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	<title>EBook2.0 Forum&#187; Printing</title>
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		<title>「抵抗勢力」論2年目の電子版</title>
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		<pubDate>Sat, 25 Jun 2011 08:35:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Industries]]></category>
		<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[中西秀彦]]></category>
		<category><![CDATA[書評]]></category>

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		<description><![CDATA[中西秀彦氏の『我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す』に6月1日、アプリ版 ($6.99)が出た。本サイトの対論シリーズ（E-Bookと印刷業）にも関係し、大きな反響を読んだ本が、ほぼ1年でデジタル化されたわけで欣快に堪えな [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft size-medium wp-image-6380" style="margin-left: 0px; margin-right: 10px;" title="mzl.hjltqgwb.320x480-75" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/mzl.hjltqgwb.320x480-75-200x300.jpg" alt="" width="80" height="121" />中西秀彦氏の<a href="http://www.nacos.com/hidehiko/wareden.html" target="_blank">『我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す』</a>に6月1日、<a href="http://itunes.apple.com/us/app/id439822474?mt=8" target="_blank">アプリ版</a> ($6.99)が出た。本サイトの対論シリーズ（<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業</a>）にも関係し、大きな反響を読んだ本が、ほぼ1年でデジタル化されたわけで欣快に堪えない。「遅すぎたんじゃ？」とか「あれ抵抗やめたの？」という疑問をお持ちの方もおられると思う。そのあたりはご本人の説明を待ちたいが、4月に書かれた<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2011/04/index.html" target="_blank">「２年目の電子書籍抵抗勢力」</a>などで筆者は納得しているつもりでいる。<span id="more-6379"></span></p>
<h3>冷徹な歴史認識、巧みな問題提起</h3>
<p>「造反有理」が喧しかった異常な時代に育った筆者としてみれば、いまの日本が逆の意味で異常な、ユルい（つまり無抵抗・無気力な）時代に入ったと感じている。冗談ではなく、東日本が破滅の淵に立つ事態を経験しているにもかかわらず、怒りや抵抗の声はあまりに弱い。表に出て、はっきりとものを言い、人の言うことも聞いてしっかり議論する習慣が衰退してしまっている。出版からみても、人々がもっぱら「空気」を読んで本を読まず、自分の頭で考えない状況は最悪だろう。疑問を持ち、多くの知識に触れ、目一杯議論し、さらに深い疑問にチャレンジする…というサイクルが機能しないと、本の市場も社会も衰退する。</p>
<p>そうしたなかで、印刷業界の立場からの中西氏の「抵抗勢力」論は高く評価できる。1年たってみると、そのことがよくわかる。第1に、空気に流されることなく問題を鮮明に提起し、第2に、たしかな歴史観、技術観に立って移行戦略・戦術を問題にし、そして第3に、印刷を含めた新しいエコシステムに向けた前向きの議論を始めている、ということだ。しかも筆者のような生硬な形ではなく、実務家ならではの柔らかく分かりやすい文章で述べられている。去年が「元年」だったか「紀元前」だったかはともかく、1ダース以上も出た「電書」本のなかでは、ごくわずかの日持ちするものに属すると思う。</p>
<p>例えば、中西氏は<span style="color: #993300;">「電子書籍への移行が単なる情報伝達装置の変化にとどまるものではなく、根本的なメディアの変化であり、産業構造の転換である」</span>という認識を明確に述べておられるが、これは電算組版時代からデジタル化に取り組んできた経験の上でのものだけに重みがある。その上に立って、紙の本を前提としてきた「知を巡るすべての活動」つまり「知の再生産」をどう再構築するかを問題にするのだが、それは「印刷業界も含め、多くの職業人が紙の本の生産にたずさわり、賃金を得てこそ」のものである。つまり、まともな仕事をする人たちが、食っていけるものでなければならない。<span style="color: #993300;">「現在の書籍製作・流通におけるステークホルダーが電子書籍のシステムから廃除されたとき、はたして現在の知の再生産システムは今のまま維持できるのだろうか。」</span>と中西氏は問う。</p>
<h3>食を謀る</h3>
<p><span style="color: #003366;">「君子は道を謀りて食を謀らず」</span>(論語・衛霊公15-32)というが、<span style="color: #003366;">「衣食足りて榮辱を知る」</span>(管子・牧民1)のも現実であり、構造的変化のもとで食が足りなくなった時代には、道の成り立つエコシステムを、食のレベルからつくっていくことが必要で、それは実務家にしかできない。これまで出版を支えてきた印刷業として、食を謀るために、まず抵抗勢力の旗を掲げることは正しい。『抵抗勢力』の電子版も、もちろん有効な抵抗だ。初版刷部数が少なく、増刷単位も細かくなっている出版市場では、電子版は本として生き残るために不可欠な形態だ。残るべき本であればなおさらだ。</p>
<p>ところで筆者は、この産業構造の転換をおおよそ次のように考えている。</p>
<ul>
<li>印刷本はなくならない（需要があり、合理性もある）が、従来の形態の維持は困難</li>
<li>出版はオール・デジタルのインフラ上に、新旧のステークホルダーが絡んで展開される</li>
<li>印刷本、E-Book、オンデマンド印刷、Webの4形態が最適形で共存する</li>
<li>ステークホルダーの中で、消費者と結びつく存在は残り、そうでないものは淘汰される</li>
<li>出版はむしろデジタル時代にの多様化する。印刷会社はエコシステムの多様化を担える</li>
</ul>
<p>出版社にとっても、印刷会社にとっても、デジタル化が緩慢に進み、消費者が徐々に出版社の新刊から離れていく「ユルい危機」状態は、最悪だと思う。同憂の士とともに食を謀りたいと思う。　2011-06-25　（鎌田）</p>
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		<title>米国書店協がオンデマンド印刷で提携</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2011/05/american-booksellers-association-and-on-demand-books-form-partnership/</link>
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		<pubDate>Sun, 15 May 2011 10:11:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Book Industries]]></category>
		<category><![CDATA[Content Business]]></category>
		<category><![CDATA[Industries]]></category>
		<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[ABA]]></category>
		<category><![CDATA[Espresso Book Machine]]></category>
		<category><![CDATA[PoD]]></category>

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		<description><![CDATA[米国書籍販売者協会(ABA)はこのほどオンデマンドブックス社(ODB)との間でオンデマンド印刷・製本機Espresso Book Machine (EBM)に関するマーケティング提携を行うことを発表した。ABAは加盟書店 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft size-full wp-image-5887" style="margin-left: 0px; margin-right: 10px;" title="EBM" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EBM2.jpg" alt="" width="120" height="106" />米国書籍販売者協会(<a href="http://www.bookweb.org/index.html" target="_blank">ABA</a>)はこのほどオンデマンドブックス社(<a href="http://www.ondemandbooks.com/" target="_blank">ODB</a>)との間でオンデマンド印刷・製本機Espresso Book Machine (EBM)に関するマーケティング提携を行うことを発表した。ABAは加盟書店に販売するほか、出版社から許諾を得る上での協力を行うという。「品切れなし。書店で買えるPoD」は一定のインパクトが期待される。ライバルが存在しないことも災いしてか、伸び悩んできたEBMの普及につながるかどうかが注目される。<span id="more-5883"></span></p>
<p>オンデマンド印刷は、大学、図書館、研究機関などから普及を始めているが、マシンの販売台数はほとんど伸びてこなかった。しかし最近では、オンライン書店（アマゾン）、大手取次（イングラム）、大手印刷会社（RRダネリー）がサービスを開始するなど、出版社の在庫／販売管理受託との関係で重要なサービスとして力を入れるようになってきた。PoDはE-Bookと在来型出版のハイブリッド的な形態だが、ビジネスインフラが整備されることで普及と技術革新（機能、性能、価格の多様化）が進むことになるだろう。以下はEBMのデモビデオだが、以前よりは速く、操作性もよくなったようだ。　2011-05-15</p>
<h4>関連記事</h4>
<ul>
<li><a title="デジタル革命第2幕：印刷と流通の統合" href="../2011/05/harpercollins-rr-donnelley-announce-strategic-printing-supply-chain-management/">「デジタル革命第2幕：印刷と流通の統合」</a>、本誌、05/14/2011</li>
</ul>
<p><object classid="clsid:d27cdb6e-ae6d-11cf-96b8-444553540000" width="425" height="349" codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=6,0,40,0"><param name="allowFullScreen" value="true" /><param name="allowscriptaccess" value="always" /><param name="src" value="http://www.youtube.com/v/ZDe_Jy4HnMY?fs=1&amp;hl=ja_JP" /><param name="allowfullscreen" value="true" /><embed type="application/x-shockwave-flash" width="425" height="349" src="http://www.youtube.com/v/ZDe_Jy4HnMY?fs=1&amp;hl=ja_JP" allowscriptaccess="always" allowfullscreen="true"></embed></object></p>
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		<title>デジタル革命第2幕：印刷と流通の統合</title>
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		<pubDate>Sat, 14 May 2011 07:33:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Industries]]></category>
		<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[RR Donnelly]]></category>
		<category><![CDATA[サプライチェーン]]></category>
		<category><![CDATA[フルフィルメント]]></category>
		<category><![CDATA[印刷会社]]></category>

