海賊取締の暴走でフィンランドが著作権法審議へ

pooh_laptopフィンランドでは最近の憲法改正により、国民投票を通じて市民が議会に法案を提出する権利を認めているが、7月23日、著作権法の適用緩和を求める立法提案が「6ヵ月以内に5万人」という条件をクリアしたことが伝えられた。こうしたイニシアティブとしては世界初。メディア業界のロビイストの世界的活動によって一直線に「強化」に突き進んできた流れを逆転させる契機になるかどうかが注目される。

誰のため、何のための取締か

「著作権における良識」法案と名付けられた提案は、期限の1日前、5万3,169の支持を集めて採択された。草案は、違反に対する罰則の緩和、公正利用の拡大、不公正な契約の禁止、バックアップやタイムシフト保存の合法化、などを明記している。

piratesこの提案は昨年11月、違法コピー取締団体 CIAPC の告発によって警察が9歳の女児の自宅を家宅捜索し、「犯行」に使用された『クマのプーさん』のラップトップPCを押収した事件によって喚起された、度を越した“海賊摘発”に反発する世論を背景にしている。少女の父親は、同じIPアドレスからCIAPC が内偵していた常習者とは別人で、「犯人」の少女も、残高が足りずにオンライン購入を諦め、ファイル共有サイト The Pirate Bay からダウンロードを試みたもので、結局うまく再生できず、翌日には正規版を店で買っていることも判明した。

朝8時の家宅捜索に衝撃を受け、「弁償さえすればなんでもなかったんですよ」という警官の話をマフィアの強請のように感じた父親が表沙汰にしたので、ことは社会問題に発展した。少女がダウンロードしようとしたアーチストのFacebookページは批判で溢れ、「誰も告訴しようと思っていません」と釈明を迫られたことは当然だろう。

結局、「著作権保護」というビジネスにおいて、創作者であるアーチストは名義貸しをさせられているに過ぎない。仮に有罪だったにせよ、ポップ・ミュージックのダウンロードで家宅捜索を行うというのは狂気の沙汰である。財産権を保護するという法の趣旨、不法行為の可罰性に見合うものではない。◆ (鎌田、07/25/2013)

参考記事

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