ハーバード大学経営大学院のルーカ助教授、ドブレスク教授らの研究グループは4月26日、アマゾンの読者書評を客観的に評価した研究結果(→ワーキングペーパー)を発表し、この集合的評価がプロの評者による書評と比べても遜色なく、むしろ広い社会の声を客観的に伝えるという独自の価値を持つと結論づけた。アマゾン書評は、消費者の購買行動に大きな影響を与えている一方で、様々な批判がなされてきたが、専門的調査によって客観的に評価され、アマゾンの読者参加型プロセスの妥当性が検証されたのは初めて。マーケティングの手段としてのクラウド書評でも、運用によってはかなり真っ当なものとなり得ることが証明されたことになる。 [全文=♥会員] [ 続きを読む ]
米国のスタンフォード大学出版(SUP)は5月11日、Stanford Briefsというデジタル・ショート・コンテンツ専門のブランドを立ち上げることを発表した(Publishers Weekly, 5/11)。当面は、メイン・カタログの補完的位置づけで、多様な学術的テーマに関するオリジナルなショート・コンテンツを10ドルあまりでリリースしていく。5月15日には、シリーズ最初のタイトル“The Physics of Business Growth” (by Edward D. Hess and Jeanne Liedtka, 144p)が8ドルで発売され、同サイトのほか、主要プラットフォームで提供されている。イノベーションをモットーにする同大学だが、伝統ある出版局のE-Bookへの取組みはかなり慎重だ。 [全文=♥会員] [ 続きを読む ]
シェイクスピア全集のiPhone/iPadアプリの最新版(3.2.1)がReaddle Inc.からリリースされた。同社とPlayShakespeare.comの共同プロジェクトによるもので、真贋不明の作品を含めて、41篇の戯曲、154篇のソネット、6篇の詩を収録し、同時に全集には不可欠なコンコーダンス(語句索引)、用語集が付いており、さらにデジタル版ならではの様々な機能がサポートされている。このアプリは無償でiTunesからダウンロードできる。有償版のShakespearePro (1.5)は$9.95。
経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」(緊デジ事業)の本申請が5月9日から開始された。実務を担当する出版デジタル機構が8日に行った説明会の内容がITmediaのeBook Userに紹介されているので、同記事およびUstreamの動画放送録画をもとに、今回明らかにされたデジ機構のビジネスモデルについてコメントしていきたい。これでEPUB排除(ガラパゴス救済)という本事業の性格が明らかになった。最初は「制作コスト」タダで、3年間20%という驚異のビジネスモデルも。 [ 続きを読む ]
4月にスタートしたばかりのカナダの出版社Bookkus Publishing(以下ブッカス)は、一般参加のクラウド・ソーシング(CS)を取り入れた出版プログラムを始めた(→リリース)。候補作を読者に公開し、一定数の評者から価値ありと判定された作品を編集・制作・出版(E-Book→ペーパーバック)に回すというシステム。落選作にもフィードバックが得られるので、書き直しして再挑戦することも可能。プロでも見落とすことが多い、潜在的なヒット作品をCSで発見し、自主出版と商業出版の間を埋める試みだ。もちろん、SNSによるプロモーション効果も期待している。 [ 続きを読む ]
サイモン&シュスター社(S&S)は、量販ペーパーバックのPocket StarをE-Book専門ブランドとして立ち上げることを発表した(PW, 5/7)。1939年創始のPocketBooksの伝統を継ぎ、話題性のある大衆向けの小説、恋愛物、スリラー、ミステリ、都会風ファンタジーなどのジャンルをカバーするが、新旧タイトルの両方を扱い、大部分をオリジナルとすると発表している。デジタルの浸透に伴うフォーマットの再編成が進んでいる。ポケットのルイーズ・バーク副社長は、デジタルのメリットを活かし、E-Bookがこれまでの量販本と同じ役割を、より効果的に担うことを期待していると述べている。 [全文=♥会員] [ 続きを読む ]