アマゾンCreatespaceは、Kindleエコシステムにおいて戦略的に重要な部分を受け持っていた。それは、デジタル中心のプロセスと市場においても、印刷本の提供が持続可能であることを保証するものだ。読者のニーズをよく理解していたアマゾンは、印刷本の制作システムの現代化に本気で取組んで、ほぼ完成したと思われる。 ... [続きを読む]
Book Industries
アマゾンは20年で出版の何を変えたのか?
Wall Street Journal (WSJ)紙で出版を担当するジェフリー・トラクテンバーグ記者が「業界勢力図を塗り替えるアマゾンの書籍出版」を総括した記事 (01/16)を書いた。日本語版 (01/17)にも掲載されたのでぜひ一読いただきたい。出版者としてのアマゾンを「無名の本を必読書に押上げることのできる比類ないショーウィンドー」という紹介だ。 ... [続きを読む]
プロジェクト指向出版:(5)なぜ、いまなのか
情報コモディティの生産と流通としての出版ビジネスは、オンラインが圧倒的に有利であり、アマゾンの優位はそこにある。しかし書店に引き籠っていてはグーテンベルク出版の最後の日を待つばかりだ。出版の主導性は、コモディティを超える社会的価値としての「大きな目標」を訴求し、実現する能力に懸かっている。 ... [続きを読む]
プロジェクト指向出版:(4)価値からの再出発
サービスに使われることなく、使いこなすには、出版の目的を明確にし、達成しなければならない、というわけで本題に入る前にサービスについてしつこく述べてきたわけだが、理解いただけたかどうか。しかし出版が何のために存在してきたかを、いまほど痛切に感じられる時はない。目的さえ明確であれば、プロセスはコントロールできる。 ... [続きを読む]
プロジェクト指向出版:(3)サービス化を超えて
デジタル(=サービス化)によって出版のエコシステムは一変しようとしている。出版に限ったことではないが、この転換には非常な痛みが伴う。出版における伝統的な仕事の価値観に多少とも浸し、そして様々な分野でのサービス化の現場を目にしてきた身としてはつらいものがあるが、出版を未来につなげていくために可能なことを考えるしかない。 ... [続きを読む]
プロジェクト指向出版:(2)サービスのデジタル化の進展
「サービス」の説明をとばしてプロジェクト/プロセスの話をしたいと思ったが、出版におけるサービスの性格はとても複雑で、しかもデジタルによってサービスが変容したことが出版の変化をもたらしているので、そこの理解が共有できないとプロジェクトが重要といったところで具体論には進めない。そこでしばし寄り道するのをお許しいただきたい。 ... [続きを読む]
プロジェクト指向出版:(1)コンテンツからサービスへ?
出版社にとって「版」は打ち出の小槌であり、それがプロダクトとしての本を生み出していた。しかし、いま版は確かな実体を失い、コンテンツもあまりに頼りない。多様な価値を読み取り、コントロールすることで出版の姿を変えている「サービス」は、しかし出版の中心主体にはなり得ないだろう。では、21世紀に本をつくりだす力は何なのだろうか。 ... [続きを読む]
「ぼくらの時代」の年代記を読む
さきに『ぼくらの時代の本』を上梓されたクレイグ・モド氏にインタビューさせていただく機会を得た。話の中身をご紹介する前に、この多面的な魅力を持つ「本とその出版」を筆者がどう読んだかを先に述べておくべきだと考えた。本はつくられ、出版され、のちのち読まれることで意味を持ち続ける。この転換期に、日本でこういう本が出たことをよろこびたい。 ... [続きを読む]
出版最強メディア論(2):マスの終焉と文字の復権
設備産業としての20世紀型(=マス)メディアの優位が終わったことは、本質的にマスとしては中途半端な出版にとって、積年のコンプレックスを払拭する機会を与えている。この機会を利用するためには、マスメディアの最後尾ではなく、Webメディアの最先端に鞍替えする必要がある。そんなに難しいことではない。もともと設備は持っていないのだから。(鎌田) ... [続きを読む]
最強メディアへの道(1):デジタル化戦略
本フォーラムは、情報共有のレベルを<問題意識→論点→課題→目標…>と高めつつ、具体的なイニシアティブにつなげることを意図している。これまで多くの方に読んでいただいた「最強メディア」論(1)-(3)は、大まかではあるが、問題意識の共有を進める上で役に立ったと思われる。そこで次に解決すべき課題の確認に進みたい。コメント大歓迎。(鎌田博樹) ... [続きを読む]