No.39, 06/16/2011

ANALYSIS & COLUMN

アップル「規制緩和」とアプリ問題の行方 (♥)

アップルは先週、2月以来メディア業界に大きな懸念を生み、アップル自身のコンテンツ戦略を停滞させてきたIAP (アプリ内決済)ルールの内容を発表もないまま緩和した。おおむね妥当な動きとして歓迎されているが、まだ棘が残っており、雑誌・新聞業界の疑念は解けていない。アマゾンなどの対応も明らかになっておらず、6月30日の改訂ルール施行を前になお緊張が高まっているようにも見える。しかし、iPadの圧倒的成功を背景にして水面下でビジネスモデルを転換し、デバイスだけでなくコンテンツで収益を上げるというアップルの“地政学的”悲願の行方には、HTML5とJavaScriptが立ちはだかっている。[全文=♥会員]

NEWS & COMMENTS

T.S.エリオット『荒地』iPadアプリ版が話題

拡張型E-Book出版社のタッチプレス(Touch Press, London)は6月7日、初の文学コンテンツとなるT.S.エリオットの長詩『荒地』(1922)のiPad版を発売した($13.99)。20世紀の最も重要な詩作と言われる原作のほか、詳細な注釈、草稿のファクシミリ、フィオナ・ショウによる全作品朗読、エリオット自身や俳優アレック・ギネス、俳優兼詩人のヴィゴ・モーテンセンによる朗読、専門家による35篇ものビデオ解説も収録。単なるマルチメディア・コンテンツではなく、難解な原作から多くのことを引き出すための様々な仕掛けが組込まれ、出版界の話題となっている。[続きを読む]


ブリタニカが教育書のオンライン配信開始

ブリタニカ社の教育図書部門、Britannica Digital Learning(BDL)は6月9日、初等中等学校、大学、公共図書館を対象に、数百点のコンテンツを提供するWebサイトを立ち上げた。当面はオンラインでスタートし、年内にオフラインのE-Bookでも提供するとしている。販売されるライセンスには、シングルユーザーとマルチユーザーがあるが、購読購入した教育機関は恒久的にコンテンツを所有することになり、購読料やプラットフォーム使用料などは徴収されない。教育コンテンツ出版では、サービス型の料金システムを採用するものが増えているが、ブリタニカは売切り型を採用した。[続きを読む]


東芝Thriveタブレットが米国で予約開始

東芝は6月13日、Android 3.1タブレットの先行予約を米国において開始した。THRiVE (Thrive)と名付けられた新製品は、ToshibaDirectのほか、アマゾンやベストバイなどの大手小売を通じて7月中旬に発売される。10.1型(1280×800)LEDスクリーン、NVIDIA Tegra 2 (1GHz)プロセッサを採用したメディアタブレットで、内蔵メモリサイズによって、$429.99 (8GB)、$479.99 (16GB)、$579.99 (32GB)の3タイプがある。日本向け製品は「レグザタブレット AT300」という名称で6月中に発売される予定。[続きを読む]


米国ebraryがコンピュータ書の購読サービス (♥)

技術文献を専門とする米国の法人・図書館向けE-Bookコンテンツおよびシステムサービス・プロバイダーのebrary(カリフォルニア州パロアルト)は6月8日、Corporate Computingという購読型データベースサービスを開始したことを明らかにした(リリース)。ワイリーやエルセビア、テイラー・フランシスなど有力出版グループが発行する関連書籍を、ユーザーにとって効率的な契約形態で利用することが出来るもので、当面は210点のコンテンツからスタートする。ebraryは1999年に創業された技術研究所専門のE-Book配信サービスで、世界の研究開発機関や図書館に対し、約500社の27万3000点に及ぶ専門コンテンツを提供している。[全文=♥会員]


幻のアマゾン:最強プロセッサでムービー!?

ベゾスCEOが「Stay Tuned (そのままでお待ちください)」と言ったアマゾン・タブレットの噂(あるいはリーク)がますます熱を帯びてきた。7型と10型の2機種は、それぞれ「コヨーテ」と「ハリウッド」というコードネーム(?)まで付けられている。予想価格はさらに下がって$349と$399。後者にはなんとNVIDIA Kal-El という最新・最強のプロセッサ(Tegra 2の5倍)が搭載され、アマゾンのビデオストリーミング・サービスまでプロモーション用に付いてくるという。たんなるファンの悪ふざけなら無視してよいのだが、面子のあるプロが書いていることなので無視はできない。[続きを読む]


新趣向のデジタル冒険小説:Book Surfers (♥)

狂える悪の天才とその助手の手によって、名作冒険小説の世界に投げ込まれた4人の子供(ブックサーファーズ)の冒険を通して、少年少女読者を読書に誘う、という手の込んだ枠物語の形式を使ったKindle向けデジタル冒険小説『ブックサーファーズ』シリーズが英国で刊行された(専用サイト)。読み進むうちに、原作の対応個所にハイパーリンクで飛べるようになっているなど、簡単なE-Bookの機能を使っている。児童文学でのオリジナルE-Bookは初となる。著者はホラーものを得意とする英国の若手作家デイヴィッド・ガトウォードで、版権エージェント”1454″がプロデュース、すでに『宝島』と『オズの魔法使い』(£3.67)が出版されている。[続きを読む]

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