デジタル時代の「ニュース」な仕事:APの新サービス

AP_logoニュースサービスのAP通信は5月15日、分野別専門家のオンライン・リスト ExpertFile と提携してニュース報道機関やジャーナリストのための専門家リストを開発することを明らかにした。メディア向けの企画支援ツールAP Plannerに統合され、約2万5,000のトピックに対応する専門家をリストする。

専門家情報からユーザー・コンテンツまで

ExpFl活字・放送・Webにまたがるニュースビジネスの環境変化に対応するため、「B2Bニュース・サービス」としてのAPはサービス内容の大幅な見直しを迫られているが、編集者や取材記者などプロ向けの情報源情報 AP Plannerもその一つで、政治・経済、会議、式典を含む各種イベント・スケジュールなどを提供している。専門家情報は個々の報道機関がそれぞれ保有しているもので、APが取材活動そのものに一歩踏み込んだことは、大きな意味を持つ。「偽ニュース」が氾濫する時代にあって、信頼できる情報源を素早く探し出すことは、ジャーナリズムにとって死活的な意味を持っており、業界が利用しやすいインフラが求められている。

ExpertFileは、ジャーナリズム、テクノロジー、医療、人権など、様々な分野の専門家をリストし、企業に紹介するマッチング・サービスで、メディア企業も利用している。AP Plannerは、AP社のフィルタリングで厳選した専門家を、APのユーザー企業に提供する形になると思われる。仕組みはコンサルティング・ビジネスなどが使う「エキスパート・マッチング」と同じく、申請、審査をパスしたプロフェッショナルの登録リストとユーザーのリクエストとを照合し、推薦するというもの。

SAM-logo+tag-color_rgb_200px1APは各種のUGC (User Generated Content)を利用するためのプラットフォーム・サービスであるSAMの創立に参加しているが、利用の適否などをAPの編集者がほぼリアルタイムで審査したUGCを会員メディア向けに提供する AP Social Newswireも始めた。地図や写真などが中心だが、コメントも含み、主として「目撃情報」など真偽確認を必要とする速報性情報を対象とするという。速報性、権威性がブランドであった伝統的報道機関の価値であった時代は終わり、「一次情報」「二次情報」の区分も曖昧になり、「まとめ」がメディア化する時代に、伝統的なニュース通信社の存在価値を訴求するのは難しい。APはとりあえず「キュレーション」で生き残ろうとしている。 (鎌田、05/17/2017)

参考記事

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