E-Readerは機能でもあり、スマートフォンでもタブレットでもネットブックでも、もちろんPCでも利用はできるし、ユーザーもそちらが多いわけだが、"My Amazon"としての Kindle端末が、専用ブックリーダとE-Bookの市場を創造したことは、なおE-Reader市場を考える際の重要なポイントだ。Kindle端末はガジェットではない。ということは、Kindleが圧倒的な専用E-Reader市場は、独立したガジェット市場としては完全に成立していないことを意味する。(図はマイケル・ポーターのバリュー・チェーン・モデル) ... [続きを読む]
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E-Reader市場の裏側を読む (1)
E-Readerの市場予測が活発になってきた。市場は毎年2倍から3倍に拡大を続けており、たんなる「電子書籍端末」でないことも明らかになってきた。分類にもよるが、いずれ1兆円(100億ドル)を超えるという予測も非現実的とは思われていない。日本の富士キメラ総研という調査会社は今年950万台という数字を出している。しかし、こうした予測は初期市場の数字を反映したもので、E-Bookそのものもダイナミックに変化しつつある。数字に振り回されないような読み方を考えてみたい。((2)に続く) ... [続きを読む]
150ドルの高性能E-Readerを実現するAチップ
米国フリースケール・セミコンダクタ社 (Freescale Semiconductor)は3月2日、最新電子ペーパー技術をサポートする高性能E-Reader用の新アプリケーション・プロセッサ i.MX508 を発表した。「E-Readerの価格は、今年150ドルを切るだろう」と同社はコメントしている。最高で2048×1536画素のペーパーのレンダリングをサポートするチップが10ドルで供給されれば、Kindle DXや Plastic Logic (Que proReader)クラスの製品も半額程度になる。たんに「電子書籍端末」と言わず、汎用「ドキュメントリーダー」にとって、これは大きなニュースだ。 ... [続きを読む]
Notion Ink社製iPadキラー1号機が6月登場
iPad に欠けているものは、ハード的には沢山ある。USB、フラッシュサポート、そして電子ペーパー…。これがどうしても気になる人のための製品は、これから続々登場してくる。最も注目されるのは、電子ペーパーモードと、動画表示も可能なカラーモードを切替えて表示できるPixel Qi製デュアルモード・ディスプレイを使用、高速フラッシュ再生をサポートする機種。6月に登場するNotion Ink社のADAMは、純粋にハード的にみる限りiPadキラーという資格は十分だ。 ... [続きを読む]
Kindle vs. iPad (2):交錯するプラットフォーム
はしゃぎすぎというか、iPadについてはあまりに乏しい材料に対して、あまりに礼賛記事が多い。明らかにKindleを圧倒してほしい大手出版社の願望が混じっているようだ。こういう時は、事実を正確に評価し、同時にテクノロジーとビジネス、マーケットの3つの面から、iPadとKindleがそれぞれ何にチャレンジしているかを見極める必要があると思う。少々退屈かもしれないが、お付き合いいただければ幸いである。 ... [続きを読む]
Kindle vs. iPad (1):熱狂と困惑
iPadへの反応は、きれいに2つに分かれている。熱狂と困惑だ。前者はKindleに対抗する「メディアプラットフォーム」として期待し、後者は「ITガジェット」として欠ける部分を見ている。たしかに技術的には“大胆に”ハズしている。シングルタスキングでビジネスには使いようのない iPhone OS。Flashをサポートせず、USBもSDカードスロットもないダルマ状態では、現代のITガジェットに要求される水準から遠いというほかない。「Appleロゴがなかったら、給湯室の話題にもならない」というほどのものだ。 ... [続きを読む]
アマゾンがKindleオープン化へKDK提供
出版社ハーストのSkiffやアップル iSlate、Google Androidなど、“Kindle以後”のプラットフォームを目ざす動きが加速するなかで、アマゾンは1月20日、アクティブコンテンツを開発・アップロードし、Kindleストアで販売できるようにするための Kindle Development Kit を開発者に提供する意向を表明した。これはAPI (プログラミング・インタフェース)とツール、それにドキュメンテーションをセットにしたもの。来月には限定ベータ版をリリースする。 ... [続きを読む]
E-Reader 2.0:COPIAがなぜ「Kindleキラー」か?
本サイトと「2.0」についての考えを共有する「意力ブログ」の立入氏が、DMC Worldwide (NY)が“ソーシャルe-reading”を掲げて登場したCOPIAを紹介している。新世代の本を知的コミュニケーションのメディアとして捉える立場から、「ソーシャルネットワーキング」を重要な機能と考えているが、それは読書とコミュニケーションが一貫した環境として構築され、ユーザー体験として実現されて初めて意味を持つ。最初のチャレンジが出てきて嬉しい。 ... [続きを読む]
次世代ディスプレイ・ガイド
MobileRead が E-Ink 以外の電子ペーパー (e-paper)技術を、しろうと向けに分かりやすく紹介。Kindle、Sony Reader、Nook と現在の“3大プラットフォーム”はすべてE-Ink社が開発した (現在台湾のPVIが所有)同名技術を使用している。現在の市場の90%あまりかも知れない。しかしこれで終わりと思ったら大間違い。これからE-Inkは進化し、そのライバルとなる技術が登場する。ここではMobileRead を参考に、簡単にまとめてみた。 ... [続きを読む]
Skiff/Marvellが演出するニュースリーダ技術 (1)
日本でも雑誌協会が共通フォーマット、共同オンラインショップの構築に向けて動き出しているが、米国の新聞・雑誌業界は、E-Readerやタブレットなどに組込むチップとフォーマッティング環境の開発という、かなり先端的な開発に注力している。その裏方が、SkiffとMarvellの2社。有料にせよ広告にせよ、そのテクノロジープラットフォームが業界の命運を握っている。 ... [続きを読む]