「突然のベストセラー」に即応したE-Book

サイモン&シュスター社が7月12日に刊行した、誘拐事件の被害者ジェイシー・ダガードさんの回想『盗まれた人生:ある思い出』(A Stolen Life)が、1日の売上としては最高の17万5,000部に達し、うち半分がE-Bookであったことが明らかになった。出版社側としては予想外で、特別なマーケティングや販促の体制を取っていなかったが、ABCによるTVインタビューが放映された直後から予約が殺到し、現在アマゾンのトップ100で首位を快走。米国の関係者は、即時性とアクセス性というE-Bookの利点が実証された事例として注目している。デジタル版を同時発売することの優位を実証するものでもある。

2009年にカリフォルニア州アンテイオックで起きた、11歳の少女が18年間にわたって中年夫婦に誘拐・監禁されていた異常な事件は、被害者が監禁中に二人の娘の母になっていたこともあり、全米の話題をさらった(犯人のフィリップ・ガリードは懲役431年で服役中)。回想書の出版は5月に発表され、ABCが7月10日にインタビューを放映(ビデオ)。人々の記憶を呼び覚ますとともに、逆境の下で強く生き抜いた彼女の言葉と人柄が強い感動を呼び、5年間の小学教育しか受けていない彼女が、ゴーストライターの手を借りずに綴ったという回想に注文が殺到することになった。アマゾンのランキングでトップに躍り出たことは言うまでもない。

本書のアマゾン価格は、ハードカバーが$13.74(定価$24.97)、E-Book版が$11.99、オーディオブック版が$17.54($20.28)で、B&Nでも同じ価格で売られている。ベストセラー狙いの場合は、当然10ドル以下で売られていたはずだ。  (07/19/2011)

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