みません。京都は平安貴族の昔から、すべてを受け入れていく「たおやめ」の文化です。ところが、今の文化は良きにつけ悪しきにつけ武士道的な「ますらお」文化です。猛々しく、勇ましく、そして己が信念を貫くことを清しとする文化です。電子書籍でも勝つか負けるか、勝てば電子書籍の利益がすべてが手に入り、負ければ失業するのみ、という「ますらお」の原理で語られています。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%B2%BB%E3%81%AE%E4%B9%B1" target="_blank">平治物語</a>絵詞をみてください（上の図版＝ボストン美術館蔵）。堂々と行進する武士、それを怖々遠巻きに眺める公家衆。これが、今から1000年前、武士が台頭して平安公家の「たおやめ」文化が「ますらお」文化にとってかわられた瞬間でした。</p>
<p style="padding-left: 30px;">なぜ、日本では欧米のように出版社がDTPをおこなったり、コンテンツの製作をおこなってこなかったのか。アメリカの電子書籍ビジネスモデルでは、そのことが前提だという鎌田さんの指摘はあたっています。日本の出版社がDTPの担い手でなかったことが、日本の電子書籍コンテンツの充実が遅れたことの、原因のひとつであるのは確かだと思います。<br />
日本では決定的に出版社にITリテラシーが欠けています。新興の出版社では自社でDTPをすることで伸びたところもありますが、古くからある出版社はITに強い人が極端に少ないか、主流を歩いていない。むしろ忌避する人の方が多い。コンピュータというと、人間の尊厳を冒す怪物のように思って、古臭いコンピュータ支配ディストビア論を展開する人すらいます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">パーソナルコンビュータは中央集権コンピュータではありません。それはむしろ、市民が生み出し、市民運動が育てた市民のための装置です。DTPは高価な活字印刷を使わなくても本格的な印刷物を手にいれたいという市民の切実な願いから生まれた。だからこそ、アメリカの出版社はパーソナルコンビュータを違和感なくとりいれていったのです。もちろん、タイプライター文化の伝統は大きかった。パソコン初期アメリカの出版社でタイプライターを打てない人はまずいなかったでしょう。この文化的伝統にディスプレイがつけくわわったとしても、それほど差を意識することはなかった。コンピュータだからと構えることなく、ワープロをそしてDTPを使い込んでいった。</p>
<p style="padding-left: 30px;">たいして、日本では、手書きの原稿を印刷屋にいれて、活字になってから赤字をいれるという出版社の悪しき伝統がありました。そうしないと手書き原稿では推敲すらできないのです。日本には英語圏のように気軽に使えるタイプライターなどありませんから、ゲラが出てからでないと文章の全体像が掴めない。ゲラになってから文章に手をいれるという体制はワープロ時代になってもほとんどかわっていませんでした。私事で恐縮ですが、十数年前のわたしの処女作『活字が消えた日』は全文、パソコンのエディタで書き、出来しだい電子メイルで送信していました。当時としては先端のIT製作だったわけです。ところが、このデータを元に印刷会社で版下が組みあがったあと、編集者が文章訂正をびっしり赤字でいれていくのです。それはそれはすさまじいものでした。私は印刷会社の経営をしていましたから、あの赤字のはいったゲラを修正するオペレーターのことを思うと胸が痛んだものです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">この体制は結局、出版社の編集局と印刷会社の役割を峻別していきました。編集局の仕事は企画を考え、原稿をとりたて校正を行い、印刷会社はただ、ただ言われる通りに作成するのみ。だから、出版社がDTPを担うというかたちにならなかった。</p>
<p style="padding-left: 30px;">もちろん、技術的には欧米に比べて日本語組版の困難さということもあると思いますよ。すこし考えても、欧米組み版のアルファベット26文字、左横書きだけに比べ、漢字6000字、縦横書き混在とでは日本語組版はあまりに複雑です。今、印刷業界では、文書のXMLデータ化は重要な仕事ですが、欧米製のDTDでは、日本語を表記しようとするとたちまち行き詰まります。かなり広汎な拡張が必要でしょう。この日本語組版の特殊性から、出版社が組み版に深入りできず、印刷会社の役割を分ける原因のひとつになっていきました。<br />
結論として、電子書籍にあたっても、出版社があの複雑な日本語組版を行うということは考えにくい。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ここにあたって、この対論最初の問題にもどりますが、「出版社は必要なのか」という問いを発せざるをえません。著者と電子書籍のベンダー、そして技術者としての印刷会社があればそれですむのかということです。結論から言えば、当面、出版社の役割は大きいと思います。いわゆる「編集」の機能です。著者の仲介も含めてしばらくはこの役割は出版社に残ると思います。しかし、電子書籍の流通が本格的になってくれば、出版社を実際に支えている「営業」や「製作」といった部門は必要がなくなるか、今とはまるでちがうものになる可能性がある。そうしたとき「編集」も今までと同じ役割がはたせるかどうか。今の丁寧な「編集」は紙の本による流通という前提のもとになりたっているもので、これがなくなれば「編集」は維持できない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">当面、出版社の編集機能＋印刷会社というあり方でないと電子書籍化は覚束ないのは確かですが、果たして、その次の段階になると、「編集」そのものも生き残れない可能性がある。ではどうなるか。これは予測がつかないのですが、日本の電子書籍製作モデルは欧米のものとはかなり違ったものになることだけははっきりしてきます。出版社が電子書籍製作の担い手となる欧米型と違い、出版社は製作を担わず、「編集」のみを行い、それを下請けさせるかたちで、電子出版の作成を印刷会社が担うというかたちです。そしてこれからスタートするにしても、それが欧米型の出版社中心に移行するのではなく、「編集」機能が低下すればするほど、また「編集」が疲弊すればするほど、印刷会社中心へと移行していく。この場合の主導権はどこが握るか。出版社がEPUBやXMLに習熟して、印刷会社を廃業に追い込むか、印刷会社が編集機能をもって出版社を壊滅させるか。はたまた著者が自分でやるか・・・・</p>
<p style="padding-left: 30px;">ではなく、そうした主導権をどこが握るかというのはそもそも「ますらお」的な発想です。私は電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来るのではないかと思います。電子書籍の「たおやめ」化です。いや、来させなくてはならない。そのためにも印刷業界はもちろんですが、出版業界にも電子書籍に対して、いまだ時は満たず、隠忍自重をお願いしたいですね。<br />
そうするとやはり日本に、というより、東アジア漢字文化圏にはそれに適した「印刷クラウド」がいるという鎌田さんの提案に近づいてくるのではないですか。</p>
<h4>オンデマンドこそ100%デジタルが生きる</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/bandainagon.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-2641" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="bandainagon" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/bandainagon-300x225.jpg" alt="" width="300" height="225" /></a>オンデマンドへの期待は大きいようですね。あまり指摘する人がすくないのですが、オンデマンドの技術はデジタル技術そのもので、デジタルでのアーカイビングと表裏です。いわばプリンタなのですから、100%デジタルでできていなければならない。いまのところはアーカイビングというと、紙の本をスキャンしたものを思い出しがちですが、早晩、すべての本はボーンデジタルになります。こうなるとオフセットで作るより、オンデマンド作るメリットがはるかに大きい。今、学術雑誌の世界では、オンラインジャーナルが主で印刷本は従という時代が来ています。まだ紙の雑誌も出ていますが、いつ紙がなくなっても学術雑誌は成立できます。まずはXMLでオンラインジャーナル用のデータを作り、それを自動組版で印刷版に焼き直すという作り方にをするようになりつつあるからです。ここで、基本的に、オンラインででているものをわざわざ紙の本でも読もうという人は少ない。ただしゼロにはならない。ここにオンデマンドの成立する余地があるのです。（図版＝<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%B4%E5%A4%A7%E7%B4%8D%E8%A8%80%E7%B5%B5%E8%A9%9E" target="_blank">伴大納言絵詞</a>より伝「源信」、出光美術館蔵）</p>
<p style="padding-left: 30px;">将来的にはすべての書籍データはまずXML(もしくはそれに相当する物)で作られ、必要に応じて、電子書籍にしたり、オンデマンドにしたりという方法がとられると思います。だけれど、紙でのオンデマンド出力は画面表示のできの悪い代替品であってはならない。今は画面表示の品質が劣るから、別途プリントアウトするとか紙の本が必要という人は多いのですが、画面品質は急速にあがるでしょう。読みにくいから紙が必要と言うことにはならない。質の高い画面があっても、わざわざ紙で印刷しようというからには、オンライン以上の付加価値、組版も印字品質、そして装丁も最高品質の物でなくてはならない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷のXML化。そしてそれを紙で印刷するときには、最高の組版技術・オンデマンド印刷技術・製本技術を提供する。だとすると、印刷業界も培ってきた技術を活かしつつ、ゆるやかに、電子書籍の時代へと移行していけます。オンデマンドがバッファになって、本の世界は電子化していく。本があれば書店もしばらくは食べていける。</p>