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		<description><![CDATA[ハーパーコリンズ社と北米最大の印刷会社 RRダネリー(RR Donnelley)は5月12日、世界規模でのサプライチェーンに関する提携を発表した。RRDは今年11月以降、ヴァージニア州ハリソンバーグのセンターでHCの新刊 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft size-full wp-image-5863" style="margin-left: 0px; margin-right: 10px;" title="Donnelly" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Donnelly.jpg" alt="" width="138" height="30" />ハーパーコリンズ社と北米最大の印刷会社 RRダネリー(RR Donnelley)は5月12日、世界規模でのサプライチェーンに関する提携を<a href="http://www.bookbusinessmag.com/article/harpercollins-rr-donnelley-announce-intent-enter-into-strategic-printing-supply-chain-management-agreement/1#utm_source=bookbusinessmag.com&amp;utm_medium=home_page&amp;utm_campaign=digital-printing" target="_blank">発表</a>した。RRDは今年11月以降、ヴァージニア州ハリソンバーグのセンターでHCの新刊本のフルフィルメント業務一切を代行する。また12年7月以降は、HC傘下のゾンダーヴァン社の全刊行本に関する業務を受託する。RRDはまた世界規模でのオンデマンド印刷(PoD)サービスをHCに提供し、HCが出版権を保持する地域において書籍の配本を行う。大手出版社のこうした業務委託は初めてで、出版流通再編につながる可能性が大きい。サプライチェーンのデジタル化は新段階に入った。<span id="more-5859"></span></p>
<h3>ダネリー(印刷)が製作・在庫・配本・を一括受託</h3>
<p><img class="alignleft size-medium wp-image-5868" style="margin-left: 0px; margin-right: 10px;" title="Harper2" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Harper2-300x47.jpg" alt="" width="135" height="21" />HCは、20年以上にわたってほとんどの印刷・製本をRRDに発注しており、全米に分散した配送センターをRRDに集中することで効率化を実現する。またゾンダーヴァンは集金を含めた顧客管理までRRDに委託してきたが、今回の提携は、HCの新刊本のすべてにまで対象を広げ、将来的に販売関連業務全体をRRDに委託する方向に向かうものと考えられる。またグローバルPoDは、HCの全書籍を印刷あるいはデジタルデータとして、権利を持つ全地域で販売可能とするもの。</p>
<p><img class="alignright size-full wp-image-5861" style="margin-left: 10px; margin-right: 0px;" title="B.Murray" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/B.Murray.jpg" alt="" width="82" height="124" />HCのブライアン・マレー社長兼CEO (写真)は、次のように意義を述べている。やや長いが紹介しておこう。「グローバルな英語出版社である弊社のサプライチェーンは、あらゆる地域のお客様のニーズに対応し、著者のためにその著作の販路を、物理的限界を超えて最大限に広げる役割を負っています。」「弊社のビジョンは、<span style="color: #008000;">HCの出版カタログの全書籍を、すべての主要地域のお客様に数分でお届けできる体制</span>をつくりあげることです。RRDとの今回の提携により、この目標に到達することが出来るものと期待しています。米国では、動きの速い本の印刷・製本とフルフィルメントを1ヵ所で行うことで時間とコストが節約され、英国とオーストラリアでは、PoDテクノロジーによって、航空運賃や長い配送期間をかけずに、HCのカタログのすべてをいち早くお客様にお届けできることになります。」</p>
<h3>本のサプライチェーンの一元化</h3>
<p>このニュースの持つ意味は大きい。ひとつはこれがE-Bookに始まるデジタル革命の流通面での帰結だということ、2つ目は、E-Book＋PoDによって出版ビジネスの国境はやがて消滅するということだ。出版ビジネスは以下のようなトレンドに対応（あるいはそれらを利用）することが迫られるだろう。</p>
<ul>
<li>E-Book・印刷本・PoDのサプライチェーンは統合される</li>
<li>出版社はコンテンツとマーケティングに集中する</li>
<li>印刷会社がフルフィルメント業務まで提供する</li>
<li>出版社がテリトリーを超えてグローバル化する</li>
</ul>
<p><img class="alignleft size-full wp-image-5862" title="fulfillment2" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/fulfillment2.jpg" alt="" width="237" height="213" />なお、「フルフィルメント」は比較的最近のカタカナ語だが、適当な訳語が見つかっていないのは、これが日本的流通では理解しにくい概念であると同時に、通販ビジネスで必須になったためだと思われる。在庫を最小化するサプライチェーンでは、多くの商品で通販がむしろ主流になる。出版のサプライチェーンは、ネット通販でデジタル化がはじまり、E-Bookはフルデジタルのサイクルを創造した。E-Bookが主要商品となる段階では、もはやE-Bookは単独で扱うべき商品ではない。そこで印刷のオンデマンド化と商品サイクルの統合化が始まったものと考えられる。ここでキー・ファシリティとなるのがフルフィルメントだ。アマゾン(小売)とイングラム(問屋)にダネリー(印刷)が対決する構図だ。EBook2.0 Magazineで、日本での展開などを検討してみたい。　（鎌田、05/14/2011）</p>
<p style="padding-left: 30px;"><span style="font-size: small;"><span style="color: #cc0000;">フルフィルメント</span>：商品の注文から発送までを中心とした一連の管理業務の総称。 受注処理業務、商品の梱包、発送業務、在庫管理業務、代金請求／入金処理業務、苦情・問合せ等の処理業務、返品・交換処理業務などが含まれる。 </span></p>
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		</item>
		<item>
		<title>EB2ノート(15)：版データは誰のものか？</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/08/whos-data/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/08/whos-data/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 20 Aug 2010 09:12:46 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Editors' Note]]></category>
		<category><![CDATA[Industries]]></category>
		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
		<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[メタデータ]]></category>

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		<description><![CDATA[電子書籍は「ブーム」にまでなったが、端末表示用の電子データを流すだけでは、流通による出版の再編という意味しか持たない。版には様々な付加価値を組込むことができるが、これまで日本において版を制作・管理してきたのは印刷会社であ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p style="padding-left: 30px;">
<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo4.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3791" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo4.jpg" alt="" width="105" height="93" /></a>電子書籍は「ブーム」にまでなったが、端末表示用の電子データを流すだけでは、流通による出版の再編という意味しか持たない。版には様々な付加価値を組込むことができるが、これまで日本において版を制作・管理してきたのは印刷会社である。印刷会社には、印刷・製本から電子的な「版」をベースとしたビジネスに移行するチャンスが開かれていると考えるべきだろう。それは生産的視点からの出版の再創造という意味を持っているように思われる。<span id="more-3784"></span></p>
<h3>生産的視点からの出版の再創造へ</h3>
<p style="padding-left: 30px;">鎌田は、まず“電子書籍元年”を次のように中間総括した。たしかにブームと言えるほど「情報」は増えてきたのは結構なことだが、日本的な特徴として、</p>
<ul>
<li>“黒船”そして攘夷論と開国願望</li>
<li>大騒ぎする割に専用リーダすら登場していない（iPadを本命と錯覚）</li>
<li>本質的議論、取組みがない（ガジェットとプラットフォームに集中）</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">ことが指摘できる。つまり、メディアでの「情報」化の視点が、ほとんど出版社から見た（井の中の蛙的）世界であって、考えたくないことにはなお目をつぶる、議論を避ける傾向が強いということだ。その結果の耳触りのいい情報が、デジタルカラー絵本としての「iPad電子書籍ブーム」なのだろう。とても米国のように年300%の成長を推進する力はない。iPadバブルは年末までにははじけるだろう。そしてKindleと向き合わねばならなくなる。われわれが、出版のいま一つ（実装的側面）の担い手である印刷業の観点から考えてみようと試みた大きな動機はそこにある。</p>
<p style="padding-left: 30px;">出版は著者と出版社で成立っているようなイメージで描かれることが多いが、近代以降の出版は<span style="color: #cc0000;">＜生産・流通・販売＞</span>という3つの位相をもって存在してきた。印刷物からデジタルに媒体が変化したことで流通革命が生じ、次いで流通主導の全プロセスの電子的再構成としての<span style="color: #cc0000;">Kindle/iPad的E-Book</span>が出版を席捲しつつあるが、これまでのところ＜生産＞的位相は受身に回っている。鎌田は、<span style="color: #cc0000;">生産がどうイニシアティブをとりうるかが今後の最大の課題</span>であると考えている。</p>
<p style="padding-left: 30px;">その<span style="color: #cc0000;">生産</span>（企画・制作）では<span style="color: #cc0000;">＜著述・編集・実装＞</span>という位相がある。印刷本の出版においては、出版社が (1) プロデュース、(2) 品質保証、(3) リスク負担、(4) 商業的価値の実現などを含むプロジェクトの主宰者の役割を果たしており、著者と並んで生産的側面を代表してきた。その出版社の役割が、印刷出版プロジェクトのリスクと無関係ではなかったというのは、中西氏の言われる通りである。オンライン流通による出版の再編過程では、著者価値を最大化するというロジックで、結果的に著者以外を中抜きする圧力を強めている。<span style="color: #cc0000;">カネをかけない出版は誰でもできるようになる時代、カネになる出版は誰もが手を出す時代に入りつつある</span>のだ。</p>
<p style="padding-left: 30px;">鎌田は、<span style="color: #cc0000;">生産（著述・編集・実装）の価値をITによって最大化する形で出版の創造的再編を行うことが必要であり可能である</span>と考えている。流通による多分に破壊的な再編を＜電子書籍の衝撃＞としたのではあまりにつまらない。熟練作業をソフトウェアで置き換えるようなデフレ的デジタル化では、雇用だけでなく非物質的価値も失われていくと考えるからだ。出版における生産的活動とその成果物の価値を最大化するには、<span style="color: #cc0000;">モノとしての生産とコトとしての生産（つまりコミュニケーション・プロセス）を統合</span>しなければならない。それらが分断され、モノが単純化され、デジタル（量）としてのみ扱われる世界では、出版は生きられないだろう（鎌田は「コンテンツビジネス」が残ればよいとは考えていない）。モノは無限に高度化されねばならない。</p>
<h3>付加価値の実装としての版の開発・保有・管理の主体は誰か？</h3>
<p style="padding-left: 30px;">さて出版におけるモノとは「版」であるが、E-Bookにおいて<span style="color: #cc0000;">その価値は、サービス機能（表現・活用・管理・複製）を実現するために埋め込まれたメタデータに比例する</span>。つまり単純なレイアウトフォーマットだけではないということだ。</p>
<ol>
<li> 視覚的表現⇔意味的表現の対応</li>
<li> コンテクストの豊富化（関連性、ダイナミックな組織化）</li>
<li> きめ細かいニーズへの対応（5W1H的コンテクストへのダイナミックな対応）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">といったことが「版」にかかっているのである。これまで印刷物の製作においてはデジタルデータの操作は<span style="color: #cc0000;">裏</span>の作業にすぎなかったが、これらは<span style="color: #cc0000;">表</span>の作業として位置づけ直す必要がある。</p>
