EB2 Magazine 創刊3周年

3_Year2通巻157号目にあたる2013/9/19号で、創刊3周年を迎えることが出来ました。より構造化され、見つけやすく、対話的なサイトを意図した更新もほぼ完成に近づきつつあり、またE-Bookフォーマットとの統合を進めてまいります。

今後ともよろしくご愛読のほどをお願い申し上げます。

(Content + Context) x Technology = Value

早いもの、とは思いません。むしろ印象としてはまだ3年、というくらい。2007年末のKindle登場以来、この世界で起きていることは非常にダイナミックで、安定を知りません。私はこの40年あまりの情報・出版技術の発展、開発と応用に様々な立場で関わり、変化というものに長短のサイクルがあることを目撃してきましたが、いよいよグーテンベルク革命以来の、超長期のサイクルの動きを実感できるようになりました。旧い出版のエコシステムは、世界的規模で瓦解しつつあります。

現在の日本の出版システムは、120年ほど前、和紙と木版印刷を土台に、独自の発展をみせていた和本のエコシステムの廃墟の上に築かれました。和本の世界は、1000年以上の伝統と豊かなコンテンツ、読書空間を、「近代」に移行できず消滅してしまったのです。洋紙と金属活字の機械印刷は、たしかに破壊的イノベーションでした。私たちはいま、Webという破壊的イノベーションを前に、同じ問題に直面しています。重い印刷書籍の製造と流通を前提としたエコシステムが、そのままで生きられないことは明らかです。

21世紀のデジタルは、紙と印刷の上に築かれた出版システムをいったん解体し、様々な価値あるいは合理性に沿って再構成します。その過程で、様々なビジネス機会が生まれています。しかし「出版の価値とは何か」を問い直さずには、このデジタル時代に出版と主体的に関わっていくことは出来ないでしょう。

かなり高い確率で、印刷本の世界は和本のエコシステムと同じ運命をたどるかもしれません。江戸-明治の文化的断絶は、破壊と創造をもたらしたわけですが、私たちは文化的な破壊・断絶を避けながら、出版の再構築と取り組む必要があります。

考えるメディア

本誌は「EBook2.0 Forum」を母体にして、2010年9月22日にスタートしました。国境のないデジタルの現実に対応し、本誌は最初からグローバルな動きをフォローするとともに、テクノロジー、ビジネス、市場(読者/読書)を軸とする方法論に基づき、出版の再構築の課題に対する答を追求してきたつもりです。その際、他のメディアにない独自の視点で考えること、前提と結論を明確にすることを心掛けてきました。

hiroki_BWこの歴史的な変化の時代に、なるべく多くの人とともに考え、行動していきたいと思います。今後とも皆様のご協力、ご購読をお願いいたします。

EBook2.0 Magazine 編集発行人

鎌田博樹 敬白

3rdAnn_Eclipse


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