<p style="padding-left: 30px;">デジタル時代は「たおやめ」の文化。誰かが、誰かを完膚無きまでたたきのめすのではない、それぞれがすこしつづゆずりあいながら、ひとつの理想に向かって、知恵と力をだしあう。先頭を走る英雄を賞賛するのではなく、ステークホルダーみんなが、ひとつの理想に向かう。それこそが、これから時代のあり方ではないのでしょうか。<br />
平治の乱から約1000年。この1000年がますらおの千年紀とするなら次の1000年紀はたおやめの1000年紀となりますように。（05/05/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">◇中西秀彦氏<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/about.html" target="_blank">プ ロフィール</a></p>
<h4>不定期シリーズ「E-Bookとデジタル時代の印刷業」</h4>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/04/2010/04/2010/04/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">第    ０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/04/2010/04/2010/04/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">第    1回：E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a href="../2010/04/2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_blank">第2回：E-Bookと印刷業(2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">第3回：E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_blank">第4回：E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム" href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/">第5回：E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調" href="../2010/05/ebook-and-printing-business-5-2/">第6回：E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a>（今回）</p>
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		<title>E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</title>
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		<pubDate>Tue, 27 Apr 2010 03:59:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<description><![CDATA[中西秀彦氏から頂戴した前回の「軟着陸戦略」は含蓄に富んだものでとても刺激された。音楽や写真を例にした悲観論が世に蔓延しているが、もともと本を読まない人間は別として、印刷・製本された本は、リアルな体験としてこれからも必要不 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/images.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2544" title="images" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/images.jpg" alt="" width="129" height="129" /></a>中西秀彦氏から頂戴した前回の<a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_blank">「軟着陸戦略」</a>は含蓄に富んだものでとても刺激された。音楽や写真を例にした悲観論が世に蔓延しているが、もともと本を読まない人間は別として、印刷・製本された本は、リアルな体験としてこれからも必要不可欠な文化的要素だと思う。現に、欧米ではE-Bookの拡大と不況が重なったにもかかわらず印刷本市場は減っていない。怖れるべきはデジタル化ではなく国民の「文盲化」ではないか。そこで、E-Bookが活字市場を活性化させ、印刷需要を減退させないための条件を提案してみたい。さらに中西氏や読者諸賢のご批判をいただければ幸いである。（鎌田）<span id="more-2534"></span></p>
<p style="padding-left: 30px;">中西様</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_blank">「軟着陸戦略」</a>とても味わい深く読ませていただきました。いちばん強く感じたのは「京都」の政治感覚です。なるほど、こういう戦略で千年も生き延びてきたのだなと感じ入りました。東京は海外から来る「変化」の発信源というよりはフィルターとなって人心を撹乱・動揺させ、「攘夷」や「開国」の号令を乱発し、そのじつ自分では動かずに、最終的に転がり込んでくる新しい権益をうまく確保しようとします。たしかに金と力のあるものが無定見に演出する「変化」や「改革」に踊らされていたのでは身が持たず、命すら危ない。守るべき「文」の価値を知る、知恵ある弱者としては、生存のためにのみ必要とされるDNAを総動員して対応する。抵抗しつつ、時間を味方にして巧妙に適応する、そうした感覚を感じました。武力、財力に対する「文」の都が、この国で生き延びたのは偶然ではないわけです。</p>
<h3>製作・管理グループウェアと「印刷クラウド」</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/2008-06-29.jpg"><img class="alignright size-full wp-image-2539" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="2008-06-29" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/2008-06-29.jpg" alt="" width="189" height="189" /></a>「紙に印刷」するコミュニケーションの形は、紙の供給がよほど逼迫しない限り、少なくとも数世代は変わらないと思います。しかし、読まれ(見られ)ては捨てられるだけの情報、読まれないまま廃棄される情報の印刷は確実に減るでしょう。印刷物の経済性は相対的に低下しており、付加価値の低い印刷物から消えていくことになりそうです。しかし「紙に印刷」するにしても「装置に出力」するにしても、<span style="color: #cc0000;">元になるデジタルの「原版」へのコントロールを誰が握るかで、出版者と印刷会社の力関係はまるで変わる</span>ことになると思います。「原版」製作は、コンテンツの管理と密接不可分で、どれに出版するとしても、そこを握っていれば、そう悪くない条件で仕事はとれるし、逆ならば印刷受注の可能性も低くなるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">私自身は、もともと出版社であれ企業であれ、パブリッシャーは自分で版を製作・管理すべきだ、という“欧米的”考え方で「電子出版」を考えていました。自分の会社で出していたニューズレター（写植／軽オフ）などは、版下の大部分を内製していました。20年前のことですが、そうしたやり方は、その後も思ったほど広がっていません。従来の業務プロセスになく、しかも技術も予算もやる気も持たない者が扱えるものではないのですね。日本語のページ（版下）というのは。誰もが、無用なやりとり、やり直しが多い版下づくりを嫌っています。しかし、いまデジタル出版、あるいはデジタルにコントロールする出版（紙／電子）を考えた場合に、版づくりは最も重要な工程といえると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">具体的には、執筆者／イラストレーター、編集者、デザイナー、製版技術者、出版責任者など、複数の関係者が利用する仮想的「グループウェア」と「デジタルコンテンツ管理」の主体が誰になるか。システムは高いものですし、使いこなすのは簡単ではないと思います。システムの管理も厄介です。それは、日本のユーザーの実体に合っていないからです。欧米のシステムは出版社での使用を想定していますから、あまり普及しないのも当然です。そこで日本に適した「<span style="color: #cc0000;">印刷クラウド</span>」のようなサービス環境があれば、中小印刷会社がデジタル対応する上で助けになると思います。その環境で、例えば、データ／フォーマット変換ツール、デザインテンプレート、フォントその他のユーティリティが提供されていけば、新しいエコシステムが発展するのではないでしょうか。印刷系のIT技術者やサービス企業は、そうしたプラットフォームを必要としていると思います。こうしたクラウドは、オープンソースやフリーウェアをベースに、いわゆる<span style="color: #cc0000;">バザール的な互助型コミュニティ</span>として地域単位で育てばベストだと思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">デジタル技術というものは、放っておくとどんどん「雇用削減型」に進化しますが、最初からエコシステムを考え、そのために組込んでいけば「雇用創出型」にもなるのではないか、と私は考えています。失業は社会悪であり、テクノロジーがいかに有用でも、失業にだけ結びつくようでは消費者を減らす結果に終わるからです。欧米の政府にとって、技術が「雇用創出型」であるかどうかは最も重視される項目の一つですが、日本では関心がもたれていません。長いこと人手は不足するものだとばかり考えられていたせいでしょう。</p>
