Vol.2, No.11, 12/01/2011

ANALYSIS & COLUMN

FT紙でデジタル購読料収入が売上比30%に (♥)

ロイター通信は11月28日、ピアソン・グループ傘下の英経済紙Financial Times (FT) のジョン・リディングCEOの発言を引用し、FTの今年のオンライン購読収入が30%に達し、一時的に印刷媒体広告売上を抜いたことを伝えた (Georgina Prodhan, Reuters, London, 11/28/2011)。これは不況の影響を受けて印刷紙面広告の扱いが減ったためもあるが、デジタル購読獲得が成功したことを示している。あとは印刷版の製作・配布をいつまで、あるいはどういう形で続けるか、という移行戦略が現実的な課題になってくるだろう。これこそ「将来世代につけを回すべきではない」ことと言える。[全文=♥会員]


日本の電書への期待の低さは異常:日中比較調査

(株)ネットマイルは11月22日、『【日中比較】電子書籍についての調査レポート』を公表した(→報告書全文PDF)。同社の会員600名を対象にインターネット調査で行われたもので、電子書籍の利用でも、今後への期待でも中国人が日本人を圧倒している現状を示している。社会調査としての体裁は不十分だが、少なくとも多くの人の実感とは一致している。出版業の衰退、読書率の低さ、そしてE-Bookへの期待の低さは日本的現象で、知的危機にあることを示していると言えよう。[続きを読む]


SF本中心に花開くE-Bookマーケティング

アシェット・グループ系列のSF&ファンタジー出版社、オービット(Orbit)は11月29日、4月から米国でスタートさせたe-シングルを、英国その他の諸国でも販売すると発表した。オービットUKのアンヌ・クラーク編集長は「デジタル・ショートフィクション市場は、明らかに勢いをつけており、…米国での成功は確信を与えている。」と述べている。印刷版を考慮する必要がなく、純粋にデジタルに最適化したマーケティングが可能なショートは、急速に広がっている。[続きを読む]

NEWS & COMMENTS

ブラックフライデーに“Kindles”の売上4倍増

感謝祭(11月第4木曜日)の後の金曜日を、米国ではBlack Friday (黒字の金曜)と呼ぶ。1月6日の公現祭まで続くホリデーシーズンの幕開けだが、オンラインの世界では翌週の月曜のCyber Monday (オンラインショッピングの月曜)が知られている。この日に年間最大の売上が記録されるからだが、今年も17%増の推定12億ドルの売上があったようだ。深刻な不況下ではあるが、義務でもあり喜びでもあるこのシーズンに、米国人の消費意欲はまったく衰えを見せない。今年ここにKindle Fireを含む4つの新製品を投入したアマゾンは、やはり記録的な売上を発表している。[続きを読む]


タイム雑誌帝国再構築にデジ・マーケの女王登場

米国のタイム・ワーナー社は11月30日、今年2月以来空位となっていた世界最大の雑誌出版社タイム社のCEOに、世界最大のデジタル・マーケティング会社 Digitas Inc.(ボストン)のローラ・ラングCEO(写真右)を指名し、新年1月から暫定経営委員会に代って指揮を執ることを明らかにした。メディアの構造転換が進み、大型雑誌の広告収入が落ち込む中で、次期CEOにはブランド・マネジメントやデジタル広告など、ビジネスモデルの再構築に手腕を発揮することが期待されている。[続きを読む]


EPUB3固定レイアウト仕様標準化に向けてスタート

日本電子出版協会は11月30日、EPUB最新動向セミナーを開催し、10月末に開催されたIDPF EGLS台湾会議を中心とした最新動向を紹介した。とくにJEPA技術主任が報告した固定レイアウトに関するワークショップは、EPUB3の最も重要な拡張につながるものとして、世界の出版業界が最も注目していたミーティングだった。本記事ではこの報告の内容について概要を紹介しておきたい(詳細は別の記事で取上げる予定)。[続きを読む]

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