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Weekly Review: Vol.2, No.4, 10/13/2011

汗水流した人には不謹慎な言い方だが、出版業界にとってEPUB 3はまったくの僥倖だった。本来こうした標準は、最大の受益者でユーザーである出版関係者が自分たちの要求を集め、整理するところまでは参加するのがスジなのだが、日本語組版問題という迷路に挑んだ少数の人々の活躍のおかげで、いわば棚ボタ式に、EPUB 3というE-Bookの新しいパラダイムに乗ることが出来たのだ。おかげで総務省も、最小の投資で最大の成果を得て面目を保った。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: Vol.2, No.3, 10/06/2011

Kindle Fireが登場した先週に比べ、静かな1週間だと思っていたら、「ジョブズの死」という衝撃が待ち受けていた。アップルに復帰して以来の鬼神のような姿 に、先が長くないことを感じていたが、やはり重い。20世紀にはこういう「重い」人はけっこういたのだが、ITの世界ではほかに記憶にない。

筆者自身は、自己愛的人物をあまり好きではないが、アレキサンダー大王やグスタフ・マーラー、そして彼のように、エキセントリックな性格と超人的能力、そして生い立ちや時代が、自己愛を英雄的・人類的偉業として昇華させる方向に働くことは稀にあり、それは評価しないわけにはいかない。実業界ではハワード・ヒューズ以来の映画向きの異才だったと思うが、とりあえずヒューズのような最期でなくてよかった。合掌。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: Vol.2, No.2, 9/29/2011

9月の最終週はアマゾンの新製品発表で慌しかった。短時間に多くの情報を頭に詰め込むと疲れる。今回はiPadの発表時より疲れた。アマゾンの発表は、深く読み込まないと意味が分からない。すべての製品/サービスが、単独の事業ではなく、物販を含めたアマゾンの事業の中で位置づけないと理解不能だからだ。だから、タブレットでいえば、製造原価がビジネスモデルを知る手がかりとなり、クラウドが提供する機能がパフォーマンスを評価する手がかりとなる。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: Vol.2, No.1, 9/22/2011

「電子書籍の世界規格上陸、国内出版界は正念場」という新聞の見出しで驚いたのだが、EPUBは日本の市場のニーズを反映すべく、日本のメンバーによって策定されたもので、外国勢力の日本攻略の武器として「上陸」するものではないし、ましてそれによって出版界が正念場を迎えるようなものではない。それに、EPUB 3は5月23日の「提案仕様」で事実上確定しており、ツールやアプリの開発者はすでにそれを前提に開発を進めている。いい加減に大時代な表現は止めて欲しいものだ。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: No.52, 9/15/2011

印刷本の減少は、書店の減少、図書館(利用者)の減少、読書層の減少と結びつく可能性が高い。E-Bookの急成長を印刷本の減少に直結させないための方策を考える必要があるだろう。日本のように、E-Bookの価格を高くするというのは、かえってコストを膨らませるので、選択肢としては最悪だ。デバイスが普及した以上、価格低下を長期間止めることは不可能だ。「高い」本はあからさまに売れなくなり、「高い」出版社は存在感を薄くしていくからだ。年内に答えをみつけたい。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: No.51, 9/8/2011

40周年を祝ったばかりのProject Gutenbergの創始者、マイケル・ハート氏が9月6日、イリノイ州アーバナの自宅で死去した。享年64。活版印刷術の父をグーテンベルクとするなら、ハート氏はE-Bookの父と呼ばれる資格がある。「電子出版」は様々な形で存在したが、最終的にインターネットを使ったものが出版の歴史を変えることになったからだ。そしてそれを行ったのがハート氏だった。イリノイ大学の学生として、1974年7月4日、米国独立宣言をタイプで打ち込んでアップして以来、彼の生涯は人類の活字遺産を誰でも利用できるものにすることに捧げられた。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: No.50, 9/1/2011

「アマゾン・タブレット」発売前の騒ぎもいよいよ大詰め。その「登場」じたいが大きな話題になるという点では、iPadと似ているが、製品仕様や機能ではなく、売り方にのみ関心が集まるという点では空前のことかもしれない。今週はフォレスター社のよいレポートが出たので、これを下敷きにして、アマゾンの戦略を考えてみた(1)および(3)。しかし、アマゾンに技術がないわけではない。それどころか、最も効果的にビジネスに組込んでいるという点では、アップルを除いた「ハイテク企業」が遠く及ばない。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: No.49, 8/25/2011

本誌は米英以外の市場も重視しているが、今回はロシアを取上げた(1)。ウクライナのPocketBookを中心にE-Readerの販売数が急増し、政府が電子教科書普及に力を入れていることを示すニュースがあったからだ。ロシアのメディアの記事はGoogle Translationで何とか読めるので、複数の情報源をチェックできる。日本では政治の停滞で「熱」が冷めてしまったようだが、市場を一変させる要因であることは間違いない。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: No.48, 8/18/2011

Magazineを始めてまもなく1年になる。デジタルパブリッシングの最前線の知識・情報を、独自の視点で分析的に提供しつつ、それを生かしたメディアを創っていこうという趣旨なのだが、前者については、なんとか休みなしに続き、判断ミスもそうなかったので及第点、後者については「2.0」レベルとしてはお粗末で、Webから複数のオフライン版(PDF/EPUB)を半自動的に生成するしくみがまだ出来ていないので30点くらいか、と考えている。あと1ヵ月で50点くらいにはもっていきたい。 [ 続きを読む ]

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Weekly Review: No.47, 8/11/2011

呆れられそうだが、筆者が2年前、再び電子出版に関わろうと思ったのは、デジタルによって本の可能性が(ビジネス的・内容的・機能的に)広がるからだ。そのことは理論的に証明可能であると考えてForumを立上げ、本の世界の拡張について議論してきた。しかし、当然ながら理論で納得する人は少ない。Kindleのひと押しで始まった米国のE-Bookビジネスの数字に注目してきたのだが、伝統的な産業統計はあっても市場を構造的・動的に把握できるシステムはなかった。このほど発表されたBookStats 2011は、それ自体が待望久しいものだが、内容も歴史的なものとなった。

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