<h3>オンデマンドによる印刷需要の掘り起こし</h3>
<p style="padding-left: 30px;">中西さんは、オンデマンド印刷を重視されていますが、私もそれに注目し、ユーザーとして期待しています。書籍印刷を考えた場合、ほぼ<span style="color: #cc0000;">1冊以上300冊以下の範囲に最適化された、ダイレクト印刷・製本機</span>が必要になると思われます。当てずっぽうで言えば、極少 (１~15冊クラス)、少 (10~50冊クラス)、中 (30~300冊)のようなカテゴリーになるでしょうか。米国では <a href="http://www.ebook2forum.com/2010/02/ondemand-book-making/" target="_blank">EBM </a>(Espresso Book Machine) という印刷製本機が、Googleなどのオンラインサービスからコンテンツをダウンロードして印刷するために使われ始めています（大学・公共図書館、カフェなど）。少ロットでは、ゼロックスのDocutechというのも、かなり昔からありますが。日本の技術でこれらを品質・経済性で上回る製品を開発するのは難しくないと思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EBM1.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2537" title="EBM" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EBM1.jpg" alt="" width="166" height="148" /></a>重要なことは、米国では書籍の<span style="color: #cc0000;">オンラインライブラリ</span>が整備され、ダウンロード可能になっていることです。EBM はそれを前提として、<a href="http://www.ondemandbooks.com/software.htm" target="_blank">EspressNet</a> という<span style="color: #cc0000;">管理ソフトウェア</span>を開発して機械をまわしているのです。2009年の米国の出版タイトル数は、デジタルが印刷本を大きく上回りました。これらの大半は、著作権切れなどの図書館アイテムで、イメージスキャナでデジタル化しただけのものですが、年間数十万点が復刊され、少なからぬ数が製本されて読まれていることが重要です。出版のカタログに、新刊、再刊、既刊在庫、デジタル新刊のほかに膨大な数のデジタル復刊が並び、死蔵されていた本が読者のリクエストで、1冊数百円で本になるわけです。マイクロ印刷のネットワークができれば、少なくとも年間数百億円程度の印刷市場にはなると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">オンデマンド印刷は、オンラインライブラリの存在を前提として、(1) レイアウト、(2) 用紙・造本、(3) 編集（アンソロジーなど）などが読者のリクエストで製作されるところに魅力があると思います。造本工房のようなブティックができれば最高です。なぜなら、そこに人手が介在し、技術・文化が継承され、対話と雇用機会が生まれるからです。無人の製本ロボットや自動販売機のようなものは感心しません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">オンデマンド印刷へのニーズは、本だけに限ったものではありません。私は数10人、数百人を相手にしたセミナーや会議をよくやっていましたので、少ロットの資料印刷のコストに悩まされていました。100ページに満たないものが、1部千円単位になると重い。最近ではついに「PDFダウンロード」という形が広がってきました。たぶんあまり読まれないでしょう。大学や学校などでも同じではないでしょうか。世の中の少ロット印刷需要は、広い意味の出版文化の基盤だと思います。少ロット印刷が、低品質から高品質まで行われるようになれば、大半が返本・廃棄となって出版社や書店を苦しめることも減るのではないでしょうか。</p>
<h3>印刷産業にとってのデジタルプラットフォーム</h3>
<p style="padding-left: 30px;">これまで述べてきたことは、いずれもデジタルなプラットフォーム、それも<span style="color: #cc0000;">印刷産業が主導権を取れるものであること</span>が重要な要素です。「印刷クラウド」もそうですし、「デジタルライブラリ」もそうです。後者は国会図書館に任せておいてよいとは思えません。著作権切れ本やコンテンツなどは、国民の共有財産ですから、たとえば古書店と印刷会社が協力して売れそうな本のデジタルライブラリを充実させていってもいいでしょう。また復刊を望む著作権者と印刷会社が直に交渉してもいいし、そうした窓口となる専門のサービスがあってもいい。それは原出版社がやるべきことですが、なくなったり、やる気のないところも多い。やらないのなら誰が「出版社」となってやってもいいし、やるべきだと思います。アマゾンやアップル、Googleは小売のチャンネルとして利用すればいい。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/AMP_Proposed_Imp_Plan.jpg"><img class="alignright size-medium wp-image-2546" title="AMP_Proposed_Imp_Plan" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/AMP_Proposed_Imp_Plan-300x190.jpg" alt="" width="300" height="190" /></a>米国の<a href="http://www.scribd.com/" target="_blank">Scribd </a>や<a href="http://www.docstoc.com/" target="_blank">Docstoc </a>などのファイル共有サービスは、学校、専門家、公共機関などに幅広く利用され始めていますが、いずれも少ロット印刷に適したPDFファイルを無料や有料で提供しています。公的機関の刊行物は、オンラインライブラリに登録させるようにすべきだと思います。オンデマンド印刷は、こうしたライブラリの出口として機能するでしょう。重要なことは、システムとして発想し、設計することだと思います。例えば、空港は滑走路と空港ビルだけでなく、最初から多数のサブシステムを含む全体として考えなければ成り立たないものですが、コミュニケーションがデジタルに再構成された時代には、印刷業においても個々の企業努力を超えたマスタープランが必要になっています。（図はサンディエゴ空港のマスタープラン）</p>
<p style="padding-left: 30px;">大手の2社以外、そうしたプラットフォームが自力で出来る会社はないと思いますが、裾野が広い産業ですから、政治力は発揮できると思います。中小印刷業が最大限生き残れるエコシステムのデザインを<span style="color: #cc0000;">ビジョン</span>として提起し、衆知を集めて必要となる（使える）ITシステム、印刷・製本機器の<span style="color: #cc0000;">要求仕様</span>を策定し、<span style="color: #cc0000;">設計</span>を公募すること。それを公正・厳密に評価し、その上で開発・導入には政府の<span style="color: #cc0000;">補助金</span>を取りつけること。まあこんな程度が、部外者である私の考えられることですが、いかがでしょう。印刷業界の皆さんが、生存戦略を多様化させ、政治力を創造的に発揮されることを期待しています。昨今の「黒船騒動」で、日本の出版文化の将来を出版社だけに委ねておくには、あまりに頼りないと感じたからでもあります。　（鎌田、04/27/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">第０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li>E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム　(本記事)</li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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		</item>
		<item>
		<title>E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 18 Apr 2010 15:48:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Related Industries]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

