コンテンツとテクノロジーの対話:(5)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(1)

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要求が定義され、機能の仕様が合意され、標準が出来る。その後に実装製品が出てくるのだが、ソフトウェア標準の開発者がまず覚悟しなければならないのは、標準化に対価は得られず、よい標準であれるほど、その機能はデフォルトとなり、早晩商品価値を失うということだ。人類に火をもたらしたプロメーテウスの運命。EPUB 3の日本語組版をわれわれはどう生かすべきなのか。海外に出て行くか、日本に入ってくるのを待つか。時間はそうない。(編集子解題) … [Read more...]

EPUB戦記・ノート(4):EPUB vs. XMDF

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第1回では「筋書きが気になる」というコメントをいただいたが、これは筆者も同様だ。プロジェクトX風に、挫折を見た「男たち」が立ち上がり、壁を乗り越えて縦書を「世界」に認めさせ、めでたしめでたし、というドキュメント風フィクションの型は趣味ではない。このテーマにはいくつものコンテクストがあり、それによって緊張が生じ、バトルが生まれた。その過程で見えた日本社会の問題(技術的停滞と閉鎖性回帰)と、それを未来へ向けて変えていく力についてこそ書きたいと考えている。ここでは2つのコンテクストについて述べる。 … [Read more...]

EPUB戦記・ノート(3):E3Jにとっての壁とは

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E3Jプロジェクトの成功にはかなり謎が多い。メディアがほとんど取り上げなかったので情報が乏しい。フロックなのか、それとも日本人の国際標準化への関わりに新境地を拓いたものなのかを明らかにすることは、この 企画の最大のミッションだと考えている。自他ともに「特殊」とされてきた縦組を、どうやって国際標準の本体に入れられたのか、そして大企業や業界や国の支援もなしに出来た背後に何があったのかということである。もしかすると、なかったからこそ成功した可能性も含めて。 … [Read more...]

EPUB戦記・ノート(2):ユニコードとEPUB

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日本において、EPUB問題はユニコード問題と深い関係がある。ユニコードはEPUBの前哨戦であり、その結果がE3Jに与えた影響はとても大きかったと思われる。文字は組版の土台をつくる積み石であるというだけでなく、ここでの一種の「社会的体験」が、標準化のステークホルダーたちに現実的な行動をとらせたのではないか。証明は簡単ではないが、関係者に補足していただくことを期待して、ここで問題を提起しておきたい。 … [Read more...]

EPUB戦記・ノート(1):はじめに

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『EPUB戦記』というたいそうな表題の本を書くことになった。筆者は、EPUB3が異文化コミュニケーションの歴史に残るイベントだったと考えているが、EPUB3に縦組を含む日本語組版仕様拡張を盛り込むことに成功した人々の苦闘の跡を記録し、様々なコンテクストの中で、その意味を理解する材料を提供したいという趣旨で取り組んでいる。異例だとは思うが、出版とはコミュニケーションの一部であるとの理念を実践するため、この連載へのフィードバックをいただければ幸い。(鎌田博樹) … [Read more...]