アガルワル氏(写真左)はKindleのエコシステムが拡大するにつれて、KindleユーザーはE-Bookだけでなく、定期購読、ハードウェア保証や本以外のメディアコンテンツ、クラウドサービスを利用するようになっている点を重視している。これはKindleのエコシステムがKindleリーダを超えてすべてのプラットフォームに広がっていることによるところが大きい、と彼は見ている。Kindleはコンテンツとサービスを販売するための手段のひとつであって、それ以上ではないという見切りは、もちろんアップルやソニーなどには見られないものだ。
とはいえKindleは売れている。ケアリスは2008~2012年のKindleの販売台数と金額を推定/予測している。それによると、Kindleデバイスの販売は、2008年に24万台(4,083万6,000ドル)、2009年に217万5,000台(2億7,773万1,000ドル)、2010年は605万台(14億7,737万7,000ドル)、2011年には931万3,000台(17億3,669万4,000ドル)、2012年には1,251万6,000台(21億4,104万5,000ドル)である。Kindleは年間販売台数よりもオンラインで利用可能な台数(“設置”台数)が意味を持つデバイスだが、これも見積もっており、2010年に849万台、11年に1,753万5,000台、12年にはじつに2,960万台である。このデバイス1台につき、E-Bookの平均購入刷数は15冊前後、平均価格は10ドル弱なので、年間150ドル近くの売上が上がる。
Kindleデバイスが売上げるE-Bookの金額は、2008年の3,000万ドル足らずから、4億3,876万ドル(2009)、13億5,704万ドル(2010)、26億2,769万ドル(2011)、37億2,550万ドル(2012)と拡大していく。これにアプリと定期購読、アクセサリ、その他が加わってKindleのエコシステムを構成するが、ケアリスは新聞・雑誌・ブログの定期購読売上について、2010年に2億9,715万ドル、11年に7億3,649万ドル、12年には14億5,042万ドルと急成長を予測している。アプリについては2,997万ドル(2010)から5,994万ドル(2012)までしかみていないが、Kindleじたいがアプリに適したデバイスではないので、こんなものだろう。
[…] 「Kindleエコシステムとビジネスモデルの全貌 (後編) 」、鎌田、EBook2.0 Magazine、05/12/2011(♥会員向け) (No Ratings Yet) Loading … Filed Under: Book Industries, Content Business Tagged With: Kindle, ア […]