最新号 August 26, 2021 ─ Vol.11 No.47, 通巻565号, IN THIS ISSUE
ポストWeb出版ビジネスの展望 (♥)
メディアは、コンテンツ・コンテナ・コンテクストをコントロールすることで読者に価値を提供するものである。印刷冊子本を基本とした書籍出版は、400年を超える歴史の中で、ビジネスモデルを固定化してきた。しかし、基本的には希少な資源を最大限に効率的に読者に販売して利益に結びつけるものだった。Webが登場して30年あまりの間に、出版はメディアそ…
Web出版:「仮想化」時代 (♥)
数百年の時を超えてこれまで「グーテンベルク出版」が出版社・書店とともに原型に近い形で生き残ってきたことは奇跡に近い。それは社会の産物であった以上に、むしろ情報活動における基準であったためである。本を仮想化したWeb時代の出版は、デジタルによって忠実に「仮想化」された「過去・現代」を再創造する自由と可能性を獲得した。[全文=♥会員] 工…
前号 7/29 (V11, N46) & 前々号 7/22 (V11, N45)
Kindle Vellaのゲームが開始
アマゾンは7月13日、連載小説プラットフォーム「Kindle Vella」をリリースした。かねて話題になっていたが、Tech Crunch, Engadgetの解説記事で評価されるだけのことはある。500字~600字の短編を読むのにアップルiOSで「決済」し、…
デジタルの「トリック」
本誌は通巻564号(年52号)を経ており、あまり実感を湧かないことも半端ではないが、それでもグーテンベルクの「記念」は軽いものではない。奇しくも2020年に、20世紀末にオーディオブックの発見したもう一つの出版空間はグーテンベルクに「銀河」を追加し多様化したと…
出版時代に怖れられた「終わりなき話」
無限と有限には接点がない。印刷出版は有限で、資源を消費し続けられず、本のテーマ、話のネタというものも無限にはない。出版する側も考える。しかしデジタルの本はあまり人気がないし、採算の問題もある。時代は悪夢幻的に続いたが、デジタルは神話的方法で問題を解いてくれた。…
アマゾンが重量級「オーディオ推理シリーズ」(♥)
シャーロック・ホームズのオーディオ・コンテンツのドラマ化を、アマゾンと北欧のStorytel が手掛けることになり、今年の話題となっている。原作やキャスティングからみても、これはオーディオ版としても意欲的な作品といえる。原作はTVのベテラン作家アンソニー・ホロ…
「永遠」だった出版の価値 (♥)
金属と油と紙による「グーテンベルク全盛時代」は過去となったが、人々の心の中で動く「グーテンベルク時計」は薄れてはいない。昔の駅には必ずあった、あの「時計」のようなものだ。カレンダーの最大の価値は、印刷と金庫と紙幣だったことが今にして分かる。そしておカネは数値情…
北京ブックフェア今夏開催
今年の夏の北京の国際ブックフェア(BIBF)は2021年8月25-29日、スマート(ハイブリッド)という変則的な方式で行われることが発表された。つまり、対面式参加人員3万人規模のものとオンラインで実質2億人ということである。この形式は、昨年から5Gを導入した最…
無声本から「トーキー」へ !?
米国に本拠を置くオーディオ出版社協会 (APA)は、6月1日に発表された年次報告書で、出版社のオーディオブック収益が昨年約13億ドルに増加したと述べた。これは12%の飛躍で、9年目の2桁成長と見なされる。この情報は、InterQ Research が実施した協…
Webの百の顔 (1): プラットフォームの創生
2020-21年の出版は、多くの「本」から「重さ」が消えたことで記憶されるだろう。もちろん、物理的なものは蒸発も消失もしたわけはないが、過去に経験した本との体験や心理的喪失は「重量」として相当なものだったろう。筆者も、自分の「喪失体験」を考え、回復の方法を皆さ…
新刊情報(紙・電子)
- hontoストア 新刊一覧 電子書籍新刊
- アマゾン 新刊・予約
- ブクログ 新刊ニュース
- e-hon 新刊ピックアップ
- Books 出版書誌データベース
- Rakutenブックス 本発売日カレンダー