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		<description><![CDATA[前回、鎌田は「版」を中心とした付加価値ビジネスを追求せよという趣旨を書いたが、困難な挑戦であることは間違いない。案の定、中西氏からは「きれい事」というお叱りを頂戴することとなった。泥臭くてもしぶとく時間を稼ぎつつ、印刷業 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2221" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="hidehiko" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg" alt="" width="112" height="114" /></a><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">前回</a>、鎌田は「版」を中心とした付加価値ビジネスを追求せよという趣旨を書いたが、困難な挑戦であることは間違いない。案の定、中西氏からは「きれい事」というお叱りを頂戴することとなった。泥臭くてもしぶとく時間を稼ぎつつ、印刷業界に有利な形での軟着陸の方法論を示さねばと考える氏は「紙と電子のハイブリッド」を提唱し、過渡的段階でのオンデマンド印刷を重視する。さすが京都人！ じつはこのハイブリッドは欧米の出版社の戦略にもなっている。これまでのところ紙が電子に食われるという兆候はないからだ（<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/free-digital-books-impact/" target="_self">鎌田、4/18</a>）。この対論もいよいよ核心に入っていきそうだ。<span id="more-2444"></span></p>
<h3>紙と電子のハイブリッド：過渡期に重要なオンデマンド印刷</h3>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業界を電子出版ビジネスの実際の担い手と考えていただけるのは大変うれしいのです。しかし、しかしです。印刷業界にとって、すくなくなったとはいえ、稼いでいるのは「紙に印刷」する部門です。何度も主張している通り、デジタル化して、IT化して、生き残れる印刷会社もあるでしょう。しかし、おそらくその数はあまりに少ない。元々、ITをビジネスにできる印刷会社がもともと多くない。しかも、デジタルコンテンツの作成といったビジネスは、今のところは印刷業界に一日の長がありますが、おっしゃるようにデジタルは参入障壁が極めて低い。コンピュータ一台でいくらでも参入できる分野です。とすると、印刷業界でなくてもかまわないということなのです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">だから、「抵抗勢力になって、電子書籍の発展を阻害する」側になってでも、既得権益を守るという発想に陥ってしまう。なぜなら、ITに向かって進むことは、ライバルも多く、また多くの新たなことを学ばねばならない茨の道ですが、既得権益擁護の戦いは孤独かもしれないけれど、武器がある。版面権などで闘うことは無意味だと鎌田さんはおっしゃいますが、法律を徹底的に駆使すれば、電子書籍側に余計な手間をとらせることはできます。前に進もうとする電子書籍に訴訟や政治利用などの手かせ、足かせをはめれば歩みを遅らせることはできます。<br />
昨年、話題になったGoogle書籍検索問題だって、Googleは、結局世界中から反発をくらって、英語以外の全面文献検索はあきらめざるをえませんでした。われわれはGoogleにいきなり公開をつきつけられて面食らったのは確かですが、Google側にしてみれば、あっさり金を払ってすむはずのアメリカでの集団訴訟が、思いもかけず世界中から面倒な反論や反訴をおこされて半端ではない手間をかけざるをえなくなったということです。逆に言えば、既得権益を握る側が徹底的に反抗する気になれば、手間暇と時間をとらせることは可能だと言うことです。最終的に勝つか負けるかはこの際、問題ではない。手間をとらせればよいのです。あるいは、印刷業界は中小業者が多いですから、中小企業振興のためと称して、政治を動かすこともできるでしょう。自民でも民主でも票は欲しいでしょう。<br />
既得権益擁護のために新産業の抵抗勢力として動く実例は日本の産業史上、枚挙にいとまがない。特に農産物輸入自由化に対する農業団体の抵抗はすさまじいもので、その結果農業団体はかなりの譲歩をかちとっていきました。結果として、それが日本の農業の真の振興になったのかは、ここではあえて問いません。ただ、抵抗勢力として闘うことは政治の問題であって、最終的な理想とはなんの関係もないということです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">もちろんこんな闘争は不毛です。こんなことをやれば、日本の電子書籍は世界から10年20年と遅れをとり、取り返しのつかないことになるでしょう。私はすくなくともこれが不毛だと言うことはわかっているつもりです。ただ、業界団体の政治力というのは、そんなきれい事ではすまされない。<br />
「このままでは生き残れないんだよ。だから、みんなでデジタルを学んで、技術力をたかめデジタル時代に対応していこうじゃないか」<br />
と言われて、目を輝かしてついてくる会社だけではない。実際、印刷会社の中で、印刷機しかもっていない「刷り屋」さんはかなりの数存在する。どろどろと、電子の時代に抵抗し、相手の足を泥沼にとらせことだけを考える勢力だっているということです。こんな会社はいずれは淘汰されるでしょう。しかし、淘汰されるまで、大いに障害にはなってくれる。</p>
<p style="padding-left: 30px;">やはり、鎌田さんのご意見はきれい事に思えるのです。紙の延命、もしくは、刷り屋さんにもなんらかのかたちで、電子書籍の権益を分配してやらねばならないのではないか。これは、現在の本屋さんや取次店に対しても同じことがいえると思います。私には、あの集団が、時代に取り残されて、おとなしく消えていくということを選択するとは思えない。一波乱二波乱あり、その間に日本の電子書籍は一周も二周も遅れる。<br />
まずは、紙の呪縛から解き放たれることを訴えて、デジタル化の道筋をしめす。そして、紙の印刷がまだしばらくは電子書籍と共存できることを保障して安心してもらう。完全にクラッシュするのではなく軟着陸する道筋をしめすのです。本当に軟着陸できるかどうかはわかりません。しかしとにかく軟着陸の方法論をしめさねばならない。そのために、紙と電子のハイブリッドを提唱します。紙でも出版し、電子書籍にもだす。そういった形式の本をふやすことではないでしょうか。<br />
私は、ハイブリッド印刷の可能性が大きいのは、オンデマンド印刷であろうと思っています。オンデマンド印刷はいわばコピーですが、一応、紙を扱うことにはかわりない。今のオフセット印刷とシステムはかなり違いますが、一応「印刷」です。そして、デジタルデータを直接紙に出力するというシステムですから、デジタルデータの取り扱いに慣れていないと使いこなせません。オンデマンド印刷にはいりこむことは、すなわちデジタル技術に習熟することであり、電子書籍への移行も容易になる。本屋も取り次ぎもこれなら生き残れる。<br />
印刷から電子書籍への革命的な変化の激変緩和措置としてオンデマンド印刷をはさむ。このことで印刷業界が抵抗勢力化するのを防ぐ。といった戦略です。<br />
ただ、これでも刷り屋さんのラダイド運動は防げませんが。（04/18/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">◇中西秀彦氏<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/about.html" target="_blank">プ ロフィール</a></p>
<h4>不定期シリーズ「E-Bookとデジタル時代の印刷業」</h4>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">第０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li>E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略（今回）</li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_self">E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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		</item>
		<item>
		<title>ソーシャル・パブリッシングとは何か：共有即出版</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/04/sharing-is-publishing/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/04/sharing-is-publishing/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Apr 2010 03:10:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Web Business]]></category>
		<category><![CDATA[ソーシャルネットワーキング]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
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		<description><![CDATA[本誌のスタンスは、出版とは情報を共有可能なものとすることが基本、ということ。何を売りたいのか、情報を普及させたいのか、本かチラシか、文学かマンガかなどはすべて二次的なことと考える。デジタル時代はそれを常識としないと判断を [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Social-Networking-Image.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-2416" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="Social Networking Image" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Social-Networking-Image-300x229.jpg" alt="" width="144" height="110" /></a>本誌のスタンスは、<span style="color: #cc0000;">出版とは情報を共有可能なものとすること</span>が基本、ということ。何を売りたいのか、情報を普及させたいのか、本かチラシか、文学かマンガかなどはすべて二次的なことと考える。デジタル時代はそれを常識としないと判断を誤る。出版はWeb時代のビジネスのメタモデルとも言えるものだ。個別のビジネスモデルは、そこからいくらでも生まれてくる。今回取上げる「ドキュメント・リポジトリ」あるいは「ソーシャル・パブリッシング」サービスもその一つだ。<span id="more-2403"></span></p>
