「分散コンテンツ」とは何か

先週号で、すでに動き始めた「分散コンテンツ」のビジネスと市場についてご紹介したが、じつはこの言葉は、登場以来10年以上も説明困難な状態のままである。なぜかを考えつつ、筆者なりの暫定的な説明をしておきたい。これこそが21世紀のコンテンツ/メディア・ビジネスの最大のキーワードとなると思われるからだ。 … [Read more...]

キーワード解説:クラウドファンディング

一般的な解説はほかに譲って、ここでは「出版」に限定してお話ししたい。というのは、ファンディングへのニーズは普遍的で種々雑多だが、出版におけるニーズには特有のものがあるからだ。本誌はデジタル出版でクラウドソースへの新しいアプローチが目立っていることに注目している。これは自主出版と並ぶ21世紀のトレンドとなるかも知れない。ということで…。 … [Read more...]

キーワード:オーディエンス

欧米の出版ビジネスの世界で「オーディエンス」という言葉が頻繁に使われるようになったのは、やはりインターネット時代に入ってからのことだ。これはメディアの変化により、出版と読者を再定義する必要から生じたもので、デジタル時代の出版を理解するための最も重要な鍵といえる。 … [Read more...]

出版のサービス化

アマゾンが主導した商業出版のサービス化、つまりデジタル・マーケティングを通じた顧客指向は、出版界全体を覆いつつある。米国の出版社がメタデータに取組んでいるのにも驚くし、日本のKADOKAWAがサービス主体としての姿勢を鮮明にしたのも画期的だ。これは重要なステップで、最も顧客志向が必要とされる分野、つまり雑誌、教育出版、企業出版等々、あらゆる出版に広がることにつながる。 … [Read more...]

エンゲージメント・マーケティング

「人間はみずからつくるところのもの以外の何ものでもない。」(サルトル)エンゲージメント (engagement)という英語は、約束や契約のほかに、用事、仕事、債務など様々な意味を持つが、いずれも能動的(自発的、継続的、意識的)関与という契機がコアになっている。その昔、哲学者のサルトルが日本の自称インテリの間に流行させた「アンガージュマン」も同じだと言えば、一驚される方もいるだろう。これがマーケティングに使われるとはね。 … [Read more...]

「打倒アマゾン」「自炊業者撲滅」…

北朝鮮の連発する「無慈悲」「鉄槌」「火の海」といった言葉がTwitterで妙なブームになっているそうだ。「無慈悲な休日出勤による徹底的な残業が行われるだろう」とか、言い換えを競うセンスはなかなかのものだ。他方、出版の世界にも近年、かなり殺伐とした言葉が飛び交うようになった。楽天・三木谷社長が「打倒アマゾン」を叫べば、一部出版関係者が「自炊代行業者撲滅」を唱えるなど、どうやら暗く鬱屈した気分を晴らすカゲキ表現が好まれる時代になってきたのかも知れない。 … [Read more...]

ソーシャルリーディング

出版はもともと社会的 (public)な行為なのだから、読み方も社会的にされて不思議はない。実際、本が貴重だった近代以前は「音読、共有」が読書の基本であり、したがって知識空間を共有することが出来ていた。近代以後はもっぱら「黙読・孤読」が基本になったが、以後人々は「どう読んだか」よりも「何を読んだか」を気にするようになった。共有されないのは、出版社には嬉しいだろうが、本の数が増えすぎてしまうと、そうも言っていられなくなってきた。マーケティング費用が嵩むのだ。 … [Read more...]

E-Book再販売あるいは中古コンテンツ

'used' といっても、書き込みはもちろん、蔵書印や手垢がついているわけでもない。データが欠けたり増えたりするわけではない。出版社はコンテンツが中古市場に流れて再販売されることを、ある意味では海賊版以上に怖れた。だからKindleのサービス開始にあたって、DRMで鍵をかけ、販売するのは利用権だけで、購入者に限定されることを条件とした。この販売方法は、5年を経たいま転機に立っている。今年中には中古市場が解禁されるという見方もある。日本のわれわれも現実的な問題として考えたほうがいい。 … [Read more...]

デジタル・ファースト:新事業か出版の未来か

デジタルコンテンツの販売を先行させる出版形態だが、その意味するところは浅くない。「デジタル」をどのようなものと認識するかで対応も異なってくるからだ。これは出版における例外なのか、補完なのか、それとも未来形なのか。2007年以降5年間のデジタル革命の展開をみてくれば、すでに例外ではあり得ない。そして印刷がもはや21世紀の出版需要に応えきれない以上、それは明日と考えるほかないだろう。写真/カメラのように。 … [Read more...]

ISBN=国際標準図書番号はどこへ行くか

世界的に通用する本のIDはISBNというものがあり、氏素性を明らかにすることから商業出版物では必須とされてきた。この認証番号がないと扱わないストアも少なくない。しかしこのシステムが大いに揺らいでいる。デジタル時代になって出版者の数、出版物の数と形態が大きく様変わりし、これまで書店と図書館だけだったユーザーも変わってきたからだ。そもそも本のアイデンティティが揺らいでいる。 … [Read more...]

本の「見つかりやすさ」と「見つけやすさ」

本誌記事を理解するためのキーワード解説を行っていくシリーズの第1回。昨年ごろから、米国を中心に、コンテンツ・マーケティングの一大テーマとして 'Discoverability'という言葉が浮上してきた。日本では「見つけやすさ」と訳されることが多いのだが、本誌は「見つかりやすさ」としている。この両者は似て非なるもので混同されやすい。テクニカルタームなので、少々勉強しさえすれば難しいことはない。何が問題なのか、どう違うのかについてお話してみたい。 … [Read more...]