アメコミ・ヒーローが日本を救う!

米国コミック界で日本の被災者救援・復興支援プロジェクトが立ちあがっている。地震の翌週にはスタートしたJAPAN NEEDS HEROESは、元コミック作家でレッド・ジャイアント・エンターテイメント(本社フロリダ州クレアモント)を経営するベニー・パウエル氏の提唱で始まり、著名コミック作家が寄稿して編集・発行する予定の同名のアンソロジーを一般に予約販売、印刷費・郵送料などの実費を除いた収益金をJapan Societyを通じて日本の震災復興に寄付するというもの。この歴史的プロジェクトに参加を希望する作家の作品をもれなく掲載する方針だが、印刷版と電子版の両方を出すため、前者についてはスペースの制限(1~4ページ)がある(応募要領参照)。募金目標は10万ドルで、4月27日現在で1万5,000ドルを超えている。

スパイダーマンの大御所からWebコミックの新進までのフルキャストで協力

4月7日のパウエル氏のブログは、スパイダーマンやハルクなど、日本でもおなじみのヒーローの作者でアメコミの大御所スタン・リー氏(Stan "The Man" Lee=写真)が快諾、「私たち全員で協力しないわけにはいかない」と言ってくれた。メッセージはすぐに有名無名のクリエイターに広がり、ピーター・デイビッド、ラリー・ハマ、マイク・デオダードなどのビッグネームが参加を表明した。またスタン・リーが関わるマーベル社やDC社をはじめ主要なコミック出版社のすべてが協力することになった。もちろん、印刷本だけでなく、Webを中心に活躍し、全世界に数百万人のファンを持つ作家たちも参加を表明している。タロル・ハント、ジゼル・ラガス&デイブ・ゼロ1、クリス・クロスビー&オウェン・ジエニ、T.キャンベルなど。原稿の締切は5月1日。

米国では、クリエイターが作品を寄稿するこうしたプロジェクトを支援する「基金プラットフォーム」が存在しており、今回の企画では、Kickstarterのサービスを利用している。JAPAN NEEDS HEROESは、フルカラー200~250ページで、ハードカバー、ソフトカバー、電子版(PDF)の3つの形態で発行される。5ドル以上でPDF版、25ドル(米国外は35ドル)以上でソフトカバー版、50ドル(同60ドル)以上でハードカバー版を入手することができる。電子版は“コミック界のKindle”コミックソロジー(comiXology)が協力し、オンライン配信も行う。

パウエル氏は徳島出身の日本人女性と結婚し、子供も日本国籍を持つなど日本とは縁が深い。コミック界の名門出版社マーベル社(2009年にディズニーが40億ドルで買収)からコミックサイトのcomiXologyまで幅広い人脈を持つ。コミックは他のジャンルに比べ、テーマ、コンセプト、感情や暴力表現、キャラクターの使用などで難しい問題が多い。まして個々の作家の個性と編著としての一貫性を両立させるのは簡単であるはずはないが、パウエル氏はそうした困難で歴史的な事業を背負っている。 (04/27/2011)

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  1. […] ラウド型資金公募プラットフォームは、出版プロジェクトにも使われ始めている(たとえばこれ)。日本でも現れるだろう。 (05/03/2011) (No Ratings Yet)  Loading … Filed Under: Technologies […]

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