<p style="padding-left: 30px;">E-Book的付加価値のベースとなるメタデータの開発についてはあらためて取上げるつもりだが、これは出版というだけでなく、21世紀日本のデジタル基盤において決定的な意味を持つものだ。メタデータとその応用はいくらでも開発できるが、有効範囲は標準化やベストプラクティスなどによって異なってくる。<span style="color: #cc0000;">「版」のデータにはいくらでも付加価値のタネを埋め込むことができる。問題は誰がメタデータを含む「版」のファイルを制作・所有・管理するのか</span>ということだ。出版社は権利を主張できるとしても開発能力はなく、付加価値データに対して対価を支払うかどうかは疑問だ。少なくとも当面は、出版社が求めるものが「表示」であってファイルでない可能性は強い。流通プラットフォームが保有するなら（アマゾンなどはかなり持ち始めていると思われる）、流通の立場をさらに強めるだろう。印刷会社は出版社の要請を受けて動いてもよいし、著者、編集者と協力して独自に開発してもよい。E-Bookにおける版データの開発と管理は、電子組版やDTPにおけるデータ管理とは根本的に性格が違い、むしろソフトウェアのそれに近づいていくことを意識すべきだろう。（鎌田、08/20/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">関連記事</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="EB2ノート(14)：「抵抗勢力」とは何か？" href="../2010/08/counterpower-to-ebooks/">「EB2ノート(14)：「抵抗勢力」とは何か？」 </a>、鎌田、8/19/2010</p>
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		<item>
		<title>EB2ノート(14)：「抵抗勢力」とは何か？</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/08/counterpower-to-ebooks/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/08/counterpower-to-ebooks/#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 19 Aug 2010 12:15:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Editors' Note]]></category>
		<category><![CDATA[Industries]]></category>
		<category><![CDATA[Log Book]]></category>
		<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[メタデータ]]></category>
		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.ebook2forum.com/?p=3764</guid>
		<description><![CDATA[遅くなったが、8月10日に開催した第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」のまとめと感想を。ものづくりとしての出版の実務に足を置きながら広く活字＝出版文化をみておられる中西秀彦氏をゲストに迎えたこと [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo3.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3767" style="margin-left: 0px; margin-right: 5px;" title="EB2Pro_logo" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo3.jpg" alt="" width="105" height="93" /></a>遅くなったが、8月10日に開催した<a href="../2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank">第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」</a>のまとめと感想を。ものづくりとしての出版の実務に足を置きながら広く活字＝出版文化をみておられる中西秀彦氏をゲストに迎えたことで、現時点での「電子書籍」と新しいメディアとして創造されるべきE-Book (2)との違い、移行の方向性が見えてきたように思う。それに中西氏の「抵抗勢力」論の真意も。<span id="more-3764"></span></p>
<p style="padding-left: 30px;">出版は＜生産・流通・販売＞の三位一体で存在するが、そのなかの生産も＜著作・編集・実装＞という三位一体で成立していると考えられる。E-Bookは実装(implementation)を電子化するものだが、そこに電子的な実装の対象としての版(edition)が介在しないのなら、それは「出版」ではありえない。また、著作や編集の結果生まれる電子的成果物がそのまま版として通用するなら、実装は自動化され、文字組やページ制作で従来、デザイナーや印刷会社が行っていた業務もソフトウェアに吸収されることになる。E-Bookにおける印刷会社の役割は、「版」がどのようなものかということにかかってくる。</p>
<h3>中西氏の「抵抗勢力」戦術と移行戦略</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko1.jpg"><img class="alignright size-full wp-image-3778" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="hidehiko" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko1.jpg" alt="" width="112" height="114" /></a>今回お呼びしたゲストは、新著『我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す』で議論を興した中西秀彦氏。知る人ぞ知る、この20年あまり印刷現場の電子化を陣頭指揮してきた中心人物で、「中西印刷のE-Book戦略」といった題で登場してもいっこうにおかしくはない。じじつ、基本的な準備は完了していると思われる。「タイトルは内容に合っていない」と感じた読者も多いようだ。だから「抵抗勢力たらん」という真意を理解するには、少しばかり想像力をはたらかせる必要があるのかもしれない。ふつう、日本では既得権益があれば黙っているし、なければ新しいものに抵抗する意味などないと考えるのが一般的なので、こうしたことあげは理解されにくい。</p>
<p style="padding-left: 30px;">どうみても、中西氏は、生き残れる自信がないから、先が読めないから「抵抗」してやるというわけではない。むしろ社会的な役割の自覚を持って、政治的に行動しようとしているとみたほうが正解だろう。同業からの支援を得られないままで、出版社やIT系メディアを敵に回す可能性を承知で、あえて殿（しんがり）の将を買って出た勇気を評価したい。筆者なりに真意を忖度すると、</p>
<ul>
<li> 日本の活字出版における印刷会社の役割を明確にする</li>
<li> 印刷業が産業としてE-Bookに関与する道をつける</li>
<li> 印刷業が担ってきた「活字文化」を可能な限り移行させる</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">ということであると思われる。これらは正論として言っているだけではだめで、政治的プロセスを通じないと実現しない。きれいごとではすまないから、たとえば「版面権」のようなものをもちだして、印刷会社を無視した電子化の流れを遅延させることも必要になるということだ。これは、例えば海外の狡猾なプロサッカー選手が、審判の時計を進ませるために、あらゆる手段で時間を空費させる戦術とも似ている。それだけを取り上げて批判しても見当違いというものだ。</p>
<p style="padding-left: 30px;">中西氏の講演は、ちょうど前日に『マガジン航』に掲載された<a href="http://www.dotbook.jp/magazine-k/2010/08/09/why_i_decided_to_resist_ebooks/" target="_blank">「『我はいかにして電子書籍の抵抗勢力となりしか」</a>という文章と重なる。ご実家の印刷会社で（明治のはじめに木版を活版に移行させて以来の）電子組版への移行を成功させ、ついでオクスフォード大学出版局の英文オンライン・ジャーナルで電子出版物の製作に取組まれるなど、中西氏はインターネット出版の技術と実装、表と裏に通じている。だからこそ、従来の延長の「日本的展開」には慎重になるのだ。彼は、出版社に根強い、言論と学問の支配者、原稿の査読者としての「エリート意識」が、電子書籍の普及を遅らせてきたと指摘し、600億円という市場も、実際に売れているのは電子辞書とケータイ・コンテンツのみであり、iPadなどのガイアツが市場を開いた恰好にはなっているものの、コンテンツが儲かる構造は生まれておらず、このままでは供給プラットフォームが牽引する“デフレ型”の普及でしかないと主張する。</p>
<p style="padding-left: 30px;">電子的な版を誰が作るのかという視点は重要だ。これまで版を扱ったことのない出版社には難しいので、印刷会社が担う可能性が強い。オーサリングが簡単になれば、著者でも扱えるようになるだろう。手間暇のかかるリッチテキストの場合には、印刷会社が担うことになる。iPadで試みられているようなアプリ型（マルチメディア）コンテンツでは非組版系の技術の比重が大きくなるが、定着には時間がかかる。印刷会社にとって最悪のシナリオは、印刷需要の低下傾向が拡大する中で、E-Bookの普及は進むものの電子コンテンツ制作からは収益が上がらず、あるいは印刷会社が中抜きされる形で行われることだろう。会社というものは、たとえ未来がバラ色でも移行期を乗り切れなければ維持不可能だ。そこで「抵抗勢力」となってでも時間を稼ぐ必要も出てくる。嫌なら転換に協力すればよいと社会を納得させられればベストで、最悪でも時間だけは稼げる可能性はある。</p>
<h3>コストによる選別がない時代に品質をどう確保するか</h3>
<p style="padding-left: 30px;">忘れてならないことは、安価に作れる電子書籍によって出版文化の質の低下が避けられないことだ。印刷書籍の高コストは、出版への障壁を高くすることで（結果的に）フィルタリング効果を果たしていたわけだが、それがなくなれば、現在の比ではなく玉石混交の状態となる。中西氏は「よいものを選択する」市民社会の良識を信じていない。スライドでは「佐々木俊尚的太平楽は書籍を劣化させる」とあった（マガジン航版では個人名を削除している）。佐々木氏はTwitterで<span style="color: #99cc00;">「キュレーションを『太平楽で信じられない』はちょっと笑った。」</span>とコメントしたが、この点はぜひ対話あるいは論争として展開していただきたい。佐々木氏が太平楽かどうかは、「キュレーション」論を熟読玩味する必要がありそうだが、Webという（さらに巨大な）混沌が「よいもの」を選ぶ可能性を持つには、かなり厳密な条件や方法論が必要であると考えている。</p>
<p style="padding-left: 30px;">価値、とりわけ文化的な価値を客観的に主張するには、多元的でかなり高度なプロフェッショナリズムと説明能力が前提になる。それに価値は民主主義とも市場経済ともなじまない。価値は微妙な違いにあるもので、それが幅広い人々に理解される可能性は皆無ではないにしても、利益主義と悪しき民主主義、権威主義に首まで漬かっている商業メディア以上のパフォーマンスを期待するには、少なくとも新しいシステムを構築し育てていく青写真が必要だと思う。米国で喧伝（Forrester社の<a href="http://blogs.forrester.com/sarah_rotman_epps/10-05-14-curated_computing_designing_post_ipad_era" target="_blank">セーラ・ロトマン女史</a>など）されているcurate computingも一つのプロフェッショナリズムを前提としており、アップルのiPadのような形をネットの混沌からの解として示しているものでしかない。筆者にはとうていiPadが「よいもの」を選ぶオルターナティブとは思えない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">中西氏には、紙と同じコンテンツをリーダで読む、という形が画期的なものとは思えない。画面に書棚を出したり本を手に取る真似をするようなUIは、映画と舞台を見せていた初期のテレビを思わせるものがある、と指摘する。Webとの融合によって新しい概念としてのメディアが生まれ、文化としての出版（ビジネス）の可能性が生まれると考え、印刷本のデフレ的再生産ではなく、むしろそちらのほうに期待を寄せておられるようである。やや観点は違うが、現在の電子書籍がなんら新しいものではないと考える点では、欧米の議論と共通している。電子書籍で新しいのは保存・流通のみであり、その結果、消費者を相手にしている流通プラットフォームのみが急速に発展しているが、出版はまだ有効な対応ができていない、というのである。現在の形の電子化は、なお流通主導であり、出版を拡張・進化させるものではない。</p>
<h3>再生に向けて：出版の「協創空間」</h3>
<p style="padding-left: 30px;">冒頭で述べたように、出版における生産機能は、＜著作・編集・実装＞として実現される。新しいメディアとしてのE-Bookは、そのコラボレーションの高度化によって生まれることになるが、中西氏は、著者、編集者と印刷会社による「協創空間」から生産されていくことを提案されている（下の図）。そこでは、編集＝出版者が中心となって配信プラットフォームを利用してく形と、印刷会社が中心となって配信プラットフォームを利用してく形が考えられるが、いずれにせよ「配信プラットフォーム」の運営主体とサービスの形態によってかなり違ったものとなるだろう。</p>
