WebページをePUB形式に変換するクラウド・ベースのePUB変換ツール、dotEPUBは最近機能を更新した(v.0.6.0)。画像をそのまま移行できるようになったのが最大の改善点。iPad、iPhoneに対応させたが、他方でIEには対応せず、Chrome Extensionのマック版は使えない。読みかけのWebコンテンツをePUBにしてiPad/iPhoneを含むリーダで読むにはとても便利だ。日本語は実験していないが、少なくとも作業用のファイルとしては役立つと思われる。dotEPUBは、読者用にブックマークレット、コンテンツ製作者用にウィジェット、開発者用にAPIを提供している。
オンライン・コンテンツのオフライン化:必然だが驚異
dotEPUBを使うには、ブラウザにウィジェットをドラグ&ドロップでインストールするだけ。あまりに簡単なのでショックを受けるほど。Web管理者用のスクリプトもあり、サイトに貼り付ければ、ユーザーはページをそのまま自由にEPUB化できる。これはオンライン・コンテンツのオフライン化、ユーザーによるコンテンツ保有を意味し、少なからぬ影響を市場に及ぼすことになろう。ePUBの実体は、XMLで記述されたHTMLコンテンツ(XHTML)とスタイルを記述したCSSであり、組版やレイアウトは後者で扱う。print.cssを使えば印刷用ページに、ブラウザ用のCSSにすればE-Bookになるだけだ。技術的には当たり前のことなのだが、オンラインとオフラインの境界消失は、ユーザーよりも出版業界にとっての衝撃となるだろう。
WebページをPDFに変換してくれるツールはすでに一般に使われ始めている。WordPressなどのCMSからEPUB変換してくれるツールもある。dotEPUBが画像まで扱えるようになったことは、WebとE-Bookの垣根がほぼ完全に取り去られることを意味する。なお、このツールはハビエル・バドサ氏の個人プロジェクト。 ◆ (04/28/2011)