歌田明弘氏の連載ブログ「ネットと広告経済の行方」。最新記事では、これまでの論旨展開を整理しつつ、コンテンツの「有料 vs. 無料」問題に関して「広告経済」優位の潮流は変わらない」という見通しを述べている。その先が知りたい。 (WIRED VISION、1/18/2010)
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「『広告経済』の潮流は変わらない」 〔歌田明弘の「ネットと広告経済の行方」〕、WIRED VISION、1/18/2010
Googleのメタ (帝国型)統治システムは確立するか
モノがなければ何も存在せず、エネルギーがなければ何も起こらないが、存在や運動に意味を与えるのが「情報」である限り、その情報を誰が握るかで経済社会の覇権が変わる。情報がデジタル化されて物理的実体から独立したことで、コンテンツとコンテクストは引き離され、旧「メディア」は覇者の地位を失い、覇権は「メタ情報」の管理者たる検索エンジン (広告経済)へと移行した。モノづくり企業は、直接ユーザーと接点を持つメガストアに価格決定権を奪われている。歌田氏の見る通り、たしかに広告経済によってデジタル経済が成立し、モノ(やコンテンツ)の生産スタイルは少なくともその影響下に入った。
さて、メタ広告のGoogleと、メタ小売のアマゾンに2極化したデジタル経済は、そこで安定するのかしないのか。モノ (コンテンツ)づくり企業は、直販モデルによっていくらかでもコンテクストを取り戻せるのか。広告における1極支配(つまり帝国的統治)は可能なのか? 一休みしないで、歌田氏に引き続き書いていただきたいテーマである。 (1/18/2010)