<p style="text-align: left; padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/nakanishi_diagram1.jpg"><img class="size-full wp-image-3776 aligncenter" title="nakanishi_diagram" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/nakanishi_diagram1.jpg" alt="" width="446" height="289" /></a>「協創空間」がどのようなものとなるかは、コンテンツの作り方、つまりコンテンツに対してどんなサービス価値を提供していくかによって変わってくる。その機能の実現は配信プラットフォームに左右されるので、もはや流通と別にコンテンツを考えることはできない。筆者は流通主導の市場形成よりも、困難だが「協創空間」がエコシステムとして発展していけるようなオープンな配信プラットフォームが共存する形を理想的と考えている。それを機能させるのは、「フォーマット」よりは「メタデータ」であろう。中西氏は、OUPのプロジェクトで、デジタル出版とはXMLであることを発見している。XMLこそ出版におけるコンテクストをデザインしコントロールする鍵であると私も思う。（この項続く＝鎌田、08/19/2010）</p>
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		</item>
		<item>
		<title>印刷業と“電子書籍元年”(3)：ビジネスモデル</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/08/printing-and-ebook_3/</link>
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		<pubDate>Wed, 04 Aug 2010 11:04:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Industries]]></category>
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		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

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		<description><![CDATA[これまでどちらかというと寡黙で受動的なイメージの強かった印刷業界のイニシアティブが目立つようになってきた。大日本印刷と凸版印刷という世界的大企業がここまで積極的に動く以上、本のデジタル化の先にある出版の再編をも射程に入れ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3722" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg" alt="" width="90" height="80" /></a>これまでどちらかというと寡黙で受動的なイメージの強かった印刷業界のイニシアティブが目立つようになってきた。大日本印刷と凸版印刷という世界的大企業がここまで積極的に動く以上、本のデジタル化の先にある出版の再編をも射程に入れた戦略的動きであることは間違いない。しかし、大凸ほどの規模でなくても、E-Bookビジネスにコミットする動機と能力を持つことは可能だし、家電や通信など周辺業界よりは実質的リーダーシップを取りうるだろう。<span id="more-3737"></span></p>
<p style="padding-left: 30px;">最近、E-Bookをめぐる印刷業界の動きが急です。新しい業界団体を立上げ、製作にとどまらず、流通から版権管理まで、バリューチェーンの多くに積極的にコミットしていこうという姿勢は、ほとんど出版社をしのぐ積極的なものといえます。大日本印刷と凸版印刷の2社が突出したこととはいえ、日本の市場形成が欧米とは違ったものとなることを予感させるものです。印刷会社がやってきたことが、電子化で不要になる「印刷・製本」だけではなかったことはすでにお話ししましたが、印刷業界がE-Bookに関心を持つには、ざっと次のような積極的・消極的根拠があります。</p>
<ul>
<li> 本の製作に深く関わり、データファイルも管理している。</li>
<li>出版物全般の印刷需要減少への対処を迫られている。</li>
<li> 出版業界に対して少なからぬ債権を有している。</li>
<li> 隣接した業界で内情を知悉しているだけに参入が容易。</li>
<li> 製作を中心としてビジネスモデルを描くことができる。</li>
<li> これまでも（広告代理店同様）黒子として大型企画に関係してきた。</li>
</ul>
<ul style="padding-left: 30px;"></ul>
<p style="padding-left: 30px;">そもそも、日本の本の奥付にはほぼ必ず印刷・製本を受け持った会社の名前が記されています。商業印刷物でも、冊子体のものではよく見かけます。しかし、欧米ではこのようなことは一般的ではありません。印刷した都市名はあっても、印刷会社はないほうが多い。<span style="color: #cc0000;">日本の本は、出版社と印刷会社の共同製作で出来ており、それだけ印刷会社の関与が強い</span>と言えます。もちろん、それに関わる人の情としても版下から製本までの「ものづくり」部分に関わっているぶん、愛着も強くなるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷会社のアプローチは、基本的に以下の3つに分けられると思われます。</p>
<ol>
<li> デジタルデータ製作型</li>
<li> 出版情報処理（ITサービス）型</li>
<li> バリューチェーン型（流通・課金、版権管理などを含む総合サービス）</li>
</ol>
<ol style="padding-left: 30px;"></ol>
<p style="padding-left: 30px;">1.はE-Bookファイル製作請負ですが、単純なデータ変換で済むなら付加価値が乏しく、逆にデータ変換で済まない場合には手間ばかりかかって正当な対価が得られない可能性があります。印刷・製本で元を取るということができないので、ビジネスとしては成り立ちません。入稿方法、元データの質（スタイルの使用の有無等）、工程／工数、価格などを詰める必要があります。これは「格安印刷」の場合と同じです。現状では1.と2.のはっきりした区別はありません。組版スタイルのカスタマイズなどは、簡単なものなら1.ですが、独自の開発を伴うなら2.となるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">2.は、レイアウト仕様、読者・出版社が必要とする各種の機能、メタデータ環境などを開発・提供するものですが、受託開発型のサービスでは安定性が見込めません。技術よりもビジネスモデルを開発するのが重要でしょう。ITサービスのモデルじたいが転換期にあり、これも受託からプロダクト→SaaS→クラウドへの移行が進んでいます。価格設定も、無料をベースとし、付加機能を有償とするなど、競争戦略が必要です。中長期的には、アプリ型コンテンツの比率が多くなるでしょうが、本そのものの操作環境という側面が強いので、E-Book出版プロジェクトじたいに参加（あるいは主導）するための体制をつくることが重要になります。これはデータニュービジネスになります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">3.は、出版のバリューチェーンそのものをプロデュースするアプローチです。アマゾンやアップルと同様に、あるいはそれとは別のやり方でE-Book出版ビジネスを構築するものですが、ハイリスク・ハイリターンなものだけでなく、ニッチ型のものも考えられます。印刷会社が家電メーカーより優位にあるとすれば、デバイスやキャリアなどを自由に選択できること、メーカーよりは本特有のデータ／メタデータと経済性をよく知っていることです。しかし、月並みなものでは成功はおぼつかない。出版に関連する様々な付加価値を独自の方法で実現できるかどうか（サービスデザイン）が鍵となるでしょう。異業種連携、国際的連携が必須だと思います。（鎌田、08/04/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">〔<span style="color: #cc0000;">本稿8月10日に開催する<a href="../2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank">第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」</a>への解題として書き始めたものです。当日は、この連載をベースにお話しし、討論を行いたいと思います。ご参加をお待ちしております。</span>〕</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌関連記事</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起" href="../2010/07/2010/07/printing-and-ebook_1/">「印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</a>」、鎌田、07/26/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="印刷業と“電子書籍元年”(2)：付加価値の可能性" href="../2010/07/printing-and-ebook_2/">印刷業と“電子書籍元年”(2)：付加価値の可能性</a>、鎌田、07/30/2010</p>
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		</item>
		<item>
		<title>印刷業と“電子書籍元年”(2)：付加価値の可能性</title>
		<link>http://www.ebook2forum.com/2010/07/printing-and-ebook_2/</link>
		<comments>http://www.ebook2forum.com/2010/07/printing-and-ebook_2/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 30 Jul 2010 07:35:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
				<category><![CDATA[Editors' Note]]></category>
		<category><![CDATA[Industries]]></category>
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		<description><![CDATA[近代的な出版は「版」に関する技術から生まれた。それはE-Bookについても同じである。印刷本における品質と機能を移行させた上で、本のコンテンツ価値を最大化するというロードマップを考えた場合、現状はまだ入口付近にいるにすぎ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3722" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo2.jpg" alt="" width="90" height="80" /></a>近代的な出版は「版」に関する技術から生まれた。それはE-Bookについても同じである。印刷本における品質と機能を移行させた上で、本のコンテンツ価値を最大化するというロードマップを考えた場合、現状はまだ入口付近にいるにすぎず、機能・個性・品質が揃わないとE-Bookが独立した価値を主張できない。そこで付加価値の可能性を考えてみたい。<span id="more-3711"></span></p>
<h3>付加価値は本の構造から生まれる</h3>
<p style="padding-left: 30px;">前回は日本の電子出版における「印刷」会社の役割をお話ししましたが、E-Bookに印刷会社が関わるのは、基本的にデジタルな「版」の以下のような機能についての技術的サービスになると思われます。</p>
<ol>
<li> 表現（グラフィック）</li>
<li>活用（インタラクション）</li>
<li>管理（プロセス／コンテンツ）</li>
<li>複製（バッチおよびオンデマンドでの印刷）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">これらは従来からやってきたことですが、これまではすべてが印刷ありきであったのに対して、E-Bookでは「版」が中心にあり、印刷は付加的なものになるということが重要です。たとえば「管理」などは印刷を前提とした裏の作業でしたが、これも（後述するように）前面に出てきます。大げさに言えば“コペルニクス的”転回が必要といえます。ビジネスモデルの変化、価格体系の変化が伴いますので、移行の方法を（業界全体として）考える必要もあるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">これらに関するサービスがビジネスとして成立するには、(1) 顧客にとっての普遍的な付加価値、(2) それを実現する上での専門性という2つの要素が必要です。印刷関係の人が心配しているのは、E-Bookというものの付加価値が印刷業界にとって外のものになり、あるいは従来の専門性が役に立たなくなるのではないか、ということだと思われます。いくつかの前提が必要になりますが、E-Bookをビジネスとする上で、日本では（出版社を別とすれば？）印刷会社が最も近いところにおり、これまでの蓄積を発展させることで可能になる、と筆者は考えています。これは<span style="color: #cc0000;">本の製作は高度に技術的</span>なものであり、<span style="color: #cc0000;">デジタル化の第一段階が印刷会社で完了</span>しており、また競合となる業界（たとえばIT）が本に対する理解を獲得するのは困難があると思われるからです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ITは<span style="color: #0000ff;">情報</span>をデータとして扱って来ましたが、それらが持つ<span style="color: #0000ff;">意味</span>には無頓着でした。出版社は<span style="color: #0000ff;">意味</span>を扱って来ましたが、ページを内製しているところ以外は意味を<span style="color: #0000ff;">構造化</span>する技術は知りません。E-Bookにおいて日本の印刷会社が有利と思われるのは、<span style="color: #0000ff;">構造</span>を扱ってきたことです。これは世界中で日本の印刷会社だけのことなので自信を持ってよいでしょう。中西さんの言われる「創造的協調」が可能であるとすればそこだと考えられます。しかし、当然のことながら、これまで関係者の目はもっぱら印刷を前提としたレイアウトを扱う上での構造に集中してきました。そこにしか「目に見える」付加価値がなかったからです。しかし、<span style="color: #cc0000;">E-Bookの付加価値の多くは表現構造より先にある</span>のです。それは本が次のような性質を持っているからだと考えられます。</p>