<h3>情報共有は出版の第一歩</h3>
<p style="padding-left: 30px;">Webサービス、ファイル共有、流通プラットフォーム、ソーシャルネットワーキング…。これらはすべて「出版」と関係があり、それをサポートするビジネスとして構成することが可能だ。ドキュメント・リポジトリ（文書共有）サービスは無数に存在する。その中で <a href="http://www.scribd.com/" target="_blank">Scribd </a>と<a href="http://www.docstoc.com/" target="_blank">Docstoc </a>が突出しているのは、「共有」を「出版」あるいは「<span style="color: #cc0000;">ソーシャル・パブリッシング</span>」と読み替え、そのためのUI/UXを実現したことだろう。<span style="color: #cc0000;">情報共有は出版の第一歩</span>なのである。</p>
<ol>
<li> ＜特定少数→特定多数→不特定多数＞という対象のスケール</li>
<li>１対n／n対nといったコミュニケーションのトポロジー、そして</li>
<li>無料／有料という対価の有無</li>
<li>メッセージ／広告／情報商品という区別</li>
<li>コピーライト／コピーレフトなどの権利関係</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">これらは、Webにあっては、たんなる<span style="color: #cc0000;">ドキュメントのプロパティ</span>にすぎないので、簡単にスイッチできる。同じサービスで扱えない理由はない。スイッチできる点が重要で、そこにコンテクストが発生し、巨大な可能性が秘められている。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ソーシャル・パブリッシングは、WordやPowerPoint、PDFなどのファイルをフラッシュに変換し、コードのエンベッドによってオンラインで閲覧できるほか、ダウンロード、コメント、ブックマークなどができるようにしたものだ。<span style="color: #cc0000;">YouTubeのドキュメント版</span>と呼ばれることもあるが、YouTubeがほとんどファイル共有で終始している印象なのに対して、ドキュメントのソーシャル・パブリッシングは、ドキュメントのコンテクストに対応したSNS機能が、ユーザーにとっても、またビジネスモデルとしても重要となる。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">Scribd: &#8220;Reading is better when it&#8217;s social&#8221;</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/scribd-new-logo-brown.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2409" style="margin: 0px 6px 0px 0px;" title="scribd-new-logo-brown" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/scribd-new-logo-brown.jpg" alt="" width="98" height="35" /></a>Scribdは、弱冠23歳のトリップ・アドラー (<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Trip_Adler" target="_blank">John R. Adler III</a>)が2007年、サンフランシスコで創業した。パロアルト生まれながらハーヴァード大学で生物物理学を専攻。サーフィンやサキソフォン、ゴーカートなどにも非凡な才能を発揮した彼が Scribdの着想を得たのは学生時代、著名な神経外科医の父親との会話の中であったらしい。学術論文の出版の難しさを知った彼は、文書共有サービスのアイデアを実現するために共同創立者の2人とともにケンブリッジ市にある Y Combinator を訪ね、<a href="http://jp.techcrunch.com/archives/scribd-youtube-for-text-gets-300k/" target="_blank">支援の獲得に成功</a>する。サービスの立上げは2007年だが、使い勝手のよさから<a href="http://jp.techcrunch.com/archives/scribd-growing-like-youtube/" target="_blank">すぐにトラフィックが上昇</a>。2008年にはソーシャルメディアのトップ20にランクされる。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/TAdler.jpeg"><img class="size-full wp-image-2411 alignright" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="TAdler" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/TAdler.jpeg" alt="" width="144" height="150" /></a>2009年には、Scribd Storeを立ち上げてコンテンツ販売に乗り出した。セルフ出版以外に、サイモン&amp;シュスター社やワイリー社などの大手商業出版社の本も扱う。アマゾンなどと同じく、マルチプラットフォームのサポートを志向し、PCやスマートフォン、E-Readerでも利用できる環境を開発している。ちなみに、ScribdやDocstocの販売コミッションは20%ほどであり、他のオンラインストアよりも安い。Scribdは、フォードやマイクロソフトなど大手企業や自治体を顧客に獲得することに成功しており、同種のサービスの中では最も成功していると言えるだろう。機能的にみると、コミュニティによる文書共有、つまりソーシャル性のサポートとしっかりした文書管理がよくできている。文書共有は当然、海賊版、反社会的出版物の巣窟となるリスクがあり、評判を落とせば企業は利用しない。Scribdの成功は、公的教育機関などよいコミュニティが安心して使える環境（ユーザー体験）を実現したことによるものだろう。これは最も難しい点だと思う。同社によれば、毎月5,000万人が利用し、ドキュメントリーダも毎月1,000万回ダウンロードされている。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">Docstoc: Document Resources for Small Business and Professionals</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/docstoc.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2410" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="docstoc" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/docstoc.jpg" alt="" width="95" height="24" /></a>Docstocも2007年、Scribdとほぼ同時期にサンタモニカでベンチャー資金を得てスタートした。創業したのは、ジェイソン・ナザー (Jayson Nazar＝写真)とアロン・シュウォーツ (Alon Schwartz)の二人。Docstocの特徴は、プロフェッショナル・ドキュメントと呼ばれる専門性の高い企業、コンサルタントの出版物にフォーカスしていることだ。中心的には、法務、経営、金融、テクノロジー、教育、クリエイティブなどの分野となる。ドキュメントは容易に検索でき、無料でダウンロードできる。米国ではブログはプロフェッショナルが使用することが多く、有力なビジネスメディアとなっているが、そうしたビジネスブログや主流メディアのサイトがエンベッド・コードを貼って閲覧可能にするというスタイルは、Docstocが普及させたと言われている。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/JNazar.png"><img class="alignright size-full wp-image-2412" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="JNazar" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/JNazar.png" alt="" width="97" height="160" /></a>様々な分野の専門家と彼らの知見を必要とするクライアントは、<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/LinkedIn" target="_blank">LinkedIn</a>などのSNSがターゲットとするコミュニティでもある。もちろんドキュメントの販売も行っている。例えば、<a href="http://www.docstoc.com/Store/" target="_blank">DocStore</a>でE-Bookを検索すると、&#8221;eBook-Blogger Relations by Brian Solis&#8221; などのパンフレットが並んでいる。これは90ページで$4.95（viewが17,897とある）。これまでプロフェッショナルが不特定多数に知名度を上げるためには、メディアで露出したり、本を出したりする必要があり、容易ではなかった。DocStoreを使えば、無料の会社案内的なものと、有料の小冊子、ある程度高額のレポートまで一括してアップロードして使い、内容を更新することができる。有料のものを無料にスイッチすることもできる。</p>
