E-Readerでリッチになる子供の読書体験

米国ペンシルヴェニア州チャンバースバーグの公立学校でKindle30台を導入して生徒にE-Bookを読ませたケーススタディの結果が、最近地元図書館の関係者によって発表され、全米の注目を集めている (Library Media Connection誌)。生徒の読書への関心を高め、テクノロジーに慣れさせる目的で2009年の初めに電子デバイスを導入したが、その結果、読書時間と本の数が顕著に増加しただけでなく、本を媒介にした他の生徒とのコミュニケーションも活発になったという。

対象となったのはテストの成績も悪い“最低の読者”。図書館のジョアンヌ・ハモンド氏によれば、子供はガジェットが好きなので、これをダシにして本に引き込めるのではと考えたらしい。生徒たちは図書室で読んだのだが、読書時間で12.1%、読書量で31.2%、それぞれ前年より増えたとしている。それ以上に重要なことは、本から得た情報を積極的に表現するようになったことだ。以前は読書感想文を書いて教師に渡すだけだったが、今ではオンラインブログに感想や批評を投稿し、それに級友たちがそれを読んでさらにコメントするというスタイルが定着したという。生徒の中にはビデオや図版が入ったブックレポートをつくる者も現れた。(以上はPublic Opinionなどの記事による)

米国の学校図書館の大きな役割は、生徒に対し、本を読み、本を媒介としたコミュニケーションを行うことができる能力を身に着けさせることだ。子供は本来本が好きで、子供のうちにハイレベルの読書体験を得ることで、生涯にわたって様々な知識を吸収する力がつくという考えが社会的に共有されているからだが、チャンバースバーグの事例では、読書とソーシャルネットワーキングを同時に、自発的にできるようになったことが素晴らしい。これはKindleを図書室に置いただけではだめで、辞書機能などデバイスの操作はもちろん、本の選び方(選ばせ方)からSNS機能の使い方まで、教師や図書館関係者の注意深い指導があったことが窺える。チャンバースバーグの教師たちも協力して13の全学年のためのカリキュラムを作成したという。これもまた本を通じたソーシャルネットワーキングといえよう。  (11/18/2010)

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