<ul>
<li> 知識の構造体として、必要とする人に読まれ、体験化されることで価値を持つ</li>
<li>孤立しては存在せず、他の本や知識情報、人々の活動と結びついている</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">本を（表現を超えて）構造化することで、本の価値・使い勝手をさらに高め、コミュニケーションを豊かにすることができます。日本の印刷会社が（出版社やIT企業と協力して、あるいは単独で）この技術的サービスを提供すれば、イノベーションの主役ともなれます。情報産業における価値創造の最先端に立つと考えてよい、これからの日本が最も力を入れるべき技術分野です。とはいえ、当面のE-Bookはまず表現の問題をクリアする必要があります。順序として、そちらから入っていくことにしましょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>土台としてのページとスクリーン</h3>
<p style="padding-left: 30px;">版下製作の電子化は、電算写植などでの文字組版から始まり、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E8%A8%98%E8%BF%B0%E8%A8%80%E8%AA%9E" target="_blank">ページ記述言語</a>のPostScriptをベースとした<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/QuarkXPress" target="_blank">QuarkXPress</a>やAdobe CS/InDesignなどに代表される<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/DTP" target="_blank">DTP</a>の技術的完成でプリプレス領域を統合することにより、印刷本をターゲットとしたものとしては完了していました。振り返ってみれば、20年以上を費やしていますが、かなり奥の深い世界だったと言えます。他方でハイパーテキスト記述言語のHTMLをベースとするWeb出版は、商業出版や印刷とは関係の薄い世界で発展して、ハードウェアや通信環境の進化とともに機能と品質を高めてきました。</p>
<p style="padding-left: 30px;">現在のE-Bookは（ページ／ブック系の）DTPを背景とするPDFとWebを背景とする（リフロー系の）EPUBという2つの流れが主流になっています。前者は印刷会社にとってなじみのものですが、後者はそうでもありません。編集やデザインの考え方も大きく異なり、これをマスターすることが大きな課題となっています。ページ＝スクリーンとしてデザインできれば、それに越したことはないのですが、スクリーンは解像度もアスペクト比も異なり、印刷ページのようにデザイナーがベストと思われるもので指定できるわけではありません。E-Bookのデザインには、ベストよりはベター、トレードオフをコントロールするという発想が必要です。ブックデザインのプロの方ほど、なれるのに時間がかかるかと思います。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;"><span style="color: #009900;">E-Bookに命を吹き込む：まずは個性的な文字組みから</span></h4>
<p style="padding-left: 30px;">印刷会社はE-Bookのビジュアルを商売とすることはできるでしょうか。様々なスクリーンを持ったデバイスが登場しましたが、便宜的にほぼ以下のように分類してみます。</p>
<ol>
<li> 読書専用端末（6インチ前後のE-Ink、グレースケール）</li>
<li>大型専用端末（10インチ前後のE-Ink、グレースケール）</li>
<li>汎用タブレット（サイズは各種、中心的には9インチ前後のカラーLCD）</li>
<li>スマートフォン／PDA（3.5インチ前後カラーLCD）</li>
<li>パソコン／ネットブック（＞WXGAのカラーLCD）</li>
</ol>
<p style="padding-left: 30px;">この2年余りの米国市場での経験から言えることは、読書用のデバイスとしてはほとんど 1が中心になるということです。ところが困ったことに、このカテゴリーの日本語可能端末が登場しないうちに（あるいはLIBRIeやシグマブックが去った後が来ないうちに）3のiPadが話題をさらい、これが「本命」のような扱いをされています。携帯電話と電子辞書で市場をつくってきた<span style="color: #cc0000;">日本では、まだ本格的なE-Bookの環境ができていない</span>のです。あまりE-Bookに適したとはいえないデバイスで、（中身はともかく）出来のよくないファイルを表示しているのが現状と言えるでしょう。それを見ると、E-Bookでは単純なデータの変換しか仕事にならないのではと思えても不思議ではありません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、少なくともここ数年を考えるならば、<span style="color: #cc0000;">リフロー系のファイル形式（EPUB／XMDF/.BOOK）を6インチ、E-Inkグレースケール、200dpi程度の専用端末に表示することを中心に考えるべき</span>でしょう。本を読む人が必要とするデバイスだからです。「本も読める」デバイスと「本を読む」ためのデバイスとは明らかに違います。専用端末をハイエンドな読書環境として育てていくのが本筋でしょう。対応の時間も十分にありそうです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ベースとなるのは文字組みですが、印刷本で十分経験したように、<span style="color: #cc0000;">フォント＋文字組みによる視覚表現は非常に奥深いもので、コンテンツや出版社の個性と密接な関係</span>があります。今日われわれが目にするE-Bookは無個性で粗雑な（つまり内容の価値を損ねる）ものがほとんどですが、6インチ200dpiの空間を使ってかなり高度なデザインをすることは可能です。それは印刷本の文字組みが（一定のパターンと経験則をベースに）個々のコンテンツに対応してデザインされているように、個別化・個性化されるべきで、まずそこに付加価値とビジネスの機会が生まれます。E-Bookにおける「日本の活字文化」は物理的にはそこに存在するからです。文庫・新書でさえ、出版社とシリーズによって文字組みは異なるわけで、単行本ならなおさらです。E-Bookでは文字サイズを変えられますが、重要なのはデフォルトと読者のタイプ／環境別の選択肢の合理性で、それはデバイスの機能に依存しない付加価値と言えます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">E-Bookのデザインの環境はそう特別なものではありません。EPUBの場合は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/Cascading_Style_Sheets" target="_blank">CSS</a>が基本ですが、これはWebでおなじみのものです。私は (1) 設備投資がほとんど不要、(2) 組版知識が応用可能、(3) ITの専門知識は（必ずしも）不要、であることから、これは印刷会社のビジネスになると考えていますが、Web系のCSSで日本語組版というところが唯一のハードルです。もっとも何のハードルもなければ逆に商売にはなりませんね。（鎌田、07/30/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌関連記事</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a title="印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起" href="../2010/07/printing-and-ebook_1/">「印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</a>」、鎌田、07/26/2010</p>
<p style="padding-left: 30px;">
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		<title>印刷業と“電子書籍元年”(1)：問題提起</title>
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		<pubDate>Mon, 26 Jul 2010 11:05:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Industries]]></category>
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		<category><![CDATA[印刷業]]></category>

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		<description><![CDATA[8月10日に開催する第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo13.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-3681" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="EB2Pro_logo1" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EB2Pro_logo13.jpg" alt="" width="95" height="84" /></a>8月10日に開催する<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank">第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括－印刷業界の視点」</a>への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、長期的にみて最も重要な要因だと考えている。そこでまず、印刷業がE-Book出版の成長性と付加価値にどのように関わるかを考えてみたい。<span id="more-3677"></span></p>
<h3>E-Bookにおいて出版社は必要なのか!?</h3>
<p style="padding-left: 30px;">今回は、本Forumの<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/03/ebook-and-printing-business/" target="_blank">対論シリーズ</a>でご協力いただいた<a href="http://www.nacos.com/hidehiko/hidehiko.htm" target="_blank">中西秀彦</a>をゲストにお呼びして、印刷業の視点からE-Bookを考えてみたいと考えております。中西さんのブログで<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/03/post-0618.html#comments" target="_blank">「我、電子書籍への抵抗勢力たらん」</a>と宣言しておられたのに仰天して以来のお付き合いですが、「出版社は必要なのか」という問いは強烈で、私はまだ確たる答えを持っていません。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><span style="color: #808080;"><a href="http://olj.cocolog-nifty.com/weblog/2010/07/post-6643.html"><img class="alignright size-medium wp-image-3683" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="wareden2" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/wareden2-211x300.jpg" alt="" width="148" height="210" /></a><span style="color: #333333;">「『編集』機能が低下すればするほど、また『編集』が疲弊すればするほど、印刷会社中心へと移行していく。」</span></span><span style="color: #333333;">という分析の一方で、「主導権をどこが握るかというのはそもそも『ますらお』的な発想です。私は電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来るのではないか…いや、来させなくてはならない。<span style="color: #333333;">」 </span></span><span style="color: #333333;">という理想を共有する一方で、まだ私はそこに至る道筋を描けていません。 （引用は「連載</span><a title="E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調" href="../2010/05/2010/05/ebook-and-printing-business-5-2/"><span style="color: #333333;"> </span>第6回：E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調」）</a></p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし印刷会社を抜きに日本のE-Bookはあり得ないと考えております。たとえ印刷本が減ることがあっても、E-Bookの製作・出版に積極的に関わり、そこから付加価値を拡大させる形で出版を発展させていただきたい。出版は<span style="color: #cc0000;">生産・流通・販売という三位一体</span>で成立ってきました（<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book-business-opportunities-2/" target="_self">鎌田、7/12</a>）。デジタル化は業種、メディア間の境界を取り去り、理論的にはすべてをメタな「唯一者」が実現することも可能になりました。バリューチェーンがデジタルに完結すると猛烈な競争が生まれ、統合／独占によるメガ（メタ）カンパニーに集中するのがWeb時代のビジネスの特徴です。日本の大日本印刷や凸版印刷が製作・流通プラットフォームを超えて版権ビジネスにまで乗り出すのはそれを見据えた戦略的な対応といえるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、<span style="color: #cc0000;">ソフトウェア化されたデジタル時代のプラットフォームは、進化を止めることなく変容し続け</span><span style="color: #cc0000;">る</span>、という法則性がはたらいています。数億人のデータベースも、クラウドやデバイスの圧倒的シェアも、メガカンパニーの優位を保証し続けるものではありません。<span style="color: #cc0000;">新たな付加価値（意味のある多様化の原理）を発見した者が、それを実現するために構築するのがプラットフォーム</span>だからです。ITと情報ビジネスの両方に関わった者として、私は出版が付加価値の宝庫であり、ここから大小様々なプラットフォームやニッチが生まれると信じています。メガプラットフォームやその亜流がいくらでてきても、変わることはないでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<h3>グーテンベルクの双子：印刷と出版</h3>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業は伝統的な出版における生産プラットフォームを担っていました。そのプラットフォームは「ソフトウェア化」されつつあります。あと数年でデジタルが本体となり、市場のニーズに応じて印刷されるという形に移行します。しかし、生産と流通・販売が有効に結びつかなければコンテンツの価値は最大化されず、<span style="color: #cc0000;">出版の第一原因</span>であるべき生産の付加価値は、流通・小売に付属する広告に依存することになるでしょう。生産技術を担ってきた印刷会社には技術的なリーダーシップを発揮しうる余地があります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷業はさまざまな貌を持っており、製版・印刷・製本を担う出版もそのひとつにすぎません。しかも商業印刷や軽印刷など企業が出版するものを除けば、印刷会社の市場としての出版市場はたかだか1割ほどでしょう。だからE-Bookが増えて印刷会社が困る度合いは、全体としてそれほど多いわけではないでしょう。しかし出版物全体で電子化の比重が高まるとなると話は別で、印刷を中心とした構成を変え、他に活字コミュニケーションのバリューチェーンにおける付加価値を求めざるを得なくなります。印刷会社は出版社のE-Bookだけを考えているわけではありません。しかし、いずれにせよ商業的品質を必要とする出版で印刷会社の役割がなくなることはないでしょう。印刷以降が消滅しても<span style="color: #cc0000;">「版」がなくては出版は成り立たず、版づくりを印刷会社以外が担う割合も、そう増えるものでもない</span>と思われるからです。かつてDTPが登場した時と同じです。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Aldus_Manutius.jpg"><img class="size-medium wp-image-3687 alignleft" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="Aldus_Manutius" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/Aldus_Manutius-216x300.jpg" alt="" width="151" height="210" /></a>印刷業と出版の関わりを考える時、日本の印刷業が世界的に見てかなり特殊な存在であることを考えないわけにはいきません。外国では印刷とは &#8220;ink on paper&#8221;のみを指し、組版や製版、製本、その間で必要になる輸送などはすべて別業種の企業が行っています。用紙の手配も発注者が行うことであり、したがって出版社の発注担当者は、全行程を管理するために、個別の原価を含めて相当な専門知識を持つ必要があります。筆者も昔、カルチャーショックを受けた記憶があります。粗っぽい原稿と指定を渡せば版下をつくってもらえ、下版さえすれば全部を任せておける日本の「印刷会社」は、世界的に見てなんと稀有な、有難い存在か。E-Bookになっても、出版社から「版」への距離はそう簡単に縮まらないでしょう。<span style="color: #888888;"><span style="color: #333333;">（図は近代商業印刷技術の父にして出版人</span><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%82%B9" target="_blank">アルドゥス・マヌティウス</a>）</span></p>
<p style="padding-left: 30px;">グーテンベルクの可動活字と手刷り印刷の技術で出発した<span style="color: #cc0000;">欧米では、</span><span style="color: #cc0000;"><span style="color: #cc0000;">出版</span>社が印刷会社を兼ねる</span><span style="color: #cc0000;">のが一般的</span>でした。文字組版への技術的ハードルが相対的に高かったためです。ちなみに「版権」という概念も印刷＝出版社とともに生まれました。もともとは著作権に先立って「版面権」があったということになります。その後19世紀の機械化革命で、高速印刷機械技術が登場したことで非出版系の印刷業が成長し、独立した存在となりました。日本の「文明開化」は鉛活字の組版と機械印刷で始まったわけですが、出版社が日本語の活字組版を工程として持つのは技術的、経営的に困難でした。<span style="color: #cc0000;">日本の出版業は、印刷業が「版」の製作という主要機能の一部を担う形でスタートして今日に至っています</span>。</p>
<p style="padding-left: 30px;">周知のように、版の製作技術は機械式から写真式に、さらにDTPを含むデジタルに移行しましたが、リクルートやアスキーなど、移行期に誕生した出版社を除けば、版の製作を内部化したのはごく一部だったと思います。今回のE-Bookの登場においても、新興のデジタル出版社は独自の生産環境を構築して登場するでしょうが、旧出版社は今回もパスする可能性が強い。技術的なむずかしさ以上に、慣性（あるいは惰性）がはたらくからです。全体として縮小が続く印刷業の中でも、版に関わる部分では生産性も付加価値も高まっていると思います。ではどんな付加価値が考えられるでしょうか。（鎌田、07/26/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;"><a title="第5回EBook2.0研究講座" href="http://www.ebook2forum.com/2010/07/e-book2-project-seminar-5/" target="_blank"><strong>※EBook2.0研究講座：8/10(火) 「&#8221;電子書籍元年&#8221;の中間総括─印刷業界の視点」 詳細・申込</strong></a></p>
<hr />
<h4 style="padding-left: 30px;">本誌対論シリーズ＜E-Bookとデジタル時代の印刷業＞</h4>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_self">E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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		<title>E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</title>
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		<pubDate>Wed, 05 May 2010 12:22:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Printing]]></category>
		<category><![CDATA[ビジネスモデル]]></category>
		<category><![CDATA[出版社]]></category>
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		<description><![CDATA[鎌田の「デジタルプラットフォーム」論にたいする中西秀彦氏からの返信。「攘夷か開国か」「勝つか負けるか」という単純な「ますらお」発想にたいして、「電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコン [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2221" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="hidehiko" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/hidehiko.jpg" alt="" width="112" height="114" /></a>鎌田の<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-5/" target="_blank">「デジタルプラットフォーム」</a>論にたいする中西秀彦氏からの返信。「攘夷か開国か」「勝つか負けるか」という単純な「ますらお」発想にたいして、「電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来る」と考える「たおやめ」発想の重要性を、日本的な特殊性を踏まえて説いておられる。印刷会社の課題は、これでとても鮮明になった。むしろ問題は、出版社がデジタル時代の新しい編集、本づくり価値を提示できるかどうかだ。<span id="more-2625"></span></p>
<h3>デジタルの新千年紀は「たおやめ」流でしなやかに生き残る</h3>
<p style="text-align: right;">中西秀彦</p>
<p style="text-align: center;"><img class="size-large wp-image-2627 aligncenter" style="margin-top: 6px; margin-bottom: 6px;" title="平治物語" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/288508a7f326b7cf0c2fbb9d52a5d69a-1024x678.jpg" alt="" width="590" height="391" /></p>
<h4>出版と印刷との日本的関係の先にあるもの：出版社は必要か？</h4>
<p style="padding-left: 30px; text-align: center;">
<p style="padding-left: 30px; text-align: left;">京都人へのご評価ありがとうございます。おっしやるとおり、京都人は、数の力で圧倒したり、論理でねじふせたりすることは好みません。京都は平安貴族の昔から、すべてを受け入れていく「たおやめ」の文化です。ところが、今の文化は良きにつけ悪しきにつけ武士道的な「ますらお」文化です。猛々しく、勇ましく、そして己が信念を貫くことを清しとする文化です。電子書籍でも勝つか負けるか、勝てば電子書籍の利益がすべてが手に入り、負ければ失業するのみ、という「ますらお」の原理で語られています。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%B2%BB%E3%81%AE%E4%B9%B1" target="_blank">平治物語</a>絵詞をみてください（上の図版＝ボストン美術館蔵）。堂々と行進する武士、それを怖々遠巻きに眺める公家衆。これが、今から1000年前、武士が台頭して平安公家の「たおやめ」文化が「ますらお」文化にとってかわられた瞬間でした。</p>
<p style="padding-left: 30px;">なぜ、日本では欧米のように出版社がDTPをおこなったり、コンテンツの製作をおこなってこなかったのか。アメリカの電子書籍ビジネスモデルでは、そのことが前提だという鎌田さんの指摘はあたっています。日本の出版社がDTPの担い手でなかったことが、日本の電子書籍コンテンツの充実が遅れたことの、原因のひとつであるのは確かだと思います。<br />
