設備産業としての20世紀型(=マス)メディアの優位が終わったことは、本質的にマスとしては中途半端な出版にとって、積年のコンプレックスを払拭する機会を与えている。この機会を利用するためには、マスメディアの最後尾ではなく、Webメディアの最先端に鞍替えする必要がある。そんなに難しいことではない。もともと設備は持っていないのだから。(鎌田) ... [続きを読む]
Log Book
最強メディアへの道(1):デジタル化戦略
本フォーラムは、情報共有のレベルを<問題意識→論点→課題→目標…>と高めつつ、具体的なイニシアティブにつなげることを意図している。これまで多くの方に読んでいただいた「最強メディア」論(1)-(3)は、大まかではあるが、問題意識の共有を進める上で役に立ったと思われる。そこで次に解決すべき課題の確認に進みたい。コメント大歓迎。(鎌田博樹) ... [続きを読む]
出版最強メディア論 (1):絶滅危惧種に非ず
デジタルを奇貨として、出版はメディアの覇者となることができる、と前から主張してきた筆者だが、世界の大物出版人が、凋落する新聞、苦闘する雑誌を尻目にデジタル化の「勝利宣言」を発したことは重大だ。何が起きているか、また何をなすべきかが見えたことを意味しているからだ。このことをいま理解することは、決定的な意味を持っている。(鎌田) ... [続きを読む]
プレ・グーテンベルクの復興(3):デジタルによる統合へ
メディアの危機ー(4):危機の本質
メディアの危機ー(3)デジタル情報空間の分離
メディアの商業的価値は、伝統的に情報の大量複製/配布にあり、その地位は手段とともに揺るぎないものだった。デジタルは紙と電波の価値を相対化し、既成メディアを窮地に立たせている。しかし、コンテンツを人質に、かつて優越的地位を約束した手段に引き籠るという対応は、この時代には自滅を選択したに等しい。なぜそうなるかを考えてみよう。【連載第3回/鎌田博樹】 ... [続きを読む]
メディアの危機ー(2)知識コミュニケーションと出版
メディアはフルデジタルとなることで、リーチ・サイズを競ってきたゲームの性格を変えた。ユーザーのコンテクストを知ることから、柔軟で、持続的で、多様なビジネスモデルが生まれる。すでに社会がWebを通してそれを知ってしまった以上、既成メディアにも止めることは出来ない。それを無視して従来の方法を通そうとすることから消滅の危機が現実化する。【連載第2回/鎌田博樹】 ... [続きを読む]
メディアの危機ー来るべき再編に向けて (1) 序
社会はコミュニケーションで成立している。手段がデジタルとなってもそのことは変わらない。しかし出版あるいはメディアビジネスの形は一変する。デジタルには記録・伝送・表示以外のことができるからだ。変化を促す力と変化に抗する力のバランスは、日本においても確実に変わろうとしている。好悪の問題ではなく、後者からはビジネスの機会が失われつつあるからだ。【連載第1回】 ... [続きを読む]
プレ・グーテンベルクの復興(2):読書環境
紙の上に書かれたものに価値があるのは、それを読むことを通じて知識や表現の持つ意味が伝わる場合だ。グーテンベルク以前の書物は、それを扱う様々な文化的行為によって、今日では容易に想像できないほどの力を持ち得ていた。モノとしての本が相対化されることで、読むことを中心とした新しい環境が見えてきたが、それは偉大な伝統の復活の可能性を告げている。(鎌田博樹) ... [続きを読む]
プレ・グーテンベルクの復興(1):はじめに
「グーテンベルク以前の書物のための仮想読書環境の構築」という筆者のアイデアが、今年のフランクフルト・ブックフェアの Digital Publishing Creative Idea Contestで表彰された(→リリース)。本サイトでも取り上げてきた「和本プロジェクト」(Project Beyond G3)の最初の対外的成果である。発表内容について連載でご紹介してみたい。(鎌田博樹) ... [続きを読む]