No.15, 12/30/2010

ANALYSIS & COLUMN

E-Bookが急浮上し、印刷版沈下の米国出版界 (♥)

2010年は、たしかに米国にとっての「E-Book元年」だった。この1年に米国で何が起きたかを知ることは、歴史的にも意味があることだ。幸いにして、米国の出版産業、あるいはマーケティング会社は様々な角度から、この構造変化を捉えるための定点観測データを揃えており、それらを分析することで、間違った常識や俗説にとらわれない正確な見方を得ることができる。たとえば、E-Readerは印刷書籍の購買を減らすのか、書籍産業全体としてはどうか、ユーザーは専用リーダとLCDタブレットをどう使い分け(てい)るか、といった基本的問題は、様々に語られてきたが、まだコンセンサスは生まれていない。 [全文=♥会員]

出版とソーシャルメディア#2:本か人か (♥)

前 回はオンラインショップをベースに、ソーシャルメディアを結びつけたCopiaを紹介した。E-Book+SNSのタイトな結合を目ざすのは、アプローチとして正統的なものだろう。それだけに、アマゾンやB&Nなどのメージャーが同等なものをそれ以上のスケールで提供した場合に生き残れるかという問題が残る。それに対して、本との結合を緩くして、逆にヒト(SNS)にフォーカスしたのがLibraryThingやMendeleyである。いずれもパーソナル図書管理サービスをベースとしている。 [全文=♥会員]

マグロウヒル社長が注目する5つのトレンド

ブログメディアMashableの12月28日号は、McGraw-Hill Professional社のフィリップ・ラペル社長が寄稿した「出版の未来を変えるE-Bookの5つのトレンド」という記事を掲載した。マグロウヒル社は、ビジネス、科学技術、医学分野で世界有数の出版社だが、10年以上前(RocketBook)からE-Bookに戦略的に取組んでおり、業界をリー ドする存在だ。ラッペル社長が注目する5つの流れは、以下に要約を紹介するように、かなりユニークなものだ。[続きを読む]

米国E-Bookビジネスの10大予想×2

本誌はすでに2011年のトレンド予想を発表(12/02) したが、米国の関係者によるものもだんだん上がっている。E-Bookのようなテーマは、独自の視野を持つ人間の見方をなるべく多く読んだ方がいい。今回ご紹介するのは、客観性を売りにするアナリストではなく、E-Bookのビジネスに直接関わる、Smashwordsの創業者マーク・コーカーとE- Readsのリチャード・カーチスの両氏(いずれもMediabistroのGalleyCat所載)。年齢も背景も違い、前者はやや直線的で、後者はバランスの取れた見方を示しているが、いずれも興味深い論点を提供している。たしかにこれらの論点は2011年に様々な形で取上げられることになるだろう。[続きを読む]

NEWS & COMMENTS

2010年最大の誤算:米国iPad雑誌の苦戦

WWD Media (12/29) が伝える米国ABC (Audit Bureau of Circulations)の数字によると、Vanity Fairの11月号は8,700を売ったが、8~10月の平均である10,500を下回った。Glamourは9月に4,301部で、10月にはさらにダウンして2,775部にまで落ち込んだ。GQは11月に11,000で、5~10月の平均(13,000)を下回る。6月に10万を売って話題をさらった Wiredはどうなったか。6~9月の平均は31,000で10月、11月はそれぞれ22,000と23,000だった。2,800でスタートした Men’s Healthに至っては、なお2,000で不振を極めている。問題はどこにあるのか。[続きを読む]

IDATEレポート:デジタルが出版産業を牽引

フランスの市場調査会社IDATEは12月9日、米国、日本、欧州を対象としたE-Book市場調査(2008- 2015)を発表した。安くはないがTeleReadに要約が掲載されているので、これをもとに紹介しておこう。日米欧の三市場を対象とした調査はかなり貴重なもので、2010年にこれらの対象地域でE- Book市場がそれぞれ離陸したが、そのシナリオはかなり違ったものになった、とIDATEのレポートは述べている。紙からデジタルへの大規模な移行はあらゆるジャンルで起きるが、2014年以降、デジタルが(その付加価値によって)出版を牽引し、成長を回復させる。この見方は欧米の識者のコンセンサスになっていると思われる。[続きを読む]

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