アマゾンKUの終わりなきモグラたたき

kindle-unlimited-500x159Kindle Unlimitedは拡大しているが、版権料のページ単価は減少を続け、7月にはついに今年初めの水準の2割減となった。詐欺的手段による「ページ数稼ぎ」が横行しているのが原因と言われる。アマゾンは8月からKENPC 3.0を導入するが、果たして版権料は回復するだろうか。月額2,000万ドルに近づいたファンドの拡大以上に注目される。

アルゴリズム解読でページを盗むモグラ

cat_miceアマゾンのKindle Unlimited (KU)は8月1日に著者への版権料算定基準の改訂を発表し、KENPC 3.0が新たに適用されることになった。2014年にスタートしたKUに、既読ページに基づく算定法 Kindle Equivalent Normalized Page Count (KENPC) が導入されたのが2015年7月。これで安定するかと思われたが、「既読ページ」の判定が、実際にはユーザーが開いた最も多いページをデータとするものだったために早速問題が生じた。詐欺師がルールの悪用法を考案して、長い本の最後のほうのページに飛ばせることでカウントを稼ぎ始めたのである。

アマゾンはKENPC v2.0で「飛ばし」を禁止し、次いで最大ページ数制限(3,000ページ)を導入した(2016年2月)のだが、これでも完全に詐欺師を追放するには至らず、モグラたたきは次のラウンドに移行した。そこで今回のKENPC v3.0になったのだが、ページ数算定方法のどこがどう変わったのかは明らかにされていない。もちろん詐欺師が新しいアルゴリズムを発見するスピードを遅らせるためだが、KENPC v3.0で詐欺被害がどこまで減らせたのかも含めて、今後3ヵ月ほどの非公式情報に注意してみる必要があるだろう。KBoards の情報では、アルゴリズムに「数々の改善」を行い、とくに非連続的な開巻箇所の飛躍に目を光らせているという。

そうした中でv3.0導入前の最後(7月度)のKENPC金額が発表になったのだが、ファンドが100万ドル上がって1,900万ドルになったにもかかわらず、米国のKENPCは0.004ドルと、1月から比べて2割あまり減少した(日本は0.5円)。とくに米国の減少幅は大きく、詐欺師に盗まれたと憤激する著者の中にはKUからの脱退を表明する人が出ている。どんなアルゴリズムでも狡猾なモグラは穴を見つけるだろうが、著者はアマゾンに損害を防ぐ義務があると考えるだろうし、当初の基準から10%以上も下振れしたままではKUの健全な発展の妨げとなるだろう。 (鎌田、08/17/2017)

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