<h3>文書共有を出版支援に変えるのは「社会」性</h3>
<p style="padding-left: 30px;">日本にも文書共有サービスは存在する。しかし「ソーシャル・パブリッシング」ということが意識されているようには思えない。文書管理も弱く、なにより技術からアダルトまでなんでも扱ってしまうところが最悪だ。誰のために何を手伝いたいのかがまったく不明になるからだ（E-Bookもそうだが、エロ本は別の「書店」に収納しないと、トップページで多くの人が逃げ出してしまう）。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ブログが社会性を喪失した「自分メディア」となり、Twitterのショートメッセージングも「メッセージ」性を喪失した「つぶやき」となったように、どうも欧米的ソーシャルネットワーキングは日本では「世間」の壁を越えられないようでもある。しかし、「ソーシャル・パブリッシング」はなんらかの社会性を意識し、それに対する価値を訴求するものでなければ成立は困難だ。ScribdもDocstocも、プロフェッショナリズムをベースとすることでドキュメントの品質と社会性を確保している。プロフェッショナリズムというのは、専門的知識・技能を有しているだけでなく、組織から自立し、職業的倫理や説明責任を個人として全うすることを求める思想である（ジャーナリズムは、報道におけるプロフェッショナリズム）。現代社会はプロフェッショナリズムが育たないとまともに機能しない。。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<div id="attachment_2415" class="wp-caption alignleft" style="width: 310px"><a href="http://acquia.com/blog/social-publishing-where-it%E2%80%99s"><img class="size-medium wp-image-2415" title="Social_Publishing_diagram" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Social_Publishing_diagram-300x230.png" alt="" width="300" height="230" /></a><p class="wp-caption-text">AcquiaのBryan Houseによるイメージ</p></div>
<p>Scribdのようなサービスは、出版社にとって魅力的だろうか。米国の大手出版社が関心を持つのは、Scribdのユーザーと<span style="color: #cc0000;">ソーシャルネットワーキング</span>の力に注目しているからである。例えば、口コミ（バイラル）はプロフェッショナルを通した場合に最も効果が高く、また有効な情報が得られる。彼らは著者でもあるからだ。出版社はたんに本を売るだけでなく、Scribdを通じてハイレベルな読者のコミュニティにアクセスできる。彼らがどんな本を求め、また書きたがっているかを知ることができる。生きた知識情報は、人を介してネットワークを形成しているが、その重要なノードと常時コンタクトできるわけである。これまで有能な編集者は、自分の足と目と耳でノードを開拓していったが、そうした編集者は減ってきた。今日の編集者の多くは「開拓」することを嫌うし、見知らぬ人間とコミュニケーションをとる術も知らない。だからソーシャル・パブリッシングのサービスは、彼らが職業的原点（編集者としてのプロフェッショナリズム）に変えることを支援すると言うこともできる。過去の偉大な出版人たちの片鱗にでも触れることができるように思える。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ソーシャル・パブリッシングは、著者と読者が直接結びつくことを支援する。知識情報を発信する行為の延長として本の出版、販売がある。これが成立するのは著者と読者の関係が最も近い世界だが、いったん成立すれば増殖を始めるだろう。出版社はここでも「中抜き」を怖れるのだろうか。個々の著者を「一本釣り」してタレントに（あるいはタレントを著者として）「育て」、その関係を「大事にする」という。芸能プロダクション的幻想に浸っていたいのだろうか。ともあれ、ひたすら中抜きを心配する「大手」以外の出版社／出版者は別として、出版の社会的役割を自覚した出版社は、ソーシャル・パブリッシングの環境の中に飛び込んで、その同人誌的アマチュア性に対して堂々と出版のプロフェッショナリズムの価値を納得させ、ハイレベルな著者と読者のコミュニティを開拓していくことができるだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">文書共有は、環境さえあれば誰でもできる。しかし、たんなる共有を出版につなげるためには、情報のプレゼンテーションをサポートし、コンテクストが形成できるようなプラットフォームを整備する必要がある。ScribdやDocstocは、PDFやPowerPointをフラッシュに変える以上のことをやって成功している。それは「本家」のYouTube以上とも言える。YouTubeは、プレゼンテーションはよく出来ているが、コンテクストの整理でいまだに苦労している。だから巨費を投入し、ユーザーに巨大な利益をもたらしているにもかかわらず、利益を上げることに成功していない。数多の天才・秀才を集めたGoogleにさえ、コンテクストのビジネス化は難しい。トリップ・アドラー青年は、父親との会話からコンテクストのアーキテクチャを発見した。だからWebは楽しい。（鎌田、04/16/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">参考記事</h4>
<ul>
<li>「 <a href="http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20100125_344284.html" target="_blank">“文書版YouTube”米Scribd社Adler社長インタビュー：文書共有サービス「Scribd」のビジネスモデルと今後の展望</a>」 By 井芹昌信、INTERNET Watch、1/25/2010</li>
<li><a href="http://journal.mycom.co.jp/column/svalley/322/index.html" target="_blank">「文書版YouTube「Scribd」がAmazon対抗勢力に成長、その背景は?」 </a>By Yoichi Yamashita、マイコミジャーナル、6/16/2009</li>
<li><a href="http://www.crunchbase.com/company/scribd" target="_blank">Scribd</a>と<a href="http://www.crunchbase.com/company/docstoc" target="_blank">Docstoc</a>のプロファイルについては、TechCrunchの<a href="http://www.crunchbase.com/" target="_blank">CrunchBase</a>が詳しい。両社以外のサービスとしては<a href="http://issuu.com/" target="_blank">Issuu </a>の評価が高く、日本にもユーザーがいる。例えば「<a href="http://jp.techcrunch.com/archives/20090512issuu-adds-new-features-in-the-race-to-catch-up-to-scribd/" target="_blank">オンライン文書共有の Issuu、バージョンアップでScribdを追撃</a>」、By Leena Rao、TechCrunch日本版、5/13/2009 （滑川海彦訳）</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">
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		<title>E-Bookと印刷業(3)：版が付加価値を生む</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-3/</link>
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		<pubDate>Fri, 09 Apr 2010 11:15:46 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[Related Industries]]></category>
		<category><![CDATA[コンテンツ管理]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[印刷ビジネス]]></category>

