2018年8月16日 第8巻48号 [通巻412号]|=会員記事(有料)|会員ログイン

AUGUST 16, 2018—Vol.8 No.48, IN THIS ISSUE—

ANALYSIS & COLUMN

トリツギは終わった?

米国出版界の悪夢が「B&N」なら、日本のそれは「取次」だろう。前者は消費者との関係で、こちらは配送と採算性という、存在の危機にあるわけだが、在来サプライチェーンでのボトルネックを占めていた点が共通している。つまり、印刷本販売における書店・取次の空洞化である。インターネットのないB2Cの空洞化と言ってよい。 … [続きを読む...]

NEWS & COMMENTS

Kindle インディーズ・マンガは上々のスタート

アマゾン・ジャパンは8月10日、「Kindle インディーズマンガ」の開始1ヵ月時点でのダウンロードが数十万回を達成し、既読ページ数が累計100 万ページ以上になったと発表した。この好評を受けて、無料マンガ基金の8月度の分配金を、前月度の1.5 倍の300 万円以上にすることを決定した。また「上位20名」としていた分配金の支給対象を増やす、としている。 … [続きを読む...]

B&Nリッジオ会長は「どこまでやる」?

Barnes & Nobleのレン・リッジオ会長(77)が、CEO解任の後初めて大手出版社の幹部を招いて説明会を開催した (WSJ, 08/10)。といっても内容は、懸念を深める出版社にとって疲労感を増しただけのものだったようだ。業績は下落を続け、説明なし、計画は示されずで、6年間で6人目となるCEOを待つ状態では、最悪の事態も覚悟しなければならないだろう。 … [続きを読む...]

FOCAL POINT

「マンガ図書館」が活字本の活用を実験 (1):絶版本

赤松健氏のJコミックテラス(メディアドゥ)が、実業之日本社の参加を得て「マンガ図書館Z」を絶版本に応用する実証実験を開始したと発表した。死蔵されている絶版本の電子化は、ビジネスモデルとの結びつきが得られず、ほとんど進んでいないが、海賊版マンガ問題で動き出すきっかけが与えられるかもしれない。瓢箪から駒。 … [続きを読む...]

先週号 PICK UP —August 9, Vol.8 No.47—

Kindle以後ノート (15):デジタルのゴール

Kindle/KDPが、米国で「自主出版」の爆発的拡大をもたらした時、これこそデジタルの結果だと確信した。しかし、その意味は分からなかった。無数の「著者」が産み出す「出版物」の洪水。ゼロはいくら足しても掛けてもゼロ…のはずだ。この考えを改めたのは5年以上を経てからだった。ゼロはやはり偉大だ。 … [続きを読む...]

「マンガ図書館」が活字本の活用を実験(2):ビジネス(♥)

絶版問題は、伝統的な出版ビジネスモデルの限界(つまりチャネルとしての在来書店とフォーマットとしての印刷本)を露呈していた。問題の中に利益機会(ビジネス)を見つけるという基本に忠実だったのはアマゾンで、Kindleが成功した最大の理由は、絶版本という、著者にとっての資源(関心事)に目を付けたことにあると筆者は考えている。[全文=♥会員] … [続きを読む...]

Kindle以後ノート (14):消えた道標

商品と市場の構造転換は、統計などのビジネスインフラに大きな影響を与える。流通(コマース)と商品形態(コンテンツ)が従来方式では計測できなくなるからだが、それだけなら新しいチャネルからデータを得ればよいだけのことだ。米国の出版においてその是正努力が実を結んでこなかったのは、チャネルごとの利害関係が複雑であったためだ。 … [続きを読む...]

コンテンツ市場の拡大 vs. 違法取締

欧州の学術研究機関がGoogleの支援の下に行った海賊コンテンツ被害調査(レポート全文)によれば、2014-17年の3年間で欧州の「窃書」は近年低下の傾向がみられ、規制よりも市場環境の整備によって問題が前向きに改善される傾向が示された。海賊は市場の未成熟によるもので、取締りは後進性を固定化すると考える本誌の主張を支持するように思われる。 … [続きを読む...]