日本では決定的に出版社にITリテラシーが欠けています。新興の出版社では自社でDTPをすることで伸びたところもありますが、古くからある出版社はITに強い人が極端に少ないか、主流を歩いていない。むしろ忌避する人の方が多い。コンピュータというと、人間の尊厳を冒す怪物のように思って、古臭いコンピュータ支配ディストビア論を展開する人すらいます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">パーソナルコンビュータは中央集権コンピュータではありません。それはむしろ、市民が生み出し、市民運動が育てた市民のための装置です。DTPは高価な活字印刷を使わなくても本格的な印刷物を手にいれたいという市民の切実な願いから生まれた。だからこそ、アメリカの出版社はパーソナルコンビュータを違和感なくとりいれていったのです。もちろん、タイプライター文化の伝統は大きかった。パソコン初期アメリカの出版社でタイプライターを打てない人はまずいなかったでしょう。この文化的伝統にディスプレイがつけくわわったとしても、それほど差を意識することはなかった。コンピュータだからと構えることなく、ワープロをそしてDTPを使い込んでいった。</p>
<p style="padding-left: 30px;">たいして、日本では、手書きの原稿を印刷屋にいれて、活字になってから赤字をいれるという出版社の悪しき伝統がありました。そうしないと手書き原稿では推敲すらできないのです。日本には英語圏のように気軽に使えるタイプライターなどありませんから、ゲラが出てからでないと文章の全体像が掴めない。ゲラになってから文章に手をいれるという体制はワープロ時代になってもほとんどかわっていませんでした。私事で恐縮ですが、十数年前のわたしの処女作『活字が消えた日』は全文、パソコンのエディタで書き、出来しだい電子メイルで送信していました。当時としては先端のIT製作だったわけです。ところが、このデータを元に印刷会社で版下が組みあがったあと、編集者が文章訂正をびっしり赤字でいれていくのです。それはそれはすさまじいものでした。私は印刷会社の経営をしていましたから、あの赤字のはいったゲラを修正するオペレーターのことを思うと胸が痛んだものです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">この体制は結局、出版社の編集局と印刷会社の役割を峻別していきました。編集局の仕事は企画を考え、原稿をとりたて校正を行い、印刷会社はただ、ただ言われる通りに作成するのみ。だから、出版社がDTPを担うというかたちにならなかった。</p>
<p style="padding-left: 30px;">もちろん、技術的には欧米に比べて日本語組版の困難さということもあると思いますよ。すこし考えても、欧米組み版のアルファベット26文字、左横書きだけに比べ、漢字6000字、縦横書き混在とでは日本語組版はあまりに複雑です。今、印刷業界では、文書のXMLデータ化は重要な仕事ですが、欧米製のDTDでは、日本語を表記しようとするとたちまち行き詰まります。かなり広汎な拡張が必要でしょう。この日本語組版の特殊性から、出版社が組み版に深入りできず、印刷会社の役割を分ける原因のひとつになっていきました。<br />
結論として、電子書籍にあたっても、出版社があの複雑な日本語組版を行うということは考えにくい。</p>
<p style="padding-left: 30px;">ここにあたって、この対論最初の問題にもどりますが、「出版社は必要なのか」という問いを発せざるをえません。著者と電子書籍のベンダー、そして技術者としての印刷会社があればそれですむのかということです。結論から言えば、当面、出版社の役割は大きいと思います。いわゆる「編集」の機能です。著者の仲介も含めてしばらくはこの役割は出版社に残ると思います。しかし、電子書籍の流通が本格的になってくれば、出版社を実際に支えている「営業」や「製作」といった部門は必要がなくなるか、今とはまるでちがうものになる可能性がある。そうしたとき「編集」も今までと同じ役割がはたせるかどうか。今の丁寧な「編集」は紙の本による流通という前提のもとになりたっているもので、これがなくなれば「編集」は維持できない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">当面、出版社の編集機能＋印刷会社というあり方でないと電子書籍化は覚束ないのは確かですが、果たして、その次の段階になると、「編集」そのものも生き残れない可能性がある。ではどうなるか。これは予測がつかないのですが、日本の電子書籍製作モデルは欧米のものとはかなり違ったものになることだけははっきりしてきます。出版社が電子書籍製作の担い手となる欧米型と違い、出版社は製作を担わず、「編集」のみを行い、それを下請けさせるかたちで、電子出版の作成を印刷会社が担うというかたちです。そしてこれからスタートするにしても、それが欧米型の出版社中心に移行するのではなく、「編集」機能が低下すればするほど、また「編集」が疲弊すればするほど、印刷会社中心へと移行していく。この場合の主導権はどこが握るか。出版社がEPUBやXMLに習熟して、印刷会社を廃業に追い込むか、印刷会社が編集機能をもって出版社を壊滅させるか。はたまた著者が自分でやるか・・・・</p>
<p style="padding-left: 30px;">ではなく、そうした主導権をどこが握るかというのはそもそも「ますらお」的な発想です。私は電子書籍が本格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来るのではないかと思います。電子書籍の「たおやめ」化です。いや、来させなくてはならない。そのためにも印刷業界はもちろんですが、出版業界にも電子書籍に対して、いまだ時は満たず、隠忍自重をお願いしたいですね。<br />
そうするとやはり日本に、というより、東アジア漢字文化圏にはそれに適した「印刷クラウド」がいるという鎌田さんの提案に近づいてくるのではないですか。</p>
<h4>オンデマンドこそ100%デジタルが生きる</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/bandainagon.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-2641" style="margin-left: 0px; margin-right: 6px;" title="bandainagon" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/bandainagon-300x225.jpg" alt="" width="300" height="225" /></a>オンデマンドへの期待は大きいようですね。あまり指摘する人がすくないのですが、オンデマンドの技術はデジタル技術そのもので、デジタルでのアーカイビングと表裏です。いわばプリンタなのですから、100%デジタルでできていなければならない。いまのところはアーカイビングというと、紙の本をスキャンしたものを思い出しがちですが、早晩、すべての本はボーンデジタルになります。こうなるとオフセットで作るより、オンデマンド作るメリットがはるかに大きい。今、学術雑誌の世界では、オンラインジャーナルが主で印刷本は従という時代が来ています。まだ紙の雑誌も出ていますが、いつ紙がなくなっても学術雑誌は成立できます。まずはXMLでオンラインジャーナル用のデータを作り、それを自動組版で印刷版に焼き直すという作り方にをするようになりつつあるからです。ここで、基本的に、オンラインででているものをわざわざ紙の本でも読もうという人は少ない。ただしゼロにはならない。ここにオンデマンドの成立する余地があるのです。（図版＝<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%B4%E5%A4%A7%E7%B4%8D%E8%A8%80%E7%B5%B5%E8%A9%9E" target="_blank">伴大納言絵詞</a>より伝「源信」、出光美術館蔵）</p>
<p style="padding-left: 30px;">将来的にはすべての書籍データはまずXML(もしくはそれに相当する物)で作られ、必要に応じて、電子書籍にしたり、オンデマンドにしたりという方法がとられると思います。だけれど、紙でのオンデマンド出力は画面表示のできの悪い代替品であってはならない。今は画面表示の品質が劣るから、別途プリントアウトするとか紙の本が必要という人は多いのですが、画面品質は急速にあがるでしょう。読みにくいから紙が必要と言うことにはならない。質の高い画面があっても、わざわざ紙で印刷しようというからには、オンライン以上の付加価値、組版も印字品質、そして装丁も最高品質の物でなくてはならない。</p>
<p style="padding-left: 30px;">印刷のXML化。そしてそれを紙で印刷するときには、最高の組版技術・オンデマンド印刷技術・製本技術を提供する。だとすると、印刷業界も培ってきた技術を活かしつつ、ゆるやかに、電子書籍の時代へと移行していけます。オンデマンドがバッファになって、本の世界は電子化していく。本があれば書店もしばらくは食べていける。</p>
<p style="padding-left: 30px;">デジタル時代は「たおやめ」の文化。誰かが、誰かを完膚無きまでたたきのめすのではない、それぞれがすこしつづゆずりあいながら、ひとつの理想に向かって、知恵と力をだしあう。先頭を走る英雄を賞賛するのではなく、ステークホルダーみんなが、ひとつの理想に向かう。それこそが、これから時代のあり方ではないのでしょうか。<br />
平治の乱から約1000年。この1000年がますらおの千年紀とするなら次の1000年紀はたおやめの1000年紀となりますように。（05/05/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">
<p style="padding-left: 30px;">◇中西秀彦氏<a href="http://olj.cocolog-nifty.com/about.html" target="_blank">プ ロフィール</a></p>
<h4>不定期シリーズ「E-Bookとデジタル時代の印刷業」</h4>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/04/2010/04/2010/04/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">第    ０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/04/2010/04/2010/04/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">第    1回：E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a href="../2010/04/2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_blank">第2回：E-Bookと印刷業(2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">第3回：E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_blank">第4回：E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム" href="../2010/04/ebook-and-printing-business-5/">第5回：E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</a></p>
<p style="padding-left: 60px;"><a title="E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調" href="../2010/05/ebook-and-printing-business-5-2/">第6回：E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a>（今回）</p>
]]></content:encoded>
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		<title>E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム</title>
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		<pubDate>Tue, 27 Apr 2010 03:59:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Editor</dc:creator>
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			<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft size-full wp-image-2544" style="margin-left: 0px; margin-right: 15px;" title="images" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/images_plan_ahead.jpg" alt="" width="129" height="129" />中西秀彦氏から頂戴した前回の<a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_blank">「軟着陸戦略」</a>は含蓄に富んだものでとても刺激された。音楽や写真を例にした悲観論が世に蔓延しているが、もともと本を読まない人間は別として、印刷・製本された本は、リアルな体験としてこれからも必要不可欠な文化的要素だと思う。現に、欧米ではE-Bookの拡大と不況が重なったにもかかわらず印刷本市場は減っていない。怖れるべきはデジタル化ではなく国民の「文盲化」ではないか。そこで、E-Bookが活字市場を活性化させ、印刷需要を減退させないための条件を提案してみたい。さらに中西氏や読者諸賢のご批判をいただければ幸いである。（鎌田）</p>
<p><span id="more-2534"></span></p>
<p style="padding-left: 30px;">中西様</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_blank">「軟着陸戦略」</a>とても味わい深く読ませていただきました。いちばん強く感じたのは「京都」の政治感覚です。なるほど、こういう戦略で千年も生き延びてきたのだなと感じ入りました。東京は海外から来る「変化」の発信源というよりはフィルターとなって人心を撹乱・動揺させ、「攘夷」や「開国」の号令を乱発し、そのじつ自分では動かずに、最終的に転がり込んでくる新しい権益をうまく確保しようとします。たしかに金と力のあるものが無定見に演出する「変化」や「改革」に踊らされていたのでは身が持たず、命すら危ない。守るべき「文」の価値を知る、知恵ある弱者としては、生存のためにのみ必要とされるDNAを総動員して対応する。抵抗しつつ、時間を味方にして巧妙に適応する、そうした感覚を感じました。武力、財力に対する「文」の都が、この国で生き延びたのは偶然ではないわけです。</p>
