ゴランツがSF Gatewayで既刊本復刻シリーズ企画

前号でSF百科事典プロジェクトについてお伝えした英国オライオン社のSF&Fブランド、ゴランツは7月19日、SF専門のE-BookWebサイト、SF Gatewayを今秋スタートさせることを発表した(→リリース)。同社の既刊本のほか、数千点もの古典的なSF作家の絶版本をE-Book化して販売することを目ざしており、当初は1,000点でスタート、来年末には3,000点、2014年には5,000点以上を揃える計画。もちろん、これにSF百科事典第3版(オンライン版)がコンテンツとして加わることになる。

SFエンサイクロペディアとリンクし、絶版を含む既刊本を発行

ゴランツ社はさらにゲートウェイをSFファン・コミュニティのハブとする計画で、フォーラム、ブログを提供し、コンテンツの販促、コンテストなどを行うことになる。予想通り、ゴランツが「百科」を引き受けたのは、SFのハブ・サイトとして、ソーシャルメディアを組合せ、広汎な絶版タイトルを含めたコンテンツの復刻販売を行うためだった。これはアマゾン出版のSFブランドなどに先行するもので、SFのトップブランドとなる意思を明確にしたことになる。リファランスとしてのSF百科事典とGatewayは直接リンクし、E-Bookへのアクセスを容易にするが、直販はせず、コンテンツは主要なオンライン書店で発売される。

ゲートウェイを統括するゴランツ社のデジタル出版責任者、ダレン・ナッシュ氏は、「復刻」プロジェクトについて、同社の看板である傑作選のThe Masterworksシリーズに収録された著者の数多くの絶版作品に読者がアクセスできるようにするものだ、と意図を語っている。可能な限り完全なリストを作成するという。すでに契約済みの作家のリストにはマリオン・ジマー・ライス、エドガー・ライス・バロウズ、アーサー・C・クラーク、フィリップ・K・ディック、フランク・ハーバート、アリス・B・シェルドン、ロバート・シルヴァバーグ、ケート・ウィルヘルム、コニー・ウィリスを含む100人近くがあげられている。

オライオン社のマルコム・エドワーズ発行人は、「出版社は、デジタル革命によって生まれた課題とチャンスに想像力をフルに使って応える能力を示す必要がある。とくに過去の作品についてはそれは言える。SF Gatewayはそのための解の一つだ」とし、これが既刊書復刻のモデルなることを期待していると述べている。リリースには、アリステア・レイノルズ、パット・キャディガンの二人の作家のエンドースが載っているが、いずれも「これこそ待ち望んでいたもの」と絶賛している。

SF Gatewayには、最新のWeb標準であるHTML5、CSS3がフルに使われ、モバイルとデスクトップ環境に対応している。エンサイクロペディアともども、ロンドンのデジタルサービス・エージェンシー、STEEL社が開発にあたっている。この会社は、AOL、BBC、FT.comなどを顧客に持つ、有数のWeb開発企業である。  (鎌田、07/21/2011)

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