ソニーが8月にSony Reader新モデルを米国で発売

ソニーがタブレットの発売に先立って、Sony Readerの新モデルを来月、米国でリリースするとブルームバーグのインタビュー記事が報じた(7/14)。専用リーダとタブレットの両建てとするのは、B&Nやアマゾンなどと同じで、これが米国業界のコンセンサスというところだろう。2009年時点でアマゾンに次ぐシェアを有していたものの、その後の市場の急拡大に対応できず、順位を落として雌伏を余儀なくされてきたソニーの挽回があるかどうかが注目されている。

iPadの影に驚き、E-Book革命を生かせず

ソニーがReaderの新製品を躊躇していたのは、タブレットと専用機の関係を見極めるのに時間を要したためと見られる。つまり、iPadが爆発的に売れ、エージェンシー・モデルがE-Book市場も変える中で、価格競争が必至の電子ペーパー製品を出すことに意味があるのか、というメーカーらしい疑問が拡大し、ビジネスの方向性を見失ったのかも知れない。結果的に、Kindleなどの専用機はE-Book市場との強い結びつきを保ったまま、普及率を急速に高めた。タブレット(というよりはiPad)も確かに売れたが、E-Bookというコンテンツでは専用機を逆転することはなかった。

ブルームバーグは、Pew Researchの最近の調査の数字を挙げて、書籍リーダを保有する米国人が、昨年末からの半年間で倍増したことを紹介しているが、ソニー・エレクトロニクスのルベル副社長は、これが主としてKindle ($114~)とiPad 2 ($499~)の価格差に由来し、この価格差が変わらない限り、専用機にもまだ拡大の余地があると考えているようだ。ソニーの新しい戦略は、したがってSony Readerでベーシックな読書ニーズに応えるとともに、年内に発売するS1とS2の2種のタブレットで、マルチメディアを含む拡張ブックアプリに対応するものとなる。後者では、PlayStation Suiteをダウンロードして実行することが出来る。3Dディスプレイ版も12年4月には投入する。

ハード的にユニークなスペックを持つタブレットは、当然価格が高くなり、PSのゲームを最大の強味とすることになるのだろう。電子ペーパー版の新製品については、価格を下げたタッチスクリーン製品とみられる。それにしても、荒廃していたコンテンツ・プラットフォームが容易に復活できるとは思えない。iPadを見極めるのに1年以上もかけてきたのは、信じられないほど遅く、2009年時点で好位置につけながら、その後に起きた米英での「E-Book革命」を逃したのは残念というほかない。 (鎌田、07/19/2011)

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