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		<description><![CDATA[紙の呪縛からの解放を説いた中西秀彦氏への鎌田の提案。印刷会社を苦しめるのもデジタルだが、希望の光となるのもデジタルだと思う。デジタルは印刷物を補完し、次いで吸収して、印刷物に補完される存在となる。印刷よりも電子化された版 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/guten1.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2288" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="guten" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/guten1.jpg" alt="" width="95" height="113" /></a><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_blank">紙の呪縛からの解放</a>を説いた中西秀彦氏への鎌田の提案。印刷会社を苦しめるのもデジタルだが、希望の光となるのもデジタルだと思う。デジタルは印刷物を補完し、次いで吸収して、印刷物に補完される存在となる。印刷よりも電子化された版の価値が評価される時代が来た。印刷業としては、この版を核として付加価値を形成することで、出版社とともに電子出版の一翼を担うことができる。それは一面では「情報処理」ビジネスだが、従来のいわゆるITとも違い、印刷ビジネスとの親和性が高いと思われる。<span id="more-2287"></span></p>
<p>中西様</p>
<p>最初から釈迦に説法のような話ばかりで恐縮ですが、アウトサイダーである私の認識を知っていただくために書きました。くだくだと要領の悪い文章で恐縮です。</p>
<h3>印刷を成長産業とするために：版を核としたビジネスの再構築</h3>
<p style="padding-left: 30px;">印刷(会社)が提供する社会的価値とは何でしょうか。数百年の間、それは原稿から印刷用原版をつくり機械で複製することでした。<span style="color: #cc0000;">複製した情報を配布してコミュニケーションをを行う組織／ビジネスの必要に応える</span>ためです。機械化すればより大きな効率を生むので、原版の製作と印刷・製本のための機械は絶えず進歩していきました。1960年代に始まる電子化も、機械化と同じように生産性を高め、作業現場の危険を減らしていったので、写植機を受け容れたように、印刷会社は文字組版や製販の電子化に取り組んできたと思います。もちろんその過程で、多くの職人さんの熟練の技能が活かされなくなる事態を生じましたが、印刷会社の顧客にとっての関心事ではありませんでした。</p>
<p style="padding-left: 30px;">21世紀、つまりインターネットが普及して以降の変化は、印刷の現場というよりは発注者である出版社、企業、学校、官公庁のほうに起こりました。「複製した情報の配布」の手段が激変し、複製も配布もきわめて安価になり、それによって参入の障壁も消滅し、ブロックバスターが登場したのです。印刷物は費用対効果が厳しく問われるようになりました。インターネットという汎用的遍在的な通信手段がメディア化したことは、重大な意味を持ちます。非活字メディアである放送とは違い、あらゆる種類の情報を高速で集約し配信できるからです。出版社や印刷会社にとっての問題は、活字が衰退したことではなく、活字が直接インターネットを通じてユーザーと結びついたことにあります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">書籍や雑誌、広告などの印刷需要は、これからもなくなることはありませんが、減少し続けます。デジタル情報は、最初は印刷物を補完し、次いで吸収して、印刷物に補完されるものとなることは間違いないでしょう。印刷会社から見ると、<span style="color: #cc0000;">印刷よりも「版」の価値が評価される</span>ということです。だから選択肢は3つ。(1)「版」を核としてビジネスを再構築する、(2) 従来型の印刷業の中でのニッチに活路を見出す、(3) 文字よりも利益が見込める半導体などの高付加価値印刷物（あるいは非印刷物）に向かう。活版を使った名刺屋さんも元気にやっているほどなので、個々にはニッチはいくらでもあるでしょう。ハイテクの非印刷的印刷ビジネスも成長するでしょう。しかし、産業として生き残るには、デジタルでもふつうの人がそこそこ働けば生活ができるようなエコシステムを再建できなければいけないと思います。絶対にできないとは言いたくありません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">これまで扱ってきた<span style="color: #cc0000;">「版」を核とし、そこに付加価値を形成しながら、デジタルコンテンツビジネスの中で重要な役割を果たす</span>産業として成長していったほしいというのが、私の問題意識です。印刷需要の減少を減らし（それにもデジタルが大きな役割を果たします）、印刷物の付加価値を高め、そしてデジタルで雇用を吸収することができれば、21世紀もそう暗いものではないでしょう。「電書協」の方々は、紙と電子書籍の共存を言っておられるようですが、それには出版流通を時代にあったものに変え、印刷会社とのパートナーシップを再構築するしかないと思います。さて、以下が本題。</p>
<h3>版情報の製作管理を中心とした付加価値ビジネス</h3>
<p style="padding-left: 30px;">中西さんは、印刷業界が権利意識を持つべきことを主張しておられます。これには大賛成です。問題は権利の性格と主張の方法でしょう。<br />
権利には法的に保護されるものと、市場（取引の場）で主張することが可能で、正当性、合理性、現実性があるものに分けられると思います。著作権問題については独立したテーマとして別途検討したいのですが、印刷会社が「版面権」のようなものを著作隣接権として主張するのは無意味でしょう。かつて文化庁が提起した「版面権」は、コピー機などの「複写技術」から出版社を保護するためのものでした。活字印刷以前の木版の時代に逆戻りのような発想です。出版ビジネスの衰退を、経営でもビジネスモデルでもなく、複写のせいにしようという錯乱した発想だと思います。出版社の「心情」は理解できますが、制度化すれば有害無益で受益者は誰もいません。もちろん「活字文化」の保護につながらない。印刷会社がそんな主張に加わっても何の意味もありません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">他方で、印刷会社は印刷を請け負ったのであって、その中間生成物を発注者に提供するいわれはないと考えるのはもっともです。<span style="color: #cc0000;">本来、出版社との業務委託は「版」と「印刷物」を分けて行うべき</span>で、組版から製版までのたびたびの修正（私も身に覚えがあります）のコストを印刷会社が被るのはますます不合理となっています。これからは、版は印刷のための中間生成物であると同時に、各種E-Bookフォーマットに変換可能な元データという2つの性格を持つことになりますから、版を独立させないとおかしなことになるでしょう。版はどんな形であろうとタダで貰えるものと思っている出版社は多いと思います。欲しければEPSなどのアウトライン・データを納品し、版のデータに独自のノウハウが含まれる場合は、別途ライセンスするような形がよいかもしれません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷会社は、労働集約的な版づくりと、設備集約的な印刷・製本というアンバランスを内部で処理してきたと思いますが、これはもう難しくなっているのではないでしょうか。下手をすると、苦労させられた挙句に印刷本をどんどん減らされて、回収不可能になってしまうと思います。著者、編集者、デザイナーなどが関わって出来た一つの「コンテンツ」からは<span style="color: #cc0000;">「印刷用データ」と「E-Book用元データ」の2種類</span>が生まれ、前者は増刷や重版の機会も少なく、後者は「更新」も容易で、また様々に再利用されて別の本やE-Bookとして生まれ変わります。印刷会社の収益モデル、契約形態を変える必要があるのはもちろんですが、<span style="color: #cc0000;">「コンテンツ管理」</span>という領域に進出するかどうかが課題になるでしょう。版の製作のために使われた素材は、もちろん出版社に返却されますが、版を製作するために作製された写真や図版などのデジタルデータをどうするか、ということです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">出版社のニーズしだいですが、これを有償で管理したり、データベース化して納品したりというサービスは、出版社にとって検討の価値があると思います。電子出版を事業化するためには、生産のためのインフラが不可欠ですが、コンテンツの管理に関して自前で出来ている出版社は、版を内製化しているところを中心に、そう多くないと思います。有名作家の自筆原稿すら、ちゃんと管理してこなかったような人たちにできるとは思えません。コンテンツ管理システムの構築は、ひと昔前と比べて格段に安く、簡単になってきました。現場でも使えるCMSをカスタマイズできると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">紙への依存、紙の桎梏からの解放は、やはりデジタルに入り込むしかなさそうです。中西さんのようなITのエキスパートがいない多くの中小印刷会社には、安価なITシステムとサービスがサポートすればよいと思います。ITビジネスにとっても事業機会になるのではないでしょうか。かつてと違うのは、システムを新たに導入する必要がないことです。数百万円のオフコンやワークステーションも不要です。SaaSやクラウドなどのITサービスは、印刷会社のように、クライアントと連携しながら業務を進めるビジネスに最適な形態です。「<span style="color: #cc0000;">印刷CMS</span>」や「<span style="color: #cc0000;">印刷クラウド</span>」は、印刷業界としてプロジェクト化し、補助金や助成金を出させるべきテーマではないでしょうか。（余談ですが、IT業界はもっぱらクラウドを「デフレ型IT」として売っていますが、これは誰のためにもならないと思います。価値創造のために印刷業界と協力すべきです。）</p>
