アマゾン・タブレットがベゾスCEO自身のインタビューで確証された。次の注目は時期、価格、中身、ビジネスモデルになるが、そこでまた新しい噂が生まれた。タブレットは最初から5~7機種。しかもスマートフォンを含むことになるというのだ。Android情報ブログを発行し、NY Timesにもコラムを書いているテイラー・ウィンバリー氏は、アマゾン関係者を含む内部情報に基づいて、6型から9.7型までのタブレットと4型のスマートフォンを予想している。少々高いMirasolディスプレイ使用機と低価格のLCD機を各2種づつ出せばすぐに数機種にはなる。
噂は昨年からあった。Android技術者を200名近く採用したことが伝えられて以降、具体的な情報は伝えられていなかったが、裏情報を嗅ぎ分ける能力では定評あるピーター・ロハス氏が「サムスンが試作機を納めた」ことで再び火がついた。台湾のDigiTimesは「受注したのは台湾のクァンタ」と報じ、ほどなくコンシューマ・リポート誌での「そのままでお待ちください(Stay Tuned)」というベゾス氏の言葉で、少なくともリリース予定であることだけは確認された。あとは時期、中身と価格、そしてビジネスモデルだ。ベゾス氏は「それ」が読書専用機としてのKindleと共存するものとなると述べた。つまりカラーを必要とするダイナミックなコンテンツの再生が中心ということだ。
OSがAndroid(おそらく3.0以前のバージョンの改造版)でほぼ決まりである以上、ハードウェア的には表示技術とサイズが最大の注目となる。ウィンバリー氏は、アマゾンが複数の選択肢を用意すると見ている。そしてフロントライト・タイプの新技術である、クァルコム製のMirasolとPixel Qi社製の同名のパネルが候補に入っており、前者が含まれる可能性が高いという。価格、色彩、消費電力、屋外使用という点でLCDと違う性質とトレードオフを持った製品が入るかどうかで、“シリーズ”の印象はかなり違ったものとなる。しかし、年末までにMirasol製品が登場する可能性は低くないと思う。なおタブレットの仕様とビジネスモデルの推定についてはMagazineに書いた下記の拙稿を参照のこと。 (05/15/2011)
参考記事
- Will Amazon make a tablet? ‘Stay tuned,’ says Jeff Bezos, By Paul Reynolds, Consumer Reports.org, 05/11/2011
- On the Lookout for an Amazon Tablet, By Nick Bilton, NY Times.com, 05/13/2011
- Rumor: Amazon has an “entire family” of Android devices coming this holiday, By Taylor Wimberly, Android and Me, 05/13/2011
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- 「無料もあるアマゾン・タブレットの衝撃 (♥)」 、鎌田、EBook2 Magazine、05/05/2011
- 「Kindleエコシステムとビジネスモデルの全貌 (前編)」、EBook2 Magazine、05/12/2011
- 「Kindleエコシステムとビジネスモデルの全貌 (後編) (♥)」、鎌田、EBook2 Magazine、05/12/2011