朝日新聞オンライン版によると、Googleの電子書店であるGoogle Editionsの提供が今秋までに、日本を含む10カ国で開始されるという。Google幹部(トム・ターベイ戦略提携担当D)がインタビューで述べたもので、合計で200万冊規模。同記事によると、「日本国内では、『複数の大手出版社が前向きになっている』(同社日本法人の担当者)という」とのこと。PHP研究所は1000タイトル程度を用意しているという。これでやっと「ふつうの本」が読めるようになるか。
記事リンク
「グーグル電子書籍、日本でも秋ごろ販売へ」 by 赤田康和、Asahi.com、2/24/2010
Google Editionsは昨年10月のフランクフルトブックフェアで発表されたもので、その際には2010年の前半、50万冊規模、とのことだったので、かなりスケールアップしている。発表時点では、出版社とGoogleの配分は「63:37」となっていた。おそらくこれは7:3に変更するのではないかと思われる。Nookやスマートフォンを含むAndroid端末などが広くターゲットとなると思われるが、200万冊が学術系既刊本を揃えるようならPCも対象となるだろう。
この記事で注目されるのは、もちろん「複数の大手出版社が前向きになっている」ということ。Google Editionsだけに独占供給ということは考えられないので、出版社にとっては、Kindleや(もしその気があれば)ソニー製品も新しい「書店」の候補として浮上する。つまり秋にはどうにか日本市場も形がつくようになるという見通しが立ちそうだ。この市場はまずモノが揃わないと始まらないので、その意味で今秋が日本の「元年」のスタートなる。(02/25/2010)
参考
「グーグル、オンライン書籍販売を2010年前半に開始か」 by Lance Whitney, CNET Japan、10/16/2009