雑誌ビジネスのデジタル最前線:DIS 2017(1)

DIS_logoB2C/B2Bメディア・ビジネスのエグゼクテイブがイノベーションのトレンドを語るDigital Innovators' Summit (DIS)という汎欧州イベントが3月19-21日にベルリンで開催された。出版コンサルタントのボブ・サックス氏がPublishing Executive (04/04)に「5つの成果」をまとめているので紹介しておきたい。

イノベーションを問うDigital Innovators' Summit

DIS2017DISは書籍系のフェアとは違って、コンテンツ・ビジネスという大きな枠組のメディア企業、テクノロジー企業のハイレベルのエグゼクテイブおよび/またはプロフェッショナルたちの交流の場として企画されているイベントで、英国に本部を置くニュース系雑誌の世界団体FIPP (Fédération Internationale de la Presse Périodique)とドイツの雑誌出版社協会VDZ (Verband Deutscher Zeitschriftenverleger)との共催で開催されている。

サックス氏の書き出しに思わず笑ってしまった。「メディアビジネスの世界のほとんどのイベントには明確なパターンがあり、まず聖歌か祈祷文のような『印刷は死なず、印刷は死なず、主よ、認めたまえ』の朗誦で始まり、聴衆がざわつく。続いて登壇するスピーカーたちは、まずそれに敬意を表明した後で、もっぱらデジタルプロセス、デジタル戦略、デジタル収入源などについて語るというもの。」しかし、ベルリンのDISは例外で、すべて最新のデジタル・プロジェクト事例の成功した方法論が聞ける、というのだ。

海外の業界の雰囲気がよく分かるが、日本では口に出そうとせず、そうした空気をフォローしている人も少ない。東京のブックフェアはとうとうお祈りもやめてしまった。ちなみに主催団体のFIPPの呪文は「ジャーナリズムは死なない。今もこれからも」である。

DISのテーマは、「商業ジャーナリズムの再発明と再活性化」を中心にしたもので、事例発表を連続的に続けられる中で、どうすれば広告主が優良出版社に喜んで投資するようになり、消費者も高級ジャーナリズムにおカネを出すようになるかが理解できるように構成されている。サックス氏がまとめたのは次の5項目。(つづく)  (鎌田、04/11/2017)

  1. 「関り」が鍵になる
  2. モバイル広告体験は改善する
  3. 絞り込まれたコンテンツがオーディエンスを獲得する
  4. 読者がコンテンツに影響を与えられるようにする
  5. チャットボットは消費者のふるまいを変える
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