和本論からE-Bookへ (1):書物としての絵巻

shuhanron

橋口和本論(と呼ばせていただく)から受けた重要なヒントは多く、簡単には整理できない。こういうときは整理を後回しにして、記憶が薄れないうちにインスピレーションをそのまま書きとめ、浮かんでくるアイデアをランダムに書き綴っていくしかない。和本の世界はデジタルと親和性があり、その復興が出版の21世紀を創造的なものにするという確信は、今年最大の収穫であった。和本は世界的な文化遺産にとどまらず、出版とテクノロジーのあるべき方向を示している。(写真は奈良絵本『ゑほしおりさうし(烏帽子折草紙)』) … [Read more...]

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アマゾン9月6日新製品発表イベント

Paperwhite

9月6日(日本時間で金曜早朝にかけて)行われたアマゾンの新製品イベントは一見の価値がある。ベゾスCEOのプレゼンには、ジョブスのようなカリスマ性は皆無だが、理詰めの迫力とでも言うべきものがある。英語は日本人にも分かりやすいもの。EBook 2.0 Magazineに、内容の紹介と評価は順次載せているが、バランスよく全体を理解するには、やはり一度この1時間あまりのビデオを見ていただいたほうがよいと思う。とくに日本ではほとんど理解されているとは思えない「Kindleはサービスである」ということの意味を知るために。 … [Read more...]

コンテンツとテクノロジー:(6)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(2)

デジタルはアナログ(実世界)を経済的に模倣し、再現するものだ。実世界には問題を理解する達人とそれに準じた職人がおり、解決を与える。他方でデジタルは、問題が言語(数学的形式)として与えられさえすれば、忠実に実行する。場に応じる達人の智の言語化は難しい。中途半端なら手間が増え、完璧に噛み合えば職人の仕事はなくなる。アナログは深め、デジタルは追いかける。終わりがないのがいい。(編集子解題) … [Read more...]

出版マーケティング再考(2):流行と不易―モノからヒトへ

tohimondou

先週の記事に、4,000PVを超える予想外の反響をいただき、このテーマに高い関心が寄せられていることに勇気づけられた。出版というビジネスを自分で考える人が多いということは心強い。わが伝統文化には商売を賤しむところがあり、それは出版業界に根強いと思われる。よく出れば「君子は道を謀(はか)りて食を謀らず」の求道精神となるが、悪くすると独立心、起業精神、企画力の弱さとなる。現在は悪いほうばかりが目立っており、戦後の闇市世代、高度成長時代と比較すると、社会を覆う無気力(無力感)はほとんど信じられないほどだ。 … [Read more...]

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出版マーケティング再考(1):なぜいま?

Kotler

オープン・パブリッシング・フォーラム(電子出版再構築研究会)第1期(7-9月)は、まずマーケティングからスタートする(7/25)。デジタル出版はコンテンツではなくマーケティングによって成立し、これを制するものが市場を制する。マーケティングは釣りやスポーツ、ゲームのようなものだ。「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(論語) とはいえ、食わず嫌いな人も多いので、まず知るところから始めよう。 … [Read more...]

オープン・パブリッシングのビジョン:(番外) 知の銀河系を開放する

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オープン・パブリッシングは、従来の本の電子化をはるかに超えた、知識情報コミュニケーションにおける革命に対応するコンセプトだ。この革命はとうに進行している。ビジネスと社会の対応が遅れているだけだ。グーテンベルクの印刷術は、間もなく世界に伝えられたが、イスラム世界や中国・インドなどの古代文明の地はこれを無視し、日本も同様だった。遅れていた西欧、新興国のアメリカに抜かれた大きな理由だ。 … [Read more...]

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コンテンツとテクノロジーの対話:(5)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(1)

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要求が定義され、機能の仕様が合意され、標準が出来る。その後に実装製品が出てくるのだが、ソフトウェア標準の開発者がまず覚悟しなければならないのは、標準化に対価は得られず、よい標準であれるほど、その機能はデフォルトとなり、早晩商品価値を失うということだ。人類に火をもたらしたプロメーテウスの運命。EPUB 3の日本語組版をわれわれはどう生かすべきなのか。海外に出て行くか、日本に入ってくるのを待つか。時間はそうない。(編集子解題) … [Read more...]

ジョブズの遺産とiBooks新戦略をめぐる7つの問い

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iBooks Authorを中心としたアップルのiBooks 2戦略は、2つの面を持っている。今日の教育に不可欠なマルチメディア・コンテンツを作り、出版する武器を万人に開放するという啓蒙的側面と、出版はiBookstoreを通じなければならない(iPadを使え)という専制的側面だ。「啓蒙的専制君主」としての故スティーブ・ジョブズの面目躍如とした遺産なのだが、これを受け容れるかどうか、われわれも選択を迫られている。ここでは問題を7つにまとめ、筆者の答を示す。[全文はE-Book2.0 Magazineにて公開中です] … [Read more...]

出版コンテンツ論 (3):サービス指向E-Book

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昨日の記事に多くのアクセスとコメントをいただいた。次回以降で、コンテンツ自体のソシアビリティを実現するモデルと出版社/編集者の仕事について考えていきたい。問題の組立て方が間違っていなければ答は見つかるはずだ、というのが筆者の信念でチャレンジしているが、ご協力いただければ幸い。そこで分かりやすくなるように図で表現してみた。本サイトが目指す “E-Book 2.0”の性格を「サービス指向E-Book」あるいはBook as a Service (BaaS)と呼ぼうと考えている。 … [Read more...]

出版コンテンツ論 (2):E-Bookのソシアビリティ

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コンテンツは社会的概念であり、コンテンツがコンテンツであるためにはコンテクストを実装する必要がある。コンテクストの提供(社会化機能)をクラウドプラットフォームに依存している現在のコンテンツの形態は、出版社にとってまったく不利なものだ。印刷本が持っていた、実体としてのオーラが失われつつある現在、出版社はE-Bookのユーザビリティを通じてソシアビリティを高め、読者との間のインタラクションを構築する必要がある。つまり本をソーシャルメディアとするのだ。 … [Read more...]