E-Bookの貸出をめぐる米国の大手出版社と図書館協会との協議が先週行われた。ランダムハウスが「値上げして再開」で合意したことは前号でお伝えしたが、2月10日、ペンギンは「セキュリティに問題がある」として配信会社大手のOverDriveとの関係を絶ち、E-Bookとオーディオブックの図書館への将来の提供の可能性については別のパートナーと協議していくことを表明した。またKindleプラットフォームへのオンライン・サポートも停止された。他の各社の対応と社会の反響が注目される。
ペンギンの声明は、図書館との関係の重要性を強調しつつも、E-BookあるいはOverDriveを例外とすることの明確な理由を述べていない。OverDriveのDRMは業界標準的なもので、これに問題があるとするなら、そもそもE-Bookを販売することすらおかしくなってしまう。傲慢と受け取られても仕方のない対応であり、出版社の社会的イメージを毀損することになるだろう。図書館の利用者が本の購入層の大半と重なるとすれば、読者にダメージを与えるからだ。
出版社は本を「自社製品」と考えているが、消費者にとって出版社がどこであるかは問題ではないことを忘れている。基本的に読者は作家と作品で選ぶのであって、ブランドで選ぶのではない。これを忘れれば、読者がブランドを無視あるいは忌避するようにもなるだろう。大手出版社が流通をアマゾンに依存したままで図書館や書店、読者(著者)との関係を悪化させていくという構図は、とても危ういものだ。◆ (鎌田、02/15/2012)