<p style="padding-left: 30px;">出版社や印刷会社には「版面」などではなく、<span style="color: #cc0000;">情報の価値を最大化し、成果を共有する</span>ために頑張っていただきたいと思います。出版社は著者と読者のために、印刷会社は出版社のために。もし出版社がその任に堪えず、電子出版を放棄するのなら、印刷会社の参入を妨げる法的な障壁は何もありません。著者と直接交渉して「中抜き」するのだって構わないと思います。（鎌田、04/9/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4>不定期シリーズ「E-Bookとデジタル時代の印刷業」</h4>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">第０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li>E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む　(本記事)</li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_self">E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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		</item>
		<item>
		<title>E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-2/</link>
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		<pubDate>Sun, 04 Apr 2010 00:31:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[Related Industries]]></category>
		<category><![CDATA[E-Book]]></category>
		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

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		<description><![CDATA[「印刷業こそが電子書籍の先頭にある」という鎌田のメッセージに対する中西秀彦氏からの返信。反響を呼んでいるブログ「抵抗勢力たらん」の真意は、出版界の安易な電子化への動きを牽制しつつ、印刷業界に歴史的な変化への対応を促す檄文 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2221" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="hidehiko" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg" alt="" width="112" height="114" /></a>「印刷業こそが電子書籍の先頭にある」という鎌田のメッセージに対する<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/about.html" target="_blank">中西秀彦</a>氏からの返信。反響を呼んでいるブログ「<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/03/post-0618.html#comments" target="_blank">抵抗勢力たらん</a>」の真意は、出版界の安易な電子化への動きを牽制しつつ、印刷業界に歴史的な変化への対応を促す檄文であったようだ。あまりに身近であっただけに、印刷と出版が未来志向のパートナーシップを再構築するのは容易ではない。それにはまず、ともに「紙の桎梏と呪縛から解き放たれ」ることが必要だろう。これが対話の出発点になりそうだ。<span id="more-2213"></span></p>
<h3>紙の桎梏と呪縛から解き放たれたとき、電子書籍という未来の地平が立ち現れてくる</h3>
<p style="padding-left: 30px;">鎌田様</p>
<p style="padding-left: 30px;">お招きいただいてありがとうございます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業こそが電子書籍の先頭にあるというお言葉、ありがたくお受け取りします。<br />
私のブログ「電子書籍の抵抗勢力たらん」の反響の大きさに実は驚いています。あの文は出版や電子書籍関連の方々に向けたのではなく、むしろ印刷業界向けに決起を促したものなのですが、一般の反響の大きい割に印刷業関連の方からはあまり反響がありませんでした。ひとつは、印刷業界の勉強不足ということはあるでしょう。そもそも電子書籍についてあまりに知らない。ソフト業界でのクラウドコンピューティングの例をだしておられましたが、得体のしれないものには過度の恐怖感を抱くか無視するかしかありません。印刷業界の場合は恐怖のあまり足がすくんで何もいえないということはあるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">もうひとつは、やはり出版社への遠慮があると思いますね。なんといっても、印刷業界の最大のお得意様ですし、彼らのご機嫌を損ねることはできません。電子書籍にかろうじて将来の芽を見いだそうとしている出版業界様に向けて印刷業界が反乱をおこすのはなかなか難しいのです。今後出版物の部数も点数も減るのはわかりきっているけれど、まだ注文は電子書籍より紙の本の方がはるかに多いわけで、出版業界をさしおいて印刷業界から発言するわけにはいかんのです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">でも、もう印刷業界人としては出版社と心中するのはいやです。<br />
だからまずは主張すべきは主張させてもらう。印刷したら、当然のようにその原版PDFを要求され、泣く泣く渡すと、それがなんのことわりもなく電子書籍として使われているなんていうことはやはりやって欲しくない。法律的にはどうなんでしょう。昔、活版の時は、版の上に載った内容は著者や出版社のものだが、それを支える鉛は印刷会社のものという了解がありました。だから再版の時は、仁義としても、実質的な技術的制約という意味でも、かならず同じ印刷会社に仕事をまわしてくれた。同じ理屈を敷衍すれば、印刷会社も当然版面に対して権利を主張できる余地があるはずです。そうした権利がちゃんと守られてこそ、対等なパートナーとして出版社や著者と共同歩調がとれるんじゃないですか。<br />
そして、印刷会社は大量に複製することが仕事だと思ってちゃいけない。私は京都の印刷工業組合で委員をしていますが、京都の工業組合でもいわゆる印刷機を回している「印刷工」は少数派です。その多くはDTPオペレーターやデザイナー。かれらにとって必ずしも紙がなくたって生きていけるんです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ただ、ご指摘のように、あまりに今まで「紙」への依存が大きかった。親父がよく言ってました「紙代は第2次大戦直後と今とではほとんど変わらないのに、その間人件費は100倍にはなっている」。印刷屋は昔、印刷機をまわすどころか、紙の相場を見て、仕入れた紙を右から左へ転がすだけで儲かったのです。紙に刷らないとどうにも儲からない。そういう構造になってます。その中で、組版やデザインは印刷のおまけという意識は強く、出版社も本を積み上げれば、金を払うことには納得してくれるが、組版だけに金をだすという習慣はなかったですね。だから、いわば組版だけに特化してしまうような電子書籍ビジネスは印刷業界はみんなおよび腰です。<br />
でも、結局はビジネスモデルの問題でね。電子書籍ビジネスでちゃんと利益がでればいい。もちろん、われわれもPDFを作ってるだけで、お金がいただけるとも思っていない。電子書籍にふさわしい技能を身につける必要があるでしょう。それぐらいはわれわれも考えている。<br />
電子書籍は印刷業界にとっては業界そのものを破壊しかねない極めて危険な代物です。この危険な代物を下手に出版業界に扱われて、印刷業界もろとも沈んでしまうぐらいなら、電子書籍の抵抗勢力になってやる。まあ私の真意はそんなところでしょうか。</p>
<p style="padding-left: 30px;">紙の本質とかオンデマンド印刷とか、いろいろ書きたいこともありますが、先は長い。まずは私の決意表明でここはしめくくりましょう。<br />
全国の印刷業者よ団結せよ。紙の桎梏と呪縛から解き放たれたとき、電子書籍という未来の地平が立ち現れてくる。（04/03/2010）</p>
<p style="padding-left: 60px;">◇中西秀彦氏<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/about.html" target="_blank">プロフィール</a></p>
<h4 style="padding-left: 30px;">不定期シリーズ「E-Bookとデジタル時代の印刷業」</h4>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">第０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li>E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ　(本記事)</li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_self">E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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