FoxNews.com (12/21)が「独占」として報じたところでは、HPが年明けのCES 2011にiPad対抗タブレットの新製品PalmPadをデビューさせようとしているようだ。
公式発表がないので詳細は不明だが、WebOSを搭載したこのタブレットは、市場/用途別に仕様を最適化させた複数(Foxによれば3種)のバージョンで登場し、中には大学生用も含まれるという。
PalmのオリジナルUIでiPad追撃
HPはタブレットのプロトタイプをいくつも開発しており、今年初めにHP Slateという名称でリリースさせる計画を発表していたが、Windows 7とインテル系ハードウェアをベースとしたデバイス(HP Slate 500)はようやく10月22日、$799という値付けで、主としてWindows環境を必要とするビジネス系ユーザーに向けてリリースされた。今回発表が噂されているのは、買収したPalm WebOS(ハードウェアはARM製)をベースとするPalmPadで、もちろんSlateとは別系列の製品となる。
WebOS 2.5.1を採用するPalmPadはSprint社の4Gサービスを利用できるが、それ以外はiPadと大差ないとはいうものの、フロントとリアに各1個のLEDフラッシュ付Webカメラ(1.3Mと3Mpix)、ミニHDMI ポート、USB3.0ポートが装着されている。形は角が丸いKindle型で重量は1.25ポンド(568g)。スクリーンはいくつかのタイプがありそうだが、大学バージョンは8.9インチで、大学が提供する教育用ソフトウェア/サービスに対応する。HPは2011年秋の新学期に間に合うようにリリースしたいようだ。これ以外の3つのバージョンはiPadの9.7インチに近い画面を採用すると見られている。PalmPadのリリースは、早ければ3月中とFoxNewsは予想している。
Windows系のタブレットのほかに、Palm系のタブレットを開発する必要と成算はあるのだろうか。周知のように、パーム(Palm)はかつてPDAのメーカーとして成功したが、携帯デバイスでは最も優れたUI技術を持っていた。2009年に発表したWebOS搭載のPalm Preは、パーム社の最後の製品となったが、これをHPが高く評価してタブレット製品の開発となったものだ。WebOSはクラウドコンピューティング用のOSで、開発プラットフォームはアップルが開発の多くを担っているWebKitエンジンを利用する。クラウドサービスを提供するHPとしては、これもクラウドに展開しつつあるWindowsへ環境への依存を減らすという意味もあると思われる。
PalmPadが登場することにより、タブレットのデバイス・プラットフォームは、少なくとも以下を含むことになる。
- iOS: iPhone/iPad
- Android 2.x:Galaxy Tabなど
- Windows 7: HP Slate (?)
- WebOS 2.x: HP PalmPad
- QNX Neutrino: BlackBerry Tablet OS
- Linux/Ubuntu
これだけ多くのプラットフォームが共存できるわけがないというのが旧い常識だが、ほとんどがHTML5、CSS、JavaScript、SVGなどを含むWebKitを共用できるようになっているので、<インタフェースは共通、実装・実行環境のみが異なる>という理想的な環境があり、理論的には開発者やアプリケーションがマルチデバイスに対応することは問題がない。2011年は、面白いレースが期待できそうだ。◆ (12/23/2010)
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