iBooks Authorを中心としたアップルのiBooks 2戦略は、2つの面を持っている。今日の教育に不可欠なマルチメディア・コンテンツを作り、出版する武器を万人に開放するという啓蒙的側面と、出版はiBookstoreを通じなければならない(iPadを使え)という専制的側面だ。「啓蒙的専制君主」としての故スティーブ・ジョブズの面目躍如とした遺産なのだが、これを受け容れるかどうか、われわれも選択を迫られている。ここでは問題を7つにまとめ、筆者の答を示す。[全文はE-Book2.0 Magazineにて公開中です]
啓蒙的専制君主」の遺産
iBooks Authorのすばらしさについてだけは、あまり論じる必要はない。すでに紹介は次々に書かれている。超一流のデザイナー、エンジニアが関わって推敲を重 ねた成果であることは一見してわかる。10万円を投じる価値は十分にあるし、プロ用として100万円で出してもかなり売れるだろう。しかもタダ…だが、そ れこそが問題なのだ。アドビは胸を撫で下ろしたかもしれない。
先にiBooks Authorのデモを見てしまった筆者は、10年ぶりにMacを買う気になって値段をチェックしたほど。でも「Mac買うだけで勘弁してくれるはずはない よな」と思い返して詳細情報に目を通すと、やはり「あった」。この「武器」で作ったコンテンツを売れるのはiBookstoreだけ、という条件付だった のだ。iOSルール(別名アップル課税)がHTML5で無効化できることが証明された現在、アップルは新しい城門を必要としていた。iBooks Authorには、武器をアップルに向けないような仕掛けがあったわけだ。こうした措置への好悪、当否を論じるのが本稿の目的ではない。とりあえず問題を 摘出しておこう。これらの問題に対しては、今年中に市場からの解答が得られるだろう。
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