No.28, 03/31/2011

ANALYSIS & COLUMN

デジタル時代の出版社はサービス指向か (♥)

本号でご紹介した米国の出版大手、サイモン&シュスター社リーディCEOのインタビューからは、転換期の出版産業についての貴重な情報を得ることが出来る。E-Bookビジネスとは、たんに電子コンテンツを用意することではなく、出版のサプライチェーンにおいて誰にどんな価値を提供し、どうやって対価を得るか、というビジネスモデルを再構築することになるということだ。著者、消費者、流通との関係の中での立ち位置を定めなくてはならないが、答は自分で見つけるしかない。ともかく、E-Bookはわずか1年で、とてつもない可能性を信じさせるに十分な規模に成長し、誰でもチャンスを手にしている。物理的な商品とは違って、空間だけは無限にある。 [全文=会員]

Google Android 3.0に立ちはだかるアマゾン (♥)

Googleは3月24日、シリーズ初のタブレットOS Android 3.0の著作権を留保し、ソースコードの公刊を当面(数ヵ月)遅らせると発表した(Ars Technica, 03/25)。スマートフォン用OSをオープンソースとしてきた同社が、ついに衣の下の鎧を見せた。3.0は2.xをタブレット用に最適化したものとされるが、評価が高かっただけにIT業界に失望が広がっている。「Googleよお前もか」ということだが、当否は措くとして、影響は非常に大きい。Googleがアップルと似たスタンスをとり始めたことで、サイバースペースのもう一人の巨人であるアマゾンの存在が大きくなってくるからだ。 [全文=会員]

NEWS & COMMENTS

デジタル革命と出版社:サイモン&シュスター

サイモン&シュスター社(S&S)のキャロライン・リーディ社長兼CEOは3月23日、The Publishing Pointのインタビュー・セッションで、デジタル革命のさ中にある出版社が直面している現状などについて率直に語り、最大の課題が「著者に対して価値が提供できることを立証する」ことであると述べた(TeleRead, 03/23)。最近強まっている、出版=B2Cビジネス論に対して、出版社はこれまでもB2Cだったし、これからは形を変えなければならなくなっただけ、と反論したもの。[続きを読む]

Memidexがオンライン英語辞書に横断参照と発音

インターネットでメタ辞書サービスを提供するMemidex(カナダ、モントリオール市)は3月23日、オンライン英語辞書/シソーラスMemidexの機能を拡張し、参照辞書のクロスリファンレンス(横断参照)、発音、語源を加えたと発表した。1,250万以上のレファランス情報を擁するようになったことで、著述家や研究者、教師、学生にとって有用性が増したとしている。[続きを読む]

ランダムハウスがデジタル効果で増収増益

欧米大手出版社の決算はデジタル効果で絶好調。ベルテルスマン傘下ランダムハウス社(RH)の2010年は、6.1%の増収、26.3%の増益となった。売上が18億3,000万ユーロ(約2,140億円)、税引き前利益が1億7,300万ユーロ(約202億円)。E-Bookの売上は対前年比250%と業界平均を大きく上回っている。増益の背景にはE-Bookのほかにリストラ(168名)効果もあったようだ。2011年の出だしも好調で、ドーレ会長は自信を深めている。(Publishers Weekly, 3/29[続きを読む]

有名作家は自主出版、自主の女王は有名出版社へ

邦訳で日本でも知られる人気ミステリー作家、バリー・アイスラーが、前渡金50万ドルのオファーを蹴って自主出版を選んだ。他方で自主出版界初のミリオンダラー作家にして「自主出版の女王」となったアマンダ・ホッキングが、逆に大手出版社と200万ドル以上で契約したことが、ちょっとした話題となっている。契約したのはマクミラン傘下のセントマーティンズ・プレスで、Watersongというシリーズ4作品分に対して支払われる。第1作は来年前半の刊行予定。[続きを読む]

Google初の雑誌Think Quarterly創刊

Googleの英国・アイルランド支社が初の企業出版となる季刊雑誌 Think Quarterlyを創刊した。上質な解説記事がセンスよくデザインされた高級PR誌のような内容だが、ロンドンのクリエイティブ・エージェンシーThe Church of London (TCOLondon)がデザインと製作を担当し、HTML5の機能を駆使して、これまでのアプリ雑誌にない軽さを実現している。通常のWebブラウザ(PCおよびモバイル)で読むことが出来るが、重すぎて不評のタブレット雑誌に対して、一つの解答になるかもしれない。(写真は印刷版)[続きを読む]

大ヒットNOOK Color 300万台の重み

B&NのNOOK Colorタブレットの出荷が昨年11月19日の発売以来ほぼ300万台に達した、と3月28日付の台湾のエレクトロニクス情報メディアDigi Timesが伝えた。供給企業(Inventec)に近い関係者を情報源としたもので、B&Nは昨年の第4四半期(実質40日あまり)に100万台を販売した後、月60~70万台のペースで売っているという。これにより「北米のiPad的タブレット市場の半分」を占め、数あるAndroidタブレットの中でトップの座についた。もちろん出版業界としては初の快挙だが、4ヵ月で300万台というのは驚異的で、影響は大きい。[続きを読む]

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