iPad有料メディアThe Dailyは多難なスタート

ニューズ社の第3四半期決算は、出版部門の減益で芳しくはない数字となったが、その中で、鳴り物入りで登場したiPad向け日刊メディアThe Dailyの最初の四半期が、80万のダウンロードと1,000万ドルの赤字だった、とPaidContentが伝えた。損失はほとんど初期費用と有料期間の短さ(1ヵ月と少々)によるもの、と同社のスポークスマンは述べているが、無料試読から有料購読への移行率などの詳細については明かしていない。たしかに時期尚早だが、ダウンロードが少なすぎるのが問題だろう。有料の総合紙を創刊することの難しさに加え、iPadと出版との不整合の兆候が表れている。

チェイス・ケアリー社長は「現在出ているニュースアプリの中では最もダウンロード数の多いもののひとつだ。これは進行中のプロジェクトで、われわれは技術を実証しコンテンツを改善している。タブレット市場はまだ揺籃期にある。」と述べている。しかし、技術的、内容的に改善はされたとしても、企画の妥当性(もちろん商業的な意味での)を実証するのは容易ではない。1,500万台の潜在市場はいまだ眠ったままだ。iPadが有料ニュースを運ぶデバイスとして有効であるためには、コンテンツがiPadオーナーとライフスタイルに強い結びつきを確立できなければいけないはずだが、そうしたものはいまだに感じられないし、独占企画・シリーズ記事、ユニークな執筆者もない。いや、そもそもiPadオーナーにニーズはあるのだろうか。  (05/10/2011)

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