ビッグバンで多様化する米国市場

BEAに隣接してNYで開催されたIDPFのDigital Bookカンファレンスでは、米国の市場動向が、ユーザーやプラットフォームなど様々な角度から紹介され、また出版関係者がE-Bookで直面する課題について、活発な議論が交わされた。また今回は講談社(電書協)の野間氏、ボイジャーの萩野氏をはじめ少なからぬ日本人関係者が参加し、発言したことも特筆すべきことだろう。筆者は参加していないので、Book Businessの取材記事などに基づいて、間接的に得られた情報をごく大ざっぱに紹介、コメントしていきたい。

E-Bookに高い満足度

出版シンクタンク(BISG)の最新の調査データが実施会社のアナリストから発表された。これは750名の消費者を対象に60の質問に答えてもらう四半期毎の調 査(直近は今年1月)と、1500名の学生を対象にした年2回の調査をもとにしたもので、これと出版関係者のディスカッションを通じていくつかの興味深い 傾向を知ることが出来る。調査を担当したスティーブ・パーシア氏によると、E-Bookの満足度はかなり高く、アマゾンなどが問題にしている価格さえ「とても満足」と「満足」を加えた数字で77.3%に達した。消費者が重要と考えているのは、手ごろさ(75%)、可読性、入手の容易さ、携帯性(各70%+)、スピード(60%)で、検索やエコを重視するのは35%あまりだが、後者は増加傾向にある。デバイスごとの満足度ではKindleが最も高く75%。Nookが70%、iPadが60%と続いた。やはり読書端末としてのKindleの評価は高い。

アマゾンのシェアは、2009年11月の50%からさらに上がって65%に達したが、Nookも「健闘している」。アップルはiPadの圧倒的成功にもかかわらず伸び悩んでいる。このあたりは昨年末から顕著になってきた傾向だ。一昨年末の時点ではSony Readerがまだ重要な存在だったが、市場が加速した期間に大きく遅れて存在を小さくしてしまった。コンテンツ・ベースとマーケティング力、つまり本の読者と売り方を知っているかどうかで圧倒的な差になったものと思われる。B&Nは「シェア25%」と称しているが、アマゾンと合わせると残りは10%あまりしかない。次の調査でGoogleがどこまで食い込めるかというところ。

高等教育市場の学生では教科書の価格への不満が大きく(妥当と考えるのは33%)、中心的なコースしかテキストを購入しない傾向が見られる(30%)。デバイスはPCやラップトップがタブレットなどを大きく上回っている。機能と価格が改善されないと簡単には動かないようだ。

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