iBooks Authorを中心としたアップルのiBooks 2戦略は、2つの面を持っている。今日の教育に不可欠なマルチメディア・コンテンツを作り、出版する武器を万人に開放するという啓蒙的側面と、出版はiBookstoreを通じなければならない(iPadを使え)という専制的側面だ。「啓蒙的専制君主」としての故スティーブ・ジョブズの面目躍如とした遺産なのだが、これを受け容れるかどうか、われわれも選択を迫られている。ここでは問題を7つにまとめ、筆者の答を示す。 [ 続きを読む ]
マクルーハン流に言うと、印刷本はホットメディアだが、電子本は必ずしもそうではない。電子ファイルは環境によってホットにもクールにもなるが、一般的にはコンピュータで操作されるクールなものとして、その他多くのものと並んで存在する。そこではコンテンツが独立した(つまり作品性を持った)商品としての魅力を十分に発揮することはできない。E-Bookビジネスの最大のチャレンジは、いかに「ホット」を視覚的、機能的、サービス的に実現するか、ということにあり、そこに付加価値や競争力(つまりはお金)が存在するように思われる。ではコンテンツ(読者、ひいては出版ビジネス)を熱くさせる環境とは何だろうか。(写真=顔真卿「多宝塔碑」部分、752) [ 続きを読む ]
どうやらアップルは意外に早く、次の一歩を踏み出した。つまり、iPadの拡販からApp Storeの収益拡大への重心の移行ということだ。1,000万台に達したiPadは世界の出版社に大きな期待を抱かせてきたが、10ヵ月足らずの「試用期間」を経てアップルが出してきたのは、iPad (iOS製品)をプラットフォームとして利用する場合の厳しい条件と見積だった。iPad(が汎用デバイスであること)を前提にE-Bookビジネスを構想してきたプロジェクトは、再検討を迫られる。今回の「事件」の影響と日本のE-Bookビジネスの対応について考えてみたい。 [ 続きを読む ]
B&Nの新製品NOOKcolorが米国で売れている。出荷台数は、1日に1万8,000台とも言われるが、$249という価格、タブレットリーダというカテゴリー初の製品化であることを考えると、この数字は「10月からの70日間で“数百万台”」というKindleと比べても遜色ないものと言える。多くのメディアや専門家のブログのテストでも推薦を得ることが出来た。2010年は「Kindle vs. iPad」で幕を開けたが、われわれの予想通り、マーケットの違いが鮮明になり、競合することはなかった。それに代わって「Kindle vs. NOOKcolor」が、年末に浮上してきたことになる。(全文=♥会員) [ 続きを読む ]