<h3>製作・管理グループウェアと「印刷クラウド」</h3>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/2008-06-29.jpg"><img class="alignright size-full wp-image-2539" style="margin-left: 6px; margin-right: 0px;" title="2008-06-29" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/2008-06-29.jpg" alt="" width="189" height="189" /></a>「紙に印刷」するコミュニケーションの形は、紙の供給がよほど逼迫しない限り、少なくとも数世代は変わらないと思います。しかし、読まれ(見られ)ては捨てられるだけの情報、読まれないまま廃棄される情報の印刷は確実に減るでしょう。印刷物の経済性は相対的に低下しており、付加価値の低い印刷物から消えていくことになりそうです。しかし「紙に印刷」するにしても「装置に出力」するにしても、<span style="color: #cc0000;">元になるデジタルの「原版」へのコントロールを誰が握るかで、出版者と印刷会社の力関係はまるで変わる</span>ことになると思います。「原版」製作は、コンテンツの管理と密接不可分で、どれに出版するとしても、そこを握っていれば、そう悪くない条件で仕事はとれるし、逆ならば印刷受注の可能性も低くなるでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">私自身は、もともと出版社であれ企業であれ、パブリッシャーは自分で版を製作・管理すべきだ、という“欧米的”考え方で「電子出版」を考えていました。自分の会社で出していたニューズレター（写植／軽オフ）などは、版下の大部分を内製していました。20年前のことですが、そうしたやり方は、その後も思ったほど広がっていません。従来の業務プロセスになく、しかも技術も予算もやる気も持たない者が扱えるものではないのですね。日本語のページ（版下）というのは。誰もが、無用なやりとり、やり直しが多い版下づくりを嫌っています。しかし、いまデジタル出版、あるいはデジタルにコントロールする出版（紙／電子）を考えた場合に、版づくりは最も重要な工程といえると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">具体的には、執筆者／イラストレーター、編集者、デザイナー、製版技術者、出版責任者など、複数の関係者が利用する仮想的「グループウェア」と「デジタルコンテンツ管理」の主体が誰になるか。システムは高いものですし、使いこなすのは簡単ではないと思います。システムの管理も厄介です。それは、日本のユーザーの実体に合っていないからです。欧米のシステムは出版社での使用を想定していますから、あまり普及しないのも当然です。そこで日本に適した「<span style="color: #cc0000;">印刷クラウド</span>」のようなサービス環境があれば、中小印刷会社がデジタル対応する上で助けになると思います。その環境で、例えば、データ／フォーマット変換ツール、デザインテンプレート、フォントその他のユーティリティが提供されていけば、新しいエコシステムが発展するのではないでしょうか。印刷系のIT技術者やサービス企業は、そうしたプラットフォームを必要としていると思います。こうしたクラウドは、オープンソースやフリーウェアをベースに、いわゆる<span style="color: #cc0000;">バザール的な互助型コミュニティ</span>として地域単位で育てばベストだと思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">デジタル技術というものは、放っておくとどんどん「雇用削減型」に進化しますが、最初からエコシステムを考え、そのために組込んでいけば「雇用創出型」にもなるのではないか、と私は考えています。失業は社会悪であり、テクノロジーがいかに有用でも、失業にだけ結びつくようでは消費者を減らす結果に終わるからです。欧米の政府にとって、技術が「雇用創出型」であるかどうかは最も重視される項目の一つですが、日本では関心がもたれていません。長いこと人手は不足するものだとばかり考えられていたせいでしょう。</p>
<h3>オンデマンドによる印刷需要の掘り起こし</h3>
<p style="padding-left: 30px;">中西さんは、オンデマンド印刷を重視されていますが、私もそれに注目し、ユーザーとして期待しています。書籍印刷を考えた場合、ほぼ<span style="color: #cc0000;">1冊以上300冊以下の範囲に最適化された、ダイレクト印刷・製本機</span>が必要になると思われます。当てずっぽうで言えば、極少 (１~15冊クラス)、少 (10~50冊クラス)、中 (30~300冊)のようなカテゴリーになるでしょうか。米国では <a href="http://www.ebook2forum.com/2010/02/ondemand-book-making/" target="_blank">EBM </a>(Espresso Book Machine) という印刷製本機が、Googleなどのオンラインサービスからコンテンツをダウンロードして印刷するために使われ始めています（大学・公共図書館、カフェなど）。少ロットでは、ゼロックスのDocutechというのも、かなり昔からありますが。日本の技術でこれらを品質・経済性で上回る製品を開発するのは難しくないと思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EBM1.jpg"><img class="alignleft size-full wp-image-2537" title="EBM" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/EBM1.jpg" alt="" width="166" height="148" /></a>重要なことは、米国では書籍の<span style="color: #cc0000;">オンラインライブラリ</span>が整備され、ダウンロード可能になっていることです。EBM はそれを前提として、<a href="http://www.ondemandbooks.com/software.htm" target="_blank">EspressNet</a> という<span style="color: #cc0000;">管理ソフトウェア</span>を開発して機械をまわしているのです。2009年の米国の出版タイトル数は、デジタルが印刷本を大きく上回りました。これらの大半は、著作権切れなどの図書館アイテムで、イメージスキャナでデジタル化しただけのものですが、年間数十万点が復刊され、少なからぬ数が製本されて読まれていることが重要です。出版のカタログに、新刊、再刊、既刊在庫、デジタル新刊のほかに膨大な数のデジタル復刊が並び、死蔵されていた本が読者のリクエストで、1冊数百円で本になるわけです。マイクロ印刷のネットワークができれば、少なくとも年間数百億円程度の印刷市場にはなると思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">オンデマンド印刷は、オンラインライブラリの存在を前提として、(1) レイアウト、(2) 用紙・造本、(3) 編集（アンソロジーなど）などが読者のリクエストで製作されるところに魅力があると思います。造本工房のようなブティックができれば最高です。なぜなら、そこに人手が介在し、技術・文化が継承され、対話と雇用機会が生まれるからです。無人の製本ロボットや自動販売機のようなものは感心しません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">オンデマンド印刷へのニーズは、本だけに限ったものではありません。私は数10人、数百人を相手にしたセミナーや会議をよくやっていましたので、少ロットの資料印刷のコストに悩まされていました。100ページに満たないものが、1部千円単位になると重い。最近ではついに「PDFダウンロード」という形が広がってきました。たぶんあまり読まれないでしょう。大学や学校などでも同じではないでしょうか。世の中の少ロット印刷需要は、広い意味の出版文化の基盤だと思います。少ロット印刷が、低品質から高品質まで行われるようになれば、大半が返本・廃棄となって出版社や書店を苦しめることも減るのではないでしょうか。</p>
<h3>印刷産業にとってのデジタルプラットフォーム</h3>
<p style="padding-left: 30px;">これまで述べてきたことは、いずれもデジタルなプラットフォーム、それも<span style="color: #cc0000;">印刷産業が主導権を取れるものであること</span>が重要な要素です。「印刷クラウド」もそうですし、「デジタルライブラリ」もそうです。後者は国会図書館に任せておいてよいとは思えません。著作権切れ本やコンテンツなどは、国民の共有財産ですから、たとえば古書店と印刷会社が協力して売れそうな本のデジタルライブラリを充実させていってもいいでしょう。また復刊を望む著作権者と印刷会社が直に交渉してもいいし、そうした窓口となる専門のサービスがあってもいい。それは原出版社がやるべきことですが、なくなったり、やる気のないところも多い。やらないのなら誰が「出版社」となってやってもいいし、やるべきだと思います。アマゾンやアップル、Googleは小売のチャンネルとして利用すればいい。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/AMP_Proposed_Imp_Plan.jpg"><img class="alignright size-medium wp-image-2546" title="AMP_Proposed_Imp_Plan" src="http://www.ebook2forum.com/wp-content/uploads/AMP_Proposed_Imp_Plan-300x190.jpg" alt="" width="300" height="190" /></a>米国の<a href="http://www.scribd.com/" target="_blank">Scribd </a>や<a href="http://www.docstoc.com/" target="_blank">Docstoc </a>などのファイル共有サービスは、学校、専門家、公共機関などに幅広く利用され始めていますが、いずれも少ロット印刷に適したPDFファイルを無料や有料で提供しています。公的機関の刊行物は、オンラインライブラリに登録させるようにすべきだと思います。オンデマンド印刷は、こうしたライブラリの出口として機能するでしょう。重要なことは、システムとして発想し、設計することだと思います。例えば、空港は滑走路と空港ビルだけでなく、最初から多数のサブシステムを含む全体として考えなければ成り立たないものですが、コミュニケーションがデジタルに再構成された時代には、印刷業においても個々の企業努力を超えたマスタープランが必要になっています。（図はサンディエゴ空港のマスタープラン）</p>
<p style="padding-left: 30px;">大手の2社以外、そうしたプラットフォームが自力で出来る会社はないと思いますが、裾野が広い産業ですから、政治力は発揮できると思います。中小印刷業が最大限生き残れるエコシステムのデザインを<span style="color: #cc0000;">ビジョン</span>として提起し、衆知を集めて必要となる（使える）ITシステム、印刷・製本機器の<span style="color: #cc0000;">要求仕様</span>を策定し、<span style="color: #cc0000;">設計</span>を公募すること。それを公正・厳密に評価し、その上で開発・導入には政府の<span style="color: #cc0000;">補助金</span>を取りつけること。まあこんな程度が、部外者である私の考えられることですが、いかがでしょう。印刷業界の皆さんが、生存戦略を多様化させ、政治力を創造的に発揮されることを期待しています。昨今の「黒船騒動」で、日本の出版文化の将来を出版社だけに委ねておくには、あまりに頼りないと感じたからでもあります。　（鎌田、04/27/2010）</p>
<p style="padding-left: 30px;">&nbsp;</p>
<ul>
<li><a title="E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business/">第０回：E-Bookとデジタル時代の印刷業＜解題＞</a></li>
<li><a title="E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる" href="../2010/07/2010/03/2010/03/ebook-and-printing-business-1/">E-Bookと印刷業 (1)：印刷業こそ先頭にいる</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-2/" target="_self">E-Bookと印刷業 (2)：紙の桎梏と呪縛からの解放へ</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-3/" target="_self">E-Bookと印刷業 (3)：版が付加価値を生む</a></li>
<li><a href="../2010/04/ebook-and-printing-business-4/" target="_self">E-Bookと印刷業 (4)：生き残りをかけた軟着陸戦略</a></li>
<li>E-Bookと印刷業 (5)：デジタルプラットフォーム　(本記事)</li>
<li><a href="../2010/05/ebook-and-printing-business-6/" target="_self">E-Bookと印刷業 (6)：デジタル時代こそ創造的協調</a></li>
</ul>
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