メドピアがPubMed論文の日本語共有サービス

医療情報サイトを運営するMedPeer(メドピア)は7月30日、医師10万人が参加する同社サイトにおいて、PubMed論文の日本語による検索・共有サービスを提供する「JOURNAL」をリリースしたと発表した。多忙な日本人医師のアクセスには困難が多い国際的な大規模専門データベースの利用環境として注目される。 … [続きを読む...]

「マンガ図書館」が活字本の活用を実験 (1):絶版本

赤松健氏のJコミックテラス(メディアドゥ)が、実業之日本社の参加を得て「マンガ図書館Z」を絶版本に応用する実証実験を開始したと発表した。死蔵されている絶版本の電子化は、ビジネスモデルとの結びつきが得られず、ほとんど進んでいないが、海賊版マンガ問題で動き出すきっかけが与えられるかもしれない。瓢箪から駒。 … [続きを読む...]

CLIP BOARD

本誌で取り上げていないニュースや他メディアのE-Book情報を、毎週ご紹介しています。2017年 | 2016年 | 2015年 | 2014年
  • “売れない理工学書”積極的に出版へ――近代科学社、大学の研究者から広く原稿を募ってPODで書籍化 -8/8 Internet Watch
  • 8月8日:マイクロソフトとバーンズ・アンド・ノーブルが電子書籍ビジネスで協業していた?! -8/8 Internet Watch
  • 月のはじめに考える-Editor's Note 出版業界は沈みゆく泥舟なのか -8/6 マガジン航
  • バリューブックスは本の新しい生態系を模索する -7/20 マガジン航

会員向け記事より

KDPに新しい印刷本プログラム (♥)

米国アマゾンは7月10日、KDPを一般書店流通に拡大した新プログラム Expanded Distributionを発表した。これを使うことで、ペーパーバック書籍をオンライン、書店その他に配布できるが、著者の取分は小売価格 […]

アマゾンが目ざすマンガ市場の復興 (2):出版を超える (♥)

アマゾンのマーケティングは、コンテンツのオーディエンスが得る「体験価値」をもとに市場をデザインすることを特色としている。その起点となるのはクリエイターで、作品と読者とのグローバルな接触だ。スケールが大きい分、リスクは少な […]

「B2B時代」は終わった: B&Nに近づく終焉(♥)

Barnes & Noble (B&N)は7月3日、デモス・パーネロスCEOを「解雇」したと発表した。理由は明示されておらず、財務報告やそれに関連する背任など不祥事が理由ではないとし、ただ会社の「方針」に […]

Atavist買収で進化するWordPress(♥)

WordPressの運営会社 Automattic は7月1日、デジタル出版社の Atavistを買収したことを発表した。独自のコンテンツ管理システム(CMS)、顧客ベース、定期刊行誌 Atavist Magazine […]

米国SF市場に見る著者の選択(♥)

SFWAカンファレンスでのデータ・ガイの講演は、米国のSF出版がデジタルに移行し、在来出版での比重を落としながらも着実に成長していることを年間合計数字として示した。しかし、著者の生活はどうなったか。一人一人についてみると […]

「SF衰退」は錯覚:書店半減、デジ倍増 (♥)

米国SFファンタジー作家協会 (SFWA)が主催する2018年度のネビュラ・カンファレンスが開催され、AuthorEarnings (AR)を主宰するデータ・ガイが、SF(+F)小説市場の現況について注目すべき発表を行っ […]

チャットボットの課題:(2) 言語能力 (♥)

いくら未熟でも、AIは使わなければ実用に達することもない。疑似人格的AIの対話式インタフェースというのは、非人格的なレコメンデーション・エンジンの場合とは違った課題がありそうだ。例えば「不満」を得やすく、一度でも不信、不 […]