Gutenbergで進化するWordPress (1)挑戦

WP_logoWeb出版の標準的なプラットフォームとなったCMSテクノロジーは、膨大な開発者とユーザーを吸引する一方で、大きな転機にある。一貫したサービス環境をSaaSで提供するサイトビルダーがコミュニティの脅威となっているのだ。WordPressは、Gutenbergフレームワークで新たな課題に挑んでいる。

新たな挑戦

Matt_M2WordPressの創業者、マット・マレンウェグ氏が自身のブログに投稿した記事(08/29)は、「わけあって」Gutenbergと名づけたフレームワークへの想いから始まる。活字(movable type)印刷は、エリートによる知識の独占を破る契機となり、宗教改革と近代社会に道を拓いたことが熱っぽく語られ、同様に、Webサイトから始まったWordPressコミュニティも「出版の民主化」に邁進している、と述べる。ユーザーも順調に拡大を続けているが、なお挑戦すべき課題として、とくに (1)出版系とカスタマイズを望むユーザーのフラストレーション、(2)サイトビルダーを中心としたライバル(例えばSquarespaceWix)、そして (3) 新市場(世界の1.57億の小事業者)を挙げている。

WPのGutenbergプロジェクトは今年初めからスタートした。6月には公開版をリリースしたが、480万あまりがダウンロードされ、毎週更新されている。このフレームワークを前提としたベータ版のプラグインも公開されており、協調・連携のテストも進んでいるようだ。マレンウェグ氏は、グーテンベルクによる発明は、まず写字僧による「オリジナル」の忠実な再現に使われ、ライティングにおける拡張と実験による新しい出版物の試みが始まったのは15年あまり経てからであったことを指摘し、WPもその段階に達したとしている。それは「ブロック」概念の導入を中心とするが、それに止まらない。

サイトビルダーという脅威からコミュニティを守る

Gutenbergは、コミュニティに以下のような環境をもたらす。

WP_Gサイト開発者とエージェンシー:記事のタイプをカスタマイズしなくても、クライアントが簡単に更新可能な対話的テンプレートを開発できるようになる。例えば、Aboutページに写真や経歴を入れたスタッフ紹介のページを新設するケース。開発者は多くのメタボックスを取換え、コードを更新して、クライアントがすぐに新しい環境を使えるようになる。

プラグイン開発者:現在パーツによってばらばらな、拡張のための方法と環境をGutenbergのブロックで統一する。すでにこれを使ってUIを改善した事例もあり、紹介していきたい。

テーマの開発者:プラグインの山を相手にして独自のページ開発ツールを構築する必要がなくなる。リッチなレイアウトを開発する標準的で移植性の高い方法を確立し、ユーザーを適切に導くインタフェースがていきょうされ、20ステップものチュートリアルや長いビデオを見ないと理解できないようなことはなくなる。とんなテーマも優れたテーマの多機能性をサポートするので、特定のテーマにロックインされることがない。

コアな開発者:在来版との互換性問題を心配せずに最新のテクノロジーを使えるようにする。メニュー、ウィジェット、エディタが共通のコードやコンセプトを使えるシンプルなものにするように取組んでいる。インタフェースはすぐに改善されるだろう。

Webホスト:Gutenbergが、これまで複雑で構築が難しかったWPをより広いサイト開発者に開放するので、利用が増える。それにより、一貫したサービスを提供するWixWeeblySquarespaceなどへの顧客の流出も防げる。 続く  (鎌田、09/06/2017)

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