アマゾン「マーケットプレイス」方針に作家団体が抗議

アマゾンのamazon_logo_x書籍販売ページでは、フォーマット別の購入オプション・ボタンが価格とともに囲みで表示されるが、アマゾンは2ヵ月前から表示ルールの変更を出版者に通知し始めた。新ルールでは、相対的に低価格な再販本ーが版元のより優先表示されるケースが生じることで出版社や作家団体が怒っていると言われる。

原出版社=アマゾン仕入本を優先しない新方針

AG_logo全米作家協会 (AG)は5月8日、サードパーティ・リセラーが出版社と版権者の権利と利益を損なうとして激しい言葉でアマゾンを非難した。背景にあるのは、最近何かと話題になることが多い「マーケットプレイス」だ。周知のように、アマゾンは出版社から仕入れた商品のほかに、個人や再販業者からの「古書」を販売するマーケット・プレイスを提供しており、通常ルートの品よりも安いことから、一定の人気もあるし、そもそも絶版本でそれしか入手不能な場合もある。アマゾンの新方針は、原出版社本を優先表示する従来方針を改訂したもので、予告はされていたものだが、出版関係者の衝撃は大きかったようだ。

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AGの抗議に対して、アマゾンは以下のように回答している。

私たちは、長年にわたりサードパーティ販売者が提供する新本と古書を商品リストに登録して販売してまいりました。最近の変更は、新本の販売者を詳細ページの「目玉」コーナーで扱うようにしたものです。それによって弊社の書店は他のアマゾン商品コーナーと同じように扱われ、同一商品についてはサードパーティもアマゾンと競争できるようになります。なお新本の買値の提案だけが目玉として扱われます。

Amazon_FFCアマゾンは本を「一般商品」として扱うもので、それに対するAGの反論は、それが「特別な資産」であるというのだから、話は噛み合わない。AGが問題にしているのは、結局オンライン販売を利用するマーケットプレイスによる実書店のシェアの侵食という市場の現状だ。消費者にとって説得力のある話ではない。

蛇足ながら、米国では印刷本の小売価格は書店の自由に任されており、古書と同じく、書店によって価格が違うのは常識だ。出版社と著者の収入は(委託販売制による例外を除いて)書店への卸販売によって確保されている。書店は仕入れ部数に対して売残りが出ないよう、必要に応じて価格を下げる。だからAGの主張には根拠がなく、すでに小売業者に販売されたコピーの消費者価格がいくらになっても出版社や著者の収入には影響しない。 (鎌田、05/11/2017)

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